イギリス就活に必要なCV(履歴書)の書き方とは?経験者がテンプレートに沿ってノウハウを教えます

CV(履歴書) イギリスで働く

イギリスで働きたいという夢が膨らんだら、早速準備をはじめましょう。イギリスでは求人サイトから応募するか、企業に直接応募します。

いずれの場合もCV(curriculum vitae=履歴書)とカバーレターが求められるので、自分で作成する必要があります。私も実際にイギリスで就職活動を経験し、CVを作りました。

ここでは、はじめてイギリス就活のCVを作成する人のために、順を追って書き方をシミュレーションしてみます。

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CV(履歴書)に書くべきこととは

書かなければいけない項目は以下の通りです。

  • Personal details(名前や住所などの詳細)
  • Personal statement(パーソナルステートメント=CVの要旨)
  • Work experience(職歴)
  • Education and qualifications(学歴と資格)
  • Relevant skills(その他関係のある技術や資格)※なしでも可
  • Interests(趣味など)※なしでも可
  • Referees(推薦人)

応募する職種に関係する技術や資格、趣味などについてはオプションです。職業経験が少ない人はここを膨らませてもいいかもしれないですね。

CVを書くときのポイント

英国サリー大学のウェブサイトを参考に気を付けるべきことをご紹介しましょう。

  • 用紙のサイズはA4で余白を多く取る
  • 冒頭部分はフォントを変えて目立つようにする
  • 全体の文字は大きめに、11pt以上を心がける
  • 学歴と職歴は新しいものから古いものへ順番に
  • 最後に必ずスペルチェックする

読みやすく目立つフォントを

英語にもいろいろなフォントがあります。採用者が一度にたくさんのCVを読むことを考えて、読みやすいフォントを選ぶのもポイント。

イギリス就職情報サイトMonsterが、CVにおすすめのフォントベスト10を紹介しています。

ここでは、上から5つをご紹介します。

  • Calibri(カリブリ)
  • Times New Roman(タイムズ・ニュー・ローマン)
  • Arial(エーリアル)
  • Verdana(ベルダナ)
  • Cambria(カンブリア)

それぞれ、以下のようなイメージのフォントになります。

フォント

CV作成例(テンプレート)

では、実際にCVを書いてみましょう。

ここでは、先にご紹介したサイトMonsterのCVテンプレートを使ってみます。デザインはいろいろあるので、これに限らずぜひ自分のイメージに合ったデザインを選んでください

ここでは、仮に高橋翔太さん(28歳)のCVとして頭から順に書いていきます。

履歴書

Personal details(名前と連絡先)

先の注意事項にも挙げたように、冒頭の名前と連絡先は文字を白抜きにしたり、大きくしたりして目立たせるのがコツ。

Personal statement(CV要旨)

これが頭を悩ませるところです。上の例にもあるように、段落は一つで数行にまとめること。書きすぎるとカバーレターと同じになってしまうので、簡潔にしなければなりません。

「自分は何者か」「何ができるのか」「目標は何か」を自問自答しながら書いていきます。イギリスの就職サイトreed.co.ukにパーソナルステートメントの例文があるので参考にできますよ。

ここでは、転職を考えている高橋さんが日本で事務職をしていたバイリンガルであると想定して書いてみましょう。

A highly motivated and experienced administrator, currently looking for my professional career in the UK after five years of experience in Japan. Excellent admin skills, thorough knowledge of all Microsoft Office programs, as well as maintain perfect command of Japanese and English. After working in Japanese firm, currently seeking a new challenge which will utilise my meticulous attention to detail, and friendly, professional manner.

(意欲が高く経験豊富なアドミニストレーターとして、日本で5年間の職務を経験し、英国で私のプロのキャリアを探しています。 優れた管理能力を持ち、Microsoft Officeプログラムをすべて熟知しています。また、日本語と英語の完璧な言語能力を持っています。日本企業で働いた後、細部への細心の注意とフレンドリーでプロフェッショナルな態度で新しい挑戦を模索しています。)

Work experience(職歴)

職歴

職歴は新しいものから古いものへと順番に書いていきます。

ここで難しいのは、具体的な職種をタイトルとして書くことです。日本では会社名や所属部署を見出しにする場合が多いので、このような書き方にはなじみがありません。

特に専門業種(秘書、会計やエンジニアなど)ではなく、一般事務だと思われる場合はAdministratorと表記すればよいでしょう。

具体的な職務内容については、Top Resume(トップ・レジュメ)というサイトに職種ごとの書き方例が出ているので、大いに参考になりそうです。

ここでは、高橋さんの職務内容の記述にその例をいくつかお借りしてみます。

  • Answer and direct phone calls(電話の応対)
  • Produce and distribute correspondence memos, letters, faxes and forms(社内で必要な書類の作成や整理など)
  • Submit and reconcile expense reports(経費の管理)
  • Handle multiple projects(複数の業務遂行)
  • Maintain professional and technical knowledge by attending educational workshops; reviewing professional publications; establishing personal networks; participating in professional societies(外部研修出席、自己研鑽のための勉強、同業他社社員との交流会出席など)

Education(学歴)

学歴

学歴も職歴と同じで、新しいものから順番に書いていきます。でも、日本の学歴を英語ではどのように書けばいいのでしょうか。

  • 専門学校や短期大学卒業の場合:Associateを使用
    例)Associate degree in Engineering(工学準学士)
  • 大学卒業の場合:Bachelorを使用
    例)Bachelor of Arts in Laws(法学学士)
    イギリスではよく、文系はBachelor of Artsを縮めてBA(ビーエー)、理系はBachelor of Scienceを略してBSc(ビーエスシー)と表記。

高橋さんは神奈川県にあるGuanxi(グアンシー)大学で社会科学を専攻したということにしましょう。するとこうなります。

BA in Social Science – September 2008 – June 2012(社会科学学士 2008年9月から2012年6月まで在学)

University of Guanxi(グアンシー大学)

Kanagawa, Japan(日本 神奈川県)

職歴のときもそうでしたが、英語では学士名から始め、最後に大学の住所を書きます。小さい項目から大きい項目になります。

また、上の例では大学入学前に卒業した高校についても記載しています。

Referees(推薦人)

CVの最後は推薦人の詳細です。推薦人は2人立てるのが通常です。その2人の名前、役職、連絡先のメールアドレス、電話番号、住所を書き入れます。

イギリスでは転職の際、現職の上司を推薦人に立てるのが一般的です。でも、上司には転職活動をしていることは言いにくいですよね。そんなときは、このようなフレーズを使います。

References are available on request.(必要な場合にお知らせいたします)

実は、書類審査の段階では推薦人の詳細は必要ありません。書類審査に通り、面接に進んだ場合に推薦人に連絡が取られます。

また、採用が決まってはじめて推薦人に連絡を取る会社もあるので、詳細が書けない場合は上のフレーズを記載しておけば大丈夫です。

CV作成お役立ちサイト

ここまでにもご紹介してきましたが、CVを作成するときに役立つサイトはこちらです。ぜひご活用ください!

なお、就職情報サイトにはCVをアップロードできるサービスがありますが、イギリスで働けるビザを持っていない場合はできないこともあります

Monster(モンスター)

先にご紹介したCVはこのページのテンプレートを使用しました。マイクロソフトのワードでテンプレートがダウンロードできます。そのまま上書きするだけなのでとても使いやすいです。

また、サイトにCVをアップロードして、モンスター経由で応募することもできます。

Live Career(ライブ・キャリア)

ウェブ上でCVが作成できます。例文を選ぶこともできるので、英語に自信のない方はこちらを使っても良いかもしれません。

CV Library(シーブイ・ライブラリー)

新卒、休職中、転職など、さまざまな状況に合わせたCVのテンプレートが用意されています。いずれもワードファイルでダウンロードできます。

Reed(リード)

こちらもワードファイルでテンプレートがダウンロードできます。

パーソナルステートメントや職歴といった項目ごとの書き方注意もあります。パーソナルステートメントのサンプル文も役に立ちますよ。

My world of works(マイワールド・オブ・ワークス)

ウェブサイトで作るCV。テンプレートはありませんが、指示に従って項目を埋めていくと最後にCVが出来上がる便利なサイトです。

My Perfect CV(マイ・パーフェクト・シーブイ)

CVビルダーサイトです。まずはCVのデザインから選ぶようになっていて、楽しくCVが作れそうです。

まとめ~自分用のテンプレートを作っておこう

日本語で履歴書や職務経歴書を書くのも大変ですが、英語でCVを書くのはとても骨が折れます。必要事項を機械的に記載するだけではなく、英語で自分を最大限に表現しなければならないのですから。

ただ、はじめは大変ですが、一度書いてしまえば後は楽。それをテンプレートにして、職歴の変更があれば都度書き加えていけばいいだけです。

そして、書けたらできる限りネイティブにチェックしてもらい、完璧に仕上げましょう。

上手にCV(履歴書)を書くには

初めてCVを書く際には「これでいいのかな?」と不安や疑問に思うことが多いもの。そんな時におすすめなのが、日本の転職エージェントを利用する方法です。大手の転職エージェントでは、面接に通りやすいCVの作成を手伝って(作って)くれます

もちろん、就職状況についての話も聞けるので、スムーズに転職活動を進めることができます。

いずれも登録は3分程度、利用料は無料です。

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転職成功者のほとんどが上記サイトを利用しています。

登録したからといって必ずしも転職する必要はありません。まずはどんな求人あるのか気軽にチェックしてみましょう。

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在英10年。一児の母一夫の妻。日本語教師暦17年。今まで旅した国は11カ国、22都市を訪れました。
私の経験したことが、これからイギリスや海外へいらっしゃる方のお役に立ったらうれしいです。

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