のんびり働く国もあれば、定時に仕事を終わらせて決して残業はしない国など、働くスタイルは各国様々です。もちろん、社風や業界、個人の性格によっても異なると思います。
しかしながら、国民性がその国全体の仕事の成果に結びついていることは否定できません。では、マレーシア人の働き方はどのようなものなのでしょうか。
多民族国家であるマレーシアは、大別するとマレー系(国民全体の6割)、中華系(3割)、インド系(1割)の三大民族で構成されています。マレーシアで働く私から、彼らの仕事の進め方をご紹介します。
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マレーシア・ペナン島では働き方にも南国らしさが
私は現在、マレーシア・ペナン島のとある外資系部品メーカーで唯一の日本人スタッフとして働いています。
島部と本土(半島部)から構成されるペナン州の総人口は171万人ほど。人口からすればマレーシア第二の都市にあたるのですが、海に囲まれているせいか南国ムードにあふれ、首都のクアラルンプールに比べてのんびりした空気が流れています。
ペナン島で働き始めた初日、まずびっくりしたのは、就業開始時間になってもフロアに半分ほどしか人がいなかったこと!
私の勤務先では、交通渋滞が深刻な土地柄を考慮して10分までの遅刻は定時出勤と見なしているそうです。とても南国らしく印象深い出来事でした。
マレーシア人の働き方:マレー系マレーシア人
冒頭で述べたように、マレーシアは多民族国家であり、民族によって働き方も異なります。
国民全体の半分以上を占めるマレー系は、マレーシアの先住民族です。性格は全体的に、明るく大らか。与えられた仕事はこなしますが、そのスピードはお国柄同様、南国的なスローペースです。
マレー系の上司や部下を持つと、最初は少しイライラしてしまうかもしれません。
マレー系スタッフと仕事を進めるコツ
共同で仕事を行う際には、こまめに進捗を報告し合うようにすることと、進捗が分かる資料を必ず都度提出してもらうことが大切。上手くコミュニケーションを取りながら仕事をこなしていけば、人懐こいマレー系とは公私共に良い関係を築けると思います。
また、イスラム教徒であるマレー系は、戒律の一つとして毎年ラマダン(断食)を行いますが、その期間中は仕事の能率が落ちる傾向が。暑いマレーシアで、半日飲まず食わずで過ごすのがどれだけ辛いかは想像できるので、この時期だけはレスポンスが多少遅くなっても大目に見てあげましょうね。
マレーシア人の働き方:中華系マレーシア人
中華系住民の祖先は、中国南方部からマレーシアに移り住んできた、いわゆる「華僑」です。ビジネス感覚に優れており、お金を稼ぐのが得意です。実質、マレーシアの経済を牛耳っているのは中華系だと言われています。
性格としては真面目できっちりした人が多く、仕事に対しても責任感を持って取り組みます。仕事への姿勢という点においては日本人と感覚が似ていると思います。
チームワークで進めていくような仕事は、中華系がパートナーであればスムーズに進むことが多いでしょう。
中華系スタッフと仕事を進めるコツ
私の働くペナン島はマレーシアの中でも特に中華系住民の多い土地柄であるため、日常的に仕事でやり取りする人のほとんどは中華系です。
普段から仕事の中で気をつけていることは、絶対に彼らの自尊心を傷つけないこと。中華系はプライドが高い人が多いので、たとえ自分が悪かったとしても基本的に謝りません。
問題発生時にも、決して熱くなって相手を責めたりせず、冷静に話し合いましょう。
マレーシア人の働き方:インド系マレーシア人
インド南部のタミール地方から移り住んで来たインド系住民はビジネスに長けており、飲食店や両替商など個人で事業を営んでいる人も多いです。実際、インド系は独立心が旺盛で、ある程度の年齢になると会社から離れ、自分でビジネスを始めるケースが多々あります。
これまでの私の職場環境を振り返っても、インド系社員と一緒に長く働いた経験はほとんどありません。がむしゃらに働き、ある程度出世した時点でさくっと退社していく人が多かったです。
会社をあくまでも「いつか自分のビジネスを始めるための修行の場」としてとらえているのです。
インド系スタッフと仕事を進めるコツ
彼らのビジネスに対する熱意や考え方はとても参考になるのですが、一緒に仕事を進める上では注意が必要。なぜなら、退職時に次の人に引継ぎがされていないことがとても多いためです。
防ぎようがない事態ではあるのですが、対策として情報の共有やデータの更新などは普段からこまめに行っておきましょう。
まとめ~違いをポジティブにとらえる
同じ国で生まれ育ったとはいえ、異なるバックグラウンドを持っていれば、仕事に対する姿勢や働き方においても違いが出てきます。
マレーシア国内だけでもそうなので、日本と外国とを比べればその違いはもっと大きなものになるでしょう。
他者との違いをマイナスにとらえるのではなく、個性として肯定的に受け止めながら協働できるよう心がけていけたらいいですね。
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