海外はわくわくする一方、いろいろな不安もありますよね。特に大きな不安の一つが現地の治安でしょう。
一見、安全そうに見える場所が実はそうではなかったり、昼と夜で様子が変わってしまう場所だったり……。安全に暮らすことは、海外生活・海外旅行を楽しむ上でいちばん大切ですよね。
オーストラリアのブリスベンは命にかかわる重犯罪こそ少ないものの、それでもやはり気をつけたほうがいい場所や注意すべきことがあります。これからブリスベンに来る皆さんのために、私の経験もふまえて現地の治安情報をお伝えします。
ブリスベンの治安情報
他国と比べれば安全な国
2019年2月現在の外務省「海外安全ホームページ」の「海外安全情報」によると、ブリスベンを含めオーストラリア全土のいずれの都市にも危険情報は出ていません。
おそらく皆さんのオーストラリアのイメージも、治安は良い国というものだと思います。
南米や東南アジア、中東の国などと比べればオーストラリアは治安の良い国です。ブリスベンで生活をしていて、毎日治安の不安を感じるようなことはありません。
窃盗事件や薬物に注意
ただ、例えば窃盗事件の件数はオーストラリアは日本の5~6倍と言われていますし、マリファナなどのドラッグは日本よりまん延しており警察が厳しく取り締まりをしています。
つまり、「オーストラリア=安全な国」という意識で日本と同じように生活をするのはおすすめしません。危険な場所や注意点をしっかり知って、自分の身はしっかり自分で守りましょう。
ブリスベンの治安で注意すべき場所1:夜の駅のプラットホームと電車内
なぜ危険?
基本的にブリスベンの駅は無人駅が多く、明かりが少ないため夜はとても暗くなります。
また改札がない駅がほとんどですので、どんな人も駅のプラットホームに入ることができてしまいます。不審者や酔っ払いがホームの椅子に座って話し込んでおり、その前を通り過ぎようとしてからまれたことが何度かあります。
また、ブリスベンの電車は通勤ラッシュ時こそ乗車客は多いものの、ほかの時間帯は閑散としています。
夜になると、セキュリティー・ガード(巡回警備員)が電車内を見回るようになります。セキュリティー・ガードがいるので安心ととらえるのではなく、危険な目に遭う乗客が多いということです。
私のひやっとした経験
友人とお酒を街で楽しんだあと電車で家に向かっていたときに、不審者に電車内で話しかけられとても怖い思いをしたことがあります。
そのときは2人のセキュリティーティー・ガードが発見してくれたおかげで、男は別の車両に移動し私は難を逃れました。セキュリティー・ガードは私が下車するまで横に立ってついて、電車を降りる際には”Good night”と見送ってくれました。
自己管理も徹底して
その話をオーストラリア人にしたところ、「お酒を飲んで顔を赤らめた状態の女の子がひとりで夜の電車に乗るなんて、身の安全を自分から危険にさらしているようなものだよ」と言われました。
私は日本ではバスより電車派だったし、酔っ払った状態で電車に乗るのは普通のことだととらえていましたが、その日を境にできる限り、バスやタクシーなどで帰宅をするようにしました。
ブリスベンの治安で注意すべき場所2:フォーティチュード・バリー(Fortitude Valley)駅周辺
多国籍料理店がひしめく繁華街
フォーティチュード・バリー(Fortitude Valley)駅はブリスベンの中心地から北へ徒歩20分ほど、ブリスベンのターミナル駅であるセントラル駅(Central Station)から1駅隣にあります。
ブリスベン市民の間では通称バリー(The Valley)と呼ばれています。
赤い大きな中華門がシンボルで、中華料理をはじめタイ料理や日本料理などアジア系レストランがたくさんあります。夜になるとパブやナイトクラブが開店し、若者たちが集まりとてもにぎやかになります。
写真の場所はメイン・ストリートで、週末の夜は若者たちでいっぱいです。
なぜ危険?
楽しく過ごすことができる一方で、夜のお店が集まるエリアはどうしても酔っ払いやドラッグなどが横行しやすくなります。道端でいざこざやケンカを見かけたことも少なくありません。ここを散策する場合は複数人で行くようにしましょう。
第一印象でも物騒な場所
ブリスベンに来たばかりのころ、仕事探しのためにはじめてひとりで来ました。駅から少し歩いていくと大きなホテルがたくさんあり、当時の私はホテルでの仕事を探していたのです。
駅についた瞬間、なんとなく嫌な感じがしました。大きな駅であるにもかかわらず建物はとても古く薄暗く、周辺では浮浪者らしき人物を見かけました。
嫌な予感を覚えながらも駅を出たのですが、怪しげな人に話しかけられてとても怖かったのを覚えています。
昼間でも独り歩きは避けよう
当時はこのあたりの土地勘がなくスマホを見ながらきょろきょろして歩いていたため、私が土地慣れしていないのは明らかだったと思います。
その後なんどか仕事探しでこの場所に来ましたが、そのたびに不審者グループに接近され、怖い思いをしました。幸いにも事件に巻き込まれることはありませんでしたが、女の子の独り歩きは昼間でも避けたほうがいいです。
日本人が被害に遭っている事件
身近な事件をメールで知る
在ブリスベン日本国総領事館からのメールでの報告によると、2018年はブリスベン近郊で3件の日本人被害事件がありました。
私は外務省が運営する「たびレジ」に登録しているため、日本人が被害に遭った場合は詳細の情報をメールで受け取ることができます。
※「たびレジ」については後ほど「危険に遭遇するリスクを減らすために」で詳しくお伝えします。
1件目
場所:バンダバーグ(Bundaberg)のバンダバーグ駅付近
時刻:午後8時頃
事件の種類:強盗傷害
詳細:歩道橋を歩いていた日本人男性が、背後からいきなり突き飛ばされてけがをしました。そして財布やパスポート、携帯電話などが入ったかばんを盗まれました。
2件目
場所:イプスウィッチ(Ipswich)のブーバル駅構内
時刻:午後4時30分頃
事件の種類:ひったくり事件
詳細:駅構内で電車を待っている際にスマートフォンを操作していたところ、突然走ってきた少年にスマートフォンを盗まれました。
3件目
場所:サニーバンク(Sunnybank)のサニーバンク・プラザの駐車場
時刻:午前11時30分頃
事件の種類:ひったくり未遂事件
詳細:日本人の男性がショッピング・センターの駐車場を歩いていたところ、後方から近付いてきた車に乗車していた男に、肩にかけていたショルダー・バックを引っ張られ盗まれそうになりました。
わが身に置き換えて身を引き締める
3件目の事件の発生場所は、下の写真の場所の近くにあります。サニーバンク(Sunnybank)は、激安の韓国食材スーパーがあったり、電動リクライニングシートのHOYTS(ホイッツ)という映画館があるため、私はたびたび訪れます。
この事件の発生時間がお昼間の11時半でショッピング・センターの駐車場ということは、私が同じ目に遭ってもおかしくないと思い、緊張が高まりました。
ブリスベンでテロの可能性はあるの?
今のところブリスベンでテロ事件は発生していません。今後起こる可能性は極めて低いと思います。
が、2016年9月には過激派組織ISILが単独犯にオーストラリアの象徴的な場所でテロを呼びかけるということがありましたし、ここ2年でメルボルンではテロ事件が2件ありました。
ブリスベンはシドニー、メルボルンに次いでオーストラリア第3の都市と呼ばれていますので、今後テロのターゲットになる可能性がゼロとは言いきれません。
イスラム教の犠牲祭の時期や、アンザック・デー(過去の戦争で犠牲になった戦没者への慰霊や式典が多く行われる日)など、リスクが高まりやすい日や場所へは外出を避けましょう。
ブリスベンで危険に遭遇するリスクを減らすために
防犯ブザーを所持する
私は一人で外出するときはバッグに防犯ブザーをつけています。この防犯ブザーは、一緒に生活をしているオーストラリア人のパートナーからもらいました。デザインはかわいいのですが、実際はかなり大きな音がなります。
彼いわく、「アジア人の女性はいちばんターゲットになりやすい」そうです。なぜなら、アジア人の女性は他の国の女性に比べて小柄できゃしゃ、また襲っても怖さで反抗しないし大声も出さないというのが通説になっているためです。
日本の常識はいったん外す
別の国の友人から、「日本人は治安の良い環境で育っているので、危ない場所や怪しげな人を感知する能力が低いと思う」と言われたこともあります。
さらに「なぜ日本人は夜遅くにこんなに出歩くのか」と聞かれたこともあります。日本では夜遅くに出歩いているのが普通でも、それが常識ではない場所がたくさんあるということに気づかされました。
また、自分は安全な場所にいると思っていても、実は気づいていない危険が周りにいっぱいあるかもしれない、と勉強になりました。
「たびレジ」に登録する
海外で暮らしていると英語力やコミュニケーションの問題で、日本で暮らしているときのように情報が入ってこない場合があります。
ニュースで危険情報を伝えていたのに英語力が足りず聞き逃してしまったり、現地の人とのコミュニケーション不足で近くで発生した事件のことを耳にする機会がなかったりなどです。
そこでおすすめなのが、「たびレジ」への登録です。登録をしておくと現地の日本国領事館から発生した事件の情報や、危険回避のための情報、注意すべきことなどをメールで知ることができます。
メールアドレスさえあれば5分で登録完了できますので、渡航先の都市が決まったらぜひ登録してみてください。
ブリスベンで犯罪被害に遭ったらどうする?
危険な目に遭わないのが一番ですがもし被害に遭ってしまった場合は、ブリスベン警察と在ブリスベン日本国総領事館に連絡をしましょう。
警察の電話番号は、「000」です。救急車、消防車を呼ぶときと共通の番号になっていますので、電話がオペレーターに通じてから警察への連絡を希望していることを伝えます。
英語で警察はポリス(Police)、救急車はアンビュランス(Ambulance)、火災はファイアー(Fire)です。英語に不安がある場合は、在ブリスベン日本総領事館にまず連絡をして協力をお願いしましょう。
在ブリスベン日本国総領事館の基本情報
- 電話番号:07-3221-5188
- 住所:Level 17, 12 Creek Street, Brisbane QLD 4000
- ホームページ:https://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/jp/
まとめ
オーストラリアのブリスベンは決して治安の悪い都市ではありません。しかし日本ではないので、日本にいるときよりも防犯意識を高める必要があります。
危険に巻き込まれてしまっては、せっかくの海外生活・海外旅行が台無しになってしまいます。
治安情報を知ることで被害に遭うリスクをぐっと減らすことができますので、このサイトの情報を参考に治安についてしっかり学んで、ブリスベン生活を楽しんでくださいね!
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