海外留学したい!と思ったときに立ちはだかる壁、それが資金であるという人は多いです。とくにアメリカは他の国に比べて費用がかさむ国でもあります。
大学留学にくらべて安く抑えられるワーキングホリデーという制度がある国もありますが、アメリカにワーホリの制度はないのが現状です。
それでもやっぱりアメリカがいい!世界最先端の国に行きたい!という方におすすめなのが、最安値で1年から最長2年のアメリカ留学が実現する「オーペア」という働き方です。
オーペアとは?
オーペアとは、米国国務省が認定しているプログラムです。アメリカのホストファミリーと一緒に暮らし、そのお宅の子どもたちのベビーシッターをすることで年間約100万円のお給料をいただくことができます。
ホストファミリーが食費を負担してくれ、お家はホスト宅なので滞在期間中の生活費はほとんどかかりません。さらに年間最大500ドルの学費補助もあり、空き時間に学校に通うこともできます。
わたしの場合は、近くに良い大学がなかったのでコミュニティカレッジに通いました。そして英語の発音のクラスやハワイ語のクラスを履修しましたよ。
ですが都会に住むオーペアは選択肢も多く、大学のサマースクールを履修していました。アメリカの大学で本格的な授業が受けられて楽しいと言っていました。
オーペアにかかる費用はいくら?
オーペアになるためにはエージェントに登録する必要があります。エージェントにもよりますが、登録料は20〜30万円が相場です。
渡米のための飛行機代もエージェントが出してくれるので、かかる費用はほとんどこれだけになります。
基本は1年間の滞在ですが、最長2年まで滞在を伸ばすこともできます。そう考えるとアメリカ留学をとても安く抑えられることがわかりますよね。
エージェントへの登録は必須?
わたしがオーペアをしていたときに、少数ですがこんなオーペアもみかけました。エージェントを介さずに直接ホストファミリーをみつけ、ホストファミリーと直契約をしていた方たちです。
エージェントとは別に、ホストファミリーとオーペアを結ぶマッチングサイトというものがあります。そういったサイトでホストと知り合って直契約をしていたのでしょう。ですが、わたしはこのやり方は絶対におすすめしません。
ホストと直契約をすると、渡米は観光ビザになります。エージェントに登録すると発行してもらえるJ1ビザという就労ビザはもらえないのです。そもそも観光ビザでの就労は違法ですし、滞在も3ヶ月に限られます。
観光ビザで何回も日本とアメリカを往復しつづけていたら、次第に空港の税関で怪しまれ、こわい思いをするかもしれません。一生アメリカに行けなくなる可能性もあります。
なのでオーペアをする場合は、エージェントに登録することを強くおすすめします!
オーペアになるために必要な条件
オーペアになるためには年齢制限があります。アメリカの場合、18〜26歳限定のプログラムです。また、基礎的な英語力、運転免許、高卒以上の学歴なども必要になります。
健康状態が良好なことも大事で、渡米の前に医師から診断をしてもらい、オーケーをもらう必要があります。これらはエージェントに登録するための条件です。
ただオーペアになるためには、ホストファミリーから「この人に来てもらいたい!」と思ってもらう必要があります。エージェントに登録したら万全、というわけではないのです。
実際わたしはエージェントに登録したらすぐに渡米できるものだと思っていました。が、現実はそう甘くなく、ホストファミリー探しに手こずり、数ヶ月ほど渡米が伸びた経緯があります。
どんな資格・人材が求められるのか?
ではどんな人がスムーズにホストファミリーを決められるのでしょうか?
オーペアはベビーシッターが仕事なので、多くのホストファミリーは幼児教育の資格をもったひとを好みます。ホストが日本人だった場合や、生まれたばかりのお子さんをもつファミリーだとその傾向が強いようです。
わたしの場合、保育の資格は持っておらず、経験もゼロでした。でもそこから保育の実習ボランティアをして経験をつみ、無事ホストファミリーも決まっています。
同じ状況のかたには、わたしみたいなタイプもいますよ!とお伝えしたいです。
また、明るく前向きな方はホストが決まりやすいです。オーペアは留学といっても仕事をするために派遣されます。ホストとしてはいい仕事をしてほしいのが本音なのです。
そのため、環境の変化やことばの壁があったとしても、それを前向きにとらえ、子どもと明るく接してもらえそうだな、と思えるひとのほうが選ばれやすいです。
オーペアをするのに英語力はどれくらい必要なの?
渡米前は気がつかなかったのですが、ホストファミリーによって必要な英語力はまったく違うんだなぁ、というのが本音です。
わたしのホストは2人ともアメリカ人だったので、会話はすべて英語でした。 そういったホストファミリーの場合は、日常会話ができるほどの英語力がないと辛くなってしまいます。
わたしはギリギリ日常会話ができるくらいだったので、さいしょのうちは特に子どもたちとの会話に苦労しました。
大人とちがって「ゆっくり喋ってあげよう」ということがなく、子ども特有のゆるい滑舌ではなす英語に慣れていなかったからです。
ですがホストの片方が日本人だった場合、会話の50%は日本語でできます。またそういった場合、多くのホストは日本人オーペアに子どもに日本語で話しかけてね、とお願いしていました。この場合だと、英語にすこし苦手意識があっても大丈夫ですよね。
ただいずれの場合でも、英語のレッスンを用意してくれているエージェントがほとんどです。そういったプログラムを活用したり、事前にベビーシッティングに必要な単語を覚えておくなど、準備をしておきましょう。
わたしを含めてたくさんのオーペアが英語に自信がないまま渡米して、めきめき英語を上達させています。
オーペアの仕事内容
ざっくりベビーシッターといっても、具体的にどんなことをやるの?と気になるかたもいるかもしれません。
参考までにわたしがオーペアをしていたときの仕事内容をあげてみます。ちなみにわたしは1歳、3歳、5歳の3人のお世話をしていました。
子どもたちと遊ぶ
これに尽きます。仕事のうちの60%は子どもたちと遊ぶことでした。遊びとはいえ毎日同じことでは子どもたちが飽きてしまいます。
外遊びと家遊びのバランスをとることや、同じ家遊びでも今日はお絵かき、次の日はレゴなどいろいろ考えることがあり、とても勉強になりました。
学校や習い事の送り迎え
5歳の子は毎日、3歳の子は週に2回学校に行っていました。それのお迎えはわたしの担当だったので、毎回1歳の子をつれて車で迎えにいっていました。
アメリカは車社会なので、オーペアも想像以上に車を運転することになります。エージェントに登録する際の基準にもなっていますが、運転には慣れているに越したことはないです。
わたしは日本で大型車を運転したことがなく、いちどホストの大きいバンをこすってしまい注意されたことがあります……。
浴衣をプレゼントしたら、さっそく着てくれたときの写真です。日本の文化を紹介することもだいじな仕事の1つです。
ご飯をつくる
子どもたちとのお昼ご飯はわたしの担当でした。すこし驚かれるかもしれませんが、ホストファミリーの冷蔵庫を勝手にあけて、その残りもので料理をします。
とはいえ料理に時間をかけすぎると、メインである「遊び相手」という仕事ができないので、ピーナッツバター・アンド・ジェリー(2枚のトーストにピーナッツバターとジャムをそれぞれぬってサンドしたもの)をよく作っていました。
夕方から寝かしつけまでのお世話
2週間に1回くらいの割合で、夕方からのシフトの日もありました。ホストがデートナイトをするからです。正直なところ、これが仕事のなかではいちばん大変でした。
夕食を食べ、すこし遊び、子どもたちを別々にお風呂にいれ、本を読み、寝かしつけする…という一連の流れがうまくいくことはそうそうありません。
お風呂にはいる順番でけんかしたり、せっかく先に寝た1歳の子を3歳の子が起こしてしまって大泣きしたり……。
ふだんホストが2人ですることを1人でやるので手が足りないと思うことはたくさんありました。ですがそれも今となれば笑って思い返せるいい思い出です。
フリータイムの過ごし方
オーペアはフリータイムもたくさんあります。わたしは朝から日中にかけての仕事が多かったので、夕方からフリータイムでした。そんなときどう過ごしていたかというと、
オーペア仲間と遊ぶ
オーペアをしているのは日本人だけではありません。世界中からオーペアをしにアメリカに集まっており、地域ごとに集まる機会があります。そんな仲間たちと遊ぶことがいちばん多かったです。
彼女たちとは、観光したり、誰かのお部屋に集まったり、カフェにいったりしました。文化的な背景のちがう友人たちとの会話はいつも楽しかったですし、英語の練習にもなりました。
※オーペア仲間と休日をつかってシュノーケリングに行ったときの写真。
有給休暇をつかう
オーペアには年間10日ほどの有給休暇が認められています。わたしは10日一気に消化して、ニューヨークに旅行に行きました。人によっては日本への一時帰国にあてている人もみかけましたよ。
ホストファミリーの仕事内容によっては、どうしても10日まとめて取られては困るという人もいました。ホストの迷惑にならないように、最大限たのしめる有給をとれるといいですね。
学校に通う
オーペアには、年間最大500ドルの学費補助がつきます。これは大いに利用するのがおすすめです。コミュニティカレッジに通うとオーペア仲間以外の友人をつくることができます。
オーペア仲間はおなじ年代の人が多いですが、コミュニティカレッジにはさらに幅広い年代の人、日本人のわたしからは想像がつかないようなバックグラウンドを抱えた人がいました。
そういった人々との出会いは、世界観がひろがるきっかけになりました。
ホストファミリーと過ごす
留学中、ホストファミリーは第2の家族のような存在になってくれます。 仕事が終わっても一緒に団欒したり、ときには一緒に休日おでかけしたりすると、ホストファミリーともっと仲良くなれます。
仕事が終わったら部屋にこもりっぱなしというオーペアでは、ホストも「仕事以外ではわたしたちと関わりたくないのかな」と思ってしまうかもしれません。無理のない程度にホストファミリーと過ごす時間をつくれたらいいですね。
11月のThanks giving day(感謝祭)のときの写真。ホストがメインディッシュの七面鳥をカットしてくれています。
オーペアの気になるお給料について
オーペアは週45時間前後の仕事につき、約200ドルのお給料がもらえます。家賃はまったくかからず食費は外食時の交際費のみなので、お金をつかう機会はあまりありません。
それでも
- フリータイムでの交際費
- 交通費(わたしの場合はガソリン代)
- 有給で行ったニューヨーク旅行
- スキンケアやヘアケアなどの生活用品
- 洋服
などにお金をつかい、わたしの場合はほとんど貯められませんでした。そのことをアイスランド人のオーペア友達に話したら、「わたしはものすごく貯まってるよ!」と言っていました。人それぞれなようです。
エージェント情報
- ・intrax: http://www.intraxjp.com/aupair
- ・World Au Pair in JAPAN: http://www.worldaupairinjapan.net
- ・オペアAIJ: http://www.aupairaij.com
まとめ
オーペアは、かわいい子どもたちやかけがえのないホストファミリーとの一生の絆がつくれる、すばらしいプログラムです。将来の子育ての勉強にもなります。
もちろんアメリカ現地の生活にひたるので、英語力も飛躍的に伸びます。そんなオーペアが、他の留学と比べて最安値で実現するのです。アメリカに留学したい!というかたはぜひ検討してみてくださいね!
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