多くの外国人が、常夏の太陽と美しい海を求めてフィリピンにやってきます。中でも有名なのはセブ島やボラカイ島など、首都のマニラからは飛行機や船を利用しなければ行けないところだったりします。
しかし、マニラ近郊にもそれに負けず劣らずの素晴らしいビーチリゾートがあります。首都圏から日帰り旅行も可能です。
都会から近いだけに現地のお客さんも多いですが、そんなところがフィリピンらしい庶民的なバカンスを外国人でも体験できて楽しいのかもしれません。
マニラ近郊ビーチの概要とベストシーズン
東南アジアの巨大都市のひとつフィリピン・マニラ。首都圏の人口は2,500〜3,000万人ともされています。
しかし、まだまだ新興国のレベルを脱しておらず、鉄道や道路などのインフラ整備は先進国に到底及ばず、一般市民は慢性的な交通渋滞にストレスフルな生活を送っています。
大気汚染もひどく、「稼ぐために仕方なくマニラにいるけど、早くここを脱出したい」と不満を持っている住民も多いです。
海外から仕事で駐在生活をする外国人も「現在のマニラの状況は、人も車も飽和状態でひどいなぁ」と、その現状に頭をかかえています。
が、しかし、そんなマニラも都市部を少し離れれば、「常夏の太陽と美しい海の島国、フィリピン!」を体感できるようなビーチリゾートが少なくありません。
今回はマニラからでも「日帰り」で行けるような近郊のビーチについてお伝えしていきます。
人気スポットはバタンガス州に点在するビーチリゾート
マニラ首都圏の人たちが週末に海でバケーションを楽しみに出かけるエリアとして最もポピュラーなのが、バタンガス州に点在するビーチリゾートです。距離的には約100km前後で、約2~3時間程度のドライブで行くことができます。
ダイビングエリア
バタンガス州のビーチは大きく分けて2つのエリアがあり、アニラオやサンルイスなど、特にダイビングエリアとして人気なのがバタンガス南海岸です。
海水浴エリア
そして、ナスブやマタブンカイなど、南シナ海に面していて砂浜も広がり、家族やグループでピクニックや海水浴を楽しむのに適したバタンガス西海岸があります。
マニラ都市部の空気の悪さや交通渋滞に嫌気が差した外国人観光客も、ここまで足を延ばせば「マニラの近くでも、こんな素晴らしいところがあるんだぁ」と感じられ、フィリピンらしい太陽と海のバカンスを楽しむことができます。
都市部と違って治安も良く、明るい笑顔がいっぱいのローカルな人たち、そして物価の安さもうれしい限りです。
旅行会社のパンフレットに使われるような高級リゾートもこのエリアにはいくつかあり、「せっかく南の島に来たんだからセレブ気分を味わいたい」という方でも満足できるようなスポットもあります。
上手なビーチの楽しみ方
「日帰り」が主流ですが、宿泊も可能なところが多く、1泊2日、もしくは2泊3日ぐらいの滞在でビーチリゾートを楽しむのも良いでしょう。もちろんのんびりと長期滞在するにも最適です。
マニラに滞在する予定のある方は、都市部だけでなくちょっと足を延ばして、フィリピンらしいバタンガス州のビーチリゾートを体験することをおすすめします。
フィリピンのベストシーズンは?
常夏のフィリピンですから、一年中ビーチリゾートが楽しめます。ただし雨期(7~9月ぐらい)は天候の悪い日が続き、大雨や台風の後は海も砂浜も汚れてしまっているケースがあります。
その他の時期は南国らしい太陽がいっぱいの時期が長く、いつでもビーチリゾートに適しています。
また、4月と5月はフィリピンの真夏にあたり、マニラなどは最高気温が40度近くになる日も多く、学校も夏休みになります。現地の人にとっては絶好のビーチ日和ということで、このエリアには多くの観光客が訪れます。
したがって、かなりの混雑になりますが、やはりベスト・シーズンならではの華やかさを楽しむこともできます。料金的にはこの2ヶ月はピーク時プライスとなり、施設などの利用料は割高になります。
11月〜3月が理想的な季節
したがって、日本からこのエリアのビーチリゾートを訪れるなら11~3月ぐらいが理想的かもしれません。
ちょうど日本国内の寒い時期にあたるので、このエリアでフィリピンの太陽と海と過ごすリゾート・タイムはパラダイス気分にさせてくれます。
海水はやや冷たくなりますが、海に入ったりマリンスポーツを楽しむのも問題ないくらいの暖かさではあります。
人気ナンバー1のマタブンカイ(Matabungkay)ビーチ
数多くのバタンガス地区の海でマニラ首都圏の人たちに最も人気が高いのが、西海岸の中央に位置するマタブンカイ(Matabungkay)ビーチです。
マニラ空港から南西へ約100kmのバタンガス(Batangas)州Lian市内にあるマタブンカイは、基本的にはマニラ首都圏内のフィリピン人が週末にバカンスを楽しむ海水浴場です。ここを訪れる観光客の約80%はフィリピン人です。
したがって、マタブンカイでは他の高級ビーチとは違った地元ならではの庶民的なリゾートタイムを体感できます。
青く穏やかな海はほとんど波がなく、赤ちゃんからお年寄りまで安心して海水浴を楽しめます。
砂浜の砂はとてもきめ細かく、子供たちが砂遊びをするには最適です。毎年このビーチで「砂の城(Sand Castle)コンテスト」が開催されていることからも、砂質の良さがわかります。
庶民的な海の家やコテージ、リゾートホテルまで、自分の身の丈にあった滞在先をチョイスすることができます。
マタブンカイ・ビーチの楽しみ方
世界中のあらゆるビーチと同様に、こういう場所での楽しみ方は千差万別です。
海水浴やマリンスポーツ、サマーベッドに寝っころがって日光浴、屋根つきのピクニック・テーブルを囲んで食事やお酒、一大ブームになっているSNS用のグラビア撮影ごっこ、そして究極の「何もしないという最高の贅沢」を楽しむ……のもよいでしょう。
また、マタブンカイ及びバタンガス西海岸エリアのビーチはサンセットがきれいなことでも有名で、「まだ地球上にこんな美しい光景があったのか!」と感動するようなシーンに出会えることも少なくありません。
水上コテージ(Balsa)の上でパーティー
しかし、なんといってもマタブンカイ・ビーチの特徴的な楽しみ方は、テーブルと椅子、サマーベッドや小屋が備え付けられた屋根つきの水上コテージ「バルサ(Balsa)」(別名:Floating Raft)をレンタルして遠浅の海に浮かべてもらい、そこを基地にして水遊びをすることです。
竹で作られたものなので、日本人の間では「いかだ」のようなものと愛されています。
このバルサの上に食糧やドリンクを積み込み、BBQパーティーなどを楽しむのが定番となっています。
パラダイス感満載
海の上で涼しい潮風を浴びて美しい海を眺め、新鮮な空気を感じながら味わう食事やお酒は最高においしくて、まさに南国パラダイス気分を満喫できます。
また、サマーベッドに寝っころがって、タブレットやスマホでスポーツ観戦、映画やドラマ鑑賞、ゲームなどをしているとあっという間で、いくら時間があっても足りません。
プライベートな空間を保てることもあってか、女性の間ではかっこいいビキニ姿を撮影し合う「グラビアごっこ」も楽しめます。
やはり太陽と海を背景にした写真は、Facebookなどの自分のSNSでもインパクトの強い写真として残すことができるようです。
バルサの上でのんびりしていると、お土産物屋さん、アイスクリームやとれたての魚介類を売りにくる人たちもやってきます。日本人客には、まだ生きて動いているウニが人気のようです。
もちろん、このバルサの上で釣りをしたり、飛び込んでシュノーケリングをすることも可能です。めずらしい熱帯魚を鑑賞したり一緒に泳いだりすることもできます。
ちなみに、マタブンカイの海はこのように水上コテージが浮かべられるぐらい遠浅で波も穏やかなため、あまり大きな魚、すなわち人間に危害を加えるような魚は存在しないので、安心して海水浴を楽しむことができます。
地元のフィリピン人だけでなく、外国人にとってもこのバルサを利用して海を楽しむ過ごし方は大人気で、一生の思い出になること間違いなしです。
竹製のバルサは世界的にも珍しいようで、ギネスブックや世界遺産の候補にも挙がっているようです。今ブームになっている「異次元空間」を楽しむという面でも、このバルサ遊びはレベルが高いのかもしれません。
豊富なアクティビティ
マタブンカイ・ビーチはアクティビティも充実しています。
釣り船を利用してのフィッシング、近場でのシュノーケリング、ジェットスキーやバナナボート、ダイビングやアイランドホッピング、そして無人島ツアーまでありとあらゆることが可能です。
マタブンカイ・ビーチでの滞在先
高級リゾートから庶民的なコテージや海の家まで、マタブンカイでの滞在先のチョイスはいろいろあります。
このエリアの軸となっているリゾート・ホテルは「マタバンカイ・ビーチ・ホテル」で、約100室のさまざまなタイプの部屋が用意されています。全室エアコン付きでプールやレストランも完備されています。
- アジアのホテルに強いagodaで見る:マタバンカイ・ビーチ・リゾート&ホテル
- 通算10泊すると1泊無料になるHotels.comで見る:マタバンカイ・ビーチ・リゾート&ホテル
- 最低価格保証のExpediaで見る:マタバンカイ・ビーチ・リゾート&ホテル
ホテル滞在客以外は基本的に入ってこられないので、落ち着いた空間も保たれています。が、やはり料金的にはダントツで高く、他のエリアのビーチ・リゾートと変わらないかもしくはやや割高かもしれません。
ただ、庶民派ビーチのマタブンカイはある程度のセレブ気分を味わえる場所でもあります。ここに宿泊して、昼間は名物のバルサをレンタルして過ごすことも可能です。
しかし、せっかくパブリック・ビーチに来たのならローカルなフィリピン・スタイルを楽しみたいという方は、庶民的なコテージや海の家を利用することをおすすめします。
人数無制限のところが多いので、グループで遊びに行く人たちにとってはお得です。
特に「日帰りビーチ」ツアーの方ならば、エアコンがなかったり、シャワーやベッドルーム、休憩所などに多少の不便はあったりしますが、外国人にとって問題になるレベルではないので、割安なコテージや海の家を利用するのがよいでしょう。
また、このビーチでは日本人が経営する海の家「SEASIDE COTTAGES Matabungkay」があり、このような情報の少ないマニラ郊外のビーチでは日本人客にとってありがたい存在です。
バルサのレンタルから、食事やパーティーの用意、マリンスポーツのアクティビティの手配など、日本人スタッフが丁寧に対応してくれます。
「SEASIDE COTTAGES Matabungkay」
Facebook:https://www.facebook.com/
マタブンカイ・ビーチへの行き方
外国人客で初めてマニラ首都圏からマタブンカイ・ビーチへ行く人は、タクシー、またはドライバー付きのレンタカーを利用するのが一般的なようです。
日本人の方は、日系の旅行会社やレンタカー会社を利用することをおすすめします。特にマニラの「ねもとトラベル」では、「マタブンカイ日帰りツアー」を長年実施しており、信頼度も抜群です。
マニラは何度も行っている、または現在マニラに滞在中であるというある程度フィリピン慣れした人なら、自分や家族、または知り合いの車を利用して行くのも良いでしょう。その場合、概ねルートは3つに大別されます。
- Manila→(South Expressway)→Tagaytay→Lian→Matabungkay
- Manila→(Coastal Road)→Aguinald Highway→Tagaytay→Lian→Matabungkay
- Manila→(Coastal Road)→Tanza→Ternate→Nasugbu→Lian→Matabungkay
となります。
現在のマニラ首都圏の厳しい交通渋滞の状況を考えると、どのルートが正解なのか迷うところではありますが、もし早く出発(AM5時~6時台)できるのなら、2番目のルートがおすすめです。
初めてマタブンカイに行くドライバーでもルートがわかりやすく、通勤ラッシュの時間帯以外は比較的空いていることが多いからです。
また、ガソリンスタンドやファーストフード店も道沿いにいっぱいあるので、トイレ休憩などの面でも便利です。
フィリピンだけでなく世界中を旅慣れている方は、初めてでも公共の交通機関を利用することが可能です。
マニラのLRT Gil Puyat 駅の近くのバスターミナルからDLTB社の「Nasugbu」行きのバスが朝の4時台から30分おきぐらいに出ています。
このバスに乗り、終点の手前の「Lian」で降ります。バスの乗務員にあらかじめ「Lian」で降りることを伝えておくことも忘れないでください。
Lianからはジプニーまたはトライシクルでマタブンカイに移動できます。時間的には約20~30分程度です。
いずれの移動手段を利用するにしても、現在のマニラ首都圏の交通状況を考えれば、早朝4時~6時台にマニラを出発することが望ましいでしょう。
まとめ
せっかくフィリピンに行くのだから、常夏の太陽と海も満喫したい。でもあまり時間がない。
そんな方にぜひトライしていただきたいのが、マニラ近郊の庶民派ビーチです。マニラ首都圏の大都会の喧騒を離れ、本当のフィリピンに出会うことができます。
また、他の有名なビーチリゾートでは体験できないようなフィリピンらしい楽しさをきっと発見できるでしょう。
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