アメリカのニューヨークでアーティスト・Webデベロッパーとして活動するToru Izumidaさんにインタビュー

Mr.Toru アメリカで働く

ニューヨーク在住のJames Nogamiです。さまざまな理由でニューヨークにやって来た日本人にインタビューをしています。

今回は、アーティストでWebデベロッパーのToru Izumidaさんにお話を聞いてきました。Toruさんはニューヨーク歴4年の先輩です。あまり時間のない中で駆け足でのインタビューになりましたが、NYらしく個性のあるお話を聞くことができました。

非常に砕けた方で、仕事やビザのことだけでなく恋愛に関することまで語ってくれましたよ。

※1ドル=約111円

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ニューヨークのカフェでインタビュー

Cosiカフェ

マンハッタンのヘラルドスクエアの近くにあるCosiというカフェで待ち合わせました。店内は撮影禁止とのことなので外の写真だけになります。

Cosiカフェ

こちらがToruさんです。

Mr.Toru

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ニューヨークで働くことになった経緯

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━よろしくお願いします。ニューヨークではどんな活動をしていますか?

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平日はデザイン会社でウェブ制作の仕事、空いた時間でアート活動や音楽活動、友達とイベントを企画しています。

━イベントといいますと?

例えば去年は、美容師の友達と公園でフリーカットイベントをやりましたね。僕は資格がないので企画をしただけですが。

━面白いですね。どのような経緯でニューヨークに来たのですか?

美大を出て、地元の長崎に帰ってフリーターをしていたのですが、たまたまNYに会社を持っている社長と知り合って、それがこっちに来るきっかけになりました。

ウェブ制作会社なのですが、スキルが全くなかったので日本で1年間インターンをしました。その間に運良くH-1Bの就労ビザが取れたので来ることができたんです。

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アメリカのワーキングビザについて

Toruさんの作品

Toruさんの作品

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━ワーキングビザが取れたのは運がいいですね!

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トランプ氏が大統領になる前でしたが、3人に1人しか受からない抽選で運良く取れました。トランプ大統領に代わってからはさらに厳しくなっています。

━どうすればワーキングビザを取れるのでしょうか。

H-1Bはビザスポンサー企業に採用されている人、ポジションに見合ったレベルの給料がある人に対して与えられるビザです。

まずはビザスポンサーになってくれる会社を探したらいいと思います。熱意を見せれば、会社によっては日本からでも採用することもあるみたいです。

ただ、現地の日系企業は正直あまり高い給料ではないので、無理にH-1Bを申請しても却下されてしまうことがあります。

━給料の額がビザ取得に関係してくれるんですね。

アメリカの企業ならもう少し羽振りが良いのですが、日系は月に2,000~3,000ドル(約222,000~333,000円)の給料でも普通で、その辺りはシビアな現実が待っています。僕も次のビザを申請していますが、返事も遅いし、もしかしたら引っかかるかもしれません。

ビザのためにも就労先は給料が高いに越したことはないと思います。就労ポジションごとに求められるH-1Bビザの給与レベルに関しては、事前に弁護士に尋ねてみるといいと思います。

━新しく何かを始めたい人は学生で来た方がいいかもしれないですね。

そうですね。ジャーナリストビザやアーティストビザもあるので、色々な選択肢の中でどれが自分に合っているか確認した方が良いと思います。

ニューヨークでもゴーイングマイウェイ

Toruさんの作品

Toruさんの作品

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━ニューヨークに来る前に海外には?

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海外経験はありませんでした。英語も話せないけど、行けばなんとかなるだろうという気持ちで来ました。結果、4年間であんまり話せるようになってないですね、アハハ。

英語を話したいなら日本にいるうちからちゃんと勉強した方が良いと思います。こっちに来れば話せるなんてことはないです。

━ビジネスレベルになってくると次元が違いますよね。

ただ暮らせるだけ、というのと、アメリカの会社で働ける、というレベルの差は大きいです。僕は日系の会社なので、環境も影響していますね。

積極的な人が多い中で自分は癒し系

━お話を聞いていると、どうしてもニューヨークが良かったというわけではないようですが。

そうですね。ニューヨークには、初めからどうしても来たくて来た、というわけではありません。

この街には、この街が大好きな人が来るイメージがありますね。旅行で何度も来ている、アメリカの文化が好きという理由でようやく住めた、というような人が多いです。

その点、僕はたまたま縁があっただけなので、割とふわっとした感じで来てしまいました。みんなアグレッシブでガツガツしていて、これからやってやるぞという感じですが、僕はその中では癒し系キャラで通っています。

━癒し系ですか。

僕以外にもたまに癒し系の人がいます。ものすごくおしとやかで日本人っぽい雰囲気を維持している人というんですかね、癒されます。その空気をなくさないでほしいです。

━確かに、来た当初はふんわりした雰囲気だった人が、過酷な生活環境に影響されて性格が図太くなっていったりしますもんね。

ニューヨークで実感する、アメリカと日本との違い

Toruさんの作品

Toruさんの作品

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━日本との違いはどんなところでしょう。

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人種が多いので多様性がありますね。以前イベントで知り合った友達5人で飲みに行ったことがあるのですが、話しているうちに自分以外は同性愛者もしくはバイセクシャルで、全員ストレートではないことがわかったんです。

その時、自分は普通に「多様性があっていいな」って思いました。普通に受け入れられたんです。そういうことをさらけ出すことに対してストレスがないし、受け手も気を遣わずに受け入れやすい環境があるのは良いことだと思います。

━僕も日本にいた頃よりはストレートではない方に対する偏見がなくなりました。

何を買うにも高い

逆に悪いことはなんでしょうか?

物価が高いことです。ラーメン一杯でも20ドル(約2,220円)するという事実に驚きました。

初めて近くのデリで総菜の計量パックをレジに持っていったら、12ドル(約1,330円)くらいでした。日本で同じ値段なら相当良いランチが食べられるので「こんなひもじそうなランチが……」とショックでしたね。

タイムズスクエアの近くでは水が400円もしたりと、とにかく高いです。

それと、電車は日本の方が良い。24時間動いているのは良いですが、信じられないほど遅延も多いですから。

労働者には権利がある分、結果が求められる

━仕事面では?

こちらの方が働いている人間の権利を主張しやすいと思います。アメリカ系企業だと残業は基本的にないですし、むしろ残業をしていたら、残しているマネージャーが能力不足と判断されてクビになったりしますからね。

日系でもブラックというのはあまり聞かないですね。過労死なんてほとんど話題にもなりません。

でもその分、いつでもクビになります。日本の正社員なら身分は守られていますが、ここではいつの間にか同僚が消えているなんてこともよくありますね。明日は我が身っていうのがキーなんでしょうね。

アメリカでの生活費は?

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━生活費はどれくらいですか?

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まず家賃は月1,000ドル(約111,000円)くらいです。クイーンズでルームメイト1人とシェアしています。一度引っ越しする時に1,200ドル(約133,200円)でチェルシーの物件があったので見学に行ったのですが、閉所恐怖症になるんじゃないかと思うくらい狭かったです。

━わかります。僕の友達も同じくらいの価格で5畳くらいの部屋に住んでいます。

マンハッタンに住むことに憧れるじゃないですか。チェルシーの周りにはギャラリーもたくさんありますから。でも、値段を見るとその夢が崩れ落ちますよね。狭いけど近さを優先するか、郊外でもう少し広い部屋を借りるかですね。

━家がアトリエなんですか?

大学では油絵をやっていましたが、今はデジタルしかやらないためパソコンだけで、アトリエは必要ないんです。ギャラリーも美術館もたくさんあるので、そういうのが好きな人は楽しいと思います。この街はレベルを問わずクリエイティブな人が多いですよ。

━棲み分けされている気がします。学生、駐在員、アーティストなど色々な人がいますが、普通に生活していると同じフィールドの人にしか会えませんよね。

確かに。でもその境を渡る瞬間は面白いです。自分から色々な場所に行かないとつながらないですね。

時間優先、高くても外食で済ませる

話が逸れましたが、食費は1日30ドル(約3,330円)くらいです。

━外食ですか?

はい、料理ができないので。1日30ドルだとすると月に900ドル(99,900円)となりますが、すべて僕1人で済ませる場合の計算なので、友達とレストランに行くと1,000ドル(約111,000円)超えますね。自炊した方が良いのでしょうか……。

━自炊すれば1食3ドル(約330円)以下にできますよ。でも買い物に行ったり作ったりする時間がありますからね。

そうそう、時間が惜しいので、お金で買えるものは買おうかなと思っています。

ということで、家賃と食費で2,000ドル(約222,000円)。あとはたまに必要な機材などで少々といったところです。一度の飲み会で50ドル(約5,550円)飛んだり、デートしたら2人分、100ドル(約11,100円)くらい払うハメになるので大変ですよ。

アメリカでの恋愛について

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━恋愛の話も聞きたいですね。交際相手がいらっしゃるとのことですが、どのように出会ったのですか?

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最初はデーティングアプリで知り合いましたが、インスタグラムだけ交換して会わないままでした。何かの拍子にインスタグラムで連絡を取るようになって、という流れですね。

日本ではどうかわかりませんが、こちらでは当たり前のように皆デーティングアプリを使っていますね。欲望に従順です。

アプリが発達しているので、とにかくたくさん試しました。アメリカに来たからには日本人以外が良いと思って。デートして、上手くいったりいかなかったり。こちらの人はイエスかノーかはっきりしているのでいいですね。

━デーティングアプリに対するハードルは明らかに低いですよね。

はい。友達の女の子のホーム画面にティンダーというアプリが入っているのを見て、さすがに浸透しているなと思いました。

日本女性はすごくモテると思います。知り合いの方で、日本ではものすごくモテたわけじゃないけどここはパラダイスだと言っている人がいました。その分、軽い男も多いので注意した方が良いですが。

逆に日本人男性は、普通の人だとモテないですよね。ぶっ飛んでないと。

━ぶっ飛んでいる?

日本で相当モテている人がようやくモテる程度ですね。日本でモテない人はさらにモテないという印象です。異国の地でも、同じアジア人同士と付き合うケースが多いと思います。もしくは日本に関心がある人とですね。

アニメやサブカルを含め、日本文化が世界に対して良い印象を与えていることに感謝しています。だから一個人の人間性で、そのイメージを壊さないように気をつけたいですね。

アメリカで自分に起きた変化

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━来る前と変わったことは?

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ニューヨークでは日本よりもお金がかかります。そんな環境で生き抜かないといけないので、自分に何ができるのかということを考えるようになりました。会社にいても、いつまでも仕事を保証してくれるわけではないですし、準備をしておかないといけないなと。

あとは、一度も来たことのない街だったので、色々なギャップがあって意識が変わりました。

━どんな風に?

視野が広がりました。色々なことを見ないといけないなと。言い方は古いですが、ブラウン管の中の景色しか見えていなかったわけですよ。映画に映される華やかな面や、9.11の事件などのマイナス面も含めて、一部しか見えていなかった。

実際に来てみれば、ホームレスが路上にうじゃうじゃいたり、格差が激しかったり、そういうギャップが見えてきました。

だから、イメージだけで判断せずに多くの場所に目を向けるべきだと思うようになりました。他の国も、実際に行ってみないとわからないですから。

━他の国や地域にも行きたくなる気持ちはすごく分かります!ここには色々な人がいて自分の国の話をするので興味が湧いてきますよね。

そうですね。友達を作って、その友達の国に遊びに行ったりするっていう人もいます。色々な国の人と出会えるのは、ニューヨークならではのメリットです。

海外に挑戦したいならまずは行ってみよう

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━最後に、海外に挑戦しようとしている人達へアドバイスをお願いします!

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準備も大事ですが、まずは行ってみることも大切です。行ってみれば何とかなることがわかります。僕でも生きていけてるので。英語も、生きていく分にはノート5ページくらいしか必要ないと思います。

ビザの問題で一歩を踏み出しにくいという人もいますが、ニューヨークなら仕事を休業して学生ビザで来るという人もいますし、チャンスがあれば来てみればいいと思います。楽しい場所ですから!

━ありがとうございました!

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記事を書いた人
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1993年ニューヨーク生まれ、日本育ち。
日本大学芸術学部演劇学科を卒業、2016年にニューヨークに渡る。
現在は日本人と外国人の交流イベント運営に携わる。

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