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マレーシアで働く!現地法人と雇用契約を結ぶ前に必ず確認すべきこと

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マレーシア

東南アジア諸国のなかでも、マレーシアは近年の経済発展が目覚ましく、2020年には先進国の仲間入りを果たすことを目標に国を挙げて取り組んでいます。日本企業の現地法人も各地に設立されていて、2万人を超す日本人が在住しています。

マレーシア在住の日本人の多くは日本からの駐在員とその家族ですが、近年のグローバル化で現地法人に直接雇用されて働く人の数も増えています。

外資系・日系に関わらず、現地法人では日本法人のような手厚い福利厚生が望めない分、多くの事柄が交渉対象となります。そこで今回はマレーシアの現地法人での採用が決まり、実際に働きはじめる前に確認しておくべきことを紹介します。

マレーシアでの給与と労働条件

給与

マレーシアで働く日本人の給与は、就労ビザの申請基準の関係で、最低でも月額5,000MYR(約13万円)からと決まっています。

多くの場合は住宅手当や通勤手当とのパッケージで提示されます。なかには基本給が3,000MYR(約8万円)ほどで、家賃2,000MYR(約5万円)相当の社宅を提供してくれるケースもあります。

筆者の場合

筆者の場合は住宅手当込みの給与が6,800MYR(約18万円)で、賞与は事業実績に基づく額で7月と12月の年2回でした。実際には家賃が月額1,800MYR(5万円弱)かかっていたので、給与明細書に記載されていた月額給は5,000MYRです。

諸手当とのパッケージで条件を提示される際に、気を付けてほしいことがあります。それは給与明細書に記載される給与金額に、この手当分が含まれるかどうかです。

例えば基本給が3,000MYRで、社宅家賃として2,000MYR上乗せされ、給与明細書には給与額5,000MYRと記載されている場合。実際にもらう給料は3,000MYRなのに、所得金額5,000MYR分の所得税を課せられることになります。

給与額や賞与について雇用主側と同意する前に、課税対象となる金額について必ず確認しておきましょう。

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労働条件

マレーシアには日本でいうところの労働基準法のような雇用法はありますが、月額賃金が2,000MYR以下の労働者のみに適用されます。

日本人の給与は原則的に5,000MYR以上となるので、雇用に関する法律がないのと同じです。仮に労働条件が守られなくても、雇用主に厳しい罰則が科せられることはありません。

従って、

  • 一日の労働時間
  • 休憩時間
  • 年間休日数
  • 休祝日出勤手当
  • 残業代の支払い

などの労働条件について、雇用契約を交わす際にしっかりとすり合わせましょう。念のために文書として残しておくと安心です。

通常はこれらの細かい契約条件は、契約文書となるOffer Letter(オファーレター)やLabour Contract(労働契約書)に明記してもらいます。

海外転職の鉄則は「自分の身は自分で守る」。あとで慌てないためにも、細かいところまでとことん詰めましょう。

マレーシアの住居と通勤手段

マンション

給与や労働条件の次に重要なこととして、住居や通勤に関することが挙げられます。

住居

会社の所有する不動産があると、一件のユニットを従業員数人でシェアすることが多いです。

会社側もある程度は考慮してくれますが、男女混合のこともあります。女性の場合はシャワー室や部屋に鍵はかかるかなど、セキュリティ面は事前に確認しておくことをお勧めします。

多くの日系の現地法人では、本人の希望に合った物件を選べるようになっています。この場合、賃貸契約を大家と直接するのか、会社契約になるのかを確認しましょう。

会社契約の場合

会社契約で借りると、毎月の家賃振り込みは会社側がしてくれます。そのため、契約時のデポジット(保証金)や契約書類に必要な印紙代、振り込み手数料は会社負担となります。

大家と直接契約する場合

大家と直接契約する場合は、家賃の支払いやデポジットの用意は自分ですることになり、印紙代に関しては会社側との交渉次第です。

住居手当のある会社で、まれに光熱水費の補助まであることもあります。マレーシアは日本に比べて全体的に光熱水費は安いですが、住居手当のひとつとして交渉してみる価値はあります。

通勤手段

マレーシアは基本的に車社会です。しかし、クアラルンプール市内には公共交通機関であるLRTが通っているので、立地によっては電車通勤も可能です。そのため、通勤手段についても会社側と相談しておく必要があります。

日系企業では通勤手当の支給や社有車貸与というかたちがほとんどです。なかにはレンタカーを年契約で借りて、その費用を会社が負担してくれるケースもあります。

役職によっては運転手付きの好待遇もあるようですが、非常にまれだと思います。

社有車の場合は保険や自動車税、Road Tax(ロードタックス)と呼ばれる道路税もすべて会社負担です。条件や職種によっては車のガソリン代や点検費用、洗車費用まで会社が出してくれることもあります。

筆者の場合

筆者には社有車貸与と、月額上限200MYR(約5000円)までのガソリン代の実費支給がありました。そのため、保険や税金の心配はありませんでした。

しかし、月1回の洗車と3ヶ月に1度の定期点検に必ず出すことを約束する誓約書があり、貸与時にサインをした覚えがあります。

通勤手当は企業によってさまざま

外資系で働いていた知人は、通勤手当や車の用意がなく、自費で毎日のタクシー代を負担していました。

一方、LRTの駅近くにオフィスがある現地企業では定期代支給があったり、大きな工場をもつところでは主要なLRTの駅からシャトルバスを出していたりと、雇用主によってさまざまです。

「住めば都」とはよく言われますが、マレーシアで安心して仕事に打ち込むためにも、住居と通勤に関することも忘れずに聞きましょう。

マレーシアの保険と社会保障

マレーシアの現地法人で働いている日本人には、日本の健康保険や雇用保険、労働保険(労災)や厚生年金などのシステムが適用されません。ここではマレーシアで就労する日本人が加入可能な保険や、社会保障制度について説明します。

保険

日系企業では在外日本人向けの海外傷害保険に加入しているケースが多く、筆者の会社では三井住友海上の保険に入っていました。

現地企業や外資系の現地法人でも、従業員への福利厚生のひとつとしてAIAなどの医療保険に加入しているところが多いです。

万が一、ケガや病気をしたときのことを考え、保険には必ず入っておきましょう。会社で加入している保険がなければ、クレジットカード付帯の海外旅行保険で最初の3ヶ月は対応し、渡航後に個人で加入するようにしましょう。

これらの医療保険ですが、いろいろな種類があるので事前に調べておくといいです。

保険会社のカードを一枚提示すれば治療が受けられる(キャッシュレス)タイプや、先に自分で払ってから請求する(ペイアンドクレイム)タイプなど、さまざまです。

ペイアンドクレイムの場合は全額立て替える必要があり、手元に現金がないと病院にかかれません。筆者の会社で入っていた保険は、こちらの立て替えタイプでした。

実は体調を崩して入院したことがあったのですが、急なことで高額な入院費を払う現金が手元になく、会社に立て替えてもらった記憶があります。

会社が保険に加入していても、保険会社によっては、試用期間中や就労ビザ(EP)がおりるまでは従業員とみなされないことがあります。

赴任直後は慣れない環境で体調を崩すこともありますから、雇用主に頼んで保険会社に問い合わせてもらいましょう。

社会保障

マレーシアではEPF(Employee Provident Fund)とSOCSOの2つの社会保障に加入されることが義務付けられています。しかしこれはマレーシア人に限ったことで、日本人には加入義務はありません。

EPF

EPFは日本の年金制度のようなシステムで、SOCSOは労働保険と雇用保険を合わせたような社会保障制度です。日本人でも任意でEPFに加入することができますが、SOCSOは永住権がなければ加入できません。

EPFでは、収入額に応じた金額を雇用する側とされる側の両方で負担し、積み立てた金額が運用されています。外国人従業員の加入は任意で、雇用主側の負担もあることから、日系企業で日本人に加入を認めているところは少ないです。

EPFで積み立てたものは、外国人であっても規定年数経過後や退職時、就労ビザを返納して出国する際に受け取ることが可能です。

外資系や現地企業では、福利厚生として外国人従業員の加入を認めている会社もあるので、一度確認してみましょう。

健康診断など

このほか、熱帯特有の病気に対する予防接種(破傷風、狂犬病、A型B型肝炎)や、定期的な健康診断を実施してくれるかどうかについても聞いておきましょう。

不測の事態や老後のための対策として、実際手にするお給料以外のことにも目を向ける必要があります。

各種書類申請の手続きと費用

手続き

日本人が海外に住み、働くためにはさまざまな書類申請が必要になります。

この項目では、マレーシアで働くにあたり、筆者が実際に提出する必要のあった書類と手続きを紹介します。

就労ビザ

マレーシアで働くためには、就労ビザであるEmployment Pass(EP)を取得します。筆者のいた日系企業では、会社側が申請手続きを行い、手続きにかかる費用も会社負担でした。

一方、外資系にいた知人はコンサルティング会社に依頼し、申請・更新手続きをしていました。現地企業の場合でも、EP取得は自分で行うことを求人情報に明記しているところが多いです。

EP取得は時間がかかるうえ、書類がすべてマレー語表記であることから自力でするには限界があります。現地法人による採用が決まったら、雇用主と話し合って早めに準備しましょう。

運転免許証

マレーシアで車の運転をする場合、日本の運転免許証をそのまま使うことができません。そこで、国内で国際免許証を発行してもらうか、マレーシアの運転免許証への書き換え手続きが必要です。

日本の運転免許証からマレーシアの運転免許証への書き換えには、滞在期間を示す就労ビザ(EP)が必要です。筆者の場合はEP取得を待っているうちに渡航日がきたので、まずは国内で国際運転免許証を発行してもらいました。

この国際運転免許証の有効期限は1年間です。EP取得に時間がかかっていると、途中で有効期限がきてしまわないか、結構ハラハラします。その場合の対応も含めて、会社側と事前に相談しておきましょう。

晴れてEPがおりたら、いよいよ書き換え手続きです。大使館で日本の運転免許証の翻訳証明をもらい(手数料80MYR:2017年4月1日料金改定後)、必要書類を持ってJPJ(運輸省道路交通局)に行きます。免許証は即日発行されました。

必要書類

  • 日本の運転免許証の原本とコピー
  • パスポートの原本とコピー(顔写真のあるページとEPが貼り付けてあるページ)
  • 手数料:50MYRから(更新年数による)
  • 写真:1枚(カラー、縦3.2センチ×横2.5センチ)
  • 大使館発行の翻訳証明書
  • 申請書類一式

手数料は書き換え手数料が一律20MYRですが、発行料は有効期限1年につき30MYRかかります。

筆者はEP記載の就労年数が2年だったため、免許更新時期も2年とし、合計80MYRでした。最長5年まで選べるため、自分のビザ期限に合わせて申請できます。

申請書類はマレー語で記載されているので、会社のマレーシア人スタッフに手伝ってもらって書きました。

会社の手伝いがなく自力で申請した知人は、JPJのカウンタースタッフが手伝ってくれたと話していたので、わからないところは聞いてみましょう。

筆者の場合

国際免許証の発行手数料は自費負担でした。一方、マレーシアの免許証への書き換え手数料、写真代や翻訳手数料は、実費請求して会社が負担してくれました。

費用のことはうやむやにせず、細かいところまで確認してお互いに合意しておきましょう。

マレーシアの運転免許証は取得してしまえば、ASEAN各国(シンガポール、タイ、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、フィリピン)で運転できる優れものです。

旅行先でもレンタカーを借りて移動できるので、長期的にマレーシアに滞在する人は取得しておいて損はないと思います。

確定申告

マレーシアで所得を得ていると、その額に合わせた税金を納め、年に一度は確定申告をする必要があります。確定申告の手続きについて、会社が一括でしてくれるのか、自分でしなければならないのかを確認しましょう。

筆者の場合

筆者の働いていた日系の現地法人では、会社が契約している弁護士が従業員全員分を一括して代理で行なっていました。時期になると弁護士が用意した書類にサインをするだけで、内容もマレー語だったためお任せしていました。

費用もすべて会社負担でしたが、外資系の現地法人に勤めていた知人は自分で行っていて、オンラインで申告できると話していました。

マレーシアへの引越し費用と渡航費

飛行機

現在、すでにマレーシアに住んでいる人を除いて、マレーシアで働くことが決まれば、引越しや渡航の準備をしなければなりません。渡航のための航空券代や引越し費用は大きな出費となるので、雇用主との交渉は怠らないようにしましょう

赴任時の航空券代の支給

筆者の会社では赴任の際の航空券を用意してくれました。航空券はJALとコードシェア便を出しているマレーシア航空でしたが、前任者は格安航空券だったと聞きました。

帰任時は自費で航空券を購入する必要がありましたが、雇用契約満了で1,500MYRの手当がありました。

引越しの支度金の支給

引越し費用に充てる支度金として5万円の支給がありました。こちらは契約書にサインしたタイミングで、現金手渡しとなりました。

引越しと言ってもさほど持ち物は多くなかったので、生活に必要なものや書籍を段ボール数個にまとめ、郵便局からSAL便(船便)で出す際の発送費用として使いました。

海外旅行の場合とは違い、赴任時は何かと荷物が多くなりがちです。しかし最近では、飛行機の預け入れ荷物の重量制限も厳しくなっています。重量超過した場合を想定し、オーバーチャージ分の料金を出してもらえるかも交渉してみましょう。

マレーシア就職時の支度金と実費請求について

マレーシアのお金

日系企業では筆者のケースのように、引越し費用負担の代わりに支度金を支給されることがあります。一方、外資系や現地企業の場合、日系企業のような支度金の概念がありません。

仕事に必要な物などを事前に日本で揃えることもあるでしょうし、支度金はこれらの立て替えに充てるためにも必要です。後からの実費請求だと現地通貨での返金となり、レートによっては日本円での実際の出費と差額が発生することもあります。

支度金の必要性を説明すること

支度金(Outfit Allowance:アウトフィット・アロワンス)の必要性を説明し、引越し手当(Moving Allowance:ムービング・アロワンス)と併せ、可能であれば事前に日本円で受け取っておくことをおすすめします。

支度金や引越し手当がなくて実費請求での対応になった場合、その内容は細かく交渉し、口頭ではなくメールなどの文面で残しておくと安心です。また、実費請求分は着任後、どれくらいで返金してもらえるのかも確認しておきましょう。

返金に時間がかかることがあるので、当面の生活費に充てるつもりでいない方が無難です。ここでも返金分を現金支給にするのか給与明細に載せるのかで、所得税額が変わってくることは覚えておいてください。

試用期間と就労ビザ取得までの処遇

マレーシア

慣れない土地で働いてもらうリスクのある現地法人採用では、数ヶ月の試用期間を設けている会社があります。採用された側も本当にそこで働きたいのかを見極める、重要な期間です。

試用期間

試用期間中は労働条件や給与額が異なる場合があります。筆者のところでは3ヶ月の試用期間があり、基本給の9割が支払われていました。4ヶ月目から本採用となり、最初の3ヶ月の給与の残り1割分は特別手当として支給されました。

また、マレーシアでは就労ビザ(EP)の申請をしてから取得するまで、数ヶ月から1年かかることがあります。EPがおりないと銀行口座は開けないので、当然のことながら給料は振り込まれません。

その間の給料は手渡しでの現金支給になるのか、一部のみの支給になるのか、最初の支給日は着任後どれくらいなのか、など詳細については要確認事項です。

そして、その日までの生活費を現金で確保しておく必要があります。筆者は赴任した翌月末が初支給日(EP取得前で現金支給)となり、それまでの生活費として20万円ほど持参しました。

この現金支給があると、EPがおりてから支給された分を給与所得として扱う必要があります。EPがおりた直後の給与明細書に一括で載せるのか、分割して載せていくのかで一度に引かれる税金が変わってきます。

前者は一気に税金も引かれるので、その月に手元にくる現金が大幅に少なくなることを念頭に置きましょう。後者の場合は、実際の給与額に少しずつ上乗せしていくので、精神的ダメージは少ないです。

まとめ

今回はお金のテーマを中心に、マレーシアの現地法人で働くなら知っておきたいことをまとめてみました。

労働契約を結ぶ前に確認しておきたい項目を簡単な表にしたので、チェックリスト代わりに活用してみるのもいいかもしれません。

給与と労働条件

  • 課税対象になる金額と各種手当の有無
  • 勤務日数や年間休日などの労働契約条件

住居と通勤手段

  • 社宅/住居手当や車貸与/通勤手当の有無
  • 公共交通機関のアクセスについて

保険と社会保障

  • 会社で加入している医療保険と種類
  • EPFの加入可否について

各種書類申請

  • 就労ビザ、運転免許、確定申告の手続きについて
  • 申請・更新にかかる費用負担の有無

赴任に必要な費用

  • 引越し費用/支度金、渡航費の支給有無
  • 実費請求の可能な範囲について

試用期間

  • 試用期間の有無と処遇
  • 試用期間中の医療保険について

海外転職では交渉によって条件が大きく変わってきます。自ら働きかけて決めていくことで、自分自身で勝ち取ったという実感が湧き、今後の自信につながる経験になるはずです。

ここで紹介したことをしっかり押さえ、ぜひ雇用主と対等な立場で話し合ってみてください。

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投稿者プロフィール

東南アジア育ちのアラサー。
オーストラリア留学経験とマレーシア現地法人勤務の経験あり。マレーシアや東南アジアの魅力を皆さんに知っていただけたら嬉しいです。

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