アメリカといえば、自由の国、銃社会、チップ文化、食べ物が大きい、アメリカ人はフレンドリーなど、テレビや映画を通して思ったことや、実際旅行に訪れてみて感じたことなど、それぞれが思うイメージがあるかと思います。
私も日本で生活していた時は上記のようなイメージを持っていましたが、実際生活してみると思っていたのと違うことが多々ありました。
今回は私がロサンゼルスに住み始めて、実際に感じたマナーの違いをご説明します。
アメリカではお礼のクラクションはご法度
ロサンゼルスに来て1番驚いたのは、クラクションを鳴らすドライバーが多いことでした。
赤信号から青信号に変わって1秒立たない間に、後ろの車からクラクションを鳴らされたり、車線変更しようとして隣のレーンに入ろうとウィンカーを付けると、後ろから猛スピードの車が来て、クラクションを鳴らされたりしました。
最初は何をそんなに急いでいるんだろうと思っていました。もちろん全員がクラクションをよく鳴らすというわけではないですが、ちょっとしたことでクラクションを使うのは、ロサンゼルスでは当たり前です。
日本では道を譲ってくれたりした時に、お礼としてクラクションを鳴らしたり、ありがとうランプとしてハザードを点滅させたりしますよね。ロサンゼルスでお礼の意を込めてクラクションを鳴らしたら、眉間にしわを寄せて見られます。
道を譲ってもらったら手を挙げる人もいますが、何もしない人がほとんどです。
アメリカでは並ばないのは当たり前
バスやメトロを利用した時に驚いたのが、誰も並ばないことです。
バス停や乗車口付近には立っていますが、列ができているのは見たことがありません。初めてバスに乗る時は、どこに並べばいいのかわからず困りました。
バスやメトロが到着する直前に一気に乗客が集まり、一斉に乗り込みます。もちろん列はできていないので、乗る順番はぐちゃぐちゃです。
しかし順番がないながらも、障害者や妊婦、年配の方を優先していました。また、アメリカはレディファーストの文化なので、女性を先に乗せてくれる男性が多いです。
アメリカの公共交通機関では自由に過ごす
日本の公共交通機関内では電話や飲食はせず、静かに過ごすのがマナーだとされていますが、ロサンゼルスでは違います。
車内で大声で電話するのは当たり前、イヤホンではなくスピーカーで音楽を聴いている人もいて、車内は静かとは程遠い状況でした。
コーヒーやアイスなど飲食物を持ち込んで食べるのは日常茶飯事で、中にはサラダを食べてる人もいます。その後ゴミを放置する人は多く、車内は綺麗な状態とは言えません。
また、車内でお菓子を販売したり、お金をねだったり、ギター演奏でチップをもらおうとするなど、お金を稼ごうとする人がいるのもしょっちゅうです。乗客は自由すぎるほど自由に過ごしています。
初めてこの状況に遭遇した時、マナーが悪すぎると思いましたが、ロサンゼルスの乗客達はあまり気にしていないようです。
アメリカのバスは待ってくれる
ロサンゼルスのバスは、基本的に時間通りに来ません。
その理由として渋滞に巻き込まれていることもありますが、遠くから走ってくる乗客を待ってくれるドライバーが多いことも原因の一つのようにも思います。
バスから100メートル離れていても、反対側の車線の奥の歩道にいようとも、バスドライバーに手を振って、乗るという合図をすれば、大抵のドライバーは出発せずに待ってくれます。
時間通りに運行することよりも、乗客を乗せることを優先してくれるのは、ありがたく思いました。
電話はイヤホンマイクを使う
ある日道を歩いていると、話し声が聞こえて来ました。振り返ると、一人で喋っている人がいました。
最初は独り言かと思ったのですが、誰かと話している口調だったので不思議に思って見ていると、電話にイヤホンがつながっているのが見えて、初めて電話していることに気付いたのです。
ロサンゼルスでは若い人達を中心に、イヤホンマイクを使って電話をする人が多いので、初めの頃は話しかけられているのかと勘違いしていました。
アメリカでは店員と挨拶を交わす
スーパーで買い物をする時、レジ係の人に「Hello. How are you?Is everything good?(こんにちは。元気ですか?商品は全てよろしいですか?)」なんて聞かれます。
最初の頃は、「I’m good. How are YOU?(私は元気です、あなたはどうですか?)」と毎回答えていました。
1ヶ月くらいしてから、なぜ初めて会う人と、わざわざ元気かどうかを毎回話さなければならないのか、と若干やり取りに面倒臭さを感じ始めました。
ある時、私の前のお客さんがレジ係とどのように話すのか観察していると、お互い「How are you?」と言いあって、自分がどうであるかは答えていなかったのです。
もちろん聞き方や答え方にも何種類かあって、人によっては答え方は違います。しかしアメリカ人にとって、他人との会話でHow are you?は挨拶の一種であり、実際のところ答えは求めていないのです。
日本でいう、いらっしゃいませの意味合いです。それを知ってからは、私もうまくレジ係の方と挨拶を交わせるようになりました。
知っている人との会話の初めのHow are you?は、もちろん元気かどうかを聞かれているので、自分の状況を答え、相手がどうかも聞きましょう。
アメリカでは引っ越しの挨拶はしない
新居に住み始める時、菓子折りはなくても、両隣の人に挨拶くらいはするものだと思っていましたが、アメリカでは基本そのような挨拶はありません。
実際隣に新しい隣人が引っ越してきましたが、特に挨拶はありませんでしたし、私が引っ越した時も、新居周りへの挨拶には伺いませんでした。
たまたまアパートの敷地内で顔を合わせた時に簡単な自己紹介をした隣人もいますが、未だにHelloと挨拶を交わすだけで、どの部屋に住んでいるかや名前すらわからない隣人もいます。
アメリカでは困っている人を見つけたらすぐに助ける
スーパーへ行った時、車椅子の人が上の棚の物を取ろうとしていました。
私は取ってあげるべきか、声を掛けられるまで待つべきか、考えていました。英語力に自信がなかった上、自分から手を差し伸べることを躊躇っていたのです。
そこへ大学生くらいの男性が通りかかり、困っているのを察知し、すぐに商品を取ってあげていました。
若い子が、何の躊躇もなく助けてあげているのを見て、少し感動したのと同時に、私は何もできず遠くから見ているだけで、少し恥ずかしい気持ちにもなりました。
またバスに乗っている時、おばあさんが乗車してきて、席を譲ろうか迷っていたら、他の人が先に譲ってしまいました。しかしおばあさんはそれを断り、立ったままでした。
私は断られたら恥ずかしいと思い席を譲るべきか迷ったのですが、席を譲った人は気にすることもなく、また席に戻っていました。
アメリカの人々は他人に親切にすることに戸惑いや羞恥心はなくすぐに助けるので、私も見習わなければと思いました。
アメリカではわからないことはすぐ聞く
異国の地ではわからないことがあった時、周りの人に聞くのはなかなか勇気のいることです。
英語がきちんと通じるかや、怖い人だったらどうしよう、などと考えている内に、結局聞けずにわからないまま、なんてことがよくありました。
反対に話しかけられることは多く、外を歩いていると、時間や、目的地への行き方など聞かれます。
私がアジア人だからといって、英語が話せないという固定観念はアメリカ人は持っていません。特にロサンゼルスはアジア人が多いですし、アメリカ自体移民が多いこともあり、人種に関わらず話しかけるのです。
アメリカでは気まずい時はとりあえず喋る
アメリカ人は沈黙が苦手のようで、親しくない人と2人きりになってしまった場面でこそ、会話を始めます。
よくあるのは、エレベーターに乗っている時の沈黙に耐えられず、天気の話を始めるというパターンです。
私が経験したのは、日本語と英語を学んでいる人たちの交流サークルに参加した時のことです。アメリカ人と日本人それぞれ1人ずつの組み合わせでペアを組み、10分間会話をするという時間がありました。
自己紹介をした後はお互いの語学力が乏しく、会話が続きませんでした。すると相手が、気まずいねと言ってきたのです。
気まずい時に気まずいと言われても、何と返せばいいのかわからず、苦笑いを浮かべていると、相手が隣のペアに話しかけ、4人でのグループトークになり、沈黙から脱出しました。
沈黙自体は確かに気まずいものですが、アメリカ人は沈黙をずいぶんネガティブに捉えているようです。
まとめ
住んでみてわかったことは、思っていたよりも自由気ままに行動していて、人の目をあまり気にしていないんだなということです。
日本で生活していた時は、人の目を気にして親切にすることにすら抵抗がある時がありました。
こちらに住み始めてから、人に見られることにそこまでの抵抗は無くなり、わからないことがあったらすぐに聞くようにしたり、親切にすることにも躊躇わなくなりました。
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