アイルランドは1年を通して寒暖の差が少なく過ごしやすいと言われていますが、本当でしょうか?
答えは、YesとNoの両方です。夏と冬で極端な温度差がないのは過ごしやすいですが、常に曇りがちで雨がちらつく天気は、日本人にとってはなかなか慣れず憂鬱に感じるのも正直なところです。
それでも、雨のおかげでいつも緑いっぱいのアイルランドは、天気がいい日には息をのむほどの綺麗な景色が見られます。
今回は、アイルランドの気候や気温を季節ごとに解説し、おすすめのシーズンや服装も合わせて紹介いたします。
1年を通したアイルランドの気候
一日に四季がある
アイルランドでは、天気の話があいさつ代わりになるほど誰もが天気の話をします。なぜなら、1日の間に四季があると言われるように、天気がコロコロ変わるからです。
朝は晴れていても昼には突然どしゃ降りになり、また晴れたと思ったら雨が降りだしたりと、予測が難しいのがアイルランドの天気の特徴です。
ですが、アイルランドの西側を流れるメキシコ暖流の影響で、冬でもマイナスになることは珍しく、夏は25度を越える日は数えるくらいしかないほど、温度的には年間を通して穏やかです。
天気
降水量は東京よりかなり少ないにもかかわらず、アイルランドはいつも雨が降っているイメージです。本格的な雨ではなく、常に霧雨や小雨が降っています。そのため、晴れの日が少なく曇りがちで風が強いことでも有名です。
都市別の気候
地域ごとに大きな気候の差はあまりありませんが、首都ダブリンがある東部は比較的雨が少なく、第2の都市コークがある南部は雨が多めと言えます。
また、港街ゴールウェイのある西部は、ワイルド・ウエスト(Wild west)と言われるほど天気が荒れやすい傾向にあります。
四季はありますが、日本ほど季節の差がありません。
自然災害が少ない
曇りで雨ばかりだとなんとなく暗いイメージですが、アイルランドの気候にもいい点があります。それは、自然災害が少ないことです。
温暖化で昔より嵐の日が増えてはいますが、アイルランドの自然災害は洪水と風に伴う停電や断水くらいです。地震や津波もありませんし、火山の爆発や大規模な土砂崩れなどもありません。
春の気候(3月,4月,5月)
気温
アイルランドの春は日本より早く訪れます。2月中旬から花が咲き始めるので、日中の平均気温は7度と低いですが、春の気配を感じます。
3月
3月もまだまだ風の強い寒い日が多く、有名なセント・パトリックス・デー・パレードの日が晴れることはまれです。
3月の終わりにはサマータイムになり日が長くなります。
4月
しかし、春らしくなる4月でも、日中の平均気温は11度。それでも最高温度が20度近い晴れの日が増えてきます。
5月
5月はアイルランドでは夏だと捉える人も多いくらい、天気のいい日が増えて気温も上がってきます。ようやくコートがいらなくなります。
洗濯物は雨でも干しっぱなしで大丈夫
春になると洗濯物を外で干す機会が増えますが、雨が降りやすい天気には変わりありません。
私は日本と同じ感覚で雨が降ってきたら洗濯物を取り込んでいましたが、せっかく取り込んだのに10分後にはまた晴れてきて意味がなかったなと思うことがよくありました。
色々な人に聞いてみると、アイルランドは常に雨が降ったり止んだりの天気だから洗濯物は干しっぱなしとのこと。いちいち雨のたびに取り込んだり干し直したりするのはキリがないのでしないそうです。
ちょこっとぐらい雨に濡れても多少は乾くので、ここでは思いきってアイルランド人式に干しっぱなしで大丈夫です。
夏の気候(6月,7月,8月)
気温
アイルランドの夏は短いです。夏と言っても、日中の平均気温は6~8月でも17~19度です。日本人からすると、5月くらいの気候なので過ごしやすいと思います。
しかし、日照時間が驚くほど長くなります。
6月,7月
6月や7月初旬では夜11時まで明るく、朝5時頃には夜が明けます。子供達も夏休みなので、夏は夜遅くまで外で遊んでいます。夜でも明るいのは、日本人にとっては不思議な感じです。
天気がいい日には、気温がそれほど高くなくてもアイルランド人は夏を思いっきり楽しみます。日本人には肌寒いくらいでも、キャミソールに短パンで肌を焼き、老若男女みんなソフトクリームを食べ、庭仕事に励みます。
海へ山へと、普段できないアウトドア生活を楽しんでいる様子が伝わってきます。
秋の気候(9月,10月)
秋の気候
日本の8月は真夏ですが、アイルランドでは8月中旬を過ぎると秋の訪れを感じます。それでも日中はまだ暖かく過ごしやすいです。
9月
9月もまだ比較的さわやかな日が続きます。
9月の終わりには西部の街ゴールウェイでオイスターフェスティバルが開催されます。秋は牡蠣だけでなく、ムール貝など貝類が美味しい季節でもあります。日本のように紅葉を見に行く文化はありませんが、アイルランドも紅葉が綺麗です。
10月
10月になると本格的な秋になり、日中の平均気温も14度くらいになります。秋の晴れた日をインディアン・サマー(Indian summer)と呼び、アイルランド人たちは貴重な晴れの日を喜びます。
冬の気候(11月,12月,1月,2月)
時差
10月最後の週末にサマータイムが終わり、長い冬がやってきます。日本との時差も8時間から9時間に変わります。サマータイムが終わる日の午前1:59の次は、時計の針を1時間戻してまた午前1:00にするので、日が暮れるのが早く感じます。
一般的には11月は秋に分類されますが、アイルランドの11月は体感温度としては冬に感じるほど寒いです。
日照時間
太陽はほとんで顔を出さず、どんより暗い雨風の強い日が増えてきます。朝8時過ぎから明るくなり出し、5時には真っ暗です。しかし、12月はみんなの心はクリスマスモード一色なので、暗い空とは対照的に明るい雰囲気になります。
気温
1月、2月はもっとも寒い時期で、日中の平均気温は7度です。
冬は楽しみを見つけよう
アイルランドの冬は嫌いな人も多いですが、実は私はけっこう好きです。
冬はとにかく室内で過ごすことが増えますが、かわいいルームウェアを着たり、友達とパーティをしたり映画鑑賞をしたり、家で過ごす楽しみを見つけると苦になりませんよ。
アイルランドのベストシーズン
5月,6月,7月,8月がおすすめ
5月,6月,7月,8月がおすすめです。日照時間が長く、晴れの日が多くて過ごしやすいです。この時期に日本からアイルランドへ来ると、温度湿度ともに低く快適に感じると思います。ちょっと肌寒いくらいかもしれません。
7月,8月は注意
7月,8月は観光シーズンですので、どこも混んでいてホテルや飛行機などの料金が高いのは辛いですが、各地でフェスティバルが多いので街に活気があります。
緑いっぱいの自然の中を散歩したり、街ではテラス席でコーヒーやビール片手におしゃべり。日本とは全然違う、すがすがしい夏を満喫できます。
アイルランドでのおすすめの服装と持ち物
レインジャケット・防水加工の上着
1年中雨が降るアイルランドでは、レインジャケットや防水加工の上着は必需品です。帽子もあると便利です。
風が強いため傘を使う人は少なく、雨が降ってきたら帽子をかぶったりパーカーやレインジャケットのフードをかぶる人がほとんどです。
秋・春
秋や春は日本の東京での服装と同じで大丈夫ですが、アイルランドの方が寒く感じるので、ヒートテック下着や厚手のハイソックスがあると重宝します。アイルランドにも売っていますが、日本の方が断然種類が豊富で質もいいです。
夏
夏は日本と比べるとかなり涼しいので、真夏の服は必要ないかもしれません。昼間はTシャツで過ごせるほど暖かいですが、朝晩は薄手のジャケットがいるほど肌寒くなります。脱ぎ着しやすい重ね着スタイルがおすすめですよ。
しかし、涼しいわりには日差しは強いので、日焼け止めは必需品です。日本のサラッとしたタイプの日焼け止めは売っていないので、持って来ることをおすすめします。サングラスもあると便利です。
冬
冬も温度だけを比較すると、東京と変わらないか東京の方が低いくらいですが、雨風強いアイルランドは東京以上に寒く感じます。コート、帽子、マフラー、手袋はもちろんのこと、秋・春同様ヒートテック下着や厚手のハイソックも必要です。
足もとも冷えるので、私は靴の中に暖かいボアの中敷きを入れたり、靴用のカイロを使用していました。今では寒さに慣れたのでカイロは使わなくなりましたが、最初の数年は使っていました。
ボアの中敷き、カイロともにアイルランドでは簡単に購入場所が見つからないので、日本から持って来るといいですよ。
まとめ
太陽を見慣れている日本人にとっては、天気の悪さに慣れるまでは憂鬱かもしれません。しかし、段々慣れてきます。
あいさつとともに天気の話をすることも楽しめるようになりますし、雨さえ降っていなければ曇りでもいい天気だと思うようになります。
そして、1年を通して温度差が少ないのは、慣れるとやっぱり快適だなと感じます。
最初から雨が多いと知っていれば、アイルランド生活もきっと楽しめるはずです。雨宿りにカフェやパブで休憩するのも楽しみの1つですよ。
とは言え、アイルランドのベストシーズンは夏。ぜひアイルランドの夏を体験できるように予定を組んでみてくださいね。人々が夏をエンジョイしている様子と綺麗なアイルランドの景色をぜひ堪能して欲しいです。
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