ドイツで就職するには?苦労した私の経験から就職活動のポイントをご紹介します

ドイツ ドイツで働く

「ドイツで就職したい」そんな気持ちはあるけれど、実際何から始めていいのかわからない、どんなことが起こるのか想像がつかない、そんな風に感じている方もいらっしゃると思います。気持ちはよくわかります。

私はドイツで大学に通った後、現地で就職しました。

事前に情報があれば準備できるのにと考えているあなたが少しでも心構えをしておけるように、ドイツで仕事を探すために私が行った対策や大変だと感じたことから、就職活動のポイントをご説明したいと思います。

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ドイツでの就職活動前に書類を準備

準備

就職活動を始める前に、応募に必要な書類を準備します。

履歴書

私はまず、履歴書を用意しました。ドイツ語のものと日本語のものの2種類で、顔写真付きです。日本のように決まった履歴書フォームはないので、ワードで書き上げたものをpdfにしておきました。

英語の履歴書も用意しておけばよかったのかもしれませんが、結局作成しませんでした。

通常はドイツ語と日本語で充分

ドイツの企業では、特にオフィシャルに何語の履歴書が必要という決まりはありません。ドイツ企業に提出する場合はドイツ語の履歴書だけで充分です。逆にドイツの日系企業では、日本語の履歴書だけで充分な場合もあります。

私は、ドイツ企業に送る時はドイツ語の履歴書のみ、日系企業に送る時はドイツ語のものと日本語のもの両方を送りました。日系企業の場合、例え面接官が日本人だとしてもドイツ人関係者がいるだろうと考えたからです。

履歴書は日本語とドイツ語の2つを準備すれば万全です。

ただ、ドイツの企業が日本人を募集する場合、まれに「履歴書は英語」と記載されていることがあります。初めから3カ国分の履歴書を作成しておいて、その都度使い分けるのが一番いいと思います。

離職証明書・資格証明書

求職用の資料として、ドイツでは履歴書の他に職歴証明書や資格証明書を用意します。

離職証明についてはドイツ企業勤務経験者の場合で、前職の退職時に受け取ったものです。通常はドイツ語のみですが、日系企業への就職を狙うなら、できればドイツ語と英語の両方で発行してもらいましょう。

ドイツの大学を卒業していると有利

私の場合は資格証明書として、ドイツの大学の卒業証明書を用意しました。

ドイツでは、2010年頃に大学制度が変更されて大学進学率が以前より上がったものの、2018年現在、それでもまだ50%強です。その上、単位取得や卒業試験までの道のりが厳しく(同じ試験に2度落ちると失格など)、大学を卒業できるのはそのうちの6~7割。

そういった背景のためか、ドイツでは大学を卒業することがスキルの一つと見られています。大卒は就活時のアドバンテージになるのです。

ドイツでの就職活動の進め方

ドイツ

日本商工会議所を利用

書類を用意し、いよいよドイツで求職活動を始めるにあたって、私は最初にドイツの日本商工会議所の求職欄に自分のプロフィールを送りました。ここでは、仕事を探している側と人を探している側、双方がコンタクトを取ることができます。

自分の方から興味を持った企業にコンタクトを取ることができるのはもちろん、逆に私の経歴に興味を持った企業があれば連絡が来る仕組みになっています。

求人内容は、ソフトエンジニア、事務員、営業などさまざまです。多くは日系企業、もしくは日本と取引があるドイツ企業による募集なので、一般のドイツ企業に応募するより面接までこぎつけるチャンスが高いです。私も実際、何社からかオファーを頂きました。

エージェントに依頼する

仲介業者に頼むという方法もあります。いくつかありますが、例えば私は在欧日系企業向けのリクルート会社「キャリアマネジメント」に自分の履歴書を送り、実際何度かコンタクトがありました

情報誌やSNSを利用する

また、ドイツで唯一ともいえる日本語で書かれたドイツ情報誌『ドイツニュースダイジェスト』などの求人募集欄を常にチェックし、少しでも興味を持った企業に積極的に応募しました。私が実際に内定をもらったのは、このサイトを通じて応募した会社からです。

その他、ドイツのインターネットコミュニティサイトMixb(ミックスビー)でもたくさんの募集があるので、ここをチェックするのもいいと思います。募集内容は他のサイトに比べて飲食系が多いのが特徴ですが、他の職種もあります。

ドイツでの面接の心構え・注意点

ビジネス

適切な服装で早めに到着

就職活動中、いくつか面接に呼んでいただいたのですが、その際10分くらい前に到着すること、念のため応募書類を持参することを心がけました。

服装は、ドイツ企業の場合は必ずしもスーツでなくてもいいと思いますが、日系企業ならスーツかそれに準ずる服装がいいでしょう。

できないことをできると言わない

面接中に気を付けたことは、できるだけ正直に話すことです。できることははっきり言う、できないことは無理してできると言わないようにしました。

ヨーロッパ人にありがちなのですが、実際にはできないことでも面接の場でできるという人が多くいます。内定をもらえなければ実力を発揮する機会もないので、気持ちはわかります。でも、できないことをできると言って入社しても、自分が後から苦しくなるだけです。

もちろん、今できなくても勉強してマスターする意欲はあることは伝えました。

事前に回答を具体的に考えておく

一番困ったのは、抽象的な質問をされた時です。例えば「日本とドイツの違いがたくさんあっていろいろ大変だと思いますが大丈夫ですか」などです。

大丈夫だと思われる具体的なエピソードを挙げればいいのでしょうが、あまりにもたくさんありすぎて何を言ったらいいか迷ったのを覚えています。

ドイツ就職を狙うならビジネスレベルの英語力が必須

手帳

日系企業で求められるのは英語

私は日本での前職とドイツでの大学時代に培ったドイツ語力を合わせ、事務職を探しました。その際に苦労したことは、そもそも自分のスキルに合う求人が少ないということでした。

大手日系企業で働く日本人の多くは日本からの駐在員で、現地採用をしているところはわずかです。まったく求人がないわけではありませんが、社内の公用語は英語で、ほとんどの場合ビジネスレベルの英語のスキルが求められます。

「英語必須・ドイツ語できれば尚良し」といった求人が多いのです。

英語での自己紹介要求に慌てる

日本人でドイツ語も英語もビジネスレベルで操れる人はそう多くありません。私の場合もドイツ語はビジネスレベルに達していましたが、英語は中級でした。

英語の勉強も少し始めていたものの、急に上達するわけではないのでかなりハードルが高かったです。一度面接で英語の自己紹介をするように言われ、しどろもどろになったのを覚えています。

その後、あわてて英語の自己紹介文を作成しましたが、主にドイツ語を必要とするところに応募していたので、結局披露するチャンスはありませんでした。

逆に、ドイツ語に関してはほとんどチェックされませんでした。

パソコン

就職に関してはドイツ語はプラスアルファ

ドイツで日本人に期待されているのは即戦力なので、まずは職歴や英語力をチェックされます。ドイツ語はプラスアルファです。

ドイツで生活するにはもちろんドイツ語が一番で、英語は必要ありません。でも、就職にあたっては英語のスキルは重要だと実感しました。

したがって、英語が得意で就職活動しようと思うのであれば、ドイツ語が少しできればかなり有利だと思います。エンジニアやマーケティングなどの専門スキルと、英語に加えて多少ドイツ語のスキルがあれば、就職はそう難しくありません。

英語もドイツ語もできないと業界が限られる

日本語だけしかできない場合、ドイツでの就職はほとんど飲食業界に限られてしまいます。一般的に飲食業界は労働時間が長く、肉体労働できつい仕事の場合が多いです。仕事をしながらドイツ語を習得しようとしても気力が続かず、ほとんどの人が習得できないのが現状です。

私がドイツで就職した後、飲食店を経営した際にはそれを改善しようと時間内労働を心掛け、従業員には語学学校にも通ってもらいました。それでも正社員全員の通学はかないませんでした。

ドイツに日本食を広める目的なら別ですが、飲食業界では働きながら語学力を磨くのは難しいと思います。できれば就職活動前に、英語かドイツ語を習得しておくことをおすすめします。

まとめ〜スキルを高めながらチャンスを待とう

ドイツ

ドイツで就職できるかどうかは、過去の職業経験と英語力に大きく左右されます。英語かドイツ語のどちらかを使って仕事を探すなら、就職活動を開始する前に苦手な方の言語のレベルアップをしておくと選択肢が大きく広がります。

また、TOEICやドイツ語検定など企業に通用する証明書を持っておくと客観的な目安になるので、就職活動に役立つと思います。

簡単な挑戦ではないかもしれませんが、努力を怠らずに粘り続ければチャンスに巡り合えるはずですよ!

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プロフィール 札幌出身。2000年よりドイツ在住。語学知識ゼロからドイツ語を始める。2009年南ドイツの大学にて修士課程卒業。2010年北ドイツのIT企業に就職、のちに代表を務める。本業のIT業務のかたわら社内ベンチャーにて、2015年当時都市で唯一の専門飲食店を立ち上げ繁盛店にする。現在はフリー。趣味はテニスと読書。ブログ等でさまざまな方向からドイツ情報を発信しています。

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