海外に移住するきっかけは人それぞれです。
留学など勉強のため、ビジネスチャンスを求めて、国際結婚、あるいは、ただ日本がイヤで海外に出る、などなど……。10人いれば、10通りの理由があるのではないでしょうか。
私は夫と2人、台湾の高雄に移住しました。なぜ高雄に住もうと思ったのか、その理由と移住までの道のりをご紹介します。
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台湾に興味を持ったきっかけ
私が台湾に興味を持つようになったのはかれこれ20年以上前のこと、学生時代に台湾人留学生の2人の女の子と知り合ったことに端を発しています。
2人は日本に来る前にそれぞれアメリカ、カナダに留学していたということもあり、語学に堪能で明るく楽しい人たちでした。
おおらかさと繊細さが同居
彼女たちの「沒關係(mei guanxi)」「沒問題(mei wenti)」という考え方(意味は「問題ないよ」「大丈夫だよ」「気にしない」とでもいいましょうか)をとても心地よく感じました。
そうした南国特有ののんびりさ、おおらかさを持つ反面、とても繊細で恥ずかしがりやな部分もあり、その相反する性質に強く魅かれたのです。
その後、台北に2週間ホームステイする機会があり、台湾にますます魅了されていきました。
台湾移住とは関係なく中国語を習い始める
結婚後、友人の紹介で中国人に日本語を教えるボランティアに参加することになりました。多くの中国人と知り合い、彼らの習慣や文化、気質にとても驚きました。
正直なところ、中国人の個人個人は良い人なのですが、彼らの押しの強さや食文化、生活習慣は苦手でした。そこで、彼らのことを少しでも理解したいと思い、中国語を習い始めることにしたのです。
発音は日本人の先生から
発音を学ぶには、ネイティブよりもその発音を実際に習得した経験を持つ人から習った方がよいと勧められて、日本人の先生から習うことにしました。
たしかに、中国人は自然に発音しているので、どうやってその音を出すのか説明することが難しいのです。実際、中国人の友人にも発音を教えてもらいましたが、「ちがう」「そうじゃない」「なんで言えないの」と散々な言われよう……。
うってかわって日本人の先生は、口の形や息の出し方など、どうしたらその音が出せるのか仕組みを説明してくます。おかげで、3~4カ月ほどで発音とピンイン(発音記号)の読み方をマスターすることができました。
発音に関しては日本人に教えてもらい、音のチェックを中国人にしてもらうのがベストな習得方法だと思います。
台湾・高雄を夫婦で訪れ魅せられる
中国語を学んで6年、その頃には夫も中国語を勉強し、ボランティアに参加するようになっていました。
もともと語学大好き、趣味が海外旅行、外国人の友人も多い夫は、2、3年も経つと中国語で楽にコミュニケーションを取れるようになりました。
その頃、台湾に10年以上住んでいるご夫婦と知り合います。お互い子供もおらず、共通の友人も多かったので、出会ってすぐに意気投合。さっそく高雄に住む彼らを訪ねていくことになったのです。
すぐに移住を考えるほど魅力的
以前訪れた台北とは違い、高雄はまさに南国という感じでのんびりしています。しかも、都会なのにどこか田舎臭さもあり、初めて訪れたのに懐かしい感じ。
私も夫も、高雄の魅力にすっかり取りつかれてしまいました。
2人とも海外ノマド生活に対する憧れがあったため、日本へ帰国すると同時に高雄移住計画を練り始めたのです。
台湾移住へ向けて準備開始
さて、移住を決めたらさっそく行動開始です。
仕事をどうするか
まずは仕事ですが、フリーライターの私をはじめ夫婦そろってインターネットがあれば世界中どこでもできる仕事をしているため、ネット環境さえ整えばまったく問題ありません。
ビザをどうするか
次に、ビザの問題。これもすぐに解決しました。
台湾は90日間ビザなしで滞在できるので、90日以内に日本に帰国し再び台湾に入る「ビザラン」を繰り返せばよいのです。
タイなどはこうしたビザランを規制し始めていますが、台湾はまだ今のところ大丈夫。いずれビザを取るにしても、しばらくはビザランすればよいのです。
住む部屋はどうするか
続いて家探し。
これも、中国語を教えるボランティアをしていた時に知り合った台湾人のツテで、高雄でシェアハウスを経営している人と知り合うことができ、すぐに契約できました。
日本の家と荷物をどうするか
あとは、日本で住んでいた家と荷物です。もともと遊牧民気質な夫婦、賃貸マンションで生活していたため家は解約すればよいとして、さて荷物をどうするか?
ほとんど処分するにしても、やはり思い出のものや捨てられないものもあります。もしかしたら1年くらいで日本に引き返すかもしれないし……。
悩んだ末にレンタル倉庫を借りようかと思っていた矢先、夫の祖父母が「空いている部屋に荷物を置いたら」というありがたい申し出をしてくださり問題は解決。田舎の広いお宅なので、車も置いておけます。
健康管理をどうするか
台湾への渡航には特に予防注射が必要ないので、出発前に日本で健康診断を受けたり、歯科医院で検診を受けたりしておけばOKです。
準備に1年間
現地の情報を集め、保険を見直し、仕事関係や友人、親戚への挨拶と連絡を済ませ、これで準備完了です。移住までに1年の準備期間がかかりました。
まとめ~本気で移住したいなら下調べを入念に
私たちの場合は、中国語を話せたこと、現地に友人がいて情報を得やすかったことが移住決断の大きなポイントになりました。さらに、下見に来て現地の治安や物価などを調べられたこともよかったと思っています。
移住しても、現地の言葉ができず日本人コミュニティーの中だけで生活している人や、引きこもりになってしまう人の話も耳にします。
海外移住の理由は好きな場所に住んでみたいということだけでも十分ですが、本当に生活できるかどうか、現地に足を運び、可能ならしばらく滞在してみることをおすすめします。
※この記事の内容は筆者が経験した当時のものです。
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