日本で電車に乗っていると、必ずと言っていいほど目にするのが「英会話」の宣伝広告ですよね。書店には特設コーナーができていることも多く、次々と色々な本が出版され、その関心の高さを感じます。
英会話の学習方法は実にさまざまだと思いますが、やはり実際にネイティブと話してみる体験には、他とは代えがたい価値があります。
リアルな英会話だからこそ、意外な言葉の使い方に出会ったり、様々な気づきや発見があるものです。
今回は、現地での実際の会話を通じて、アメリカの文化や価値観を考えるきっかけとなる英会話のフレーズについてご紹介します!
What’s up?〜教科書には出てこない、気さくでカジュアルな挨拶表現
突然ですが、皆さんは英語で挨拶というと、どの表現がぱっと思いつきますか?一般的にはHello.やHi.などがありますが、英語の教科書に登場する、Good afternoon.やHow are you?などもメジャーな表現ですよね。
ところが、こうしたお馴染みの表現以上に、アメリカではネイティブがよく使う挨拶があるのです。それが「What’s up?」です。
特に若者の間では、先に挙げた挨拶よりも使用頻度は圧倒的に高く、よりカジュアルな、言ってみれば会った時に必ず交わす決まり文句のようなものかもしれません。
それだけ使用頻度が高いのですが、渡米するまで知らなかった私は逆に、何と返答したらよいのか分からず、困惑した記憶があります。
返し方は色々ありますが、「Nothing much.」と答えておけば問題ありません。
ただしこの「What’s up?」、イギリスで使ってしまうと、「どうした?」と心配されたり、あるいは「何か問題あるの?」と声のトーンによっては挑発的に聞こえてしまうこともあったりと、ネガティブな意味合いで受け取られてしまうようですので、ぜひアメリカ限定で使ってみてくださいね。
Let’s see what happens. 〜アメリカ英語ネイティブは、意外と優柔不断?
これは私が渡米する前の完全な偏見なのですが、アメリカ人というとどんな時も意見をハッキリ言って、どっちでもいいわ~といった(割と日本人にはありがちな)曖昧な表現とは無縁のような気がしていました。
ところがどっこい!アメリカでたくさんのネイティブの英語を聞いていると実によく耳にするのがこの「Let’s see what happens.」という表現なんです。
意味は「とりあえず様子をみよう」とか「そのうちわかるさ」くらいなニュアンスで、ひとまず今は保留にしておこう、結論を急がずにおこう、という感じでとてもよく使われます。
これは、曖昧な表現を多用しがちな日本人にはとても親近感のわく表現だと思いませんか?アメリカ英語にも、意外に曖昧な表現があると知って、優柔不断になってしまうことが多い私はどこか嬉しくなったことを覚えています。
I don’t know.〜日本語の「知りません」とはちょっと違った曖昧表現
こちらもまた意外性を感じた、アメリカ英語でよく聞く表現の一つです。
文字通りの意味をとると、「分かりません」とか「知りません」になるのですが、ネイティブの感覚は少し違っているようです。
深い意味を持たない、「ええっと」といったつなぎ言葉のように無意識に使っている人も多くいる印象ですが、それ以上に「さあどうだろうねぇ」というような、今すぐにははっきりと言えないけれども、そのうちに分かるだろう、といった、言うなればどっちつかずの曖昧表現なのです。
言葉のトーンによっては、「どうでもいいんじゃない」という風なネガティブな受け取り方もできるので、文脈によって適切に使うようにしましょう。
とはいえ、やはりアメリカではしっかりと自分の意見を主張することがリスペクトされる文化ではあるので、なるべくならI don’t know.を多用しすぎることなく、自信をもって発言する努力をしたいものです。
Who cares?〜楽観的かつ、良い意味でいい加減なアメリカ人
これは、アメリカ人の国民性、とまで言うとさすがに言い過ぎかもしれませんが、英語という言語に文化が特によく表れているフレーズだと思います。
これも、日本の英語の教科書や授業では出会ったことはなく、リアルな英語に触れるうちに聞き慣れるようになったものです。
アメリカドラマや映画にもちょこちょこ登場するので、ご存知の方もいるかもしれませんね。
直訳すると「誰が気にするのか?(誰も気にしない)」と、反語の意味で捉えることができますが、普段のネイティブはもっとカジュアルで単純に、「気にしてない」や「かまわない」というような意味合いで使っています。
ちょっと投げやり感も出しつつ使っている気がします。
とはいえ投げやりといっても悲観的な響きはなく、むしろ「そんなの気にしないさ!」くらいの、明るく突き抜けた、良い意味でのいい加減さが表れているように感じます。
さらっと「Who cares?」と言えるようになったら、アメリカ英語のネイティブにぐっと近づいた証拠かもしれませんよ!
Have a wonderful life.〜優しさと愛と寂しさの詰まった、アメリカ英語の別れの言葉
これは、私が留学を終えて日本へ帰国する時、とても親切にしてくれていたあるご婦人の方から言われたことで、その時初めて聞いて印象に残ったのでご紹介します。
一般的な別れの挨拶としてのGood bye.やSee you.などとは次元の違うところにあるのが、この「Have a wonderful life.」だと思います。
「素敵な人生を」という言葉を投げかけられた時、とても大きな愛を感じると同時に、この別れが永遠の別れであることをほのめかされ、寂しさを感じたのをよく思い出します。
日本語にも一期一会という言葉があるように、アメリカにもやはり一つ一つの出会いを大切にする文化があることを知りました。
出会いがあれば別れもあるもので、人の行き交いが盛んなアメリカでは、一度の別れが意味するところは、もしかすると、もうこの人とは二度と会うことはできないかもしれない、という切実さを思わせるところがあるのかもしれません。
だからこそ、その人のその後の人生に幸あれ、と祝福をするように送り出してくれるこの言葉があるのではないかと思っています。
まとめ
言葉と文化には切っても切れない関係があります。
語彙や文法的なことももちろんそうですが、日常的に使われる、何気ない表現の中にこそ、その言葉を使う人たちの考え方や価値観がにじみ出るものだと思います。
海外生活の中で、言葉から感じ取る異文化の体験には、面白い発見がたくさんあるものです。
生きた英会話の勉強になることはもちろん、そこから少し発展した、文化的な学びにもつながっていく表現の数々を、ぜひみなさんもリアルな英語から見つけてみてくださいね!
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