スペインでの長期学生ビザの更新方法

書類 留学

スペインでの留学生活を延長したい、研究のため4年間留学を予定している等の理由で滞在延長申請が必要な方向けに、スペインでの長期(6ヶ月以上)学生ビザの更新方法についてご紹介します。

新規にて学生ビザを取得する場合はスペインの長期学生ビザの取得方法をご参照ください。

取得できる長期学生ビザの最長期間は1年です。現在取得しているビザの有効期間を超えてスペインで留学・研究を続ける場合は、ビザの更新手続きが必要です。手続きをせずに滞在し続けると不法滞在になるので、必ず手続きをしましょう。

地域により詳細な手続き方法は異なる場合がありますが、おおよそは以下のように進むので参考にしてみてください。

警察署の外国人事務所(Oficina Extranjera)で更新に必要な書類をもらう

スペイン

上記の写真は、セビリアの外国人事務所があるスペイン広場(1929年の万博が開催された場所)です。セビリアではこのスペイン広場にある北の塔、南の塔でビザ更新の手続きが行われます。

スペインに到着した際に長期学生ビザを申請した外国人事務所に行き、更新に必要な書類を受け取ります。「長期学生ビザの更新(renovación)をしたいので、書類をいただけますか」と伝えます。

この際にもらえる一枚の紙「REQUISITOS PARA LA RENOVACIÓN DE TARJETA POR PORROGA DE ESTANCIA POR ESTUIDOS」(学業目的による滞在延長のための査証更新必要条件)に、用意しなければならない書類と条件が記載されています。

更新の申請は取得済のビザ有効期限の60日前から90日後までに行う必要があります

なお、更新を行わない場合、ビザの有効期間を過ぎたら「すぐにスペインから退去するように」とされています。有効期限の90日後まで滞在していい、ということではないのでご注意下さい。

申請書類についてオリジナルとコピーを用意する

書類

申請用紙

EX-00という名称の滞在延長のための申請用紙に必要事項を記入します。この申請用紙は滞在延長の対象者すべてが記入できる形式となっているため、学生ビザの更新申請に特化したものではありません。

N.I.E(外国人登録番号)、名前、住所、国籍、何のビザの更新をするのか(学生の場合は留学を選択)を記載します。

現在持っているtarjeta de estudiantes(学生査証カード)

有効期限をきちんと確認しておきましょう。

有効なパスポート

個人情報が記載されているページと、VISADOのシールが貼られているページの両方をコピーしましょう。

新しい年の学校の登録簿(Matrícula)

更新後の新しい年の分の大学、語学学校等の登録簿を提出します。学校の担当者に「ビザ更新用の登録簿(matrícula)が欲しい」と伝えれば作成してもらえます。

前年度の学校の成績等が記載された証明書(Certificado)

前年度、きちんと学校に通っていましたよ、ということがわかる証明書(修了証明書等)を提出します。

こちらも上記の登録簿同様、「更新用に証明書(certificado)が欲しい」と伝えれば作成してもらえますし、大学や語学学校はコースが終了した際に、修了証明書を全ての生徒に出しているところが多いです。

修了証明書が年単位で取得できない場合

ドクターやマスターの学生の場合で、学校への登録が年単位ではないため、年単位の修了証明書を取得できない場合は、成果を修めたこと、または前年に十分な学習を行ったことがわかる書類を提出します。

学校の担当者に「ビザの更新で修了証明書に対応する書類が必要なため、準備して欲しい」と相談しましょう。

医療費をカバーできる保険の契約証

スペイン滞在中の医療機関、病院にかかる費用を賄ってくれる保険に加入する必要があります。スペインへ来る際に日本で加入した保険を延長することもできますし、スペインの保険に新たに加入することもできます。

大手の「MAPFRE」という保険会社は、外国人留学生でも加入できる、医療費を全てカバーした保険を提供しています

MAPFRE:https://www.mapfre.es/

学生が滞在するような大きめの街であれば街中にMAPFREの支店があるので、窓口で相談してみましょう。

「学生ビザ更新のため保険加入が必要で、医療費をカバーできる保険に加入したい」と伝えて、外国人事務所でもらった、条件が記載されている紙を見せれば、窓口担当者が対応してくれます。

MAPFREが提供している留学生が加入できる医療保険は1月1日始まりの年単位の契約となり、1月1日に契約がスタートし12月31日に終了します。加入日が年の途中の場合でも12月31日までしか契約できず、1月1日に自動更新(1年)されます。

保険費用は、年齢と加入するタイミング(例えば6月1日加入であれば6月1日〜12月31日まで)によって変わるので、詳細は窓口で確認しましょう。

契約を開始したい日が相談に行く日より先の場合、契約開始希望日の3日程前に契約のため再度窓口に来るよう担当者から言われます。この場合は、契約を開始したい日の2〜3日前に支店に行って契約を済ませます。

ビザの更新申請では、この時に受け取る契約証を提出します。支払い方法はスペインの銀行口座からの振り替えです。(スペインの銀行口座開設方法はこちら

1、2年ほどの滞在ならば、スペインの銀行口座を持っていない留学生も多いです。しかし、銀行口座がない場合はスペインの保険には加入できません(MAPFRE確認済)。その場合は、日本の保険を延長するしかないでしょう

経済能力の証明

以下のいずれかを提出します。

  • 直近6ヶ月間の入出金情報(extracto bancario)
  • 口座の平均残高(saldo medio)
  • スペイン滞在の間、生活費を保証してくれる人がいる場合はその人の情報(パスポートまたは個人が特定できる身分証明書と平均収入等の情報)

直近6ヶ月の入出金情報または口座の平均残高で対応する人は、銀行の窓口で相談をしましょう。平均残高を算出できる場合はそちらで対応してもらった方が、提出枚数が少なくて済みます

留学先の学校を変えたい場合

学校

例えば前年はAという語学学校に行っていて、次の年はBという語学学校に通いたい場合などには、学校の変更が可能です。前年の学校の修了証と次の年の学校の登録簿があることが前提です。

学校の雰囲気が合わなかった、もう少し少人数のところで勉強したい、もっとレベルの高い授業をしてくれる学校に変更したい、等の希望がある方は変更することもあるかもしれません。学生用のビザの手続きをしている学校であれば、変更は可能です。

ただし、大学から語学学校への変更は難しいです。

これは、勉学のレベルを落としたとみなされ、基本的に許可がおりません。全く異なる分野の学校の変更、例えば語学学校から音楽学校への変更等も認められないのでご注意ください。

居住地域を変えることは可能です。その場合は、新しく居住する地域のルールに従って申請を行います。大手の語学学校はスペインのあらゆる地域に校舎を持っていたりするので、地域を変えて留学してみるのも面白いかもしれません。

外国人事務所に更新の申請書類を提出する

書類

上記の書類が準備できたら、現在持っているビザの有効期限の60日前から90日後の指定期間の間に外国人事務所に提出に行きます。この際はアポイントメントは不要です。

オリジナルとコピーの2部準備するのを忘れないようにしましょう。申請書類に記載した住所宛に次のステップの通知が届きます。

手数料(tasa)の支払い

支払い

申請書類提出後1ヶ月程度で、封書で手数料(tasa)の支払い要請が届きます。居住許可及び外国人住民の書類の処理にかかる費用(コード:052)、とされています。

振込用紙が同封されているので、それを利用して銀行で支払いを済ませます。金額は地域により異なると思いますが、20ユーロ程度です。

「この通知が発行されてから10日以内に支払いを済ませること」等、支払い期限が指定されている場合があるのでご注意ください

2回目の手数料(tasa)支払いと次回のアポイントメント通知

1回目の手数料の支払いが完了してから3〜4週間程度経過したら、再度封書で2回目の手数料支払いの要請と、次回のアポイントメント通知が届きます。

今回の手数料は前回のものとは異なるので、再度支払う必要があります(コード:012)。金額は同じく20ユーロ程度です。

「次回のアポイントメントまでに支払いを済ませること」等の支払い期限があるので注意しましょう。

次回のアポイントメントの際に、身分証明用の写真(白黒)を持参する必要があります。この写真がtarjeta de estudiantes(学生査証カード)に印刷されます

指定のアポイントメント日に外国人事務所に行く

スペイン

身分証明用の写真と支払い済みの手数料の振込用紙控えを持って、外国人事務所に行きます。窓口でアポイントメント日時が記載されている紙を見せると別室へ通され、そこで持参した写真を渡します。

その後、指紋採取を行います。指紋採取が終わると、その場で更新後のビザの有効期限と次回のアポイントメント日時(約1月半後)が記載された紙が発行されます。

tarjeta de estudiantes(学生査証カード)をもらうまでの間は、この紙があれば新しい年も学生として長期滞在することが証明できます。この段階までくると、流れは前年に長期学生ビザを取得した時と同じです。

指定のアポイントメント日に外国人事務所へ行きtarjeta(カード)を受け取る

書類

最後はtarjeta de estudiantes(学生査証カード)を受け取るだけです。

アポイントメント日時が記載された紙を窓口で見せると、その場でカードを探してくれて、受け取ることができます。

この受け取りの際にパスポートを見せる必要があるので、忘れずに持参してください

まとめ

初めてスペインへ来て長期学生ビザを取得する際、tarjeta de estudiantesの受け取りに数ヶ月かかるケースが多いですが、ビザの更新もそれと同じくらい、またはそれよりも時間がかかります。

私の友人の中には、申請してから受け取りまで6ヶ月かかったという人もいます。

tarjeta de estudiantesはスペインにいる間の身分証明書となります。何かと提示を求められることがあるので(街中で警察に職務質問された際には提示必須です)、早めに申請しておくことをおすすめします。

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