生きていく上で重要なものの一つである保険。日本であれ海外であれ、もしもの時の備えは大切です。
しかし、やはり海外に暮らすとなると言葉や文化などの壁があり、その重要な保険についても不安が出てきてしまうもの。そんな時、日本語で現地の保険についてきちんと説明してくれる人がいれば心強いですよね。
今回ご紹介する佐藤祐子さんは韓国の保険会社に勤務し、韓国に住む日本人の保険の相談に乗っています。働き始めたきっかけや仕事を通して感じることなどをお伺いしました。
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佐藤祐子さんのプロフィール
- 山形県出身
- 2000年に韓国人の夫と結婚、1男1女の母
- 2009年より韓国昌原市の保険会社に勤務
- 2010年、韓国MBCテレビ「経済マガジンM」出演
- 2010年、雑誌「経済人」掲載
- ブログ:http://ameblo.jp/satoyuu21/
主に在韓日本人の方に対し、メールやコミュニティを通して貯蓄・保険の相談を受けています。保険の仕事に就く前は、日本語関係の仕事をしていたそうです。
また、本人いわく資格魔で、「韓国語、パソコン、バルーンアートなど、取れそうな資格はどんどん取っていた」といいます。
韓国の保険業界で仕事を始めたきっかけ
(佐藤さん)結婚した当初は義両親と一緒に住んでいて、夫の収入を管理していたお義父さんから毎月一定の生活費をもらっていました。しかし、6年後に夫婦として独立することになった時、夫名義の通帳など私に全て任されるようになりました。
そこから本格的に家計を管理する立場になったのですが、きちんと確認してみると保険がありませんでした。「保険はないといけない」と聞いていたのでネットで探してみたのですが、外国語、しかも専門用語でよくわかりません。
(佐藤さん)「これは人に説明してもらった方がいい」と感じ、何社かコールセンターに電話して、直接話を聞くことにしました。その時、来てくれた中の一人が印象的でした。
私が「保険に入りたい」と言ったので保険の話だけするのかと思っていたら、貯蓄の仕方や不動産のことまで、経済全般に渡って教えてくれたのです。
在韓日本人に求められている仕事と直感
(佐藤さん)その時、「私のように情報不足になりやすい他の日本人妻たちも、このようなことを知ったらすごく為になるんじゃないか?」と感じ、その場で「保険の仕事をやってみたい」とお願いしました。
さすがにこの時は断られましたが、色々な準備をした2年後の2009年にもう一度その人と会って会社の面接を受けることができ、現在の仕事が始まりました。
お客様の98%が在韓日本人
とっさのひらめきのようなものを感じて保険業界に入った佐藤さん。これまでに受けた相談件数は700件を超えているといい、その98%は在韓日本人からです。佐藤さんが感じた通り、それだけ在韓日本人の方の多くが相談先がなく、困っているのですね。
確かに、日本語で聞いても保険の話は難しいです。それが外国語であればなおさらでしょう。
韓国の保険業界で働く日本人は増えている
(佐藤さん)私が仕事を始めた2009年時点では、保険会社に所属している外国人は全国で10人もいませんでした。しかし最近、韓国で保険関係の仕事を始める日本人が多くなってきました。
韓国で日本人ができる仕事と言えば、まず日本語教師でしょう。日本語を活かした貿易、販売、事務などの仕事はソウルなど一部の地域限定になります。
地方に住む日本人の多くは、韓国語を必要としない「掃除、食堂、工場」に行くことになります。しかし、55歳くらいをすぎると足腰が痛むといった理由で勤務時間を減らすようになり、悩み始めます。
そんな時に保険会社に誘われ、「勉強から」と始める人が多くなったようです。
韓国の保険業界で日本人が働く難しさとやりがい
日本人にとっての仕事の難しさ
(佐藤さん) 韓国は親戚または同郷の人など、日本に比べて縁故の結びつきが非常に強いです。
保険の仕事をしている知り合いが一家庭に3人くらいはいる状態なのに加えて、決定権が韓国人の旦那様や義両親にあることが多く、いくら外国人嫁である奥さんとの間で契約の話がついても、結局は知り合いを通して加入してしまう家庭も多いです。
韓国も日本と同じく、会社は新規客を求めています。大量の新規を獲得しようと家族親戚知り合いに声を掛け、回りきるのが大体6ヶ月。その後は自分で開拓しなければ1年から3年で行き詰まり、90%が辞めてしまいます。
日本人はどうしても縁故が少ないため、余計に定着が難しくなってしまいがちです。そうして結局、やはり1、2年で辞めてしまう人が大半なのが現状です。
日本人にとっての仕事のやりがい
(佐藤さん)私の場合ですが、当時はまだ競争相手が少なく、ノルマの厳しい国内大手3社ではなかったので、ゆっくりお客さんを増やすことが可能でした。先ほどもお伝えしましたが、現在までの相談件数は700件以上、98%は在韓日本人です。
(佐藤さん) なにせ相手は情報不足です。そこに日本語でアドバイスをすると、やはりとても喜んでもらえます。
また、強い韓国人の保険のおばちゃんに押され、なんだかよくわからないままに入ってしまったと困っているお客様の保険も、改めて一つ一つ確認、整理しながら安心してもらうことができます。
さらに、保険のことは家計全体に関わってくるため、人生相談になることも多くあります。時には、本人や家族が事故、事件に巻き込まれることもあり、最近は法務士、弁護士とお客様をつなげることもしました。
韓国で暮らすなら保険のことも勉強を
(佐藤さん) 繰り返しになりますが韓国は縁故が強く、また言葉の問題もあって、韓国人配偶者や義両親により重要事項が決定されることが多くあります。しかし、おまかせではいけません。少しずつ勉強しましょう。
なぜなら、義両親はもとより配偶者が仮に急に倒れてしまった時、保険証券を確認して請求するのは日本人であるあなただからです。実際、最近は旦那様が亡くなり、お子さんを抱えて独り立ちしなければならなくなった在韓日本人ママも増えてきています。
(佐藤さん)日本でも保険については、非常に重要でありながら多くの方が悩むものです。韓国という異国の地であれば、悩みもさらに大きくなるでしょう。
しかし、いざという時の頼りになるのが保険でもあります。安心して生活を続けるためにも、ご自身でしっかり確認しておくことが必要です。
外国人として暮らすのは確かに大変です。しかし、もしもの時に備えて元気に明るく頑張ってほしいと心から思っています。保険や貯蓄などでわからないことがあれば、いつでも連絡ください!
まとめ~仕事を通して人生を豊かに
ご自身の体験をきっかけに韓国の保険業界で働き始めた佐藤祐子さん。異国の地である韓国で生活する日本人にとって、その存在は非常に心強いでしょう。
海外で仕事を見つけることは、たとえ現地に住んでいたとしても簡単ではありませんが、外国人である日本人だからこそできることもあるんですね。
お客様の人生相談にも乗るという佐藤さん。韓国での仕事を通して、ご自身の人生経験も豊かになっているのではないでしょうか?
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