個人的に、アメリカ旅行で絶対に外せない場所は、ニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルスのような大都市ではないと思います。
アメリカは世界有数の国立公園がたくさんある大自然の国です。中でも、世界で唯一無二、アリゾナ州が誇る世界最大の渓谷、グランド・キャニオンは絶対に行くべきスポットの1つでしょう。
世界最大といってもどのくらい広いかはあまり想像がつきませんよね。実際の長さは227マイル、幅18マイル、深さ1マイル、東京都が8個入ってしまうほどの巨大な国立公園です。すべてのポイントを回ると車で何時間も掛かるほどです。
グランド・キャニオンを訪れた際に、ぜひ皆さんに体験してほしいことがあります。それはグランド・キャニオンハイキングです。
今回はアクティブなグランドキャニオンの楽しみ方と、必ず押さえてほしい注意点をお伝えします。※1$=109円
グランド・キャニオンハイキングをおすすめする理由
グランド・キャニオンの魅力の1つは、国立公園内でキャンプ、ハイキングを楽しめるところです。1度入ってしまえば、何日でも滞在が可能です。日帰りでハイキングを楽しむ方もいれば、本格的に7日以上のキャンプを楽しむ方もたくさんいます。
私がグランド・キャニオンハイキングをおすすめするのは以下の理由です。
- 人気観光地で必ず発生する人混みから少々距離を置いて楽しむことができる。
- 浅い登り下りの繰り返しが良い運動になる。
- 野生動物と触れ合える。
- 日本では馴染みの無い砂漠の植物がみられる。
- 上から見下ろすだけでなく下から見上げた景色を楽しめる。
- ハイキング後の、疲労感と達成感がなんとも心地良い。
世界遺産でもあるグランド・キャニオンにいるのですから、五感を使って大自然を感じましょう。
グランド・キャニオンハイキング入場料
入場料は車1台につき35ドル(3,815円)、バイク30ドル(3,270円)、車無しで入場する場合は1人20ドル(2,180円)です。ですので何人かと車で連れ立って行ったほうがお得になります。
広さが広さなので、自転車や徒歩でロードトリップをしている人でない限りは、車がないと厳しいでしょう。また、クレジットカードやデビットカードも使用可能なので、現金を持っていない場合でも大丈夫ですよ。
アリゾナ州の大学に通っている方だと学割が有効になる場合もあります。ゲートの担当者に確認してみましょう。
どこから入ればいい?断然South Rim(南側入場口)がおすすめ
グランド・キャニオンには複数の入場口があります。代表的なのは「North Rim」「South Rim」の2つです。
私は断然、South Rim をおすすめします。South Rimは初めてグランド・キャニオンを体験する方に優しいのです。
必要なものがすべて揃う「Grand canyon village」が併設されているからです。ここではお土産品店からレストラン、博物館、宿泊施設までそろっています。
また、South Rimから下るハイキングコースの途中ポイントには給水所も設置されているので、水を飲み切ってしまった場合の脱水症状のリスクを回避することができます。
ちなみにこの給水ポイントの水ですが、グランド・キャニオンの湧き水が使用されています。記念に飲んでみるのもいいですね。
別の入場口、「North Rim」はSouth Rimと比較すると、利用できる施設がほとんどなく上級者向きです。初めてのハイキングでは、情報取集ができてなおかつ安全なSouth Rimを利用しましょう。
深さ最大1マイル(1.6km)、壮大な景色を楽しもう
South Rimには、渓谷を上から見下ろせる絶景ポイントがあります。ここからグランド・キャニオンの壮大な景色を楽しめます。
続く渓谷に圧倒されます。何千年もかけて形成された大地の歴史を感じましょう。その後はぜひ、ハイキングコースから渓谷を下り、ハイキングを楽しみましょう。
帰りが断然つらい!でも楽しいグランド・キャニオン渓谷ハイキング
渓谷のハイキングは登山とは異なります。
- 登山⇒行き(登りなので辛い)、帰り(下りなので楽)
- 渓谷⇒行き(下りなので楽)、帰り(上りなので辛い)
渓谷のハイキングは、下ることから始まります。当然身体は元気で、空気も下に行けば行くほど密度を増すので息切れすることもありません。景色を眺める余裕もあり、楽しみながらハイキングをすることができるのです。
帰りは辛いです。行きとは違い、上に行けば行くほど空気が薄く感じるので、人によっては軽い酸欠状態に陥ることもあります。焦らず、ゆっくり登り、水分補給をこまめに行いましょう。
また、下った分だけ登らなければいけないので、自分が登り切れる距離を考慮し、ある程度のポイントで引き返しましょう。
大変ではありますが、渓谷ハイキングはとても楽しいです。上から見下ろした景色以外にも、下から見上げた景色を楽しめるので2倍お得ですね。
1人でマイペースに楽しむのも良いですし、友達、家族と一緒におしゃべりしながら、励ましあいながら楽しむのもおすすめですよ。
あの可愛い動物が寄ってくる!
グランドキャニオンを下っていくと、あの可愛い動物と触れ合えます。
そう、リスがいるんです!ハイキングコースにはいくつかの休憩ポイントがあり、多くの人がそこでスナックを食べて休憩しているのですが、スナックのにおいを嗅ぎつけるのか、フワフワしっぽの可愛いリスが近づいてくるのです。
餌をあげる観光客が多いのか(本当は禁止されていますよ)人慣れをしていて、近くに寄っても逃げないリスもいます。
また、グランドキャニオンの絶景ポイントから別のポイントへ移動するときには、森林を横切ります。
そこではエルク(アメリカの鹿の一種)が見られますよ。運が良ければ熊も見られるかもしれません。
グランド・キャニオンでの服装と持ち物
グランドキャニオンハイキングを楽しむために、必ず押さえてほしいのは、必要な服装と持ち物です。アリゾナ州は気温が高く、紫外線も強いです。以下の項目をご確認ください。
服装
上着
半そででも良いですが、必ず日焼け止めを塗りましょう。
ズボン
長ズボンがおすすめです。植物にかすったり、岩でつまずいたりしたときにけがをする可能性があるため。
靴
ハイキングシューズなど滑りにくい靴を履いていきましょう。スタート前に安いハイキングシューズを購入してもいいと思います。
アジア人に多く見られるのですが、コンバースやアディダスなどの滑りやすいファッションシューズでハイキングをする方が多くいます。危険なのでなるべく滑りにくい靴を選びましょう。
また蒸れを防ぐためにフットパウダーの使用をおすすめします。
帽子
頭を日焼けすると熱中症になってしまいます。必ず帽子をかぶりましょう。
持ち物
日焼け止め
日焼け止めは塗りなおしができるように1つは持ち歩きましょう。また日本製をおすすめします。アメリカ製はPA値(+と表記される)が国の法律上、低いものしか売られていません。塗り心地や効き目も日本製が優秀です。
水
脱水症状を防ぐために必ず持ち歩きましょう。スポーツドリンクも1つ持っていくと塩分の補給ができるのでおすすめです。
ちょっとしたお菓子
エネルギー補給のためにスナックバーを持ち歩きましょう。
また、何かあった時のために、傷薬や包帯などが入っているファーストエイド・キットを持っておくといいかもしれませんね。
グランドキャニオンは深く進めば進むほど、人が少なくなります。初心者の場合は必ず2人以上で行動し、上記、必要最低限の持ち物、服装は押さえておきましょう。
この植物(サボテン)に注意!
アリゾナ州でハイキングをする際に、絶対に注意してほしい危険な植物があります。それは、サボテンです。何メートルもある巨大なサボテンのことではなく、短く地面に張り付いているようなサボテンがより危険です。
あまり目立たないので、うっかり踏んでしまうことがあり、一度トゲが刺さったらなかなか取れず激痛が走ります。取り方が悪いと皮膚の中にトゲが残ってしまうこともあります。
ですのでハイキングシューズや長ズボンはサボテンから身を守るために重要なのです。
さらに悪いことに、この種類のサボテンは繁殖する際に、株を飛ばすことがあります。飛んできたサボテンが足首にグサッと刺さるという事故もないわけではありません。
グランドキャニンオンをハイキングするとサボテンとの遭遇は避けられないので、足元には注意し、なるべく踏まないように気を付けて歩きましょう。
過度なインスタ映え狙いは死を招く
年間約200人。この数字は毎年グランドキャニオンで亡くなってしまう人の数です。落下と遭難が主な死因として挙げられます。
グランド・キャニオンは壮大な自然の産物であると同時に、ルールを破ると危険な場所に成り得ます。
毎年、渓谷の下を見るために柵を越えようとする人が出てきます。その結果、足を踏み外して落下してしまうのです。
また、ほかの人とは違った写真を取りたい、SNSに良い写真を投稿したいがために、危険な場所で写真を取り、足を滑らせて亡くなってしまう方もいます。
一生に1度しか来ることがないかもしれない観光地で、最高の写真を取りたい気持ちは分からないこともないですが、命を落としてしまっては元も子もありません。
谷の下は1マイル(1.6km)もの深さがあります。軽率な行動が重大な事故を招くのでルールを守ることを徹底し、危険な場所には近づかないようにしましょう。
まとめ
せっかくのグランドキャニオン、上から見下ろすだけではもったいないです。1日中使って、ハイキングを楽しみましょう。夕方になると夕日に染まった渓谷も見られます。
意外と注意点が多く億劫に感じてしまう方もいるかもしれませんが、「危険な場所にはいかない」「服装と持ち物はハイキングに適した格好」という最低限のルールを守れば、十分に楽しめますし、一生の思い出になることでしょう。
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