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ニューヨークで活動するミュージシャン、竹内真里亜さんにインタビュー

真里亜さん

ニューヨーク在住のJames Nogamiです。さまざまな理由でニューヨークにやって来た日本人にインタビューをしています。

今回は、ミュージシャンの竹内真里亜さんにお話を聞いてきました。

真里亜さんとは、以前インタビューさせていただいたToruさんに招待してもらったパーティーで出会いました。ニューヨーク歴8年という彼女。その8年の生活を振り返って、どのような意見が飛び出すのでしょうか。

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目次

ニューヨークのカフェでインタビュー

ユニオンスクエア近くのOUTROというカフェで待ち合わせました。

OUTROカフェ

外観がとてもオシャレなので、入る前からワクワクします。

OUTROカフェ

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アメリカに行きたい!2度の留学を経てNY移住

OUTROカフェ

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━初めに、いつ頃ニューヨークに来たんですか?

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8年前、24歳の頃です。それまでは日本でアルバイトをしながら音楽活動していました。ライブハウスなどで演奏していましたね。

━アメリカに来ようと思ったきっかけは何ですか?

中学生の頃から洋楽が好きで、アメリカの文化にも興味を持っていました。だから、自然とアメリカに行きたいという気持ちが膨らんでいったんです。

━その頃から歌っていたんですか?

バンドをやっていました。バンド仲間の影響でアメ車が好きになって、マニュアルの運転免許を取ったりもしましたよ。

学生時代の留学でアメリカを実感

━アメリカに行くためにどんな準備をしていましたか?

ただ英語の勉強です。アメリカで音楽の学校に行くことは考えていなかったので、英語だけに集中していました。まず短大に通っていた時期に3ヶ月留学します。

━海外に行くチャンスのある学校を選んだんですね。

はい。そういう制度がある学校を選びました。

━実際に来てどう思いました?

「アメリカだ!」と。ワシントン州のスポケーンという田舎に留学したのですが、家やスーパーなど何を見てもアメリカを感じていましたね。

━田舎だとアジア人は珍しがられるのでは?

学部全体で留学するので学校は日本人だらけでした。でも、景色などはアメリカなので、良い体験になりました。

━もう一度来たいと思ったんですね。

はい。短大を卒業して、しばらくはアルバイトをしながらお金を貯めました。観光客が来る地域のアイリッシュパブで働きながら英語の勉強を続けて、卒業後2年経った時に単身で3ヶ月だけもう一度来たんです

英語力向上のためLGBTアーティストのシェアハウスで生活

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━留学中にはもう英語を話せましたか?

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知識はかなりありました。でも、実際に会話になると分からないことが多くて返答があまりできず、何を言われても「Oh really?」というような感じになってしまって……。

24歳の時に本格的に移り住んで活動しているうちに、いつの間にかすごく聞き取れるようになりましたね。

━何か特別な勉強はしなかったんですか?

とにかく英語をちゃんとしゃべれるようにならないといけないと思って、アメリカ人しかいない10人のシェアハウスで1年間生活していました。

あとは、言葉に自信がなくてもバンド活動に飛び込んでいくようにしましたね。それがあったので、自然と話せるようになっていったんだと思います。

知らなかった世界をのぞけた共同生活

━10人のシェアハウスで生活するのは大変そうですね。何か問題はなかったんですか?

個人的な問題というより、ハウス自体がすごく特徴的でした。女ばかりだったんですけど、3分の2がレズビアンだったんです。

━それは特徴的ですね。

何も考えずに募集を見て、見学に行って、可愛らしい女の人に「あなたはLGBT大丈夫?ストレート?」と聞かれたんです。私は偏見を持っていないので全然気にせず住むことを決めました。

その経験がすごく楽しかったです。そこにしかない不思議なカルチャーというか、人付き合い、レズビアンの人たちの人生を身近に感じられて、視野が広がりました。

━真里亜さんは影響されませんでしたか?

されませんでしたね。なっても構わなかったんですけど機会がなかったです。

その後、このシェアハウスを出ることになり、出会ったLGBTのコミュニティから遠ざかったんですが、私が過ごした場所は少し特殊だったんだなと思っています。

ニューヨークに住んで実感した日本との違い

OUTRO NYC

音楽活動での違い

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━日本とニューヨークの違いはどんなところですか?

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音楽活動に関して言えば、ライブハウスのシステムが違います。日本はノルマ制で、バンドがチケットを売らないといけませんし、売れなかった分は買い取りになってしまいます。

アメリカではそういうことはないです。もちろんお客さんは連れて行かないといけないですが、基本的にはライブハウスからギャラがもらえます。

━以前インタビューさせていただいたシンガーソングライターのタムロリエさんも同じことを仰っていました。彼女の話で印象的だったのは、機材が用意されていないことがある、というものです。

多々ありますね。自己責任と言うんでしょうか。

日本ではサウンドチェック、音響の方とリハーサルをするんですが、こっちではアマチュアのバンドだとしないことがあります。そういう部分ではメリットとデメリットが表裏一体で、やろうと思えばやれるし、やらないならやれない。

━細かい部分を自分でケアできれば、やりたいことをやらせてもらえるということですね。

そうですね。どちらが良いと聞かれるとはっきり言えません。良い面と悪い面があります。

仕事面での違い

━ニューヨークで仕事を得るために大切なことは何ですか?

自分を良く見せることです。謙虚なだけではなく、自分の良いところを自分のことを知らない人にいかにアピールできるか、という部分ですね。

━アーティストでなくても必要な能力ですね。

少し話は変わりますが、アルバイトをしていても違いを感じることがありますね。

━例えば?

チップ制なので、働いている側からすると「いいサービスをする代わりにチップをもらって当たり前」という気持ちになります。日本では対価なしでサービスするので、その精神がすごいと改めて思います。

━確かに、お客さんとしても「この人達、チップのためにサービスしているな」とひねくれた見方をしてしまうことがありますね。

その代わり、給料は良いし、同僚との関係なども自由な雰囲気で働きやすいんじゃないでしょうか。もちろんお店にもよると思いますけれど、そういうところは良いですね。

生活面での違い

━普段の暮らしについてはどのような違いがありますか?

生活費がかさみます。1ヶ月で1,800ドル(約198,000円)くらいですね。

━どんなことにお金を使いますか?

ほぼ家賃と食費です。あとはお酒や外食、交際費です。かなり切り詰めていると思います。

でも、人の雰囲気はすごくいいですね。ニューヨークに来たら惚れ込んでしまう、という話を聞きますが、それは場所よりも人が影響していると私は思っています。

人が作っている場所ですし、自分が求めていけば面白い人に出会える機会はたくさんあります。色んなチャンスがあるのはこの街の良いところです。

━逆に嫌な部分はありますか?

極端にキャピタリズム、資本主義なところです。お金を持っている人が良い地域に住める、ない人は隅に追いやられる。お金がないと惨めな生活をしないといけないし、持っている人は良い生活ができる。そこに差がありすぎると思います。

━きらびやかな街の中をホームレスが歩いている景色は、世界の縮図のような雰囲気がありますね。

資本主義に関しては、長く住んでいると身にしみてきます。それでも人が多いのは魅力があるからだと思いますね。

※1ドル=約110円(2018年5月)

ニューヨークで暮らしていくにはポジティブな考えが大切

OUTRO NYC

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━日本に帰ることはありますか?

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年に一度は帰るようにしています。

━帰った時にギャップを感じることはありませんか?

あります。日本は私が生まれた場所で、生活していた時間は長いのに、不思議なことに旅行しているような気分になるんです。今まで普通だった景色が素晴らしく見えたり。

━離れて分かる日本の良さ、ですね。アメリカに来る前と比べて自分が変わったと思うことはありますか?

シンプルには言えないですが、我が強くなったと思います。良い意味でも悪い意味でもタフになりました。少しずつ順応しているんでしょうね。

━議論になるような意見を言うのは良いのですが、ただ性格が悪い人も多いですよね。もう日本では生きていけないんじゃないかと思うほど性格が歪んでしまった日本人も見たことがあります。

私もあります。良い方向で強くなりたいですね。初心を忘れず自分の意志がしっかりしていれば、影響されすぎないと思います。とにかく深いところではポジティブに考えることが大切だと思います。

複雑な気持ちを表現する方法としての音楽

coffee

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━アーティストの方にとって、表現の根本にあるのは暗いものだったりするようですが、そういったものはありますか?

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別にトラウマみたいなものはないです。幸せな家庭で育って愛されてきました。でも、こんなに言いたいことがあるのに言えない、この感情を表現したいのに伝えきれないというもどかしさを小さい頃から感じていました。

━小さい頃からですか。

はい、小さい頃は絵を描いていました。音楽に出会って、ただうれしい悲しいではなく、もっと複雑な気持ちの表現の仕方を知りました。

なぜもどかしい衝動に駆られるのかはわからないです。そこを考え始めると、「そもそも何で生きているの?」となってしまいますね。だから、人間はそういう複雑な本能を持っているのかな、と思っています。

━アーティストとしての美意識はありますか?

オリジナリティですね。誰でもできるものをやりたくないです。心に響くもの、深いところに届くものを目指しています。

ニューヨークの恋愛事情

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━話はがらりと変わって、恋愛に関してお話を聞かせて下さい。

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すごくニューヨークらしいと思うのは、デーティングという文化です。シリアスな関係になるまでが長いんです。

知り合いの話では、1年くらい複数の人とデーティングしていて、ある日突然、ひとりの男性の友人達に恋人として紹介され、その時にようやく自分が彼女になっていると気づいたと聞きました。

━不思議な感覚ですね。

私はオールドスクールなのであまり好きではないです。文化なので、良い悪いではなく、当人達が不快でなければ成立していると思います。

━女性に警告したいことや、手痛い失敗などはありますか?

こちらの人は押しが強い場合も多く、日本人女性はうまく断れない人もいると思います。自分をしっかり持って断るときはちゃんと断ることが大切です。

もちろん素敵な人もいます。私はヨーロッパ出身の方と6年間交際していました。彼の考え方がニューヨーク的ではなかったので、出会った頃から真剣にお付き合いできました。

寄り添える人がいると、大変なニューヨーク生活も楽しくなります。映画みたいなデートスポットもいっぱいあるので素敵ですよ。

海外を目指すなら情熱を忘れずに

OUTRO

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━海外に挑戦しようとしている方々にアドバイスはありますか?

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いつもモチベーションを高く持ち続けることが大事だと思います。何がしたいのかわからなかったとしても、何かしたいという衝動、情熱があれば舞い込んでくるものがあります。自然と寄ってくるんです。

「何がしたいか分からないから動いてもしょうがない」と思うのではなく、「何かをつかんでやるぞ」という気持ちで挑戦してほしいですね。

━ありがとうございました!

まとめ~やりたいことがあるなら最初の一歩を

音楽が好き、アメリカが好きという気持ちを貫いて海を渡った真里亜さん。8年間海外で生活するというのは、既に2年間ニューヨークで過ごしている私にとっても想像のしにくいことです。

生まれ育った国を離れることへの抵抗感は今の私にも少なからずあります。それでもやりたいことがあるから、ここで生きている。そういう人が集まる街だから魅力的なのでしょう。

真里亜さんは、自分の心に従って、情熱を持って、一歩を踏み出すことの大切さを話してくださいました。

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この記事を書いた人

1993年ニューヨーク生まれ、日本育ち。
日本大学芸術学部演劇学科を卒業、2016年にニューヨークに渡る。
現在は日本人と外国人の交流イベント運営に携わる。

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