ドイツのベルリンの街を歩いていると、所々に公園があって家族や年配の方がくつろいでいたり、町には大きな街路樹が並び、歩いているだけでゆったりとした気持ちになれます。
そんなベルリンの中でも思いっきりリラックス出来るスポットがテンペルホーフ自由公園でしょう。
もともとはベルリンの空の玄関として建設されたテンペルホーフ空港ですが、閉鎖された後はベルリンで暮らす人々の憩いの場として開放されています。
今回はそんなテンペルホーフ自由公園をご紹介します。
テンペルホーフ空港について
テンペルホーフ空港は東西冷戦時代にヒトラーによって建てられた巨大な空港です。ベルリンが西と東に別れていた時代、孤立した西ドイツへの物資支給の拠点としてその名を轟かせました。
たくさんの物資を西ベルリンへ輸送した「ベルリン大空輸」において、着陸前にパイロットが供給するための物資を届ける飛行機の中から子ども達のために箱入りレーズンやチョコレートバーを投下したことから、これらの輸送機を「レーズン爆撃機」と呼んで西ベルリンの市民から慕われていました。
テンペルホーフ空港は2008年に閉鎖されました。閉鎖後についてはさまざまな計画が挙ったようですが、紆余曲折を経て現在はベルリン市民に公園として解放されることになりました。
テンペルホーフ自由公園の魅力について
テンペルホーフ空港自由公園は、空の玄関という役目を終えた今、そのままの形で解放されています。そのため敷地は驚く程広く、見渡す限り平原が広がっています。
そして当時実際に使用されていた滑走路がそのまま残されており、飛行機の発着を示すガイド用の矢印も残されている、迫力ある公園です。
そんなテンペルホーフ自由公園では、実に様々な人がいろんな目的で時間を過ごしています。
ジョギング
テンペルホーフ空港は陸上トラックのようにぐるりと周回できるようになっているため、ジョガーにとっては格好のスポットとして利用されています。
ベルリンでは老若男女問わず多くの人がジョギングをしています。とても広々した風景の中で走れるので気持ち良さそうです。
サイクリング
ジョギングと並んで多いのはサイクリングをしている人たちです。友達と喋りながら気軽に走っている人もいれば、本格的にレース用のジャケットに身を包んで猛スピードで走っている人もいます。
また果てしなく長い滑走路でレースをしている若者達もいます。
バーベキュー
テンペルホーフ自由公園では部分的にバーベキューを許可しているエリアがあるため、春から夏にかけて天気の良い日は多くの人たちがバーベキューを楽しんでいます。
ドイツでは家庭でもよくバーベキューをするらしく、一家に一台バーベキュー用のコンロがあると言われるほど。青い空の下で美味しいビールを飲みながら、そして気のあう友達と話しながらバーベキューをするのは格別に楽しい時間。
そしていかにもゆったりとしているベルリンらしい楽しみ方のように個人的には思います。公園内にはゴミ箱などないので、ゴミ袋を持参していきましょう。
日光浴
もしかするとテンペルホーフ自由公園で一番多いのは日光浴をしている人かもしれません。ドイツの冬は長く、人々はいつも暖かい太陽を求めています。
芝生の上に寝転がったり、デッキチェアを持ってきたり、中には水着とサングラスでまるでどこかのビーチにいるかのように日光浴を楽しんでいる人もいます。
凧揚げ
テンペルホーフ自由公園は平坦で、何も遮るようなものがない場所。いつも風が吹いており、日本のように凧揚げをして遊んでいる人もいます。
大半の人はスポーツ用のカイトを使って親子で凧揚げに興じています。また上げた凧の受ける風力を利用して、ウィンドウサーフィンならぬカイトサーフィンを楽しむ人たちもいます。
ローラーブレード
ベルリンでもローラーブレード人口は多く、このテンペルホーフ自由公園でもたくさんの方がローラーブレードを楽しんでいます。
中には冬に備えてのクロスカントリーの練習としてスティックを両手に持って、スキーのような容量で練習している人もいます。これはウィンタースポーツが盛んなドイツという国を表している風景だと思います。
スケートボード
いわゆるスケボーを楽しんでいる人も多くいます。日本同様に階段等の段差や手すりを使って高度な技に挑戦している若者たちが楽しそうに汗を流しています。
野外ライブ
テンペルホーフ自由公園では気候の良い時期になると、音楽のイベントが開かれて多くの人たちが集まったりもします。
またイベントが無い時でも若いミュージシャンがギターを惹きながら大きな声で歌っていたり、中にはアンプを持ってきて勝手にライブを始めてしまうよう人もいます。
とても自由な空気が漂っていて、バーベキューと同じでいかにもベルリンらしい姿のような気がします。
パットゴルフ
期間限定ではありますが、テンペルホーフ自由公園内に即席のパットゴルフ場が開設されます。およそ18ホールあり、値段も安いので気楽に楽しむことが出来ます。コースは日本のような障害物が多く並ぶものではなく、ユニークさに溢れていてます。
家庭菜園
なんとこのテンペル自由公園には日本にあるようなレンタル用の家庭菜園があり、そこで野菜を栽培している人がいます。本当に何でもありの公園です。
子どもから年配の人まで憩う場所テンペルホーフ自由公園
テンペルホーフ自由公園はベルリンで暮らす多くの方が利用している公園です。
実際に来て見渡してみると、子どもたちやその家族、そして学生などを中心とした若者達、60歳は超えられていると思われるご年配の方まで幅ひろい世代の方が集まっています。
そのため危険な雰囲気はなく(午前から夕方にかけての明るい間ですが)、全体的にのんびりとした空気が流れています。
このテンペルホーフ自由公園は、観光に来る方もあまり注目していないスポットで、聞いても知らないと答えられることが多いです。そのためベルリンに遊びに来てくれた友達や家族の方へ、穴場スポットとしておすすめしてみてはどうでしょうか?
気分転換に最適なテンペルホーフ自由公園
私も実際に何度もこのテンペルホーフ自由公園に足を運び、他の人たちにならって芝生の上に寝転がったり、自転車でぐるぐるとトラックを周回して汗を流しました。
気候の良い時期になると多くの人がこのテンペルホーフ自由公園を訪れ、それぞれの楽しみ方で時間を過ごしています。先述しましたが、そのようにゆったりした空気がいかにもベルリンらしいかと思います。
ベルリンに来て間もない頃、ビザや住民登録、携帯電話や銀行口座等の開設などで慌ただしい日々を過ごしていました。
そんな忙しい時間を過ごしていると、知らないうちに気分が塞ぎ込んでしまい、マイナス思考になってしまいそうになることもありました。そんな時、このテンペルホーフ自由公園に足を運んで気分転換も兼ねてリフレッシュしていました。
見渡す限り芝生が広がり、そこを何本かの滑走路が真っすぐに伸びていて、そんな場所の中で多くの人が日向ぼっこやスポーツや日光浴をしているのを眺めていると「自分の抱えている問題が、とてもつまらなくて小さなもの」のように思えてくるから不思議です。
テンペルホーフ自由公園で注意すること
ベルリンらしくのんびりと楽しく過ごせるスポット、テンペルホーフ自由公園ですが、明るい時間は先にも述べたように危険な雰囲気はありません。しかし夜になるとすこし様子が変わるので訪れるのは避けた方が無難でしょう。
テンペルホーフ自由公園では、ぜひ地元の方にならって日光浴を楽しんでもらいたいのですが、芝生の上に寝転がる時は地面に瓶ビールの蓋が落ちていないか確認をしてください。
時々、ビール瓶の蓋が上向きに落ちていて(先端に刺がある方)その上に寝転がったりすると怪我をする恐れがあるので、気をつけましょう。
またテンペルホーフ自由公園では、発生したゴミや瓶はきちんと持って帰って処分するようにしましょう。
テンペルホーフ自由公園では本格的にトレーニングをしている人もいます。そのため、そういった方々の邪魔になるような振る舞いはやめておきましょう。
またイベントなどが行なわれる時は大勢の人がテンペルホーフ自由公園に集まるため、所持品が盗まれないよう気をつけたり、変な勧誘に乗らないようにしましょう。
テンペルホーフ空港跡地の基本情報
- 住所:Platz der Luftbrucke 121 Berlin
- 営業日時:不定
- 入場料:無料
- 最寄り駅:S&U Bahn Tempelhof
まとめ
ベルリンらしくゆっくりのんびり過ごせる穴場スポット、テンペルホーフ自由公園を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
世界には実に様々な公園がありますが、この巨大な空港をそのまま開放して公園にするというのは世界にここだけではないでしょうか?ターミナルビルや滑走路がそのまま残されており、何ともスケールが大きな公園です。
このテンペルホーフ自由公園は、観光ガイドブックなどにも載っていないことが多いので観光でベルリンに来られた方にぜひともおすすめしたいスポットの一つです。
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