イタリア・ミラノといえばファッションが世界的にも有名ですよね。ですが、ミラノはそれだけでなく、家具や照明などプロダクトデザインでもその名が知られています。テーブルやソファなど、イタリア製だと高級なイメージがありませんか?
イタリア、そしてミラノはプロダクトデザインの勝負の場。世界のクリエーターがチャンスを手にするためにやって来ます。本場イタリアでプロダクトデザインの仕事に挑戦してみたい人へ、実際にデザイナーとして働く私からその魅力と実情を紹介します。
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イタリアデザイン界におけるマエストロの存在、弟子は無償?
1980年代にポスト・モダン・デザインで一世を風靡したイタリア。その後、時代に沿ったスタイルに変貌しながらも、今なおイタリアンデザインは王道です。
そのデザインの歴史を創ってきた巨匠「マエストロ」はその昔、絶対的存在。職場では、ともに仕事をするというより師匠と弟子の関係で、弟子は学ばせてもらうための修行として働きます。
昔といっても20年くらい前のことですが、そういった風潮が続いていました。もちろん修行なので無償です。それでも弟子に雇ってもらうのはたやすくありません。
今も一部の大巨匠は無償での師弟関係を続けているようですが、ほとんどのところでは最低限の給与は支払われているようです。
イタリアデザイン界はチャンスの多い実力主義
マエストロ全盛期でも、有能な弟子はすぐに頭角を現します。そこからどんどん独立し、有名になるデザイナーは数知れず。そこには実力が認められ、チャンスを手にしやすい土壌があるのです。
職場によっては世界からデザイナーが集まります。日々競争で、自分の企画を採用してもらおうとアイデアの出し合い。そのため、競いながらも他のデザイナーたちの感性を吸収できます。
常に平等にチャンスがあり、良いデザインならそれが形になり、自分の名前を出してもらえることもあります。
今の時代、ネットで自分を売り込む方法はいくらでもありますが、実力がなければ結果は同じです。イタリアは、実力をつけるという点でも周りから刺激を受け切磋琢磨できる効果的な場所といえます。
イタリアデザイン界で働くと一流の職人に出会える
最先端技術とデザインを世界に送り出すイタリアは、皮製品など工芸品でも有名です。イタリアンデザインの立役者は伝統的かつ高品質なものを生み出す職人技だと私は感じています。
デザイナーのアイデアだけでは本物はつくれません。そこに職人の技術があってこそ、長く愛される逸品が生まれます。
私たちデザイナーは職人さんと常にタイアップで作業し、打ち合わせで彼らから新しいアイデアをもらうこともよくあります。職人さんのこだわり、技術力がまた新たな可能性を生み出してくれるのです。
信頼関係が築けてこその協働です。いつか独立したり、イタリアを離れたりすることになっても、人生の宝となる出会いがあります。
イタリアでは世界トップレベルのデザイン見本市が開催
東京デザイナーズウィークなど世界の最先端デザインを見る機会は日本にもありますが、その発信源となるのがミラノサローネ国際家具見本市です。毎年春のミラノは世界中のクリエーターで賑わい、お祭り騒ぎです。
大手メーカーが主体の見本市会場もありますが、発掘される可能性を秘めた無名デザイナーのブースもたくさん。新しいデザインを求めて展示会場をめぐる各国のバイヤーやメディアの目にとまれば大きなチャンスが舞い込んできます。
もちろん、日本からの直接出展も可能です。でもイタリア現地にいれば、出展への声がかかったり、現地ならではの情報を入手したりしやすいのは明らかです。出展が目的でなくとも、毎年サローネに気軽に足を運べるだけでも充分価値があります。
イタリアでは日本人デザイナーに高い評価
日本人の技術力や勤勉さ、器用さは外国で高く評価されます。仕事を探す際、そこを前面にアピールすることで採用される可能性が高くなります。
もし希望の事務所が無理だったとしても、まずは自分の居場所を見つけることも悪くありません。そこで地道に努力していれば、必ず見てくれている人はいます。
フリーでいきなりスタートする手もありますが、まずどこかで雇われて働くメリットは多いです。いったんその業界に入れば、横のつながりができてきます。努力を積むことで人脈が広がり続け、さらにチャンスがつかみやすくなるのです。
イタリアで働く人にはうれしい長期休暇、実はデメリットも
夏の休暇は長く、大体7月後半から8月末のところが多いです。バカンスをたっぷりと有意義に過ごせるのはうれしい限り。
しかし、この期間は業者も職人も皆休暇を取るため、仕事が完全にストップします。夏前に作業が遅れていると誰とも連絡がつかなくなり、お手上げになるので注意しなければいけません。
また、この業界は8月分の給料が出ないところも結構あるので、採用が決まったら事前に確認することをおすすめします。
イタリアで働くためのおすすめ転職エージェント3選
イタリアで理想の仕事を見つけるには、転職サイトを使い、気になる求人をストックしておくことが大事です。
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まとめ〜厳しくても挑戦する価値あり
イタリアは、デザイナーとして成功できる可能性の大きい国であると同時に、厳しい修行の場でもあります。横や縦のつながりをとても大事にするお国柄なので、リスペクトは最重要ポイント。それを忘れず真摯に頑張っていれば、イタリア人は温かく受け入れてくれます。
就職先が見つからないまま出発するのは不安かもしれません。でも、イタリアが自分と合うかどうかは実際に現場に立ってみないと分かりません。まずはミラノサローネを目的に長めに滞在し、世界トップのデザインの現場を肌で感じてみてはいかがでしょうか。それからの決断でも遅くないと思いますよ。
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