国にもそれぞれキャラクターがあります。日本から比較的近いシンガポールですが、住んでみると日本とはだいぶ違うことに気づきます。
シンガポールは赤道に近い熱帯の多民族な都市国家、一方の日本は温帯で四季のある、ほぼ単一民族の国家です。生活の中でいろいろな違いを発見しますが、それが外国暮らしの面白さでもあります。
では、具体的にどんな部分が異なるのか、5つの例を挙げてご紹介します。
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シンガポールと日本の違い1. 四季の有無
シンガポールは常夏の国です。それでも慣れてくると微妙な変化を感じることができます。暑さにも3段階くらいあり、涼しいと感じる期間も少しあります。
年間を通して湿気があり、空には常に雲が湧いて時々スコールという通り雨があります。
四季がない代わりに室内外の気温の変化が激しいです。クーラーが効き過ぎて、時々耐えがたいほど寒いことがあります。省エネという感覚はないようです。
季節ごとのファッションを楽しめない
1年中夏なので衣替えがありません。その結果、だんだんとおしゃれに無頓着になっていきます。それに比べて、日本は季節ごとにおしゃれを楽しめます。帰国するたび、街行く人のファッションに目を奪われます。
そもそもシンガポールには、高級ブランドとファストファッションの店はたくさんあるものの、ミドルエイジ向けの高品質でシンプルな服を売っている店は見当たりません。
シンガポールの人に聞いたところ、ネットで買うそうです。なるほど、国民のほとんどがスマホを駆使して生活している国です。
シンガポールと日本の違い2. 日の出と日没の時間
シンガポールは北緯1度に位置します。そのため、昼夜の長さがほぼ変わりません。
日が暮れるのは夜の7時、これはまず良しとしましょう。一方、夜明けが7時というのはつらいです。朝から電気をつけて朝食の支度をします。早朝のウォーキングは真っ暗な中です。バスやMRT(地下鉄)の始発時間も日本より約1時間遅いです。
日本との時差は1時間です。NHKワールドの朝ドラは午前7時に始まりますが、その頃にようやく明るくなるのです。そして太陽はサッサと昇り、あっという間に強い日差しになります。
シンガポールと日本の違い3. 意思の伝え方
曖昧さが誤解を招く、これは日本でありがちな傾向です。しかし、シンガポールのような多民族の国において異なる民族間でコミュニケーションを取るときに大切なのは、Yes Noをハッキリと具体的に伝えることです。
シンガポールで話されている、いわゆるシングリッシュという特有の英語にもそれが表れています。
正統派の英語とは違い、シングリッシュでは細かいニュアンスを伝える言い方はしません。“can can” や “no no” など繰り返しが多く、より意思をはっきり伝える表現をします。
「察する」サービスは存在しない
シンガポールで楽しみにしていたことは、100店舗もあるスターバックス巡りでした。日本のスターバックスのホスピタリティと「察して動く」いわゆる気の利いたサービスが私は好きだったのです。
ところが、シンガポールのスタバには心惹かれるものがなく、足が遠のきました。
シンガポールスタイルは別物です。「察する」のは不確かな行為です。カスタマーは自分の要求をはっきりと伝え、店はそれに対して応える、それが全てです。気を利かす必要はありません。
日本的なサービスを期待した私が違和感を覚えて当然です。
シンガポールと日本の違い4. 公共料金の請求
デポジット、つまり「預かり金」もしくは「保証金」の意味ですが、シンガポールではいろいろな場面でデポジットが必要です。
利用分を見越した先払いが当たり前
電気・水道・ガスの公共料金は一括で請求書が来ますが、それは翌月分の先払いです。請求書には過去各月の使用量が棒グラフで表示され、その平均値がこれから使う分のデポジットとして請求されます。
また、シンガポールの公共交通機関を利用する時も同様です。Suica のようなカードを使うのですが、乗る時にピッとすると終点までの運賃がまず取られ、降りる時のピッで精算して返金されます。
MRTは改札口があるので忘れませんが、バスだとタッチするのを忘れて降りてしまうことがあります。その場合は返金なしでこちらが損をすることになります。
国が確実に損をしない方法
日本の場合、公共料金はまず使ってその後に請求が来ます。それが当然と思っていたので少し驚きましたが、確かに合理的ではあります。
常に人が流動的に出入りするシンガポール、国が決して損をしないための方法がデポジットシステムなのです。
シンガポールと日本の違い5. 生活の中の宗教
シンガポールのマレー系の人々は、ほとんどがイスラム教徒です。最近は日本でもハラールという彼らの食習慣が知られてきました。
最初にシンガポールでローカルのスーパーに行った時、豚肉を探すのに苦労しました。イスラム教徒が食べてはいけない豚肉は、外れの目立たない場所にあったのです。
また、欧米系の少し高級なスーパーではこんなことがありました。
豚肉に触ることも不可
肉と魚の量り売りコーナーがあり、豚肉を買おうとしましたが、係の人がいません。隣りの魚売り場の女性が対応してくれたものの、係が来るまで待ってと言うだけです。
そして、自分のヒジャブ(イスラム教の女性が髪を隠すためのスカーフ)を指差します。イスラム教徒にとって、豚肉は食べてはいけないだけでなく触ってもいけないのだと知りました。
多民族の異なる宗教習慣を知ることで見えてくる面白さがシンガポールにはあります。
まとめ~違いはあっても溶け込める環境
シンガポールは、歴史を遡るとほとんど全てが外国人です。他の東南アジアの国に見られるような、日本人ばかりが固まって暮らすエリアもありません。一つの民族として混ざって暮らします。
日本人は、外国人から見ると中華系の人と区別がつきません。そのため、よく中国語で道を聞かれたりして困ります。
しかし、逆に言えば、外国人として構えることなく生活できるということです。ほぼ日本人しかいない日本に住む外国人よりは、ずっと気楽に暮らせると思いますよ。
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