海外移住、それも旅行先として常に人気のタイで暮らすとなると、期待に胸が高鳴るのではないでしょうか。
もちろん、タイ生活には楽しいことがたくさんありますが、日本とまったく同じように過ごせるわけではありません。タイにはタイの文化や考え方があり、日本人を含む外国人にもそれを尊重することが求められます。
タイ人と円滑なコミュニケーションをするためにも、現地在住の私から、事前に知っておきたいタイのごく一般的な常識をご紹介します。
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タイのお坊さんは尊敬すべき存在
タイ人は敬虔な仏教徒
タイでは国民の約95%が仏教徒と言われており、タイ人のIDカードにも宗教の記載があります。
日本も仏教国としてタイ人に知られていますが、日本では大乗仏教が一般的です。それに対し、タイの仏教は上座部仏教とされています。
両者の違いを簡単に述べると、日本の大乗仏教は自分が教えを守れば全ての人が救われるという考え方、タイの上座部仏教は厳しい戒律を守り修行をした人が救われるという考え方です。
女性はお坊さんに触れてはいけない
こうした教えのため、タイのお坊さんは、厳しい戒律を守りながら生きていかなければならない地位の高い存在です。戒律により、飲酒、喫煙は御法度。さらには女性に触れてしまうことも禁止されています。
従って、たとえ旅行者であっても女性の方はお坊さんには絶対に触れないように気をつけなければいけません。
もしあなたが女性であるなら、バスや電車など交通機関でお坊さんと乗り合わせた場合には席を譲るなりして、決して触れないようにしましょう。
無礼な態度は厳禁
もちろん男性であっても、むやみにお坊さんを写真撮影したり、馴れ馴れしく接したりすることはやめた方が良いでしょう。
タイ人にとってお坊さんは尊敬すべき存在。我々外国人がお坊さんに対して親密すぎる接し方をしたり、指を指すなどの無礼な態度を取ったりするのはタイ人から良く思われません。注意して接することが大事です。
ただし、お坊さんであれば全員が尊敬されるようなことをしている訳ではなさそうです。
近年、スマホやFacebookなどの普及により、飲酒または喫煙しているお坊さんなどが写真やビデオで投稿され、毎日のように警察に摘発されていることも事実です。
タイでは頭と足に注意
最も神聖な頭部
タイでは身体の中で頭部が最も神聖な場所とされているため、たとえ赤ちゃんや子供でも可愛いからといって安易に頭を撫でたりするのは控えましょう。
ましてや年上のタイ人などには冗談でもやってはいけません。本気で怒られます。
以前、タイに移住したばかりの日本人の知人と居酒屋へ行き、店主のママさんとお酒を飲みながら楽しく過ごしていたのですが、このタイの常識を知らなかった知人は冗談の延長でママさんの頭を撫でようとしました。
ママは激怒し、「あの日本人は連れてくるな」と、知人はその店に出入り禁止になってしまいました。
最も不浄な足の裏
一方、タイでは足の裏が身体の中で最も不浄な場所とされています。
そのため、ソファで寛いでいたとしても、テーブルの上に足を乗せたりすることは控えましょう。また、足の裏を誰かの方向に向けるのも良くありません。特に年上の人がいる方向へ足を投げ出すことはあまり良く思われないので注意が必要です。
私も寛ぎながら椅子に座っている時など、ついついこれを忘れてしまい、注意されたことが何度かありました。
親しき中にも礼儀あり
この頭部と足に関しては、日本流に言えば、親しき仲にも礼儀ありといったところでしょうか。
たとえ仲良くなった間柄でも、やはり気にする人はいるので、注意しておいた方が円満な関係を築けるでしょう。
タイの王族を批判してはいけない
不敬罪の存在
タイは王国です。国王や王族を批判、中傷、侮辱などすると不敬罪に問われます。
これはタイ人だけでなく、旅行に来ている外国人にも適用されます。従って、国王・王族を批判するような言動やネットへの書き込みは慎んでください。
世界でも厳しい処罰
タイの不敬罪に対する処罰は世界の中でも最も厳しいレベルとされています。
実際に、王室を中傷するFacebookへの書き込みで30年の禁固刑などが下されたことがあるようです。また、有罪になったかどうかは分かりませんが、日本人でも不敬罪に問われたケースがあるとのことです。
冗談でも、風刺画やコメントなどのネット上への投稿などはやめましょう。
これはタイの法律なので、タイで生活する上では必ず守らなければいけません。知らなかったと弁明しても容赦されるわけではないので、きちんと覚えておきましょう。
まとめ~事前のリサーチが欠かせない
せっかくタイで生活することになっても、タイの常識を知らなかったためにタイ人との関係が悪くなったり、コミュニケーションに支障が出たりすることは避けたいですよね。
タイに限らず、どの国にもその国独自のルールや習慣が存在します。
日本の常識では考えられないような文化や価値観、または法律などが存在する場合もあるので、特に長期滞在する前にはきちんとリサーチして、困ったことにならないようにしたいものですね。
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