【お金の話】イギリスの平均年収とイギリスのお給料事情

イギリス イギリスで働く

イギリスに移ってあっという間に10年が過ぎました。イギリスで就職した夫について来たのですが、私はラッキーなことにその翌年から仕事に就くことができました。

私の職業は日本語教師。ある国立大学の公開講座で日本語を教えています。ここでは、イギリス人のお給料事情とともに、私の実際のお給料事情を具体的にご紹介しましょう。

※1ポンド=約148円

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イギリスの賃金の平均(イギリス人の平均年収)

ポンド

イギリス国内の賃金っていったいどのぐらいなのでしょう。

雑誌『コスモポリタンUK』に「Here are the average salaries of 145 jobs in the UK(英国職業別平均給与145種)」という記事を見つけました。この中から少しピックアップして見てみましょう。

これはイギリス統計局が発表した2014年度の結果を基にしているようですが、記事によればこのときのイギリス国内全体の給与平均は年間27,271ポンド(約404万円)とのこと。

一方、日本の2015年度の平均は420万円だそうなので、この数字で見ると若干、日本の方が給与がいいことになりますね。

イギリスの職業別平均年間給与

上記記事よりピックアップしてご紹介します。

  •  警察官管理職:58,533ポンド(約866万円)
  •  中等教育の教員:32,524ポンド(約481万円)
  •  看護士:26,252ポンド(約373万円)
  •  IT 技術者:25,934ポンド(約389万円)
  •  美容院マネージャー:22,113ポンド(約327万円)
  •  郵便局員:20,855ポンド(約309万円)
  •  秘書などの事務アシスタント業務:19,738ポンド(約292万円)
  •  コールセンタースタッフ:15,206ポンド(約225万円)
  •  ウェイトレス:7,554ポンド(約112万円)

どんな印象を持たれましたか?

イギリスでは会社に雇用されていてもすべてが専門職と解釈されるので、会社員という項目はありません。このリストの「秘書などの事務アシスタント業務」が一般事務にあたるかもしれませんね。

イギリスの賃金体系と各種手当

お金

フルタイムでもパートタイムでも年俸制

イギリスでは常勤雇用の場合、フルタイムとパートタイムに分かれます。パートタイムは労働時間がフルタイムに対して5割や3割などの割合で表され、日本のパートの時給制とは違います。

賃金はPro-Rataという用語で提示されることがあり、これはフルタイムの場合の年俸を表しています。パートタイムは、労働時間がフルタイムの何割かによってこのPro-Rataで示された年俸から計算する仕組みです。ちょっとややこしいですね。

賃金は年俸で示され、それが12ヶ月で支払われます。また、ボーナスの制度は基本的にありません

残業はなく定時終業

イギリスでは、日本のように残業が習慣になっているようなことはなく、定時に退社するのが一般的です。

イギリス政府のウェブサイトGOV.UKによると、国の法律では雇用主は残業代を払う必要はないものの、すべての労働時間に対して支払われた合計賃金の1時間あたりの賃金が、国が定める最低賃金を下回ってはいけないとなっています。

労働を開始するときに交わされる契約事項に残業について記されているので、初めに確認しておくのがいいでしょう。

ロンドンで働く人には特別手当

交通費などの手当については支給されることはほとんどないのが辛いところですが、ロンドンで働く教師や公務員にはロンドンアローワンスと呼ばれる手当が支給されます

ロンドンはほかの都市に比べて極端に住宅価格が高く、また公共交通機関を利用しなければならないため、この制度があります。

イギリスでの日本語教師の仕事

本

私はイギリスの国立大学の公開講座で日本語を教えています。

いろいろな大学で学内外の人を対象にした語学コースを設けていますが、仕事や授業が終わった夜6時以降に開かれるので、こちらではよく「イブニングクラス」と呼ばれています。

各コースが週1回×2時間で、年間20週あります。10月から12月までの10週間と、1月から3月までの10週間なので、基本的に私が教えるのは半年だけです。

それ以外に学生の希望でコースが延長されたり、夏の間に特別講座が開かれたりすることもたまにあります。

仕事としては授業をする以外に、出欠を取る、メールで学生からの質問に答える、休んだ学生のフォローをする、事務スタッフへの事務連絡、テスト作成・実施・採点・フィードバックなどがあります。

イギリスで日本語教師として働く私の給料事情

仕事

時給制の翌月払い

私の場合は時給で計算されています。時給は33ポンド(約4800円)です。

毎週末に、教えた時間をウェブサイトで申告。その後、担当者が間違いがないかどうか確かめて給料支払いの代行会社へデータを転送し、翌月末にまとめて銀行口座へ振り込まれます。振り込まれるのは、所得税と年金掛け金を差し引いた分になります。

年間収入シミュレーション

年によって2コースから3コース担当、ここでは仮に3コースとします。年間の授業時間が40時間/1コースなので、この年の収入は

33ポンド(約4800円)×40時間=1,320ポンド(約19万5000円)

1,320ポンド×3コース=3,960ポンド(約58万6000円)※税諸経費込み

となります。このほかに、ミーティングに出席した場合などの手当としていくらか支給されることがあります。

この時給でフルタイムで働くと年収64,350ポンド(約952万円、税諸経費込み)なので、先にご紹介した警察官管理職ほどの高給取りになれるのですが、労働時間がこれ以上増えることはないため私の場合はこれが限界かも……です。

この収入だけで暮らすのはちょっと無理ですよね。夫の収入があってこその暮らしです。

イギリスで就職するには

イギリス就職に興味があれば、まずは転職サイトや転職エージェントを使って求人を探すのが一般的です。大手の転職サービスなら求人情報が集まっており、登録や利用が無料なので、最初の取っ掛かりとしておすすめです。

未経験からイギリスで働くならリクルートエージェント、語学力を活かして日系企業の駐在員を狙う年収600万円以上の方ならJAC Recruitmentがおすすめです。

すぐに求人が見つかるかどうかはタイミング次第ですが、イギリス就職を実現するためにまずは一歩踏み出してみましょう

まとめ~お給料の額だけがすべてではない

イギリスの給料は、一見よく見えても手当がないので、総合するとあまり多くないかもしれません。でも、イギリスは女性の社会参加が進んでいるため、子供のいる人も共働きで家計を支えているのが一般的。

また、国からの援助(子育て援助、医療費無料、住宅修繕などの補助費、教育費無料または援助)がとても充実しており、大きな助けになっています。

社会の構造が違い、一長一短があるので日本と比べてどちらがいいとはいえませんが、私はとりあえず今の状況で満足しています!

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在英10年。一児の母一夫の妻。日本語教師暦17年。今まで旅した国は11カ国、22都市を訪れました。
私の経験したことが、これからイギリスや海外へいらっしゃる方のお役に立ったらうれしいです。

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