イギリス南東部の都市、カンタベリーは、世界遺産のカンタベリー大聖堂、そしてチョーサーの「カンタベリー物語」で有名な町です。
私は1年間カンタベリーにあるケント大学に留学していました。留学中、何度となくカンタベリー大聖堂に足を運んでいるうちにキリスト教の魅力に引き込まれていきました。
ここでは、カンタベリー大聖堂に通い詰めた経験から、お得に大聖堂を見学する方法を紹介していきます。※1ポンド=146円
カンタベリー大聖堂への行き方
カンタベリー大聖堂は、カンタベリーの中心街にあります。ロンドンからは快速列車で1時間、普通列車で1時間半の距離です。
カンタベリーには、カンタベリー西駅と東駅がありますが、カンタベリーの中心街までの距離はさほど変わりません。両駅から中心街の一番主な通り、ハイストリートまで徒歩5分くらいです。
大聖堂は、ハイストリートから一本横道に入ったところにあります。ハイストリートを曲がるとすぐに大聖堂の入り口のゲートが見えます。
カンタベリー大聖堂の歴史
カンタベリーを代表するものは、何といってもカンタベリー大聖堂です。
英国国教会(Church of England)の総本山として知られています。現在の大聖堂は1089年から470年の歳月をかけて完成されました。
ロマネスク様式とゴシック様式が混在しており、建築物としても大変評価が高いです。カンタベリーはイギリスのキリスト教布教の拠点となった街です。
カンタベリー大聖堂の歴史は西暦596年、聖アンドレアス修道院長であったアウグスティヌスが教皇グレゴリウス1世の命により、約40人の修道士とともにイギリスへ布教のために派遣されたことにさかのぼります。
もっとも有名なのは、やはり大司教聖トーマス・ベケットの暗殺事件です。
1170年に国王ヘンリー2世と対立の末、ベケットはカンタベリー大聖堂で殺害されました。
ベケットの血は不治の病を治すことで人々から崇拝されるようになり、カンタベリー大聖堂にはイギリス各地から巡拝者が訪れるようになります。
カンタベリー大聖堂の通常の観光方法
カンタベリー大聖堂は普段は観光客向けに開かれています。カンタベリー大聖堂の中を細かく見たいのであれば、この時に行くのが一番です。
もっともオープンに観光客に開かれているので、隅々まで気兼ねなく見学することが可能です。ただし、混み合っている上に、正規料金(9ポンド)を払わなければなりません(ケント大学の学生証を持っていると無料で入れます)。
特に休日はとても混み合います。見て回る順序がある程度ありますが、かなり人が列をなしている時もありました。
カンタベリー大聖堂を無料で観光する方法
お得に大聖堂の中を見学したい一般の人には、16時以降に行くのがおすすめです。ほぼ毎日16時以降は無料で開放されています。
正規料金を払って入る時と違って、すべてを見て回れるわけではありませんが、主要なところは見ることができます。
16時以降に無料で入れることを知っている人は、あえてこの時間に来ることも多く、世界中から観光客が訪れています。
カンタベリー大聖堂の礼拝に参加する方法
無料で大聖堂を見学しつつ、キリスト教の素晴らしい世界を体験したい人におすすめなのが、毎日行われる礼拝や、evensongと言われる聖歌隊の合唱と一緒に行われる祈りの時間に行くことです。
礼拝やevensongの時間は観光客であふれかえっている時間と違い、ゆったり落ち着いた真の大聖堂の雰囲気を感じ取ることができます。
お祈りの最後に募金の袋が回ってくるときがあるので、ぜひお気持ちを入れてあげてください。
キリスト教徒でない場合、初めは躊躇しがちですが、イギリスの有名な大聖堂は世界中からの観光客を受け入れているので、問題なく入れます。
ヨーロッパ各国から修学旅行で来ている中・高校生も結構いました。
私もカンタベリー大聖堂の礼拝やevensongには毎週のように行っていましたし、カンタベリー以外の大聖堂を訪れた時も、わざとevensongや礼拝の時間に合わせて行って見学をした時もありました。
evensongや礼拝の時間は観光客に開校されている時間とは異なり、神聖な場となるので、撮影は禁止されています。
しかし、アーチ形の天井をした壮大なホールで目を閉じながら聖歌隊の美しい歌声に耳を傾ける時間は特別です。歌声とともに目を閉じ、再び開けると、高い天井と白い巨大な柱が目に飛び込んできます。
その光景は、日本では絶対に味わえない不思議な感覚を呼び起こします。自分の過去や将来など自分の「心」に語り掛けるいい時間でもありました。
お祈りの時間なのでやはりキリスト教の所作はありますが、周りの人の見よう見まねでだんだんと覚えていきました。
すべての席に聖書などが置かれているのですが、熱心なキリスト教信者でなくても分かるように、その時間の礼拝で扱われる聖書のページ数や、礼拝の流れ、最後に礼拝客みんなで言う言葉などがていねいに書かれています。
時には、隣になったイギリス人や大聖堂の司教の方が声を掛けてくれる時もありました。
お祈りの時間が終わると、みんな一つの出口から出るのですが、そこで大聖堂の司教がThank youと一人一人に声を掛け、望む人には祈りをささげてくれます。礼拝やevensongが終わった後に、少しの時間ですが大聖堂の中を見ることも可能です。
礼拝やevensongは開始時間が過ぎると正門が閉まってしまいますが、始まってからも別の入り口から入ることが可能です。
礼拝やevensongの時間は大聖堂の門のボードに記されているほか、ホームページで確認することもできます。
まとめ
世界遺産、そして英国国教会の総本山として名高いカンタベリー大聖堂の歴史や参拝の方法を紹介してきました。
イギリスの人々にとってカンタベリー大聖堂は、お蔭参りが行われた日本の伊勢神宮のような神聖な場所です。
クリスマスやイースターなどの日には特別な礼拝が行われます。
礼拝やevensongは毎日行われているので、時間の都合も付けやすいと思います。
ぜひ、大聖堂で観光地の一つとしてだけでなく、キリスト教の世界を満喫してみてください。
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