旅行、留学などさまざまな理由でニュージーランドへの渡航を考えている方々が気になることの一つが、日本の電化製品って海外ではそのまま使えるの?それとも使えないの?という点。
ここでは、ニュージーランドのコンセント事情や変圧器の必要性、変圧器以外に必要なもの、そして実際に現地在住者が変圧器を使用している例なども併せてご紹介いたします。
日本とニュージーランドのコンセントの違い
日本のコンセントとニュージーランドのコンセントには、大きな違いが2点あります。
1点目は電圧が異なること。
日本では100Vという電圧を使って電化製品を使用しますが、ニュージーランドでは約240Vという電圧を使用します。
なお、電圧のほかに、周波数というものも日本とニュージーランドでは異なりますが、日本の製品をニュージーランドへ持ち込んで使用する場合には問題になることはありません。
2点目は、コンセントプラグの形状が違うこと。ニュージーランドのコンセント差込口の形状は、次のようになっています。
この2点については、日本から持ち込んだ電化製品を使用するためには必ず注意しなければならないポイントです。日本の製品をそのまま使うことはできません。特に1点目の電圧が異なるという点については、場合によっては重大な事故の可能性もあり、大きな危険も伴います。
では、具体的に何がどのように違うのか、どのような危険が考えられるのか、具体的に何をどう確認すれば危険が避けられるのか。筆者が体験した実例も交え、順に詳細を説明していきます。
ニュージーランドの電圧について
先に述べた通り、コンセントの電圧は日本とニュージーランドでは大きく異なります。この「電圧」という言葉にはあまりなじみがないかもしれません。
差込口にコンセントを差し込むというのは、水道の蛇口にホースをつないで水を流すようなもの。水のようにコンセントのコードの中を電気が流れてきます。
この電気が流れてくる時の「電気の勢いの強さ」のようなものを「電圧」といい、その勢いが日本と比べてニュージーランドの方が強いのです。
日本の電圧は約100V(ボルト)、そしてニュージーランドの電圧は約240Vとなっており、電気の流れる勢いが日本の2倍以上なのです。
基本的に日本で売っている製品は、100Vの電気がコンセントから流れて入ってくることで正常に動くように作られています。つまり、日本での100Vという電圧のコンセントで使用することを前提として製造、販売されています。
そんな製品に、通常の100Vの2倍以上である240Vというすごい勢いの電気がドバッと入ってきたらどうなるか。
これはその製品ごとに異なりますが、そのまま正常動作するものもあれば、入ってきた電気の勢いが強すぎて壊れることもありますし、最悪の場合は火や煙が出ることもあり得ます。
そんな危険な目に遭わないためにも、製品ごとにそのまま使用できるのかどうかを必ず確認しするようにしなければなりません。
製品ごとに使用可能な電圧を確認する
ニュージーランドでの240Vという電圧で、日本から持ち込む電化製品が使用可能なのかどうかについては、実はとっても簡単に確認ができます。
日本で購入して、日本でしか使用しない環境の中では、なかなか意識することはないことかもしれませんが、電化製品には必ず使用できる電圧が表示されています。身の回りのもので表示されているものをいくつかご紹介します。
まず、携帯電話の充電器からいきましょう。
この写真、警告欄の「次のことはしないでください」という項目の中に、「100~240V以外での使用」とあります。
100~240Vの電圧以外では使用しないでくださいということなので、つまり240V(ニュージーランドでの電圧)で使用しても良い、ということになりますね。上部には親切に「国内/海外共用」とも書いてくれています。
これはauの携帯電話の充電器ですが、他社の携帯電話やiphoneを利用されている方も、必ず実物を直接ご確認ください。全く同じではないかもしれませんが、似たような表現が書いてあれば大丈夫ですのでご安心くださいね。
次は、成人男性の皆様がよく使用している電気カミソリの充電器です。
INPUT AC100-240Vと書いてあるので、こちらもそのまま使用可能ということになります。
つづいて、充電式の電池の充電器です。
これまでの2つとは違い、INPUT AC100-120Vとあります。100から120Vの範囲内の電圧で使用してください、という意味なので、これは「ニュージーランドの240Vではそのまま使用してはいけない」ということになります。
では、この充電器をニュージーランドで使用することはできないのかと言えば、そんなことはありません。こういう時のために変圧器という便利なものがあります。
電圧を変えることができる変圧器
120Vまでの電圧でしか使用してはいけない、つまり240Vでは使用できない、という製品をニュージーランドで使用するためには、変圧器と呼ばれるものを使用します。
こちらの変圧器は入力電圧、つまり壁の差込口からの電圧ごとにダイヤルを回して設定するタイプで、写真では240Vに設定してあります。
240Vの電圧でこの変圧器を使用すると、この変圧器から100Vの電圧が出力される、つまり出てくるという状態。
この状態にてニュージーランドで変圧器を使用すれば100Vの電圧の電源となり、上記「INPUT AC100-120V」と記載された充電器のコンセントプラグをこの変圧器へ差し込むことで、ニュージーランドで使用できるようになります。
また、もっと表示がわかりやすい変圧器もあります。
こちらはわかりやすく、220-240V→100Vと書いてありますね。つまり、ニュージーランドの240Vの電圧を、日本用の電圧である100Vに変えることができますよ、ということです。
また、変圧器には定格容量(VA)が表示されており、この容量内にて電化製品を使用しなければなりません。
この定格容量、簡単に言えば「一度に使ってもいい電気の量の限度」とでもいうのでしょうか。変圧器の定格容量(VA)とは、電化製品の消費電力(W)と非常によく似ているのですが、同じではないので注意が必要です。
例えば、一つ目に例にあげた変圧器の定格容量は1.7KVA=1700VAとあります。
少しわかる方だと、単純に定格容量1700VA=消費電力1700W分の電化製品が使用できそうに思いますが、そうではありません。
髭剃りやパソコンならあまり問題ないとされていますが、特にドライヤーや炊飯器、電子レンジなどの熱製品やモーター製品については、一般的には定格容量1700VAでは消費電力1700Wも使用することはできません。
※ここでは簡単に使い方をご紹介しましたが、個々の変圧器の使用方法、家電製品の使用法については、必ず取り扱い説明書および製品仕様書などを確認してください。
わからない場合は、使用したい電化製品を想定した上で、変圧器購入時にお店やメーカーなどへ問い合わせて必ず確認をしてください。
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日本の家電を使うには、ニュージーランドの電圧に対応しているものか、変圧器が必要です。
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ニュージーランドのコンセントの差込口形状の違い
電圧のことを理解できたとしても、実はまだ日本の製品をニュージーランドで使うことはできません。なぜなら、コンセントプラグを壁のコンセント差込口に差し込むことができないからです。差込口とコンセントプラグの形状が違うのです。
形状が違う、と言われてもなかなかイメージしにくいと思うので、次の写真を見てください。
わかりますよね?
左の縦棒2本のものが日本の一般的なコンセント差込口で、右のハの字になっているものがニュージーランドです。大きさはほぼ同じなんですが、こんなにも形が異なります。
また、ニュージーランドの差込口のすぐ隣には、差込口それぞれのon・offのスイッチもついています(写真の場合は、上のオレンジ色のポッチ?が見えている状態がonです)。
差込口の形状が全く異なるということはつまり、日本から持ち込んだ家電製品のコンセントプラグを部屋の壁にあるコンセントに差し込もうと思っても差し込めない、ということになります。
これも写真を見てもらった方が早いと思うので、ご覧ください。
日本から持ち込んだ製品についている通常のコンセントプラグは、ハの字になっているニュージーランドのコンセント差込口にそのまま差し込むことはできないことがわかっていただけたかと思います。
プラグ先端の形を変える変換アダプター
では、日本から持ち込んだ製品は全く使うことができないのか?と言えばそんなことはないのでご安心ください。コンセントプラグの形状は変えることができるのです。
正確に言えば、形を変えるための変換アダプターというものを使うことによって、プラグ先端の形状を変えることができます。
変換アダプターというのはこんなものです。
この変換アダプターの使い方はとっても簡単。日本から持ち込んだ製品のコンセントプラグに取り付けるだけです。
たったこれだけで、日本の製品のコンセントプラグをニュージーランドの壁の差込口へ差し込める形状へと変換する、つまり形状を合わせることができるのです。
このようにコンセントを変換アダプターに差し込むことで、コンセントプラグの形状を変えることができるなるので、差込口へと差し込むことが可能になります。
このアダプターのようなものは、日本で簡単に手に入れることができます。海外旅行用品を扱っているお店などであれば、売っているのではないでしょうか。
ただし、ニュージーランド以外の国では差込口の形状がまた異なり、日本で販売されている変換アダプターにも多くの種類があります。ニュージーランドで使用できるタイプはOタイプやO形などと呼ばれるものです。
間違えて違う形状を購入してしまうと、せっかく持ってきてもコンセントが使用できないばかりか、余計な荷物も増えてしまいますので、くれぐれもご注意くださいね。
形状を間違えることなく変換アダプターを準備すれば、コンセント差込口へプラグを差し込むことができます。
ですが、つい嬉しくて急いで何も考えずにそのまま差し込んでしまうと製品が壊れたり、住宅内のブレーカーが落ちたり、最悪の場合は発火してしまったりする可能性があります。
くどいですが、1点目の電源電圧の違いについての確認をしてから、コンセントを差し込むようにしてください。
実際に筆者自身もつい先日、知人宅で知人がそのまま差し込んでしまい、製品から煙が出るという恐ろしい光景を目の当たりにしました。
幸い、ブレーカーが作動して事故等には至りませんでしたが、部屋は煙でいっぱいになり非常に危険な状況になりました。
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90V~240Vを100Vに変換するので、海外でも日本の家電製品を使えます。
現地在住者が実際に変圧器を使用している事例
実際どのような電化製品に対して変圧器を使用しているかを、友人知人4家族に聞き取りしてみました。
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバくん” type=”l icon_blue”]日本から送ってもらった炊飯器を使用するためだけに変圧器を使用している。(Aさん宅)[/voice]
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバくん” type=”l icon_blue”]日本から持ち込んだ充電式乾電池の充電器を使用するためだけに変圧器を使用している。(Bさん宅)[/voice]
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバくん” type=”l icon_blue”]日本から持ち込んだホットプレートを使用するためだけに変圧器を使用している。(Cさん宅)[/voice]
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバくん” type=”l icon_blue”]念のため変圧器を持ってきたけど、結局1回も使用していない。(Dさん宅)[/voice]
個人的な感想ですが、こうしてみると変圧器の必要性ってそこまでないような気がします。
しかし考えなければいけないのは、現在日本で使用している電化製品をどうしてもニュージーランドで使用したい場合。
または、日本製の電化製品を取り寄せてでも使用したい、なおかつその製品の使用電圧が海外対応ではない、というときには変圧器は必須ということになります。
ニュージーランドへ持っていくと便利なもの
そのほか、日本から持っていくと便利なものは「もう用意した?海外へ行く準備を便利にするおすすめ小物9選」にて紹介しています。
まとめ
私も初めて海外に行くときにはインターネットで調べ、電圧が違うと知った時には変圧器が必要なのか?と思ったものです。
日本で使用するための電化製品を海外で使うということは、ただ数値が違うとか形が違うということだけでなく、そこには大きな危険が潜んでいるという認識も必要です。
とはいえ、どうしても持ち込みたい電化製品があるのであれば、変圧器の使用は避けては通れません。
しっかり確認して間違いの無いように使用していれば多くの場合は問題はないので、ぜひ渡航前には時間に余裕を持って確認してから準備されることをおすすめします。
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