私は今、北イタリア・フィレンツェの高級ジュエリーショップで販売員として働いています。
歴史があり、美しい国として世界的に有名なイタリア。しかしその一方で、自己中心的、大雑把、ルーズな国民性でも知られる国です。
そんなイタリアで実際に働きながら、イタリア人と日本人の仕事に対する考え方の違いや働き方の違いを発見しました。では、どんな違いがあり、彼らと上手くやっていくためにはどうすればいいのでしょうか。
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イタリアで働く私の職場はさまざまな個性の集まり
私が働くのはフィレンツェのローカル企業。古くから続く高級貴金属店の販売員として約3年間、仕事をしています。
市内に数店、支店があり、合計約40人のスタッフが在籍。店長やマネージャー職の人たちは40~50代と年齢層が高く、販売員のスタッフ勢は私同様30代が大多数を占めています。
私を含め、数名の外国人も勤務していますが、8割はイタリア人スタッフで、北のフィレンツェ生まれの人もいれば、南イタリア出身者もいます。
イタリアは南北で生活スタイルが大きく違い、それに合わせて個人のキャラクターも大きく異なります。そういった意味では私の職場は、外国人や違ったエリア出身の人間が集まる、少し個性の強い職場といえるでしょう。
イタリア人の仕事観とは
一見、ルーズなようでも・・・
私が初めてイタリアに来た時のイタリア人に対する印象は、ほぼ仕事をしない人種だということでした。
というのも、公共のオフィスは午前中のみの営業、スーパーに行けば接客そっちのけでおしゃべりを続けるスタッフ達……。そういった光景を多く目にしてきたからです。
しかしながら、実際に仕事を始めてみて、その考えは間違っていたと気づきました。イタリア人も日本人の様に仕事はちゃんとします。ただし、仕事に対する考え方が大きく違います。
何より大切なのはプライベートの時間
日本の企業に勤めていたころ、私にとって仕事が全てでした。お金を稼いでいたのは生活のためですが、それ以上に仕事に対する満足感や充実感を強く求めていました。
そのため、常に限界まで働いて疲れ切った毎日を過ごしていたのです。
しかし、ここイタリアでそんな働き方をしている人は一人もいません。彼らは生活のために最低限のするべき仕事をし、それ以上は求めません。
イタリア人は家族や友人と過ごすプライベートの時間を何よりも大切にしています。
イタリア人の働き方には個性が表れる
イタリアで働いているとびっくりすることが多くあります。
先にお話しした通り、私の職場はたいへん個性豊かです。別の店舗のスタッフと仕事をすることもあるのですが、その度に個性の強さに驚かされます。
私が所属する店舗の店長は、イタリア人スタッフの中でも割と厳しい性格で、細かく仕事をするタイプです。そんな環境に慣れていた私がある日、別の店舗のスタッフが急病で応援に行った時の話です。
180度違うスローペース
そこの店長は南イタリア出身の女性でした。彼女はとても陽気な性格で私もよく話す機会があったのですが、一緒に仕事をするのは初めてでした。
彼女の仕事の進め方はとにかくマイペース。一仕事終わればコーヒー休憩、また仕事をしてはタバコ休憩といった風に、すべてがゆっくりです。
別の店ということもあり、いつも以上にしっかり仕事をこなそうと心掛けていましたが、そんな私に向かって彼女は「もう疲れたでしょ、休憩室で休んで来たら?」とどこまでものんびりペース。
マニュアルにとらわれないイタリア人、多くの人が集まれば集まるほどそれぞれの個性が際立ちます。
イタリアで働いてストレスを感じるのは言い訳の多さ
驚くことがあれば、ストレスを感じることもあります。ストレスはどの国でも仕事をすれば必ずついてまわります。
イタリア人と働いて一番理解に苦しむのは言い訳の多さです。彼らは自分の非を認めません。
典型的な遅刻の言い訳
どのスタッフも特に目につくのが遅刻です。開店時の忙しい時にスタッフが欠けてしまえば、必ず別のスタッフに迷惑がかかります。
しかし、多くのスタッフが平然と遅れてやって来ては「交通渋滞のせいで」などと長い言い訳を始めるのです。
毎日渋滞するのを知っているのであれば早く家を出ればいいのに、と思います。しかし、彼らはおかまいなし。翌日にはまた遅刻をしてきて、鍵を忘れたなど別の長い言い訳を並べます。
今となっては、イタリア人らしいと笑って流していますが、働き始めた当時は彼らの時間に対するルーズさと、遅刻に対して一切謝罪をしない態度にストレスを感じてはイライラしていました。
イタリア人と心穏やかに働くためのイライラ対策
多くの日本人は几帳面で、とても細かいです。私の性格は割と大雑把な方ですが、そんな私でもイタリア人の適当さにはイライラします。
イタリア人の仕事に対する向き合い方や考え方の違いを目の当たりにするたび、大きなストレスを感じていたのですが、私がイライラして不機嫌になれば職場の雰囲気だって悪くなります。
ある時、外国人スタッフに、彼女の仕事のストレス解消法を聞いたことがありました。彼女の答えは「郷に入っては郷に従え」でした。
相手のやり方を尊重する
イタリアで働くことを望んだのは自分自身です。細かい規則やマニュアル通りに仕事をしたいのであれば日本にいればいい、というシンプルなことです。
ここはイタリアであり、イタリアの仕事の仕方があります。誰も私の日本人らしい仕事スタイルに口出しをしてこないのと同様に、私も彼らの仕事の仕方に口を出す権利はないのです。
自分の考えを押し付けるのではなく、相手のやり方を個性としてとらえて理解することができれば、自然とイライラすることもなくなります。要は自分の考え方一つで、余計なストレスを減らすことができるのです。
こんな風に受け止めることで、私のストレスも随分と少なくなりました。
まとめ~相手を受け入れることが自分の成長につながる
イタリアで働いていると自由で楽しい分、周りのルーズさに振り回され、疲れてしまうこともあります。
でも、育った環境が違えば、仕事のとらえ方や働き方も違って当然。それを理解して他文化を受け入れることは、自分の成長にもつながると思います。また、それぞれ個性があるからこそ新たな発見もあり、日々の生活が楽しくなるのです。
イタリア人の仰天行動に驚いたり、怒ったりしながら、これからもこの同僚達に対する理解を深めていきたいと思います。
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