世界中のどこへ行っても、日本と同じような働き方をする国を見つけるのは難しいでしょう。働きやすさは、その国の国民性や文化によって決まります。文化の違いに加えて、働き方の違いと向き合っていくのは簡単なことではありません。
今回は、オーストラリアの食品会社で2年間働いた私が、働き方の違いや考え方の違いなどを紹介していきます。今後、オーストラリアで仕事をしたいと思っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
オーストラリアと日本の働き方の違い
日本とオーストラリアの働き方は大きく異なります。
オーストラリアでは、個人の成績が評価される傾向があります。チームワークで働くことの多い日本とは異なり、オーストラリアは個人のタスクで動くことが多いです。周りの仕事の進み具合などを気にすることなく、自分の仕事に集中します。
日本では、仕事中は私語は禁物とされていますが、オーストラリア人はおしゃべり好きが多いので、基本的に仕事中も仕事に関係のない話で盛り上がることがよくあります。
これはコミュニケーションの一貫であり、こんなたわいのない会話が働きやすい環境を作っています。
オーストラリア人は、仕事は楽しんでするべきだと考えています。そのため仕事でストレスを感じれば、すぐに転職して新しい環境に移る傾向があります。
オーストラリアと日本の顧客サービスの違い
オーストラリアで働きだしてまず感じることは、顧客に対するサービスの違いです。
オーストラリアには、日本のような”おもてなしの文化”はもちろんありません。しかもチップの習慣もないことから、オーストラリアは顧客に対するサービスの質がかなり低いです。
自分の仕事を優先するため、顧客のことを第一に考えることはありません。そんな環境の中で、常におもてなしの心を持って働いていると身が持ちません。郷には郷に従えとも言いますが、ある程度気を抜いて働かないと辛くなります。
同じ職場で働く人の顧客への対応を見てゾッとすることがあります。取引先の顧客から営業終了10分前に電話がかかってきた際に、営業時間内に掛けなおすように伝えていたときは驚きました。
もちろん日系の企業、もしくはハイランクの企業であれば別です。ポジティブにとらえると、顧客を友達のように扱ってフレンドリーに対応している感じでしょうか。
オーストラリアと日本の労働時間の違い
オーストラリアで残業は基本的にありません。オーストラリアの文化は、仕事のあとは家族との団らんを優先するため、残業をすることは滅多にありません。
家族に何かしらの問題があれば仕事を急に休んだり、早退することもあります。日本には仕事を優先する文化があるので、何だか悪い気がしますが、オーストラリアでは家族を1番に考えるため、家族に問題があれば周りも理解してくれます。
さらに、オーストラリアでは土・日・祝日は基本的に休みで、この日に出勤すると、25%もしくは50%増しのお給料が支払われます。大切な家族や恋人との時間を犠牲にして休日出勤するからには、それなりの報酬は当然という考えがあるからです。
ちなみに、出勤はギリギリ、もしくは時間通りにくる人が多く、退社時はぴったりに帰ります。日本人のように最低でも10分前に着いて、残業することはありえません。
日本人が感じるオーストラリア文化の違い
オーストラリアには、日本のような先輩・後輩の文化がないので、従業員はみんな平等に働くことができます。
日本では先輩を立てたり、いろいろと気を使うことが多いと思います。これに対してオーストラリアでは、多少の年齢の差、入社した時期などは関係ありません。仕事ができるか、できないかだけが重要となります。
慣れるまではストレスに感じるかもしれませんが、周りに余計な気を遣わずに自分の仕事に集中できるのは良い点だと思います。
また、年功序列なんてないので、完全なる実力社会になります。結果を残せば新入社員でも昇格することはできます。逆に仕事ができないとすぐに解雇される傾向があるので、常にプレッシャーはあると思います。
仕事に対するオーストラリア人の考え方の違い
オーストラリア人は、日本人のように休みの日も仕事のことを考える人は少ないでしょう。
自営業の人は別として、休みの日に仕事のメールをチェックしたり、家で残りの仕事をすることもまずありません。仕事とプライベートのオンオフの切り替えがはっきりしているのです。
日本人は、仕事はしなければいけないもの、生きていくために仕方なく働いていると考える人も少なくないでしょう。
オーストラリア人は、仕事を人生の一部だと考える人が多く、自分が楽しみながら働くことで自分の人生のクオリティーも上がると考えているのです。
一方で、勤務時間外は仕事のことは考えずにプライベートを充実させています。仕事に対する考え方の違いは大きいと思います。
まとめ
日本とオーストラリアの働き方の違いをみると、それぞれ良い点・悪い点があるのは当然のことです。
私のように日本で働き慣れた人が、急にオーストラリアで働くことになった場合、本記事で紹介したことをあらかじめ頭に入れておくと心の準備ができるでしょう。
オーストラリアで働く魅力は、プライベートを大事にする文化、個人を評価する文化、仕事を楽しむ文化です。きっと、これらは日本ではなかなか経験できないことでしょう。
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