海外進出を夢みて20代前半を中心に、幅広い年齢層の日本人が海外留学をしています。その形はさまざまですが、特に語学留学生が多いです。その数は年々増え、欧米のみならずアジア圏内の留学も人気を集めています。
ほとんどの留学生がエージェントを通して入学します。そしてエージェントを通じて、学校側にどのような要望が出せるか知っておくと、留学前から少し得ができるんです。
筆者はフィリピンで語学留学をした後、海外で留学エージェント業をしていました。現在は語学学校の学生マネージャーとして、フィリピンに滞在しています。今回はそんな筆者が、渡航前から賢く留学できるコツをまとめました。
ルームメイトの国籍について
お隣、韓国では国内の大学を出るよりも海外の大学を出て初めて就職のスタート地点に立てる状況になりつつあります。
日本と比べて人口の少ない韓国では、国内だけの流通で黒字を出すことは企業にとって至難の業です。
そのため外交をしていくことが必須となり、英語を使って商品やサービスを売っていかなければなりません。韓国人は日常会話のみならず、営業をかけて契約を取るための英語力を求められているのです。
教育にお金を費やすことも当たり前となっており、小学生にあがる頃には子供を海外に出している家庭がほとんどです。
そしてフィリピンのほとんどの語学学校は韓国人比率が圧倒的に高いです。必然的にルームメイトは韓国人と一緒になる比率も上がります。
複数人部屋の場合が多い
他人との共存生活は絶対無理!という方は必然的に一人部屋になります。しかし少しでも多くの留学生を受け入れるため、一人部屋の受け入れ枠は少ないのが現状です。
そして少しでも安く留学するために、二人部屋より三人部屋、三人部屋より四人部屋を選択する留学生の割合が高いのも事実。
日本人比率の低い学校であれば、日本人同士が同じ部屋を使う確率も低くなります。しかしフィリピン留学において特にセブ留学をしたい場合、日本人が多いため日本人同士で同じ部屋を使う場合も出てくるかもしれません。
授業以外でも英語を使った方が各段に英語力は伸びます。ルームメイトが同じ国籍の生徒であれば、英語しか使わない!とお互い強いポリシーを持っていない限り、母国語で会話をしてしまうでしょう。
ルームメイトが外国人の場合
はじめはコミュニケーションを取るのに苦労するかもしれませんが、ルームメイトは他国籍の方がベターだと個人的には思います。せっかく英語の勉強のために留学をしたのですから、入学して卒業するまで、可能な限りたくさんの英語に触れましょう。
しかしながら、文化の違いからルームメイト同士のトラブルが発生することもあります。寮の中にはルームメイト分のベッドや机、クローゼットの他、共同で使用するトイレ兼シャワー室があります。
学生マネージャーとして学校内に滞在していると、特に生活リズムの違いによる音の問題をよく耳にします。
寝ている時にドライヤーを使う、ドアの開閉音が異常にうるさい、夜遅くまで部屋で勉強するルームメイトがいるから電気を消して休めない……など。
シャワーを浴びる時、トイレにいる時間、寝る直前などイヤフォンをつけずに音楽を聴く習慣がある、という理由からルームメイトがいても大音量で音楽や映画を楽しんでいる他国籍の学生は多いです。
もちろんイヤフォンを付けてくれる生徒もいますが、数は少ないです。
そのような学生のルームメイトになった日本人が我慢の限界を越え、当人に直接苦情を伝えたことがあります。相手は「なぜ自分がそんなことを言われなければならないのか?」と疑問を抱いていました。
その相手にとって、イヤフォンを使わずに音楽を聞いたり映画を観るのは当たり前だったようです。
日本人であればモラルを意識して、他人がいるのならイヤフォンを使おう、それが常識だ、と思うかもしれません。しかし、国籍が異なれば常識が少しズレていると感じるケースも少なからずあります。
日本の常識と海外の常識
共同生活ということでみな互いの違いに理解を示してくれることがほとんどですが、ルームメイトによってあなたの留学生活は大きく左右されることを念頭に入れておきましょう。
同じ国籍同士で固まることのメリット・デメリット。異なる国籍同士で固まることのメリット・デメリットを押さえ、自分にはどちらが適しているのか答えを出して下さい。
エージェントを通してその希望をあらかじめ学校側に伝えることができます。繁忙期であれば融通が利きにくい場合もありますが、留学生活の懸念を少しでも減らす努力を学校側も行っているため、これらの要望は通りやすいです。
留学途中であっても部屋タイプやルームメイトに関して変更の要望があれば、遠慮せずに申し出ましょう。
ルームメイトの年齢について
年齢を気にする方も少なからずいます。中高生と定年退職した年齢の生徒を同じ部屋に……というのは学校側でも作らないパターンですが、同じ学年のルームメイトを希望したい……という方は多いです。
特に韓国人の場合は儒教の教えもあり、年齢をものすごく気にします。とても仲が良くても、年齢が1つ上というだけで友達とは呼ばないんだとか。言葉も丁寧語を使わなければいけません。
韓国人の場合、特に若い人は年が離れた人と集団行動することを避けます。理由を聞いたところ言動に気を遣わなければならず、疲れるからと話してくれました。
私は韓国人に名前よりも年齢を先に聞かれたことがあります。年齢が上の韓国人と仲良くなった時は、日本の感覚でタメ口を使っていたら、ある時「私はあなたより年上なんだから、ちゃんと敬語使わないとダメなのよ。」と言われました。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉がありますが、韓国と日本では少し意味合いが違うなと感じます。
特にフィリピン留学をしている外国人の総数をみると、韓国人の割合が圧倒的に高いです。どの語学学校に入学しても韓国人と出会うでしょう。ほとんどの語学学校が韓国資本のため、上層部は韓国人ばかりという学校も珍しくありません。
気を遣い過ぎて、勉強以外の面で疲れてしまう、という事をなくすためにもルームメイトの年齢が重要になってくるケースがあります。
外国人、特に韓国人は日本人に対して好意的な人が多い印象ですが、年齢についてはシビアな人が多いです。少しでも不安があるのであれば、事前に同じ年齢層の生徒と部屋を使いたい旨をエージェントに伝えましょう。
大学生が多いとはいえ、社会人経験を積んできた30代や定年退職後に夫婦でフィリピン留学に来ている人もいます。
生活レベルが異なることが予想されるため、ある程度の社会人経験を積んで大人留学をする方は、ルームメイトの年齢を事前に考えておくべきです。
寮生活も立派な留学の一部です。有意義な時間を過ごすためにも、事前に申請できるものは申請してしまいましょう。
英語講師の希望
フィリピン留学の基本はマンツーマン授業となります。そのため講師との相性は少なからず出てきます。
多くの生徒から高評価を受けているから、あなたにとっても最良の講師とは必ずしも言い切れません。講師のキャラクターや授業スタイルなどから、お気に入りの講師が出てくるはずです。
ほとんどの場合、生徒やそのご家族の要望はエージェントからメールなどを通して共有されます。
フィリピンの語学学校は大半が学校と寮一体型の施設なのですが、筆者が語学学校で学生マネージャーとして現地に滞在している間、入学前の生徒本人やその親御さんとSkypeを通して実際に話す機会が何度かありました。
渡航前の希望で多いのは講師の性別です。特に女性の学生に多いのは、女性講師から授業を受けたいという希望でした。
渡航後の希望で多いのは講師の授業スタイルです。フィリピン人のほとんどがフレンドリーです。ユーモアを兼ね備えた講師がたくさんいます。授業中でも冗談を言って生徒を終始笑わせようとする講師がいます。
このような授業スタイルを好む生徒も一定数います。しかし特にテストコース(TOEIC・IELTS・TOEFL)を選択する生徒は講師のユーモアさではなく、テストの点数を取るために必要なことを真面目に教えてくれる教師を求めます。
番外編!留学後であっても遠慮せずに学校に申し出るべし
また、衛生面にも気を付けたいところです。日本人はどちらかと言えば、他ルームメイトに気を配って生活する人が多いです。そのため苦情を受けることは滅多にありません。
反対に、ルームメイトに不満を抱えながら生活している日本人生徒は多いです。特にフィリピン留学は講師の質も高く、治安も確立されてきています。豊富なマンツーマン授業がリーズナブルな価格で受けられるという声も多いです。
そのため日本人のみならず、韓国・中国・台湾・ベトナムなどから毎年多くの留学生を受け入れておりインターナショナルな学校が多いです。これに伴い、ルームメイトとの間でいざこざが生まれることも少なくありません。
「ルームメイトが二段ベッドの上でお菓子を食べている。それは良いが、食べかすが下の私が使ってるベッドに落ちてくる。毎日続いたので注意したが直らない。」
「ルームメイトは化粧品をたくさん持参しているようだが、数が多すぎるため隣の私の机にまで侵出して物を置いている。私の机に置いてあった鏡は勝手に使われ、普段置いてある場所と別の場所に置かれていて戻されていない。」
衛生面については国籍ではなく完全に個人の問題となります。
綺麗好きな日本人がいる一方で、ゴミが散らかっていても気にしない日本人だっています。こればかりは入学前から分かる情報ではありません。そのため、ある程度一緒に生活を共にしてから分かってきます。
実際に留学中、ルームメイトの問題で部屋移動をする生徒はいます。空きがあれば基本的に部屋移動は可能です。しかし混雑が予想される夏休み・冬休みの期間は部屋に空きがないことも考えられます。
もし可能であれば休暇期間を少しズラして留学するのも一つの手です。また、大学生の団体留学はだいたい4週間の留学で卒業するケースが多いです。この期間を乗り越えれば平和な寮生活が過ごせるかもしれません……。
生徒の要望に迅速に対応してくれる語学学校とそうでない学校があります。実績や各学校の卒業生が書いた体験記も参考材料の一つになります。
また、レスポンスの早い学校は学校内でのトラブル対処も早い傾向にありますので、エージェントに事前に伝えておくとベターです。
そして何よりも、日本人スタッフが現地に滞在している学校の方が圧倒的に対応が早いです。こちらの事前チェックはマストです。
まとめ
お金や治安の面で気軽に行けるようになったフィリピン留学ですが、韓国人との共同生活やグループ授業は避けられません。
個人によって異なることもたくさんありますが、事前に韓国人の大まかな特徴を知っておくと心構えができ、カルチャーショックを受けることも少なくなります。
さらに、渡航前にエージェントに提案できることを押さえ、問題になりそうなことは先に潰してしまいましょう。
一方で他国籍の学生とのコミュニケションも留学の醍醐味です。お互いに英語を使って生活を共にすることで得られることもたくさんあります。
有意義な留学生活を送るために、渡航前に得られる情報はエージェントや各学校の公式ホームページを参照してください。ほとんどの留学エージェントが実際にフィリピン内の語学学校を視察しています。些細な不安でもドシドシ質問しましょう。
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