羊の国、ニュージーランド。自然に囲まれたのどかな国というイメージがあるかもしれませんが、大きな街もあり、スーツを着て働いているビジネスマンもたくさんいます。
私はそんなニュージーランドで、2人目の子供ができるまでリフレクソロジスト・マッサージセラピストとしていくつかのお店で仕事をしていました。自分で関連のビジネスをしていたこともあります。
ここでは、ニュージーランドでのマッサージセラピストの仕事についてご紹介します。
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ニュージーランドでマッサージ関連の仕事を探す
この仕事は特殊なスキルにはなりますが、ニュージーランドでは特に資格は必要ありません。身体に触るお仕事ですが、医師や鍼灸師などのように長い時間とお金をかけて勉強し資格を取る必要はないのです。
ニュージーランドの街のショッピングモールなどでも、お店でちょっと習っただけの人が働いていたりします。そのため、マッサージが好きで適性があれば、仕事を見つけることは比較的簡単かもしれません。
知識と経験があればすぐにでも雇ってもらえる
私の場合、日本の学校でリフレクソロジーとボディ・ケアの勉強をし、1年間日本で働いてからニュージーランドにワーキングホリデービザで渡航しました。
渡航当時は英語がほとんど話せなかったのですが、温泉リゾートのオーナー(日本人女性)に直接コンタクトを取り、履歴書(CV)を送りました。すると、持っていた知識と経験を買われ、すぐに雇ってもらえたのです。
この温泉リゾートには当時、マッサージのサービス自体がありませんでしたが、ちょうど始めようとしていたところに私が飛び込んで声をかけたらしく、トントン拍子に話が進んだ覚えがあります。
アジアンマッサージの珍しさも成功の一因
それ以降、他の土地でもマッサージのお仕事をしましたが、日本でマッサージの経験があることを言うとすぐに雇ってもらえました。
当時、ニュージーランドではアジア系の強めのマッサージが珍しかったことや、「日本人女性はマッサージが得意」という先入観があったおかげかもしれませんね。
ニュージーランドでのマッサージセラピストの仕事内容
- 接客 (カウンセリング、足裏へのリフレクソロジーやボディマッサージの施術)
- お店の清掃、タオルやシーツの洗濯
- 顧客管理 (カウンセリングシートへの記入内容をデータ入力)
- 場所によっては受付業務(予約の管理など)
日本のサロンの忙しさに比べたらびっくりするほど暇で、お店の従業員もリラックスしています。
でも、なにせ受付のスタッフとも、お客さんとも、やり取りは全部英語。観光大国であるため世界中から色々なお客様がいらっしゃり、英語の訛りも様々でした。英語自体がまだよくわからないのに、訛りまでついてくることに対しては、自分でも頑張ったかなあと思います。
でも、英語がわからなくても、マッサージのスキルには多少自信があったので乗り越えられたのかもしれません。日本にいたときに身につけた経験や知識はとても大事だったと常に感じていました。
ニュージーランドで働くマッサージセラピストの給料事情
どこの国でも同じですが、ニュージーランドで働く上でもとっても大事なのがお給料。これはお店によって違います。
ニュージーランドでは、有給休暇をHoliday Pay(ホリデーペイ)といいます。どんな雇用形態で働いても、この有給休暇は働いた時間によってもらえるようになっています。
最初に働いた温泉リゾートでの待遇
- 正社員
- 隔週払い
- 完全出来高制
- 銀行振込 (銀行指定なし)
- 賞与なし
- 敷地内住み込みだったため住居・食事込み(給料から天引きされるも、実質無料)
- 有給休暇あり
湖近くの観光地にあったスパ施設内での待遇
- 正社員
- 隔週払い
- マッサージ業務時間給+待機時間給
- 銀行振込(銀行指定なし)
- 賞与なし
- 住居手当なし、交通費なし(歩いて行ける距離でした)
- 有給休暇あり
大きな街の中国系サロンでの待遇
- コントラクター(契約社員)
- 月毎に請求書を提出し、月払い
- マッサージ業務時間給+受付業務時間給
- 銀行振込(銀行指定なし)
- 賞与なし
- 住居手当なし、交通費なし
- 有給休暇なし(自分のビジネスとしてやっていたため)
このように並べてみると、どこも「賞与なし」なんですが、がっかりしないでください。私は個人的に引っ越しが多く、数ヶ月単位で移動していたため、このような待遇だったのではないかと思います。大きな会社で長期で働くようであれば、賞与もあるはずです。
なお、以前マッサージ以外の仕事をしていたときに銀行手形でお給料をもらっていたこともありましたが、今はもうほとんどが銀行振込です。特に銀行の指定がないのは、インターネット取引だとどの銀行でも振込手数料がかからないからだと思います。
経験と出来高により高給の可能性
経験などにもよりますが、マッサージ業に携わる人はなかなかの高給取りです。
出来高制の職場では、お客様が払う半額をもらうことができたので、時給30ドルから40ドルでした(約2,400~3,200円、当時の最低賃金8ドル〈約650円〉)。しかも、たまにですが、うれしいおひねりもあります。
出来高制の場合、お客様が来ないとお給料がもらえないという短所もありますが、技術職なので給料交渉することが可能です。待機時間分も支払ってもらいたい、完全時給制にしてほしいなどの希望を面接の時に伝えておくといいでしょう。
※1NZドル=約81円(2017年3月)
業務提携という働き方も
最後の中国系サロンで働いていた時は、雇ってもらっていたというのではなく「独立した会社同士」として契約を結び、お仕事をもらうという形でした。宣伝や予約管理はオーナーがやってくれるのですが、税処理などは自分で確定申告をしていました。
ニュージーランドでマッサージセラピストとして働く良さ
- 英語が少ししか話せなくても技術があれば働けて、それなりにいいお給料がもらえる(ワーキングホリデー時代、周りの友達が最低賃金で働いていたのに、1人で彼らの倍以上儲けていました)
- 個室で1対1で長い時間話すことになるので、英語の勉強になる
- 何かのお礼にマッサージができる
- 特別な資格が要らず、こちらに来てから習うことも可能(もちろん日本で習って来た方が仕事は見つかりやすく、お給料も違います)
- 場所があればいつでもどこでもできる(マーケットなどにも出店可能、デリバリー・マッサージ・サービスもあります)
- ニュージーランドでは起業が簡単で、税金の処理さえちゃんとしていればマッサージ業に関しては特に許可も必要ないので、自分の部屋を使ってビジネスができる
- 世界中からの疲れたお客様を自分の手で癒すことができる
よく日本人の方に、「外国人って肩凝らないんでしょ?マッサージなんて流行るの?」なんて聞かれたりするのですが、彼らも日本人と同じように肩が凝ったり腰を痛めたりしています。ストレスレベルだって負けていません。自然いっぱいの国でもリラクゼーション、マッサージはみんな大好きです。
しかし、ニュージーランドで行われているマッサージの主流はスウェディッシュ・ マッサージなので、アジア系の少し強めのマッサージをするお店が少なく、その方が好きという方が多いのです。
お客様の喜ぶ姿が宝物に
ちょっといかつい顔の大きな中東系の男性が、施術後にとてもかわいい笑顔で「ありがとう、小さいのに強い手だね。気持ちよかったよ」と言ってくれたこと、また、疲れてイライラしている感じだったアメリカ人の女性が「素晴らしかったわ〜。あなたを持って帰りたいわ〜」と言ってチップをくれた思い出は、今でも私の宝物です。
ニュージーランドでマッサージセラピストとして働く大変さ
- 日本人より身体が大きな人が来ることが多いので体力が必要
- 英語が全くわからないと厳しい。最低でも中学卒業レベル程度の英語力があることが望ましい
- 1対1の接客業なので、ハッタリでも自信が必要
- 出来高制のところが多いので、お客さんが来ないとお給料がもらえない
- 孤独な作業も多いので、自己判断や交渉などをしなければならない場面がある
大変なところをいくつかあげてみましたが、どれも乗り越えてしまえば自分の成長につながると思います。私も全ての出来事、人々との出会いが自分の血となり肉となっている気がします。
まとめ~日本で技術を身につけておこう
身長150cm以下と小柄で英語力もそこそこだった私でもできたように、ある程度の技術と度胸があれば、大きな外国人相手に堂々と海外で働いて生活することが可能です。
最後に、これは自信を持って言えますが、技術が求められる仕事に就きたい場合、その技術をできるだけ日本で磨いてから行った方が楽です。世界でも最先端の技術を持つ日本で習って来た・働いていたと言うと、職種を問わず歓迎されます。
無事に就職が決まれば、その期待を裏切らないよう謙虚に努力することも大事ですよ。
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