華やかなイメージのある海外生活も、長く住めば日常になります。初めは魅力的だった異文化が新鮮味を失い、面倒なものや厄介なものに感じられ、やがてそれがストレスになることがしばしばあります。
私も念願だったはずのカンボジアでの生活が5年目を迎え、移住前と180度違う気持ちを感じることも増えてきました。そこで、現地での生活が辛くなってしまわないように、日々の心のケアが大切なのだということに気が付きました。
今回は私が取り組んだ、異文化生活で生じるストレスへの対処法をご紹介します。
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異文化生活でのストレスってそもそも何?
気候、言語、生活習慣、食事内容、労働環境、人間関係など、異文化を具体的に説明するキーワードはいくつもあります。
私の場合は、外国人だということで好奇の対象になりやすいことが大きなストレスとなっていました。
何度もされる同じ質問にうんざり
たとえば、地元の人が行く市場で買い物をするとき、私は売り子さんにクメール語で話しかけるのですが、ちょっと話せるというだけで「あら、クメール語ができるの?」「韓国人?日本人?何年住んでるの?」などと矢継ぎ早に質問が飛んでくることがしょっちゅうあります。
聞く側は一度きりでも、日常的にこんな質問にばかり答えなければいけないこっちはもううんざり……。「野菜を買いたいだけなのに。放っておいて!」と言葉には出さずともカチンときてしまったことがありました。
こんな風に現地での生活でストレスが溜まっていることに気が付いたとき、私が取り組んだのは以下に紹介する5つの方法でした。
対処法1. 現地にいる日本人や外国人の友人に相談する
困ったときに人に話を聞いてもらうことは王道と言えますよね。日本の家族や友人も頼りになるのですが、まずは現地にいる日本人や他国出身の友人に話してみましょう。
それは、同じ「外国人」として海外生活で生じるストレスについて似た感覚を共有しやすいから。感覚を理解し、共感してもらうというのは、まず自分が感じているストレスを受け止めるためにとても大切なプロセスなのです。
共感し合うことで、ストレスを感じているのは自分だけではないことや、そう感じるのは外国人なのだから仕方がないのだという状況を認識し、受け入れることができるからです。
対処法2. 家事などしなければいけないことに手をつけてみる
ストレスを感じ始めると気分が沈み、それに強く捕らわれてしまうことがあるかもしれません。そんなとき、気分を切り替えるのは簡単ではないし、それができれば苦労しませんよね。
ここで発想の転換。沈んだ気分はいったんそのままにしておいて、体を動かすのです。皿洗いや洗濯、部屋の掃除、ゴミ出しといった生活の中でしなければいけないことであれば取り組みやすいでしょう。というのも、気分が落ち込み過ぎていると、気分転換のための何かすらする気になれないこともあるからです。
私は、家事であればまぁやるかと少しずつ手をつけることができました。ストレスを抱えているという状況自体は変わっていないのですが、まず体を動かすことで、自分の意識が全てストレスに集中してしまっている状態を解きほぐしていくことができるのです。
対処法3. 食べ慣れた日本の味で心を落ち着ける
海外生活で何といっても大切なのが食事。体に必要な栄養やエネルギーが蓄えられていなければ、心を健康に保つこともできません。疲れたときでも自分が好きなものを食べれば気持ちが軽くなることがあります。
私の場合は、白米とみそ汁を食べたときに心からほっと落ち着くのを感じられました。美味しいものならたとえばイタリアンや中華、カンボジア料理でも満足できたかもしれませんが、芯から心を落ち着けてくれたのは、長年食べ慣れた日本の味でした。
海外生活が長くなる方は日本の調味料を備えておくことをお勧めします。
対処法4. 好きなことをする
たかが趣味、されど趣味。心から自分が楽しめる活動に没頭できれば、嫌な気分はいつの間にか忘れています。ショッピングや飲み食いに走るのもストレス解消法として人気ですが、一時しのぎであり、物欲や食欲、それに使えるお金にも限界があります。
私は料理をよくしました。作るときは手順に集中するから余計なことを考えないし、好きなものを作って食べられるし、一石二鳥でした。
好きなことを時間を気にせずにしたいだけすると、自分の世界に浸れて、もんもんとしていた頭がだんだんとクリアになってきますよ。
対処法5. 旅行もしくは一時帰国する
ストレスを感じている場所に無理に留まる必要はありません。そこにいようとすればするほどストレスは増していき、その国や現地の人が嫌いになってしまうこともあるかもしれません。
なんだかんだ言っても、これまで住んできた今の自分の居場所。嫌いになってしまうのは悲しいですよね。そうなる前にいったん思い切ってそこを離れてみましょう。一時帰国して家族と友達に元気づけてもらうもよし、一人でふらりと居住国内もしくは隣の国を旅してみるもよし。違う環境に自分をしばらく置いてみましょう。
私は現地での生活に耐えられないと感じたとき、タイへ1週間ほど行ったのですが、外に出てみて今住むシェムリアップの良さがわかったので、この旅行は私にとって正解でした。
「異文化は理解できないのが当たり前」から歩み寄ろう
「もうここが嫌だ、帰国するしかないのだろうか……?」
現地生活でのストレスが極度に高まると、そんな風に思うこともあるでしょう。現地の文化や価値観を受け入れようとしてきたからこそ、疲れを感じるのです。そう、異文化生活でストレスを感じるのは、自分がこれまで適応しようと努力してきた証なのです。
すべてを受け入れる必要はない
究極を言えば、異文化を受け入れられない自分でもいいのです。所詮、海外に暮らす私たちはよそ者なのですから。無理にすべてを受け入れよう、受け入れられると思うから苦しくなるのです。
「私はこの国の人じゃないんだから、受け入れがたいこともたくさんある」
それを前提に「どこまで歩み寄れるかな?」程度のゆったりとした心構えでいいのです。「異文化は理解できないのが当たり前」という前提に立っていた方が、苦しさを感じずに済むのではないでしょうか。
まとめ~自分を守れるのは自分自身
夢見た海外での生活も、いざ始めてみればいいことばかりではありません。そんなとき自分を守ってあげられるのは結局、自分自身。それを忘れずにいれば「頑張りすぎていないかな?」と自分の状態を日ごろからチェックして労ってあげることができるでしょう。
それでもストレスが深刻になった場合は、可能であればカウンセラーなどの専門家を頼ったり、現地での生活を中止したりすることも選択肢の一つに入れてみてくださいね。
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