カンボジアのホテルで働く私のタイムスケジュール〈オフィスワーク編〉

時間 カンボジアでの働き方

海外での働き方はどのようなものなのか、テレビ番組などで特集されてはいても、まだまだ想像がつかないという方も多いのではないでしょうか。

私は有名なアンコールワットがあるカンボジア・シェムリアップの現地企業のホテルでマネージャーとして働いていました。ここでは、そんな私のある一日を、朝起きてから終業まで時系列で紹介します。

オフィスワークの日とツアーに出る日で一日の仕事の流れはかなり変わってくるので、下の記事も参考にしてみてくださいね。

※1米ドル(以下ドル)=約113円

カンボジアのホテルで内勤する日の一日の流れ

勤務先はホテルでしたが、基本的な業務はデスクワークだったので、就業時間は午前9時から午後6時までとなっていました。そのうちお昼休憩は1時間なので、実働8時間の契約です。

基本的な仕事は日本人のお客様からの問い合わせ対応ですが、合間にミーティングや買い出しがあるなど業務は多岐に渡ります。ここでは、よくある一日の流れを説明していきます。

  • 8:00:起床
  • 8:30:家を出発
  • 8:50:ホテルに到着
  • 9:00:ホテルの見回りとスタッフへの挨拶
  • 9:30:メールチェック
  • 10:00:メール返信、資料作成
  • 13:00:昼休憩
  • 13:30:カンボジア人スタッフとミーティング
  • 14:00:カンボジア人スタッフとルームチェック
  • 14:30:銀行と郵便局へ
  • 16:00:レポートチェック、現金の集計
  • 16:30:会計ソフトに入力、報告
  • 17:00:日本のお客様からの電話対応
  • 17:30:予約確定分の宿泊部屋の確保、ツアーの手配
  • 18:00:退勤

これはお客様からの問い合わせ件数が少なく、かつ問題もなくスムーズに仕事が回った場合の流れで、実際には18時以降も残業になることが多かったですね。

ただ、さすがに徹夜は体が持たず周りのスタッフに心配をかけてしまうので、どんなに遅くても午前3時には帰っていました。

それでは、細かく中身を見ていきましょう。

起床(8時)〜家を出発(8時30分)

午前9時の始業に合わせ、約1時間前を目安に起床します。

頑張って化粧しても汗をかいたりスコールに当たったりして落ちてしまう上、バイクのヘルメットをかぶるため髪型のアレンジもしようがなかったので、日本に住んでいた頃よりも身なりにあまり気を遣わなくなりました

その結果、朝起きて10分で家を出ることもしばしばありました。

ただ、ホテルは24時間営業しているので、水漏れやインターネットの不具合など問題があれば朝6時だろうと電話がきます。よく電話が鳴っていたので、熟睡はできていない日が多かったです。

エアコンの電源を必ず切る

手短に準備を終わらせて家を出るのですが、このときにエアコンを消すことを忘れないようにします。カンボジアの電気代は高いので、消し忘れるとかなり後悔します。

よくあるのが、エアコンをつけている途中で停電になってしまいリモコンが効かなくなること。復旧した途端にまた電源が自動で入ってしまうので、この間に出かけることになってしまうと無駄につけっ放しの状態が続きます。

出かける予定のある朝は、コンセントをすぐ抜くことができるファン(扇風機)を使う方が安心です。

大家さんには笑顔で挨拶

玄関に鍵をしっかりとかけて、バイクで出勤します。アパートメントの1階には大体大家さんが住んでいて、朝に顔を合わせることもよくあるので元気よく挨拶します。

日頃からコミュニケーションをしっかり取っておけば、鍵穴の調子が悪かったり、虫が出たりしたときも善意で助けてくれます。

通勤途中に朝食を購入

朝ごはんを食べる余裕があまりなかったので、通勤途中でヌンパンを買うのがお決まりでした。ヌンパンとは、ものすごく硬くなったコッペパンにパテやピクルスなどが入ったもので、カンボジア人も大好きです。

結構当たり外れがあるので、カンボジア人におすすめのお店を聞くのが正解。私のお気に入りはシヴァタ通りにある、ヌンパン1個3,000リエル(約0.75ドル、約85円)で買えるお店です。

ここのおばちゃんは気が強そうでそんなに愛想はないのですが、いつもお客さんがたくさんいます。人気があるお店で売れ残りが少ないため、古くなった商品を販売している可能性が低く、何より美味しいです。

ホテルに到着(8時50分)〜見回り、挨拶(9時~)

勤務先のホテルに到着したらまずはレセプションに行き、自分がいない間にお客様の状況や施設に問題がなかったか確認します。報告があれば一緒に現場に行き、修理が必要かどうかなどを判断します。

修理をする場合も、業者に頼むべきかエンジニアでできそうかをスタッフと相談。業者に頼む場合はカンボジア人に電話をかけてもらい、高くなりそうなときは見積もりを出してもらいます。

スタッフとクメール語でコミュニケーション

その間にホテルの見回りを兼ねて、キッチンスタッフやハウスキーピング一人一人に挨拶をします。レセプショニスト以外は英語ができないことが多いので、クメール語で挨拶します。

「スースダイ!(おはよう!)」「ソクサバーイテー?(元気?)」などお決まりの挨拶ですが、毎日のコミュニケーションが大事です。たまに、カンボジア人から「オハヨ〜」と声をかけてくれたりするのがとても可愛らしいです。

メールチェック、メール返信、資料作成(9時30分~)

メールチェック

一通りホテルの見回りが終わったら、オフィスでヌンパンを食べながらメールのチェックをします。

日本側から何か指示はないか、航空券の予約期日は大丈夫か、直近のお客様はいつ来るかなどもあわせて確認し、一日の仕事に優先順位をつけていきます。

お客様からのメールには、それぞれに合わせたフライトスケジュールや見積書を添付する必要があったので、それらの資料作成も基本的に一人で行っていました。

最初はPDFってなんですか?状態の私でしたが、毎日の仕事の中でパソコンスキルが自然と身についたので、今となっては色々経験させてもらえてよかったかなと思います。

昼休憩(13時~)

仕事が一段落したら、ホテルのキッチンスタッフが作ってくれるまかないを食べます。まかないは日替わりで、レモングラスや魚のスープが多かったですね。スープが多い理由は、原材料が安くお腹がいっぱいになるからだそうです。

味は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、クメール料理は味の素を大量に使うことが基本なので、他の国の料理より馴染みがある味に仕上がります。

豚の角煮や卵焼き、バイチャー(チャーハン)など日本食とさほど差がない料理もありますが、カエルなどどうしても食べられない!という日はお茶漬けやふりかけを持参しておくと重宝します。

お米に群がる大量のアリ

カンボジアでは鍋でお米を炊くのですが、夕方頃まかないを食べようとして鍋の蓋をあけると、大量のアリがお米に群がっていることがありました。

かなりトラウマになる絵面ですがカンボジア人はあまり気にしないようで「そんなの食べられればいいじゃん」と一蹴されます。カンボジアではアリを調味料として使うので、彼らはそんなに抵抗がないようです。

ミーティング、ルームチェック(13時30分~)

毎日全員で顔を合わせることが大切だったので、よほど立て込んでいない限り毎日カンボジア人スタッフとのミーティングを行っていました。とはいっても堅苦しいものではなく、スタッフから足りていない備品を聞いたり、談笑したりする約30分です。

このときに、「みんなが見ていないところで掃除してくれてありがとう!」とか「お願いしたところを早く直してくれて頑張ってたね!」など、みんなの前で個人的に褒めてあげるようにしていました。

そうすると、みんな「見てもらえている」と感じて自分から進んで仕事をしてくれることが増える上、私自身もみんなをちゃんと見ようと意識するので、いいことだらけです。

カンボジア人の気持ちに寄り添う

ミーティングが終わったあとは、カンボジア人と一緒にルームチェックに回ります。忙しいときはカンボジア人だけで行ってもらっていましたが、日本人がいないと見ていないところで手を抜いてしまう可能性があるので、行けるときは必ず一緒です。

カンボジア人は、指示だけ出されると「自分だけやらされている」と思ってしまうようで反発してくるため、相手の気持ちに近づけるよう私も現場で体を動かすことを心がけていました。

トゥクトゥクで銀行と郵便局へ(14時30分~)

お金

日本人のお客様からのツアー代金を下ろすため、トゥクトゥク(三輪タクシー)で銀行へ行きます。ATMの場合は800ドルまでしか下ろせず、しかも大きな額のお札で出てきてしまうので、窓口へ行きます。

窓口は15時30分までとなっており、土曜日は午前中で終わってしまうため注意が必要です。

金額が合っているか必ず確認

窓口でお金を下ろすときには、それぞれの金額のお札をいくら分欲しいと伝えることができるので、「メモちょうだい」と言って記入していきます。

がしかし、たまに「今日は5ドル札ないから無理」と言ってきたりします。そんなときは必要な分を1ドル札で下ろすことになるのですが、なにせカンボジアなので、金額の大小に関わらず必ずその場で合っているか数えます

額面が小さくなるほど枚数が多くなるので、大金を下ろすときには時間に余裕を持って行く必要があります。

破れたお札に注意

また、カンボジアでは破れたお札を使うことができません。

特に、大きな金額になるとお店で受け取ってもらえないので、お釣りをもらうときなども破れていないか入念にチェックします。

破れた使えないお金は、高額な手数料を払えば両替所で交換してもらえますが銀行では替えてくれません。

郵便局員の仕事もしっかりチェック

銀行に行ったあとは、国際郵便を出すため郵便局へ向かいます。天然パーマの元気の良いお兄ちゃんがドヤ顔でグルグル巻きにして梱包してくれますが、送り状の貼り間違えをしていないか、しっかり自分の目で見届ける必要があります。

ちなみにシェムリアップには郵便局が一箇所しかなく、ポストもないので、ここで切手を買って郵便物を出します。

ドライバーへの気遣いも大切

帰り道は、暑い中ずっと待っていてくれたトゥクトゥクドライバーに2,000リエル(約0.5ドル、約57円)の缶ジュースか、オイチ(甘いお茶)を奢るととても喜んでくれます。

レポートチェック、現金集計(16時~)

ホテルに戻ったあとはその日の収支をカンボジア人と一緒にチェックし、不明な出費がないかを確認します。そのあとは金庫にあるお金を数えます。

リエル(カンボジアの通貨)の多少の誤差ならいいのですが、1ドル足りないとなると、計算間違いなのか不正があったのか追究しなければなりません。

初めはお金が合わないことが多く、泣く泣く自分で補填したこともありましたが、途中から自腹を切ることがアホらしくなってきてしまい、確実に合わせる!と、お金の動きをより細かくチェックするようになった結果、ズレはなくなりました。

会計ソフトに入力、報告(16時30分~)

お金を数え終わったあとは日本の会計ソフトに、ネットバンクなどの収支も含めて入力していきます。会計の経験がなかったので、科目やら貸方やら訳がわからず初めは苦労しましたが、慣れてしまえば複写して作成できたので楽でした。

書き出したファイルを添付して報告したら、会計業務は終了です。ただ、手数料の請求がある日は100件近く入力が増えるので時間に追われます。

電話対応(17時~)

国際電話のアプリを利用して日本のお客様へ電話をします。ご要望を聞いて日程の提案をしたり、航空券の空席状況を一緒に確認したりします。

カンボジアの現地企業のため、不安に思うお客様もいるのですが、日本語でお話しすると安心してくださる方が多くいらっしゃいました。このような場面では、日本での接客業の経験が役に立ったと思います。

実際にカンボジアに来たお客様が、出発前はお世話になりましたとわざわざお礼を言ってくださるのもとてもうれしかったですね。

宿泊部屋の確保、ツアー手配(17時30分~)

勤務先のホテルへは、ホームページからの直接予約はもちろん、agodaやexpediaという予約サイトからの予約がある他、飛び込みで来られるお客様もいらっしゃったので、googleのスプレッドシートを活用し管理していました。

その際、各スタッフに確実に伝わるよう予約や確定などの報告をする発信業務もあったので、そちらは全て英語で行っていました。連絡方法は内線電話やLINEでのグループトークです。

大体使うフレーズは決まってくるので、こちらもそんなに難しいことではありません。

退勤(18時~)

定時で上がれる日はラッキーですが、遅くなることもしばしば。そんな時はスタッフがボーボー(おかゆ)を作ってくれたので、カンボジア人の優しさに触れながら乗り切ることができました。

退勤時にはしっかりとオフィスの鍵をかけ、セキュリティやレセプションに挨拶してバイクで帰宅します。

時間に余裕があるときは、そのまま日本食屋さんに行き夕食を済ませます。今日は飲みたい!という日はバイクをいったん置いて、トゥクトゥクでパブストリートへと繰り出していました。

仕事の範囲を線引きしない柔軟さが求められる

一日の流れを大まかにご紹介しましたが、実際には合間に日本側とのスカイプミーティングがあったり、給料日前には査定や現金の用意をしなければならなかったりと、仕事は多いです。

また、日本からのお客様の航空便に遅延や欠航などがあった場合は、勤務時間外や休みであっても、アテンドや航空会社との連絡など様々な手配を行う必要があります。

大きな組織ではないので、一人が幅広く仕事をやらなければ当然現場は回りません。自分の仕事はここまでと線引きせず、連携できる人は重宝されます。これはカンボジアに限らず、海外就職を目指すなら頭に置いておくといいと思いますよ。

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