今回はセブ語学学校の少しブラックな内容の裏話をお伝えしたいと思います。ここに書かれているような内容はセブの語学学校だけでなく、さまざまな国の留学先にもある話です。
皆さんが後悔なく留学先の語学学校を選び、安全・快適に留学生活が送れるように、また留学中に思わぬトラブルに巻き込まれないようにという気持ちで赤裸々に書きましたので、参考になればうれしいです。
留学エージェントの仕組みと裏話〜なぜ手数料が無料なの?〜
皆さんがフィリピンやセブ島での語学留学を検討する際に、
- 個人で直接学校へ申し込む
- 留学エージェントを通して申し込む
という2つの方法があります。
手数料が高いという印象の留学エージェントですが、フィリピンの留学エージェントに関してはほとんどが「留学相談・申し込み代行無料」なのはなぜでしょうか。
それはズバリ! 留学エージェントは各学校から紹介手数料をもらっているからです。実はこの手数料がなかなか厄介で、学校によって設定している紹介手数料に大きくばらつきがあります。
手数料によって紹介する学校が決まる?
細かいパーセンテージについてはここでは言及しませんが、この学校からエージェントへの紹介料の違いが、あなたの留学先を決めているかもしれないのです。
留学エージェントはエージェント業の運営のため
- ウェブサイト作成
- オフィスレンタル費
- 集客の為の広告費
- 留学説明会
- 働くスタッフの人件費
が必要です。従って、より高い紹介料を設定している学校へ送客したいのが本音なのです。
留学希望者から相談を受けた際、誠意を持ってその相談者にぴったりの学校を紹介するエージェントもいれば、紹介料が高い学校へ入学するよう相談者を誘導する、少し残念なエージェントもいます。
特に、相談者の留学先の希望や目標が曖昧であれば、そのエージェントが過去に多く送客している信頼できる語学学校か、カウンセラーの判断で決定された語学学校か、紹介料の高い語学学校へ入学することになるでしょう。
留学エージェント=学校という場合も
本題からは少し脱線しますが、皆さんは、「語学学校を運営している留学エージェント」が存在するのをご存じでしょうか。つまり同一会社が留学エージェント部門と語学学校部門を持っているのです。
ほとんどの場合、それぞれのサービスに別の名前が付けられているので、顧客が気付くことはありません。留学エージェントによっては3つの学校を運営しているところもあります。
もちろん、自社で運営している語学学校へ送客したいというのが本音でしょうから、多くの学校を紹介できるエージェントであっても、実は特定の語学学校への入学に顧客を誘導しているかもしれません。
日本人経営・韓国人経営なんて本当はない?
セブを含むフィリピンの語学学校には、大きく2つに分けて「日本人経営」と「韓国人経営」と呼ばれる経営国籍の分類が存在します。
しかしフィリピンの語学学校経営は「ネガティブリスト」という外国資本の投資・保有を制限する業種に分類されるため、外国人が投資・保有できるのは40%以下と定められています。つまり、実質はフィリピン人が事業のマジョリティーの権利を持っているのです。
多くの語学学校では「名前借り」の状態でフィリピン人を経営陣のメンバーに入れているのですが、中にはフィリピン人メンバーの権利主張を防ぐために、貧困層からランダムに人を選出していることもあります。
会社を乗っ取られてしまう語学学校も
ここで一番怖いのは「会社の乗っ取り」。フィリピン人弁護士から入れ知恵されたフィリピン人メンバーが裁判を起こし、会社を乗っ取られたという話は、語学学校に限らずフィリピンで日本人経営者がよく遭遇するトラブルです。
なぜこのような「ネガティブリスト」が存在するのか、それはフィリピンという国が自国の中小企業を守るためなのです。よって外国人がフィリピンで事業をするには、とても高い壁があります。
フィリピン人講師とのトラブル
フィリピンでは4年制大学を卒業した中間層でも、最低賃金(日給)が日本のファストフード店のアルバイトの時給ほどです。語学学校の講師から見れば、日本人や韓国人が全員お金持ちに見えるのは当然ですよね。
そのため、留学中に仲良くなったフィリピン人講師とお金がらみのトラブルになったという留学生は、私を含め多数います。
いくつかの語学学校ではそのようなトラブルを防ぐために、留学生と講師が学校外で会うことを禁止、または学校へ申請し許可を得るように決められています。
授業中に講師と仲良くなり、一緒にご飯を食べに行ったり出かける約束をしたのは良いものの、支払いの多くが留学生持ちとなるのが現状です。
ここで、実際に私が在籍していた語学学校で起こったトラブルを紹介します。
<登場人物>
- 留学生A:18歳、女性、韓国人
- 講師B:26歳、女性、フィリピン人
- 講師の弟:21歳、男性、フィリピン人
<トラブルの内容>
留学生Aは授業中に講師Bと仲良くなり、週末一緒にショッピングへ出かける約束をしました。
留学生Aが約束した時間に待ち合わせ場所に到着すると、講師Bの姿が見当たりません。すると一人の男性が留学生Aに近づき、「僕は講師Bの弟です。今日は急に姉が来れなくなってしまったので、僕があなたをショッピングに案内します」と言いました。
予想外の出来事に困惑した留学生Aでしたが、「信頼している講師Bの弟だし大丈夫。感じの良い人だし、せっかくの週末だから彼について行ってみよう」と決めました。
庶民の足である乗合バス、ジプニーに乗ってショッピングモールへ移動する際、講師の弟は留学生Aに2人分の運賃の支払いをお願いしました。
数十円の運賃だったこと、買い物に付き合ってくれる講師の弟に感謝の気持ちもあり、留学生Aは講師の弟の分も運賃を支払いました。
食料品や日用品まで
ショッピングモールに着いた2人は館内をウロウロした後、スーパーマーケットのエリアに行きました。
そこで講師の弟Bが突然切り出しました。「家が貧乏でお金に困っている。僕たち家族のために食料品を買ってくれないか?」
留学生Aは大学生ということもありお金に余裕がなく、なぜ他の家族の食料品のために自分がお金を出さないといけないのか理解できず、黙り込んでしまいました。
すると徐々に講師の弟の口調が荒くなり、男性から強く言われたことに恐怖を覚えた留学生Aは、食料品の購入に同意しました。講師の弟は食料品だけでなくありとあらゆる日用品を買い物カゴに入れ、留学生Aに買わせたのです。
学校に相談、講師は解雇されるも
語学学校に戻った留学生Aは週が明けた月曜日、泣きながら学校スタッフに週末の出来事を話しました。学校スタッフが上司に報告し、講師Bは即刻解雇を言い渡されました。
そのことを知った講師の弟は留学生Aに携帯電話のテキストメッセージで「僕の姉が大変なことになった。どうしてくれるんだ? 解雇を撤回してもらってくれ」と訴えました。
留学生Aがそのメッセージのことを学校スタッフに相談すると、「もう返信せず無視して下さい」とアドバイスされ、返信しませんでした。
翌日、気持ちが収まらなかった講師の弟は、何と学校まで留学生Aを探しに来たのです。
もちろん、学校には出入りを厳しく管理するセキュリティーガードが駐在していたため、講師の弟は学校内に入ることはできませんでした。それを知った留学生Aは怖くなり、留学を切り上げて韓国へ帰ってしまいました。
講師の給与は上がっているものの注意が必要
以上、少しリアルすぎて恐怖を感じたかもしれませんが、現実に起こった話です。トラブルに大小はありますが、多くがお金の問題です。生活が豊かではないフィリピンだからこその問題で、何とも複雑な気持ちになります。
しかし一点お伝えしておきたいのですがこれは5年前の話で、何とこの5年でセブ語学学校講師の給料は2倍近くに跳ね上がりました。留学生・講師が互いに割り勘で食事に出かけることも多くなっているようです。
講師とレッスンの個人交渉をしてはいけない理由
授業中に留学生が語学学校講師とさまざまな話をする中で、留学生は講師のおおまかな月給を知ることになるかもしれません。
その際に一部の生徒は講師と直接交渉して、学校外での授業や卒業後のオンラインでの授業を格安で受けようと思い立ちます。
もちろん、語学学校ではこのような直接交渉は厳しく禁じられていますが、「2人だけの秘密ね」と内密に価格設定やレッスンのスケジュールを組んでいきます。
ここからが問題です。きちんと雇用契約を交わし、授業の内容やクオリティーを監視している語学学校内では講師もルールを守り、決められたフローに沿ってレッスンを提供します。
トラブルの内容
しかし、口約束で交わされたレッスンのクオリティーやスケジュールはどうでしょうか? さらにはお金のトラブルも発生します。
以下にいくつかトラブルの例を挙げます。
- 講師がレッスンに対してやる気がない
- 講師が頻繁にレッスンをキャンセルする
- レッスンのスタート前にまとめてお金を払ったのに、連絡が途絶えた……など
また、留学生がセブで初めての留学を終え、2回目の留学を計画した際に、既に土地勘はあるし、お気に入りのゲストハウスに滞在しながら家庭教師を雇おうと考えつきます。講師は友人のつてで紹介してもらえる目星も付いています。
ビザにも注意
ここで注意したいのは就学ビザです。フィリピンで合法的に英語教育を受けるためには、「SSP〜Special Study Permit〜」と呼ばれる特別就学許可証を取得することが義務付けられています。
この許可証はフィリピン政府から認可を受けた語学学校からのみ、専門機関への申請が可能です。つまり、個人的だとはいえ許可証なしで英語を教えてもらうのは、グレーゾーンであり安全とはいえません。
しかもこの許可証の管轄は入国管理局なので、もしとがめられたら、最悪の場合には強制送還や再入国禁止になる可能性があります。
日本人は狙われている?〜ここは外国であることを自覚しよう〜
セブは観光やロングステイ、ビジネスの地としてさまざまな国籍の人が住んでいます。その中で日本人とは、現地の人にとってどのような存在なのでしょうか。
フィリピン人は親日家でアニメオタクが多いので、そのような人々にとって日本人は、漫画の世界から出てきたキャラクターのように見え、とても興味を持ってくれます。一方、犯罪を犯すようなフィリピン人にとっては格好の獲物です。
生活上の注意点とは
下記にいくつかその理由を挙げます。
- 日本人独特のファッションと雰囲気で目立ちやすい
- 親しく話しかけてきた人をすぐに信用する
- 優しくて礼儀正しい
- 自信がなさそうに英語を話す
- ズボンのポケットやリュックサックの外側の小ポケットにアイフォンを入れている
- レストランやカフェでカバンや私物で席を確保する
語学学校は入学時のオリエンテーションで、留学生に生活上の注意点を説明します。
親しく話しかけてくる少し日本語を話すフィリピン人にはついて行かない、携帯電話をズボンのポケットやリュックサックのポケットに入れない、貴重品から目を離さないなどです。
しかし、日本の安全な環境で警戒心を持たずに生活してきた日本人にとって、そのように習慣を変えるのは難しいです。ましてや観光でセブを訪れる日本人は、注意しなければいけない点すら分かりません。
日本を一歩出れば環境も状況も違いますので、貴重品の管理の仕方は普段から身に着けておきたいものです。
まとめ
今回はセブ島語学学校の裏話の第2弾として、少しブラックな内容をまとめました。
留学する際には人づてや留学エージェントからの情報を鵜呑みにせず、自分自身で下調べをして正しい情報を得ることが大切ですね。
セブを訪れる日本人がトラブルに巻き込まれず、「また来たい!」「セブが大好きになった」「魅力のある国で素晴らしかった」と言ってくれると、セブ在住者としてはとてもうれしいです。
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