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ドイツで日系IT企業社長と飲食店経営の二足のわらじで仕事をする私のスケジュール

ドイツ

多くのヨーロッパ諸国と同様に、ドイツでも労働者の権利は手厚く保護されています。残業ほぼなし、年休25~30日、病欠の義務という、日本ではなかなか難しい労働条件が実現されています。

一方、経営者はその保護の対象に含まれません。むしろ労働者の権利を守るため自分がその分をカバーしなくてはならないのです。

私はドイツで日系IT企業の代表を務めながら、系列の日本食レストランも経営しています。労働者を守る立場である私の一日をご紹介します。

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目次

ドイツで働く一日:7時起床

ドイツ

朝の起床時間は7時前後と比較的ゆっくりです。というのも、ドイツでは渋滞がほとんどないのです。私の場合は自宅から会社まで6~7km離れていますが、車で高速を使って通勤時間10分ほどです。

起きたらシャワーを浴びて、ヨーグルトとパンとコーヒーの軽い朝食。8時半ごろ家を出れば、始業時間の9時に充分間に合います。

ドイツで働く一日:8時40分ごろ出社

ドイツ

会社に到着するのは毎日8時40分くらいです。

他のほとんどの社員は9時ちょうどに来ますが、私は事務所で唯一の日本人として日本との連携があります。時差の関係上、なるべく日本がまだ就業時間中に連絡が取れるよう少し早い出社です。

アジア関係の業務

IT関連の会社ということもあり、インターネットなしには仕事が成り立ちません。まずはメールのチェックから始まります。アジアからのメールが多いので、できるだけアジアの終業時間までに処理します。

アジアとのやりとりはほとんどメールで、場合に応じてスカイプ会議になります。週に1度の購買会議は日本と台湾とドイツでスカイプを使用しながら行います。

その他、会社の経営状況やIT商品関係の確認、アジアからドイツへ向けての商品出荷スケジュール調整などを行います。出荷スケジュールはドイツの毎週の売り上げに合わせて、直前まで微調整します。

ドイツ国内関係の業務

それが終わるとドイツ国内の仕事に入ります。予定していた業務をしながら、ちょこちょこ社員から入ってくる質問への指示を行います。

ドイツでは各個人が自分の専門の仕事をします。会計、倉庫、営業、WEB、サポートに分かれているのでルーチン化していて、一つの部門単独でできることは彼らが責任を持って行います。複数の部署が関係する場合、誰が何を担当するかの調整は私が行います。

総務や経理関係の業務

郵便物の処理もあります。毎日の郵便物から、私が判断しなくてはいけないもの、急ぎのものを処理します。小さい会社なので、総務や秘書部門がありません。私は代表であると同時に総務秘書部門の仕事も引き受けます

役所や銀行からの規則変更の連絡やアンケート調査、給与関係、お金に関することや外部からの電話も、判断が必要なものはすべて私に回ってきます。

単純なことでも判断に迷うことがありますが、どちらにしても数が多いとそれなりに時間はかかります

ドイツで働く一日:お昼は14時以降

ドイツ

午前中は、アジアとのやりとり、前日に予定していた仕事、郵便物の処理などをしながら社員の質問に答えていると、あっという間に終わってしまいます。社員がお昼休みを取る12時から14時くらいになると、少しゆっくり自分の仕事ができます

経営するレストランの業務も

IT関連会社で仕事をしている間にも、経営する2店の系列日本食レストランからの連絡がメールで入ってきます。

レストランのフルタイムの従業員は全員日本人であまりドイツ語ができないので、大家さんとの連絡、住人さんとのやり取り、修理が必要な時の業者とのやり取り、トラブルや改善の相談などなど、私が聞いて処理をすることになります。

一方、IT会社の社員は日本語ができず、仕事も分かれています。ドイツ語と日本語ができて、状況を把握しているのは私一人だけなのです。役所とのやり取り、新規社員のビザ取得なども私の仕事です。レストランの売上や給与関係の事務処理もIT会社の事務所で行っています。

落ち着いたらようやく昼食

たいていの必要なやりとりは電話かメールで済ませますが、もちろん必要に応じてお店に出向くこともあります。大きなトラブルではなくても、毎日何かしら起こるものです。

14時過ぎになると比較的落ち着くので、昼食に出ます。近くにあるアジア軽食、ドイツカフェ、トルコケバブの三択なので、その中から気分によって食べたいものを選びます。

この時間に少し落ち着いて、目の前にある仕事だけではなく、全体業務のことなどを考えます。

ドイツで働く一日:終業時刻は未定

ドイツ

会社の終業時間は18時です。毎日17時過ぎにお客さんへの出荷作業が終わるので、部門によっては17時半には終業ムードです。

しかし、私の仕事は終わりが読めません。というのは、たいていの社員が終業時間直前に何か言ってくるからです。内容によりますが、翌日その社員が出社した時にフィードバックしておいた方がいいことであれば、それがその日の私の課題になります。

ドイツ人は切り替え上手

仕事は毎日流れていくので、全部やろうと思えばキリがありません。私も初めのうちは22時とか23時まで働くこともめずらしくありませんでしたが、長い間そのように働いていては体が持たず効率も落ちます。

ドイツ人はその点、時間の使い方が非常にうまく、仕事は終業時間までに終わらせるという考えが徹底しています。

私があまり長時間働いていると、会計事務所や弁護士、社内からも「働きすぎはよくない、次の休暇は予定しているのか」などと心配されました。

時間調整も仕事の一つ

人生、仕事も大切ですが、仕事だけではありません。私も次第に割り切るようになり、できるだけ20時には会社を出るよう心がけています。

もちろんアクシデントが起こった時は別ですが、通常業務の範囲内で締め切りのないものはうまく時間調整するようになりました。自己管理も仕事のうちです。

ドイツで働く一日:帰宅後も勤務時間?

ドイツのお店

なるべく早く家に帰ることを心がけるようにはなりましたが、家に戻ればフリーというわけではありません。むしろ、形のないものを形になるよう考える作業は家ですることの方が多いです。実務は会社で、考えるのは家でという具合です。

24時間どこにいても仕事連絡が

スマホの登場以来、家にいても仕事関係の連絡が入ってくるようになりました。

特に夜と週末はレストランの書き入れ時です。彼らにすれば仕事時間内の連絡ですが、IT企業代表との二足のわらじを履く私にとっては上手にバランスを取らないと、24時間週末も関係なく仕事連絡が入ってくることになってしまいます。

そこで、緊急時を除きできるだけ通常時間に対処するように。とはいっても、常に連絡が取れる状態でいるようには気をつけています。それだけでも社員は安心するものです。

まとめ〜仕事もプライベートも大事にできる働き方

ドイツ

アジアとヨーロッパの時差があることに加え、思いがけずIT会社の代表になり、そのIT会社と飲食店が別企業という特殊な状況だったので、最初は時間の調整に苦労しました。

しかし、ドイツ人は休暇を含め個々の私生活を重視します。実際、私が休暇を取っても苦情は出ず、逆に長い間休みを取っていないと取ることをすすめられます。

オンとオフをうまく切り替えることが長期間モチベーションを保って効率よく働く秘訣だと思います。私も1年に1度は休暇を取って日本に帰国します。

ドイツで仕事をすると、仕事の達成感と私生活のどちらも重要だと実感するとともに、両方を大切にできる幸せを感じます。

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この記事を書いた人

プロフィール 札幌出身。2000年よりドイツ在住。語学知識ゼロからドイツ語を始める。2009年南ドイツの大学にて修士課程卒業。2010年北ドイツのIT企業に就職、のちに代表を務める。本業のIT業務のかたわら社内ベンチャーにて、2015年当時都市で唯一の専門飲食店を立ち上げ繁盛店にする。現在はフリー。趣味はテニスと読書。ブログ等でさまざまな方向からドイツ情報を発信しています。

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