留学先を決めたら、次に決めるのは学校や住むところです。住み慣れた日本から離れ、さらに英語で生活しなければならないため、できるだけ自分に合った良い環境を選びたいですよね。
初めての海外で英語もまだ不安だという場合には、住む場所を探すのに代理店を利用するケースが多いです。自分で住む場所を見つけることも可能ですが、できれば最初は代理店にお願いする方が良いでしょう。
自分で手続きをしてミスがあった場合、そのリスクは大きいです。何らかのミスで宿泊する場所を確保できなければ、現地でホテルを取って新しい家が見つかるまでそこに宿泊、なんてこともあり得ます。
出費も痛いですが、幸先が良くないですよね。
今回は、私が留学先のバンクーバーで経験したシェアハウスとホームステイの暮らしを、アドバイスや注意点を交えて紹介していきます。
滞在先の探し方と相場
バンクーバー留学での滞在方法は大きく分けて3つあります。
- ホームステイ
- シェアハウス
- 一人暮らし
学校の寮で生活する場合もありますが、今回はその話は省きます。長期滞在であれば最初の1〜3ヶ月はホームステイ、その後はシェアハウスという形が多いです。もちろんずっとホームステイの場合や、一人暮らしを始める場合もあります。
ホームステイ先の探し方
日本の代理店で探す際、まずは希望条件を出していきます。子供がいる家庭、ペットがいる家庭、中心部か郊外か、ご飯の種類などです。
バンクーバーでのホームステイの家賃相場は1ヶ月800〜1,300ドル程度です。どのような条件で金額が変わるかというと、3食の食事の有無、お弁当(サンドウィッチなど)の有無、ダウタウンからの距離などです。
私の場合、ダウンタウンまでバスと電車で約40分の立地、3食付きの家庭で、家賃は1ヶ月850ドルでした。
シェアハウスの探し方
主に、
- サイトを見る
- 友人に紹介してもらう
- 学校で仲良くなった友人と一緒にアパートを探して住む
などの方法があります。
バンクーバーのシェアハウス探しで最も有名なサイトが以下の2つです。
- JP Canada:http://bbs.jpcanada.com/
- craigslist:https://vancouver.craigslist.ca
ルームシェアをしてくれる人を探している投稿が大半ですが、住む家を探しています、と投稿することも可能です。シェアハウスの家賃の相場は500〜1,200ドルと幅広いです。
高いのはダウンタウンの個室で、しっかりした個室であれば1,000ドル前後はします。郊外の個室は安くて500ドルの場合もあります。
マンションでシェアをして驚いたのですが、たいていのマンションにはジムやプールが付いていて、住人は無料で使用できます。私は3つのマンションに移り住みましたが、全てジム付き、内2つはプールとジャグジー付きでした。
シェアハウスの場合、友人と一緒に住むと、ホームパーティができるなど楽しみながら英語の勉強にも役立てることができるのでおすすめです。
なお、一人暮らしの場合の家賃はグンと高くなります。
また、色々な交渉を全て英語で行わなければならないので、慣れない最初の内はおすすめしません。まずはホームステイで現地の環境を知ることを優先すると良いでしょう。
ホームステイの実情
ホームステイについて、みなさんは何を想像するでしょうか?
広い庭のある家、白人のフレンドリーな家族、賑やかな食卓、広くて綺麗な部屋と、初めての海外暮らしに期待が高まる人もいるでしょう。
私は当初、2ヶ月のホームステイを予定していたのですが、わずか1ヶ月で出て行くことに決めました。
その理由は、
- 入室日から掃除しなければならないほど部屋が汚かった
- ホストファミリーはフィリピン人で英語の訛りが強かった
- リビングではフィリピン語を話すので、会話に入りにくい
- 食事は好きな時間に食べる形なので、団欒などはない
などです。
もちろん良い点もたくさんありました。
- 一緒に滞在していた台湾人が仲良くしてくれた
- ご飯の量が多かった
- ホストファミリーが優しかった
と、トータルの条件は悪くありませんでした。
ただ、バンクーバーのホストファミリーはアジア系が多いです。もちろん英語は話すのですが、訛りもあり、なんとなくイメージと違ったなと正直思ってしまいました。
ネイティブカナディアンと一緒に住む中で、カナダの暮らしを感じられると思っていたのです。
- ネイティブカナディアンの家族と会話しながら勉強ができる!
- 休日はたまにみんなでお出かけをするんだろうな
- リビングで団欒して夜を過ごそう
なんて期待をしていたので、ギャップに落胆したのです。贅沢すぎですね。笑
もちろんそういった家庭もあると思いますが、私の日本人の友人がステイした家庭の中にはありませんでした。ホームステイは完全に仕事と割り切っている家庭も多いです。良くも悪くも自由でしたが。
移民が多いカナダなので、ホストファミリーは必ずしもネイティブカナディアンであるとは限りません。代理店からはホストファミリーの出身国を伝えられますが、元々ネイティブカナディアンのホストファミリーの数も少なく、人気も高いため、簡単に変更もできません。私のような贅沢な想像はしないことです。
シェアハウスの実情
上記でも紹介しましたが、私は3つのシェアハウスを移り住みました。全て学校に徒歩で行けるダウンタウン内で、家賃はそれぞれ850ドル、500ドル、400ドルでした。ぞれぞれの条件を比べてみましょう。
850ドルのシェアハウス
同居人:パキスタン人男性、韓国人女性(途中から日本人男性と入れ替わり)
ワンルームの部屋でした。どのように住んでいたかというと、私は鍵付きの広いプライベートルームに住み、オーナーはリビングルームにパーテーションを置いてプライベートを確保していました。
韓国人女性はソラリウムと呼ばれる、一面がガラス張りの日光浴室に住んでいました。本来ソラリウムは植物などを置く部屋なのですが、ソラリウムをシェアルームとして貸し出すケースは多いです。
ソラリウムにもベッドと小さな棚、机を置けるくらいのスペースはあります。もちろん家賃は通常の個室より安く、このような部屋の相場は600〜700ドルです。リビングルームの場合はもう少し安いです。
ここのシェアハウスの同居人は2人ともとても良い人でしたし、英語があまり話せない私にもゆっくりしゃべって対応してくれました。
特にトラブルはなかったのですが、元々はパキスタン人男性が賃貸していた家だったので、その賃貸の契約期限が終わるということで次の家に引っ越しました。
500ドルのシェアハウス
同居人:日系カナダ人3人+ウサギ
この部屋もワンルームですが、男性4人で暮らしていました。前の家同様、1人はリビングルーム、1人はプライベートルーム、もう1人はソラリウムで、私は広めのクローゼットのような、正直部屋とは言えない空間に住んでいました。
ダウンタウンで500ドルという破格の個室なのでしょうがないですが、内見に行った時は驚きました。ここに住むのか、と。しかしルームメイトはカナディアンで家賃も安い。
これも一つの経験と考え住むことを決めましたが、もうあの暮らしはしたくないですね。上に述べたソラリウムのように、本来は人が住む部屋ではないところにベッドと小さな机だけを置いて部屋として貸し出していることが多いです。
窓のない部屋もあります。窓無しの部屋はおすすめしません。リビングルームにも人が住んでいるため、ドアを開けて換気することもできず空気が良くないからです。
ですが留学生の中にはそれでも良いから安く住みたいと思っている人もいるので、そういった条件の悪い部屋が部屋として貸し出しされているのが現状です。実際私もだいぶ節約できたので助かりました。
400ドルのシェアハウス
同居人:学校の友人のスイス人
友人が一人暮らしをするということだったので、最後の1ヶ月半だけ住まわせて欲しいと嘆願し、相当安くしてもらいました。とてもありがたかったです。前の家は、大きなトラブルではなかったのですが色々とあり、居心地が徐々に悪くなったことが原因で出ました。
最後に住んでいたこの部屋のルームメイトは友人だったので、休日に共通の友人を呼んで料理を作り合ったり、色々と楽しむことができました。
シェアハウスで重要なことはルールを守ることです。例えば一人が掃除をしないと他の人の負担になりますし、負担している方もバカらしくなってきます。部屋も段々汚くなってきます。
また、友人を呼ぶことは可能かどうかも家によってはルールがあります。友人を呼んで騒ぐと、他のルームメイトの迷惑になります。
家によりますが、消耗品(洗剤やトイレットペーパー)はオーナーが定期的に買ってきてくれたり、米や調味料は自由に使えたりします。ルールは家それぞれなので、入居を決める前にしっかりと把握しておきましょう。
ちなみに私が一番苦労したことは掃除です。自分の部屋は自分で掃除すれば良いのですが、共用スペースは「誰かが」掃除しなければいつまでたっても汚いままです。
2件目のシェアハウスでは誰も掃除してくれなかったので、嫌な気持ちになりながら文句も言えずに掃除していました。これが引っ越しの原因の一つでもありました。
噂で聞きましたが、日本人はルームメイトとして人気です。比較的綺麗好きで、文句を言わないからです。もちろん個人差はありますが……。
英語でしっかり文句を言えるようになれると良いですね。
日本人と暮らす?外国人と暮らす?
家族以外の人と住むのには、気を使いますよね。しかもシェアハウスではほぼ初対面の人と暮らし始めるので、色々と不安なことも多いでしょう。
英語にまだ自信がないなら、日本人と暮らしたほうがお互いの意思をしっかり伝えられるのでストレスが少ないし、日本人同士なら言わなくてもわかることも多いので気が楽ですよね。
その気持ちはとてもわかりますが、やはり日本人以外と住むことをおすすめします。理由は「せっかく留学しているから」につきます。
日本で外国人と住む機会なんて、そうそうないです。外国人と住むことで一番良い点は、日常会話ができることです。本当に何気ない一言って、英語で言うのが難しかったりします。
例えば
「服裏表逆になってるよ」
「この肉2、3日解凍したまま外に出しっぱなしだったから食べない方が良いかな?」
こういった内容は教科書に出てこないので、いざその場面になったとき、パッと出てきづらいです。私はこういった言葉をまずメモして英語に訳して、いつかまた機会があれば言えるように練習していました。
もし日本人と住んでいたら、お互いの努力がなければ英語でずっと会話をするのは難しいと思います。相手が家では日本語を使いたい人だったとしたら、こちらも英語ばかり話せませんよね。
一度シェアハウスを探していた時期、あるマンションに内見に行きました。条件はとてもよかったのですが、一つだけひっかかることがありました。それは住居人が全員日本人で、家では日本語しか話さないことです。
当時は全然英語が話せず、友人との会話でも細かいことを伝えられず笑ったりすることも少なかったので、辛い時期でした。この日の内見は日本人だけの空間で、とても心地よかったのを覚えています。
変な緊張もなく、ちょっとしたジョークも言えたのは久々でした。正直、楽になりたい!と思い、彼らと住みたい気持ちもありました。しかし断りを入れたのは、やはり英語の勉強をしに来ていたからです。
逆に、同時期に内見していた他の家(上記の500ドルの家)を内見した時は、ルームメイトがカナディアンのみだったのでとても緊張したのを覚えています。
それでも後者の家を選んだのは、自分を窮地に追い込めば嫌でも勉強できると思ったからです。楽じゃないことほど、そこから学べることも多いからです。実際に日本語は通じないので、英語を話す環境としては最適でした。
留学は環境の違いによりストレスが溜まりやすいです。最初は、知らない人でも日本人であるということだけで安心します。
だけど私たちは、留学先で日本語を話しにきているわけではありません。もちろん日本人との交流は必要ですが、日常生活を外国人と共にすることでグンと成長できるので、日本人以外と住むことをおすすめします。
シェアハウスに関する詐欺・トラブルに注意
シェアハウスを探す際は、上記のサイトを使うことが一般的です。とても便利ですが相手の顔が見えないので、不安はありますよね。
治安の良いバンクーバーでシェアハウスに関連した大きな事件が起こることは少ないと思いますが、留学生はまだ英語に慣れていないということにつけ込み、騙そうとしている人もいることを知っておくべきです。
例えば、明らかに安すぎる、条件が良すぎるシェアハウスは絶対に避けるべきです。
ダウンタウンのシェアハウスの相場は600〜1,200ドルほどなのですが、個室400ドルはちょっと危険な香りがします。郊外の個室で400ドルはたまにありますが。
よくあるトラブル
主にどういう危険があるかというと、
- デポジット(入室時に払い、退室時に返ってくるお金)が異常に高く、最終的に返されない
- 同居人が恋人目的でルームメイトを募集している
この2つが多いです。
こういった詐欺に合わないためには、内見の際には必ず友人と一緒に行くことです。英語に慣れている友人だとより良いです。
英語で色々急に説明され、わからないまま部屋を借り、後で言った言わないのトラブルになりかねないからです。また女性の場合、男性のオーナーに狙われてしまうということも考えられます。
実際に私がシェアハウスを探していた時、明らかに怪しい物件を見たことがあります。
内容は、
- オーナーはカナダ人男性
- 家賃は無料
- 家事全般をこなし、男性を支えること
- 日本人女性限定
- 明るい子募集
です。どう見ても怪しいですね。
ここまで怪しいとさすがに選ぶ人はいないと思いますが、良い条件の裏には何かあるかもしれない、と疑うくらいの気持ちでいた方が良いです。
女性のみのシェアハウスもあるので、どうしても不安な方はそちらに住むと良いです。たいていの人は騙すようなことはしませんが、こういった可能性はあるということを覚えておいてください。
まとめ
今回の記事ではシェアハウスやホームステイの理想と現実を、バンクーバーでの私の実体験から記述しました。これらがシェアハウスやホームステイの全てではありませんが、海外留学する際は一部の情報として知っておいて損はないです。
自分に合う条件を探し、住みやすい家を見つけることは有意義な留学生活を送るのには欠かせないことです。
引っ越しも体力のいる作業です。何かトラブルが起きないように慎重に家を探し、留学生活にプラスになるような暮らしを目指しましょう。
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