アメリカで客室乗務員になるには?CAになりたい人へ

飛行機の内部 アメリカで働く

現在、アメリカの航空会社で客室乗務員として働いて9年目になります。職業柄、日系に限らずヨーロッパや中東企業の客室乗務員の方々の話を聞く機会があります。

そんな中、やはりアメリカの航空会社は福利厚生やシフト調整の自由さなどから、最も働きやすい環境だと私は思っています。

それではどうすればアメリカの客室乗務員になれるのか、今日は詳しくお話ししたいと思います。

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アメリカで客室乗務員/CAの採用条件

採用

募集要項の確認

まず応募をする前に、自分が採用条件を満たしているかを確認することはとても大事ですね。

アメリカのほとんどの航空会社で必要な学歴は高卒以上です。また、永住権などの合法的な就業資格を保持していなければ採用の対象にはなりません。

そのほかには制服を着用した際に見える部分にタトゥーが入っていないことも、募集要項のページにしっかり記載されているので、注意しましょう。この条件さえ満たしていれば応募する資格はクリアしたことになります。

アメリカの航空会社では性別や年齢は関係ありません。私の同僚には看護師として定年退職したあとに客室乗務員になったつわものもいます。条件さえ満たしていれば70歳の方だって応募できちゃうんです。

アメリカの客室乗務員/CAになるために必要なスキル

ようこそ

英語以外の言語が話せること

採用年によって会社が必要とする言語枠は変わってきます。私は日本語枠で応募し、採用されました。

英語が第一言語、他外国語が第二言語として扱われますが、第二言語は流暢(りゅうちょう)に話せるレベルでないといけません。日本で育った日本人であればまったく問題ないでしょう。

私が採用された年は採用人数の8割が2カ国語を話せる人材でした。このように英語プラスα(アルファ)で話せると、とても採用に有利なことがおわかりいただけるでしょう。

高卒以上の学歴

応募条件として高卒以上であればクリアしていることになります。

しかし、昨今アメリカでも客室乗務員はとても人気のある職業で、毎年倍率10倍などというとても競争率の高い職業です。そうなると他の方よりも秀でるために、高卒以上の学歴を持っていることは高い評価を受ける対象となります。

ファースト・エイドや医療資格

よくドラマであるような「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか」というアナウンスメント。実際に機内で急患が出た場合、本当にあのアナウンスメントを流すんです。

経験上、9割の確率で医療従事者が搭乗しています。また万が一、乗っていなかった場合でも地上の医療センターとコミュニケーションをとり、指示をあおぐことも可能です。

しかし時には一刻を争うようなファースト・エイド(緊急事態)もあるため、少しでも医療知識を持った乗務員がいることは会社にとって、とても大きな助けになります。

アメリカの客室乗務員/CAで提出する履歴書の書き方

書類

アメリカの履歴書は日本の履歴書とはまったく違います。日本のように規定の履歴書はなく、空白のページにワードなどを使ってゼロから仕上げていきます。簡単なフォーマットなどはインターネットで検索するといろいろ出てくるでしょう。

また、履歴書以外にカバー・レターといって、読んでくれる企業、採用担当への簡単な手紙をつけることも重要です。

アメリカでは自分を売ってなんぼです。顕著に自分をへりくだるようなことは書かず、全面的に経験を元に大きく自分を売り込みましょう。嘘は厳禁ですが。

航空会社用の履歴書では今まで経験してきた接客業のことやリーダーとして活躍したこと、協調性のある部分などを主張しましょう。

アメリカで客室乗務員/CAになるための面接のポイント

オフィス

無事に書類審査を通過すると面接に招待されます。

面接はあなたを売り込むとても大切な機会です。私は普段、初対面の人と話すことが苦手なのですが、面接の日はこの数時間で私の人生が決まると肝に銘じて最高の自分を演出しました。

面接時の服装とヘアスタイル

私は日系企業をイメージして、きっちりした上下スカート・スーツにYシャツで挑みました。

髪型も客室乗務員をイメージできるようなものにしました。日系の航空会社ではシニョンをよく見かけますが、アメリカでは見たことがないので私は夜会巻きできっちりまとめました。

面接のときに客室乗務員としてそのままイメージできるような身だしなみで行くと、好感度がアップします。

面接のときにチェックされているポイント

これは採用されたあとに聞いた話ですが、企業に足を踏み入れた瞬間から審査されているようです。

私の会社は候補者約100名に対し、面接官約20名ほどが常に候補者と交流していました。

その中で終始笑顔で他の候補者ともグループなどは作らず、まんべんなくいろんな方と話すことはとても大切です。ネガティブだと感じるような発言は避け、質問がある場合は積極的に発言します。

面接時の受け答えの仕方

面接の質問はすべて「この状況の場合、あなたならどうしますか」というものでした。このような質問の場合、「STARメソッド」を使うととても効率的にわかりやすく回答できます

  1. Situation/状況:状況や背景について簡単に説明する。いつ、どこで、だれが、なにを。
  2. Task/仕事:具体的な課題や条件、乗り越えなければいけなかったことを説明します。
  3. Action/行動:仕事を完了するためにとった行動を説明します。
  4. Result/結果:成果の報告や、この一連の出来事で得たことを説明します。

アメリカの客室乗務員/CAの仮採用とは

飛行機

すべての書類審査、面接を合格した者は仮採用となります。

なぜ「仮」採用なのかというと、会社が採用したい人材を集めたあとに米国連邦航空局(FAA)の定める一定の訓練を通過しないと、正式に客室乗務員として働けないためです。

私の会社は7週間の訓練がありました。主に航空法、緊急時の脱出訓練、飛行機の設備などについて学びます。この7週間の訓練を終え、最後の試験を合格すると初めて正式な客室乗務員として認定され、本採用となります。

訓練の最終日には「翼の授与式」というものがあり、同じ会社でも翼付きの名札をつけられるのは客室乗務員とパイロットのみの特別なものなのです。

まとめ

今日はネットで検索してもあまり読めないような客室乗務員の採用試験についてお話しさせていただきました。

私の会社は去年27万人の応募があり、採用されたのはたった1,700人でした。面接会場では毎日午前と午後の2回に分かれ、100人ずつ面接が行われます。そんな中、面接官の目に留まるためには徹底的にリサーチして面接に臨むことです。

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記事を書いた人

アメリカ/ユタ州ソルトレイクシティ在住。
その他、ニューヨークに2年、デトロイト7か月、オランダ6か月、オーストラリアでの在住経験あり。
オランダで日系ホテルにて日本食レストランでのウェイトレスやアメリカの航空会社にてフライトアテンダントとして9年間働く。

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