ワーキング・ホリデーや留学、留学、就職先として人気のカナダ。先進国で治安も良く、悪いイメージはあまりありませんよね。しかし、どんなに平和に見える国にも、危険なエリアがあるものです。
今回はカナダのモントリオール在住日本人が実際の治安情報について現地からご紹介します。
モントリオールの治安情報
カナダは日本人のイメージ通り、実際に世界的に見ても治安のいい国です。安全な国ランキングでも常に10位内にランクインしています。
トロントに次ぐ人口規模のモントリオールも、カナダの中で比較的治安のいい都市です。日中なら女性1人でももちろん外出できますし、暗くなってからもひと気のある通りであれば、さほど問題はありません。
しかし、モントリオールで日本人が犯罪に巻き込まれるケースも決して皆無ではありません。
モントリオールで注意すべきこと
治安がいいと言ってもここは海外。日本と違って気を付けるべきことが多々あります。モントリオールでよく日本人が被害に遭う主なケースは5つあります。
スリ・置き引き
ダウンタウンや地下鉄など、人が多いところで発生しやすいです。カフェなどで勉強中、気付いたら足元のかばんがなくなっていた、などの被害が報告されています。常に貴重品からは目を離さず、また多額の現金は持ち歩かないようにしましょう。
空き巣
市内の住宅地で空き巣の被害が報告されています。ピッキングなどで室内に侵入したり、業者を装い侵入するケースなどさまざまです。
モントリオールでは鍵の施錠はもちろんのこと、外出中も室内の照明をつけたままにしておく人が多いです。まだ人が在室していると見せかけるための工夫です。
車上ねらい
車上ねらいは、カナダで最も多いとされています。窓ガラスを割って、車内の物品を盗むものや車ごと盗むケースもあります。外から見える車内に、かばんや貴重品を置いていくのは避けましょう。
フィッシング詐欺
移民局の政府機関や銀行員を装い、電話やメールを送り付けて、個人情報をだまし取られるという詐欺の事件も発生しています。身に覚えのないメールや、送られてくるリンクなどは安易に開かない方が無難です。
スキミング
スキミングとはクレジットカード情報を盗み、まったく同じクレジットカードが複製され、不正に利用されてしまう被害です。カナダはカード社会で支払いがほぼクレジット払いになりますが、スキミングされてしまう可能性もあります。
対策としては、暗証番号や裏のセキュリティー・ナンバーを絶対に他人に教えないこと。また支払時にスキミングの機械がないかどうか、スタッフの怪しい動きに気を付けることが大事です。
万が一被害に遭った場合は、直ちにクレジットカード会社に連絡し、使用停止の手続きを行ってください。
モントリオールの治安の悪いエリア
モントリオールには、治安の悪いエリアがあります。特にホームレスがよくいるエリアは、物乞いしてくる人もたくさんいます。
また、治安の良い悪いにかかわらず、狭い路地裏などは危険です。夜間にひと気のない道を1人で出歩くのはなるべく避け、むやみに近付かないようにしましょう。
ベリー・ユーカム(Berri-UQAM)駅周辺
ベリー・ユーカム駅は、モントリオールのメトロの駅の中で一番大きい駅です。ホームレスは、暖を求めて駅の中によく集まるため、ベリー・ユーカム駅周辺は治安が悪いとされています。
また、駅の近くにホームレス・シェルター(ホームレス一時保護施設)があり、集まりやすい理由の1つにもなっています。
ダウンタウン
人が集まるダウンタウンはホームレスが多いことに加えて、スリや置き引きの被害も多くあります。
モントリオールは特にホームレスの問題が深刻で、比較的若い人から女性まで路上で物乞いをしているのを見かけます。
若くて健康的な女性が、汚い格好や身体障害者のフリをして同情を買い、小金を稼いでいる場合もあります。そしてそのお金はドラッグなどに使われるケースが多いようです。
カフェの店内でさえも、ホームレスが物乞いにやってきます。断っても危害を加えてくることはないので、毅然とした態度でいることが大事です。
あげたお金は何に使われるかわかりません。もし何か渡すのであれば、暖が取れる衣類や食べ物などを恵んであげるといいとでしょう。
モントリオールでテロの可能性はある?
近年は移民や、主にイスラム教に対する批判的な団体の活動が活発になってきているようです。
2014年10月には、モントリオール市近郊でイスラム過激派と思われる人物による事件も確認されています。さらに、2017年1月には、ケベック市のイスラム教の礼拝堂施設で襲撃事件が発生しています。
今の段階では日本人コミュニティーを対象にした、過激なデモや活動はモントリオールで見受けられません。しかし、世界情勢によっても大きく変化するものであり、注視していく必要があります。
日本を対象にしたデモ
最近のことですが、2019年2月ごろにモントリオールで、日本のイルカ漁に対する抗議デモが計画されていました。モントリオールにある日本国総領事館より、警告メールが送られてきました。
日付や時間帯、場所の詳細が記載されていたので、その日はその場所に極力行かないことに決めました。
その団体の規模にもよりますが、興味本位でデモや過激派団体の活動などが行われる場所に立ち寄るのは、避けた方が無難です。
現在、対日感情は良好であるため、さほど問題ではありません。しかし、事件やトラブルに巻き込まれないために、なるべくそのような場所は避け、よく考えて行動しましょう。
在留届の提出義務
海外に3カ月以上滞在する日本人は、領事館に在留届を提出する義務があります。提出することでトラブルに遭ったとき、在留届の情報をもとに円滑な対応をしてもらえます。
メールの通知で、上記のようなデモや抗議活動などの治安情報も事前に知ることができます。長期滞在の人は必ず登録しましょう。インターネットから、在モントリオール日本国総領事館のホームページで登録できます。
モントリオールで危険な目に遭ったらどうする?
もし、万が一モントリオールでトラブルに巻き込まれた場合、近くに助けを求めると同時に、現地の警察に通報しましょう。また、何か起こったときのために頼れる人や、コミュニティーを日頃から築いておくことも大事です。
緊急連絡先は911
緊急の連絡先は、警察・消防・救急、すべて共通で「911」です。日本でいう110番にあたる番号です。場面に応じて、警察か消防、もしくは救急のどの助けが必要であるかを伝える必要があります。
警察に被害届の提出
スリや窃盗に遭った場合、被害届の提出が義務付けられています。近くの警察署で被害証明書を取得しましょう。パスポートやクレジットカードの再発行のときにも、証明書が必要になります。
日本国総領事館に連絡を
トラブルに巻き込まれたら、モントリオールの日本国総領事館にも連絡をしましょう。パスポートの再発行などの手続きも含め、力になってくれます。
基本情報
- 名称:在モントリオール日本国総領事館
- 住所:1 Place Ville Marie 3333, Quebec H3B 3N2
- アクセス:ボナベンチャー駅(Bonaventure)から徒歩9分
- 営業時間:9:00〜12:30 13:30〜17:00/土曜・日曜休み
- 電話番号:+1(514)866-3429
- 公式サイト:https://www.montreal.ca.emb-japan.go.jp/
まとめ
海外の不慣れな環境の中、犯罪の被害や事件に巻き込まれてしまったら、本当に大変です。
カナダは確かに治安がよく、安全な国ではありますが、日本にいるときよりも日ごろの注意が必要です。知らない人について行かない、貴重品の管理を徹底するなど、基本の安全対策をしていれば、防げることがほとんどです。
「転ばぬ先の杖」、念には念を入れて悪いことはありません。安全で楽しい海外生活を送りましょう。
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