家族でカナダに移住へ【体験談】

カナダの自然 カナダ生活・移住

私と息子の2人で、横浜からカナダのブリティッシュ・コロンビア州に移り住んで今年で4年目に突入しました。カナダに来たきっかけは、40歳を過ぎて人生の折り返し地点を感じ、この先の人生を考えてみたことからでした。

いや、折り返し地点どころではなく、明日死んでしまうことだってあるかもしれない。そう思った時に、今まで漠然とした思いだったカナダ行きを決行に移しました。

今回は、子供と一緒にカナダへ移り住むことになった私の経緯をお話しさせて頂きます。

カナダ移住のきっかけ

アイスホッケー

カナダに移り住んで3年が過ぎました。こちらに来たきっかけは、息子のホッケー留学です。5才からアイスホッケーを始めた息子が、小学校高学年になり「ホッケーの本場カナダでアイスホッケーをやりたい」と希望したことから始まりました。

カナダは私にとっても、身近な場所でした。私自身が、高校留学で2年間、ワーキングホリデー・プログラムを利用して1年間の合計3年間、勉強し、働いて滞在した経験があります。

結婚や出産を経た後も、夏休みを利用して家族で何度かカナダの知り合いを訪れる旅行をしていることから、家族全員にとっても親しみのある国でした。

病気とカナダ移住の決意

薬

入院して変わった人生観

ちょうどその頃、私も40歳を過ぎて、人生折り返し地点。残りの人生を、どう過ごしたいか真剣に考える年齢に差し掛かっていました。

その年、人間ドックに行った際に病気が見つかり、突然入院手術をすることになりました。子宮内に筋腫が見つかったのです。最悪、悪性なら癌細胞の可能性もあるというものでした。

手術はお医者さんに言わせると「盲腸手術程度の簡単なものよ」とのことでしたが、全身麻酔を要する開腹手術、2週間の長期入院、癌の可能性と、当時の私は「人生の折り返し地点どころじゃなく、もう人生の終わりに近いかもしれない」と恐怖を感じました。

手術も無事に終わり、摘出した筋腫の検査結果も陽性と出て一安心でしたが、残念なことに、入院中に同じ病棟でご一緒した方が亡くなるというショッキングな経験をしました。

そのことが、私が「残りの人生、悔いのないように過ごす!」と強く決断する大きなきっかけとなりました。

息子と一緒に移住を決意

悔いのない人生のためには、何をすべきかと考えると、可能な限り、息子たちの要望に応えることが一番だと思いました。

そして、私自身も以前から漠然とあった、昔過ごしたカナダにまた住みたいという願いを思い起こし、「息子がカナダ留学するなら、私も付いて行きたい」と思いつきました。

カナダは、多くの方がイメージするように壮大な自然が広がり、人も和やか、暮らしも穏やかで、ゆっくり時間が流れる魅力ある国です。

日本で暮らすのも好きな私ですが、十代の頃に暮らしたカナダの良さも忘れ難く、その経験は私の価値観を大きく変えるものでした。

そのようなカナダでの暮らしを、今度は息子と一緒に体験できるのは、とても魅力的な提案だと思いました。息子一人で留学という選択肢もありましたが、まだ13歳と幼いこともあって、私も一緒にカナダに行くことを決めました

カナダ移住の計画

数か月間かけた家族会議の末、主人をはじめ家族が、私と次男坊のカナダ留学に賛同してくれました。カナダに行くのは私と次男のみです。長男は日本の高校に進学しますが、あとから合流して、カナダの高校に短期留学をすることになりました。

いよいよ、具体的な手続と年間生活費の見積計算です。大きなポイントとなるのは、次の3点です。

  • カナダ滞在期間と滞在資格(ビザ)の選択
  • 学費・生活費見積
  • カレッジ、仕事、家庭の両立

予定するカナダ滞在希望期間は5年間。最初の2年間は試験的に様子を見、その後に繋がるようなら息子の高校卒業までのさらに3年間の滞在を予定しました。

カナダ滞在方法としては、各種の方法を検討した結果、私が現地のカレッジに入学、息子が公立高校に入学する方法を選択し、2人とも「学生ビザ(Study Permit)」を取得することにしました。

カレッジ通学中、私は仕事ができますが「週に20時間まで」と制限があることから、当面の生活費の足りない分の負担は、私の貯金と日本からの送金で賄うことにしました。

カナダへ移住するためのビザの選択

カナダ

カナダに長期滞在するには、ビザの申請が必要です。大まかに分けて、旅行滞在用のVisitor Visa、就学できるStudy Permit、就労できるWork Permitがあります。

私たちが選んだのは、学校に通うことができるように、2人ともStudy Permitの取得です。その方法を選択した理由は以下の3つの理由からです。

  • 親はカレッジに所属することで仕事もできる
  • 政府認定のカレッジに通う親がいることで、息子の留学生としての学費が免除される
  • カレッジ卒業後に希望者はWork Permitの申請が可能

私たちの滞在希望期間は5年間なので、その間の滞在資格が保て、現地において収入も得られるという効率的な方法を選びました。

40歳過ぎてカレッジに入り、再び勉強をすることを考えついた自分のアイデアも大それたものだな、と思います。

カレッジに入学するために必要な語学力テストや、IELTSのスコア突破は、予想以上に難関でした。20数年ぶりの受験勉強です。しかし、この受験勉強が、実際にカレッジの授業を受ける前段階の良い練習になりました。

その後、無事、カレッジからの入学許可が下り、Study Permitの申請も順調に通りました。私も息子もカナダに無事入国でき、2015年9月の入学に間に合うことができました。具体的な準備に掛かった期間は約1年間でした。

カナダへ移住しカレッジに通いながら仕事に就く

スーパーマーケット

息子と私のカナダ生活も順調に始まり、慣れてきた10月に仕事探しを始めることにしました。

カナダの政府公認の大学、またはカレッジで勉強する留学生には、週20時間までの労働が、また、春休みや夏休み期間中はフルタイムの労働が許されています

ただし、発給されたStudy Permitにその旨が記載されていない場合は働けません。ご注意下さい。

町の求人募集案内を元に仕事探しをはじめ、現地のアジア食材を扱うマーケットの仕事に就きました。仕事の決め手は、まずは、カレッジに通うことを考慮したシフトを組んで貰えること。一日4~5時間のパートタイムで、週に4日ほどの勤務です。

また、テスト期間になると、お休みをお願いできたりと融通が効くことが有難かったです。

そして、何より直属のマネージャーが日本人であったことが幸運でした。日本から来た私たちの生活状況を理解して頂き、とても助かりました。

お店で扱うものも、日本食を含むアジア食材ということで、お客様に説明できることが多く、日本人としての利点を活かせるお仕事です。カレッジを卒業するまでは、このマーケットでお世話になりました。

カレッジ卒業後はPost Graduate Work Permitを取得し、兼ねてから興味があり、ここオカナガン地方の大きな産業でもあるワイナリーにて葡萄栽培の仕事に就き、現在に至ります。

まとめ

カナダの雪

中高生の息子がいながらにして、まさか私が再びカレッジ入学の為の受験勉強や、息子とあまり変わない年齢の子たちと、カレッジの授業を受けることになるとは、数年前は全く想像もしていませんでした

また、日本の家族と離れてまでして、カナダで再び暮らすことも、漠然とした希望でしかなく、まさか実際に決行するとは思っていませんでした。

病気やそれにまつわる経験をした後は、自分や家族の人生を真剣に考え、やりたいことに妥協しないという勇気が湧いてきました。また、目標を持ってチャレンジャーになった自分は、とても前向きになり、自ら驚いているほどです。

40歳過ぎてのチャレンジは、当初不安なことばかりでした。しかし実行してみると自分が思っていたよりも可能性がとても大きく、海外チャレンジは若い方ばかりのものではない、ということが分かりました。

今、迷っている方がいるとしたら、ぜひ、第一歩を踏み出してみることをおすすめ致します。そしてやり残し感や悔いのない人生を送って頂きたいと思います。

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記事を書いた人

カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のケローナに移り住んで3年、かねてから興味のあったワイナリーのブドウ栽培の仕事に就き、驚きと発見の日々を過ごしています。

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