無事アメリカに引越してきたら、最初にいろいろとやらないといけないことがありますよね。その中でも重要なことの一つに銀行口座開設があります。
日本人が日本で銀行口座を開くのは簡単ですが、日本人が海外で銀行口座を開く場合はどうなのでしょうか?どのような手続きと書類が必要なのでしょうか?
アメリカで銀行口座を開設するメリットはいくつかあります。まず日本からの学費や生活費の送金に必要なので、早めに開いておくと便利です。長くアメリカに住む可能性がある人や、お仕事をしている人などにとっても必需品です。
今回の記事では口座開設、口座の使用方、その他のアドバイスも交えながら詳しく紹介していきます。また、最後に日本からアメリカへ送金する方法も説明します。
日本でのお金の準備
アメリカ生活や留学をする際に、みなさんはどうやってお金を持って行きますか?すでに学費の支払いは済ませているので、まず必要なのは現地に着いてからの生活費です。
現金を持って行ってもいいですが、あまり大金を持っていくのも不安ですよね。なので、日本のクレジットカードや海外キャッシングができるカードを必ず持っていきましょう。
アメリカにいても各種手続きが簡単にできる、オンラインバンキングに優れた銀行のカードを持っておくと便利です。
国際キャッシュカード、デビットカード、などのキーワードで検索すると、比較サイトがいろいろとヒットします。留学後に使いやすそうな銀行で口座とカードを作っておきましょう。
地元にある小さな銀行は、カードが止まった時、海外送金したい時、一日の使用限度額を変えたい時、などにいちいちアメリカから日本へ国際電話をしないといけないところがあります。
大手の銀行では、そのような手続きがオンラインで簡単にできるところがたくさんあります。
アメリカでの銀行口座開設
アメリカで新生活を始めて、ある程度の出費は日本から持ってきた現金やカードでなんとかなります。
しかし、学費や生活費など大きい金額を日本からまとめて送りたい時などは、アメリカでの銀行口座が必要になります。ですので、現地での生活に慣れてきたら、早めに銀行口座開設をすることをおすすめします。
留学生の場合、初めの頃はアメリカのID(運転免許センターで発行してもらう身分証明書または免許書)もSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー・納税者番号)も持っていません。これらはアメリカにおいて身分証明をする時に必要な書類になります。
他人名義のアパートでルームシェアをしていれば、自分名義の光熱費の支払いもありません。身分証明書といえばパスポートか学生証くらいです。
適当に近所の銀行に行っても、あなたが何者かよく分からない上に住所を証明するものがないので、簡単に口座開設はできません。ではどうすればよいのでしょうか?
まずは学生街や語学学校がたくさんあるエリアの銀行に行ってみましょう。語学学校があるエリアの銀行では、留学生がよく口座開設をするので銀行員が手続きに慣れています。
また、自分より先輩の留学生に相談してみましょう。先輩が初めて口座開設をした銀行にいけば、口座開設ができる可能性が上がります。
必要書類
口座開設をする時に必要な書類は、身分証明になりそうなもの、住所証明になりそうなもの、です。留学生の人は、語学学校に口座開設したい旨を伝えて、一筆レターを書いてもらいましょう。
手紙を使って、あなたがそこの学校の生徒であることを証明できます。大学の場合は留学生センター(international student office)に行って相談してみてください。
持っていくもの
- 学校からのレター
- 学生証
- I-20(アメリカ政府から認可された教育期間が入学を許可する学生に発行する書類)
- パスポート
- 携帯の契約書類や支払い書(もし自分の名前で契約していれば)
- 光熱費やインターネットの支払い書(もし自分の名前で契約していれば)
- 現金(口座開設の際に入金する用)
とにかく名前と住所が確認できるものを全て持っていきましょう。アメリカでは、担当者によって言うことや対応が違うのが普通です。これは銀行に限らず、いろいろな場面で経験していくと思います。
もし一つ目の銀行がダメでも、落ち込まずに次の銀行に行ってみましょう。
代表的な銀行
都会のエリアでは、次の3つの都市銀行で口座を開設している学生が多いです。
- Bank of America
- JP Morgan Chase Bank
- Citi Bank
アメリカの銀行では、窓口と銀行員のデスクが並ぶゾーンがあります。口座開設の場合はデスクのゾーンで手続きしてもらいます。銀行に入って案内係の人がいれば「口座開設をしたい」と伝えましょう。
案内係の人がいない時は、デスクに座っている銀行員に直接話しかけてみましょう。お客さんがいない場合「どうぞ座って」とすぐに対応してくれます。
口座の種類
まず口座開設をする時に、どのタイプの口座を開くかを決めます。通常はcheckingを開設して、貯金をしたい人はsavingも同時に開きます。
- Checking=普通預金
- Saving=定期預金
Checkingは普通預金のことです。この口座は、頻繁にお金の出し入れをする用の口座です。月に最低何回か以上の手続きを行っていないと、手数料を取られる場合があります(銀行や口座の種類によります)。
小切手の使用の場合はこの口座から引き落とされます。またデビットカード利用の場合も使用直後にこの口座から引き落とされます。
銀行によって、口座に入れておかないといけない最低維持金額が設定されていることがあります。例えばBank of Americaの一般口座は最低1500ドルの入金が必要です。金額が下回ると、毎月の手数料がかかります。
学生口座の場合は、最低維持金額がないものもあります。銀行によっていろいろな商品があると思うので、詳しくは銀行員に教えてもらいましょう。
Savingは定期預金のことです。すぐに使わないお金がある場合は、Savingを開いてそこに預金しておきましょう。Savingは月に何回か以上の出金を行うと手数料が取られます。
また、通常最低300ドルを口座に維持していないといけません。下回ると手数料がかかります。必要のない人は、また作りたい時に開くといいと思います。
サインの山
無事必要書類も十分で開設口座ができることになったら、銀行員が大量の書類を持ってきます。そして何枚も書類にサインをしていきます。アメリカは書類大国なので、契約時はたくさんの書類にサインをするのが普通です。
アメリカに行ったばかりの留学初心者では、これらの書類を理解するのは大変です。内容をちゃんと理解したい時は、銀行員に言葉で説明してもらいましょう。
重要なポイントは名前、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレスが間違っていないかをしっかり確認することです。筆者は初めて口座開設をした時になぜか住所が語学学校にされていました。後に語学学校に銀行の書類が届いた時に発覚しました。
語学学校では規模が小さいので、ちゃんと自分に書類が届きましたが、大規模な大学ではちゃんと自分に届けてくれるか定かではありません。このようなミスがないように、再度書類を確認しておきましょう。
暗証番号
書類にサインしたら銀行員にpinを設定するように言われます。pinとは暗証番号のことで、銀行の場合は4桁の数字を自分で選びます。一度打つと「もう一度打ってください」と言われます。二度打ち込むと、暗証番号の設定は完了です。
この番号が今後自分が買い物をする時、お金をおろす時などに使う番号になります。暗証番号は簡単に変更できます。番号を忘れてしまったり、新しく変更したい場合は、最寄りの銀行に身分証明書を持っていけばその場で再設定してくれます。
キャッシュカード兼デビットカード
無事Checkingを開設すると、デビットカード(Debit Card)を発行してもらえます。これは引き出し用のキャッシュカードとデビット機能が合体したものです。その場でもらえるのは、一時的なTemporary Cardと呼ばれるものです。
1〜2週間ほどで、本カードが登録の住所まで送られてくるので、送られてくるまではTemporary Cardを使います。
もしcheckingとsavingを両方作った場合、次のようなことが可能です。
- 1枚のカードでcheckingもsavingも操作できる(違う暗証番号に設定できる)
- checkingとsavingの別々のカードを作ってもらう
- checkingだけカードを作ってもらう
1の場合は1枚のカードでcheckingもsavingも使えるので便利です。ATMでお金をおろす時に今日はsavingからおろそう、といった風に選ぶことができます。しかし、スキミングなどでカード情報が抜かれた時には危険です。
2の場合は、普段はcheckingのカードのみを使用して、必要な時だけsavingのカードを持っていく、という風に使えます。
3は最も安全です。savingのお金の出し入れはオンライン上または直接銀行の窓口でのみ行います。安全に取引をしたい人には3がおすすめです。
ATMの使い方
全ての手続きが終わったら、temporary Cardがちゃんと使えるかを銀行内のATMで試します。優しい銀行員なら手伝ってくれるかもしれません。
銀行やATMによって
- カードが飲み込まれるタイプ(日本と同じ)
- 始めにカードを挿して引き抜くタイプ
- 始めにカードを挿して手続きが終わるまでそのままにしておくタイプ
などがあります。(ICチップ搭載カード用)
このように、各ATMによって違いますので、カードの取り忘れに注意してください。いつも2を使うのに慣れている人が1を使った時に、最後に出てくるカードをよく取り忘れています。
オンラインバンキング
お疲れ様です!無事Temporary Cardが使えたら口座開設は終わりです。書類のコピーとCheck(小切手)をもらって帰りましょう。
アメリカの銀行では通帳はもらえません。そもそもアメリカには日本の通帳のようなものがありません。口座の管理は全てパソコンや携帯で行います。
まずはパソコンで銀行のサイトにアクセスしてください。携帯の場合は各銀行専用のアプリをダウンロードしてください。
簡単な登録を済ませたらすぐにオンラインバンキングが使えるようになります。また、銀行で一緒に登録手続きも手伝ってくれることもあります。パソコンが苦手な人は口座開設の時に、オンラインバンキングの登録も手伝ってもらいましょう。
使いすぎに要注意
デビットカードで支払いをすると、その場で口座からお金が引き落とされます。残高がない場合は使えなくなる、と思いきや使えてしまうのが落とし穴です。
口座残高がマイナスになってしまうことをoverdraftといいます。日本では定期預金があればマイナスまでお金が使えます。アメリカのデビットカードには定期預金がなくても、その機能がついています。
まだお金入ってる、と思って使ってしまい、マイナス2ドルなったとしましょう。それに気づかずに放っておくと、銀行からどんどん手数料が引き落とされていきます。
そして、手数料が重なってとんでもない金額に一瞬でなってしまいます。使ってすぐに気づいて入金した場合、手数料はかからないので、こまめに残高をチェックしましょう。
また、Overdraft Protectionというサービスがあります。このサービスを使えば、残高が足りない時にカードがdecline(カード決済できないこと)されて買い物ができません。
このサービスを使いたい人は、口座開設時に残高がなくなったらデビットカードが使えなくなるように設定もらいましょう。無料で設定できます。
便利な機能だとしょっちゅうマイナスにしていたら、その経歴が全てあなたの口座に残ります。後にクレジットカードを申し込みたい時に審査が通りにくくなるので、あまりマイナスにしないように気をつけましょう。
日本からアメリカへの海外送金の仕方
無事アメリカの銀行で口座開設をしたみなさん、おめでとうございます。これで日本からお金を送る宛先ができました。日本からアメリカに送金をする場合、必要書類にいろいろと記入しないといけません。
送金先の住所、銀行の情報、送金理由などを書いていくのですが、その中には、あまり普段耳にしないものがいくつかあります。
海外送金用語解説
通常、送金主の名前や住所の他に次のようなことを記入しないといけません。各銀行ごとに大まかに決まっているものは銀行ごとに紹介します。
SWIFT/BIC CODE
これは海外送金をする時に必要なコードになります。
- JP Morgan Chase Bank – CHASUS33
- Bank of America – BOFAUS3N(アメリカドルを送る時)、BOFAUS6S(アメリカドル以外の外貨を送る時)
- Citi Bank – CITIUS33
Routing number/銀行コード
- JP Morgan Chase Bank – 021000021
- Bank of America – 026009593
- Citi Bank – 銀行を開設したエリアによって異なる
(New York – 021000089, San Fransisco – 321171184, Los Angeles – 322271724)
また、Routing numberは銀行でもらったcheckの左下に書かれています。
Bank Address/銀行の住所
送金先の銀行の住所は、口座開設をした銀行の住所でもよいですし、引っ越した場合は引っ越した先の銀行の住所でも問題ありません。銀行によってルールが違うことがあるので確認してください。
JP Morgan Chase Bankに関しては、どこの支店の住所でも問題なく海外送金ができます。
Account Number/口座番号
自分の口座番号は、銀行でもらった小切手(check)の右下に書かれています。また、オンラインバンキングでアカウントにログインして確認できます。
このような情報を準備して、日本の銀行で海外送金先に登録しましょう。一度登録すれば次回からの送金が楽になります。送金にかかる日数は銀行によりますが1日から1週間ほどです。
海外送金手数料は銀行によって様々です。受け取りの際もアメリカの銀行から受け取り手数料が引かれます。現在の海外送金にかかる手数料の合計を調べるとだいたい2000円〜12000くらいの手数料がかかるようです。
20万円の送金の場合、平均的にかかる手数料は5000円〜6000円くらいです。
まとめ
銀行口座開設はそんなに難しいことではありません。情報収集をして、使いやすそうな銀行を決めたら、書類を持って口座開設にトライしてみましょう。
長くアメリカに住むなら、いずれは銀行口座が必要になります。一度口座開設をすれば、いろいろと便利になるので、まだ作っていない!という人はチャレンジしてみてください。
そして、無事海外送金の手続きまで終われば、その後の学費や生活費の送金が手軽に行えるようになります。急なお金が必要な時でも、海外送金には少し時間がかかりますので、早めに口座を開設しておきましょう。
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