中国の概要
中国は、アジア大陸の東部に位置します。人口は約13億人で、世界一人口が多い国です。面積は960万平方キロメートル。ロシア、カナダに次いで世界で3番目の大きさを誇ります。
これだけ広大な面積を誇るため、日本からの中国へ行く際には地域によってフライト時間が異なります。
海外に進出している日系企業のうち、全体の約45%を中国が占めています。これは人口が多く安い人件費で人材を雇えるため。しかし近年の中国の賃金上昇により、中国から別の国へ拠点を移す日本企業も出ててきています。
中国の気候
日本の面積の約26倍を誇る中国。そのため、気候は地域ごとに異なり、寒帯から亜熱帯まで存在します。
【北京】春と秋は爽やかで過ごしやすい気候です。7〜8月は35度を超える暑さに。10月を過ぎると冬が到来し、氷点下を下回る厳しい寒さとなります。
【上海】上海は日本の気候に近い傾向にあります。夏は湿度が高く、蒸し暑い日が続きます。10月下旬から気温が下がり、冬は冷え込みます。
【広州】年間を通して、10度を下回ることがない地域です。4月以降は蒸し暑くなる傾向にあります。秋は過ごしやすいものの、台風がやってくることも。冬は朝夕が肌寒い程度で、快適に過ごせます。
中国の言語
多民族国家である中国は、人口の92%を占める漢民族の言語である漢語だけではなく、さまざまな言語が使用されています。
北京語を基準とした普通話は、中国における公用語です。日本も地域によって方言がありますが、広大な面積を持つ中国も地域ごとに方言があります。その方言の壁を超えて意思の疎通をはかるためにと、普通話を用いるようになりました。
中国の就労ビザ取得情報
ビザの種類
- 外国人の中国における交流・訪問・視察等:Fビザ
- 商業貿易活動:Mビザ
- 国が必要とする外国人高度人材・専門分野人材:Rビザ
- 就労:Zビザ
事前に就労先の企業が行う手続き
- 1.「中華人民共和国外国人就業許可証書」の発給申請
- 2. 査証発行許可通知書(被授権単位邀請函)の申請
これらのプロセスで、雇用意向書や資格証明、健康診断書などの提出を求められることがあります。
日本で行う手続き
1.査証発行許可通知書および外国人就業許可証書の入手
中国での就労先の企業から送られてくる査証発行許可通知書および外国人就業許可証書を受け取ります。
2. 就労査証の申請
最寄りの中国大使館または領事館で、Zビザを申請します。
提出書類:
- 指定の査証申請書
- 査証発行許可通知書および外国人就業許可証書原本とコピー
- パスポート
- 写真(3×4cm)
など
申請から発給まで4日程度必要で、場合によっては面接があります。
この段階で発給されるビザは一時入国用のビザで、中国入国から30日間で失効します。そのため、入国後にできるだけ早く外国人就業証と外国人居留証明書を取得する必要があります。
入国後に行う手続き
1. 「外国人就業証」の申請 中国入国後15日以内に、就労先の企業と労働契約を締結して管轄地の人力資源・社会保障行政部門に「外国人就業証」の発給を申請します。
提出書類:
- 外国人就業許可書
- パスポート
- 健康診断書(事前に就労先が健康診断書を提出している場合は不要
- 雇用契約書の写し
- 外国人就業登記表
- 写真
など
申請から発給までは15日程度かかります。
注意点・備考
2017年4月1日より、外国人就労規制強化の新制度の引用が始まりました。これは外国人就労者をハイレベル人材(A類)、専門人材(B類)、一般人員(C類)に分類するもので、ビザを発行するためには職務経験、中国語能力、学歴等のポイントを満たすことが義務化されています。
その他の手続き
1. 「外国人居留証明書」の申請
外国人就業証を受け取り、入国後30日以内に就労先の企業がある県以上の地方人民政府公安機関出入境管理機構へ「外国人居留証明書」を申請します。
提出書類:
- パスポート
- 健康診断書
- 外国人就業証
- 写真
- 中国企業の営業許可証
- 外国人居留申請書
- 指紋などの生態認証情報
など
発行まで15営業日程度かかります。
中国への転職の進め方
日本の会社を辞めてから中国への転職活動をしよう、などと考えるのはおすすめできません。転職活動は現役で働いているほうが有利です。
時間は限られていますので、できるだけ効率的に海外への転職活動をしたいものです。スムーズに中国への転職を進めるためにも、上手に転職活動を進めていきましょう。
中国求人を扱う転職サイトに登録する
初めて中国への転職活動をする方は、まず転職サイトに登録してみましょう。
職務経歴などを記入するとスカウトなども受けられますが、まず自分の希望する転職市場がどのような状況であるのかをあらかじめ確認しておきましょう。
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバさん” type=”l icon_blue”]面倒だと思っても自分で求人を探してみると、働いている自分がイメージしやすくなるよ[/voice]
- 中国にはどのような求人があるのか
- 中国の求人で多い業界はなには
- 働きたい企業の募集はあるのか
- 何歳くらいの需要が多いのか
- 給料や待遇面はどの程度なのか
- 語学力はどれくらい必要なのか
をざっくりと調べておきます。転職サイトに登録するだけで調べられるので、まずはイメージを掴みましょう。
- リクルートエージェントで求人を探してみる
- JAC Recruitmentで求人を探してみる(30代以上におすすめ)
現職での自己分析をしよう
海外転職サイトである程度求人を調べてみると、同時に今の自分の環境が恵まれているのか、あまりよくないのかが相対的にわかってきます。もちろん実際の労働環境や人間関係までは読めませんが、どの程度の待遇であるかが相対的に掴めると思います。
- 社会人として、自分がどの位置にいるのか
- 今の給料は自分の実力や労働力に見合っているのか
また、なぜ自分は海外へ転職したいのか、転職の一番の目的はなにか、をはっきりさせておきましょう。
このときに転職理由や退職理由を頭で考えるだけでなく、メモにしておくとあとあと面接対策に役に立つでしょう。
自分のスキル、キャリアを整理する
次に自分のスキルやキャリアを整理していきましょう。いろいろ思い出したり考えたりして、最終的には「職務経歴書」を作成することになります。
自分の勤務している会社の簡単な内容、自分の職種でどのような業務をしているか、その範囲や深さもきちんとまとめます。普段は漠然と仕事をしていることが多いですが、他人に解るように自分の仕事を説明するのは実は意外と難しいものです。
- 1億円稼ぐ仕事をしているのか
- 100億円稼ぐ仕事をしているのか
- 取引先は1社とじっくり取り組む仕事なのか
- 1000社とまんべんなく取引する仕事なのか
など、内容の良し悪しではなく、まず事実を明確に認識することが大切です。内容の味付けや盛るのは後から考えます。また、自分がしてきた実績をきちんと認識しておくことも重要なポイントです。
実績・経験を書き出す
会社で表彰されたとか、トップセールスになったとか特に大げさなことでなくてかまいません。自分の取引先の売上実績を○○%上げたとか、シェアを広げたとか、とりあえず何でもいいので一旦書き出してみます。それを後で絞り込んでいきます。
自分の活躍は自分では意外と気がつきにくいものですから、よく思い出してみましょう。
職務経歴書を書くときは「主要遂行職務」と「実績」を中心に記入していきます。どのような職務を任され、どのような動きをし、どのような結果を出したのかをまとめていきます。
転職回数の多い方やアピールしたいことが多いとつい文章が長くなってしまいますが、読む立場のことも考えて、簡潔に、わかりやすく書くことが大切です。
おすすめの転職サイト
- リクルートエージェントで求人を探してみる
- JAC Recruitmentで求人を探してみる(30代以上におすすめ)
日系企業・外資系企業の転職先の調査
ここまできたら、次は本格的に転職先の調査に入ります。
働く業界を替えるのであれば業界全般のことから調べた方がいいですし、同業他社へ転職するつもりであれば希望する企業がどんなところであるか調べます。
日系企業、外資系企業など選択肢は様々あります。
調べてみると意外に知らないことに気づく
いざ転職をするつもりで調べてみると、今自分のいる業界のことでも意外と知らないことが多かったりします。
例えば製造業で転職するとしましょう。テレビでCMをやっている大手メーカーが真っ先に頭に思い浮かぶと思いますが、一般的な知名度はなくてもメーカーといわれるところはとても多くの企業があります。
超大手から無名のところまでさまざまです。無名企業であっても実は海外に工場を持っていたりと海外で働くチャンスはあるのです。
海外転職では、大手企業から中小企業まで、転職の際には少し視野と裾野を広げて募集を探すことをおすすめします。
海外転職エージェントを上手に活用
海外転職サイトと比べると海外転職エージェントへの登録はちょっと面倒だと思われる方も多いと思います。確かにパソコンやケータイだけで済む転職サイトよりも入力項目が少し多いのは事実です。
また、どうしてもやらなくてはいけないというものでもありません。でも、転職エージェントには転職サイトだけでは得られないメリットがあります。
海外転職エージェントのメリット
特定の業界に特化しているエージェント、リクルーターがいる
例えばですが、外資系に転職したい場合、外資系専門のエージェントがありますし、アパレルに転職したいのならアパレルに強いエージェント、海外には海外に強いエージェントがあります。
そして、そのエージェントには業界の情報に詳しいリクルーターがいる場合があります。ですからネット上では出てこない業界の情報を聞くこともできます。
筆者の場合、日用品製造メーカーに新規参入した企業に転職したことがあるのですが、その母体がアパレル企業だったのです。その際にアパレルに強いリクルーターに相談したところ、その母体の企業情報を詳しく聞くことができ、大変参考になったことがあります。
クローズドの海外求人情報を持っている
海外の求人情報は全部がオープンになっているわけではありません。業界によっては求人があってもほとんど表に出てこない場合もあります。
そういった場合、企業はエージェント経由で人材を探している場合があります。イメージとしてはヘッドハンティングに近いものです。いろんな人が応募してくる公募ではなく、より理想に近い人材だけを探しているわけです。
そういった情報をつかむためにも転職エージェントに登録しておけばクローズドの情報も掴めるケースがあります。
話をすることでセールスポイントが見えてくる
転職エージェントは多くの場合、登録者と面接をし、お互いに情報交換をしています。
そういう意味ではエージェントは転職させるプロです。彼らは「いかにあなたを高く売るか」と考えてくれます。ですから自分では見えていなかった自分のキャリアやセールスポイントのアドバイスをくれたりします。
また、職務経歴書などの書き方のアドバイスをしてくれることもありますので、おつきあいしておくと便利なこともあります。
海外転職エージェントのデメリット
では転職エージェントに登録するデメリットはあるのでしょうか。
強いてデメリットを上げるとすると、「役に立たないエージェントもいる」ということでしょうか。情報をくれたり親身になってくれたりするエージェントもありますが、登録しても何の案件も紹介してくれないエージェントもいます。
また、最初のうちは何件か案件を紹介してくれてもあなたのことを「売り物にならない」と判断するとあっという間に疎遠になったりします。
ですから、過度な期待を抱かず、情報をくれたらもうけもの、くらいのイメージで登録しておくとよいでしょう。転職の情報源は多いに越したことはないのですから。
- 【20代向け】海外で働きたい20代向けのおすすめ転職サイト・求人サイト・転職エージェント
- 【30代向け】海外で働きたい30代向けのおすすめ転職サイト・求人サイト・転職エージェント
- 【40代向け】海外で働きたい40代向けのおすすめ転職サイト・求人サイト・転職エージェント
- 【50代向け】海外で働きたい50代向けのおすすめ転職サイト・求人サイト・転職エージェント
まとめ
上記のことが終了したら、いよいよ海外求人案件に応募することになります。最後に在職中の海外への転職活動の進め方でお伝えしておきたいことがあります。
それは、
「どんなことがあっても絶対会社のパソコンで転職サイトを見ない」
ということです。サイトを見たあと履歴を消してもダメです。
転職活動を会社に知られるのはあまりいいことではないのはもちろんですが、会社のパソコンで転職サイトにアクセスしていることを知られると企業によっては処分されることがあります。
[voice icon=”https://wakuwork.jp/wp-content/uploads/2018/02/cropped-rogo-waku.png” name=”ガンバさん” type=”l icon_blue”]会社のパソコンだとアクセスログが残るから、仕事中に転職サイトをみるのは絶対やめよう![/voice]
「うちの会社はそういうのゆるいから」と思って油断してはいけません。普段は何事もなく関係ないサイトを見ていてもおとがめなしだとしても、会社側はあなたがどんなサイトを見ているかばっちりチェックしている場合があります。
特に在職中に転職活動をする方はやってしまうことがあるので、これだけはくれぐれも注意して転職活動を進めてくださいね。
上手に中国就職・中国転職をするには
中国で理想の仕事を見つけるには、転職サイトを使い、気になる求人をストックしておくことが大事です。情報収集が進めば、より具体的に中国にいる自分をイメージできるはずです。
以下の転職サイトは待遇がしっかりとした求人が多いので、不安の多い中国転職でも安心して利用できます。登録は3分程度、利用は全て無料です。
今しかできない中国生活をあなたも楽しんでみませんか?
あわせて登録したい:あなたの挑戦を待っている!海外就職専門求人サイトGuanxi
登録したからといって必ずしも転職やコンサルティングを受ける必要はありません。まずは気軽に気になる求人を探してみましょう。