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ドイツでオペラ歌手として就職!壁を乗り越えてドイツで夢を実現するまで

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レーゲンスブルク劇場

日本ではまだまだオペラに対する関心が低いため、「オペラ歌手をしている」と言うと驚かれます。

プロのオペラ歌手を目指す私にとって、そんな日本を出ることはごくごく自然の流れの中での出来事でした。とはいえ、何度もくじけそうになったことがありました。

現在、ドイツでオペラ歌手として働く私が、さまざまな壁にぶつかりながらイタリア留学を経てドイツ就職をかなえるまでの経緯をご紹介します。

イタリア・オペラに惹かれてイタリアへ留学

マントヴァ・ソチャーレ歌劇場内部

※マントヴァ・ソチャーレ歌劇場内部(イタリア)

日本の大学で音楽を学んだ後、イタリアへ留学することを決めました。当時の私は正直、後先は深く考えておらず、

「とにかくイタリア・オペラが好きだからイタリアに行きたい!」

という単純で子どもじみた思いから留学に踏み切りました。幸い両親は理解を示してくれ、大学院に進学させるつもりで援助してくれることになりました。

ひとまずボローニャの語学学校に通いながら声楽の個人レッスンを受けることに決め、大学卒業後1カ月で私費留学生としてイタリアへ。イタリア語とは相性が良かったようで、ほぼ知識ゼロの状態から4カ月で不自由なくしゃべれるようになりました。

語学学校に1年通った後は、国立音楽院に入学。ですが、音楽院でのレッスンだけでは足りなかったため、個人レッスンも受け続けました。

世界最高峰のオペラに触れる日々

毎月、ボローニャ歌劇場やパルマ・レージョ歌劇場、ミラノ・スカラ座などで世界最高峰のオペラ公演を観ることができ、私のオペラ熱は一気に加速

頻繁にスター歌手たちのパフォーマンスを目の当たりにし、時には彼らと直接会って言葉を交わす機会もあります。そのため、私の耳はどんどん肥え、自分がどんな歌手になりたいかの方向性も定まってきました。

イタリア・オペラ界の厳しさに直面、ドイツ行きが浮上

音楽院に通い始めたことで知り合いも増え、イタリアのオペラ業界の実態が分かってきました。

プロで歌っていくのはとても狭き門であること、イタリアの劇場には歌手の長期契約が存在しないこと、多くの歌劇場が経営難で閉鎖の危機にあることなどです。

知り合いの中にも、文句の付けようがないような歌手がたくさんいましたが、仕事をコンスタントに取れているのはごくごく一部でした。

イタリアは大好きな国ですが、歌だけで生活していくには経済状況の良い国に移る必要があると考えるようになりました。その「経済状況の良い国」の最有力候補に浮上したのがドイツです。

条件はぴったり、でも問題が一つ

ドイツには各都市に必ずといっていいほど劇場があり、そのほぼすべてが年単位の長期契約で歌手を雇用しています。ドイツならばイタリアにも近いので、イタリアで少しずつ増え始めていた単発の仕事を受け続けることも可能です。

ただ、問題は語学でした。ドイツ語は習得が非常に困難な言語です。イタリア内でドイツ語コースにも通いましたが、まったくしゃべれる気がしませんでした。

ドイツに移住しオペラ歌手への道を探る

レーゲンスブルク劇場

※レーゲンスブルク劇場(ドイツ)

そんな折、ドイツのサマー・オペラ・フェスティバルへの出演が決まり、初めてドイツでお仕事をしました。共演者の中にはドイツで長期雇用されているオペラ歌手も数名いたので、情報を提供してもらったり、アドバイスを聞いたりしました。

やはり、歌で生きていくためにはドイツに来るしかない

何のコネもアテもないまま、ドイツに語学留学をすることを決めました。イタリアでドイツ語の勉強をしていても埒が明かないとあきらめたんです。

ドイツのカールスルーエという町にある語学学校に半年間の入学手続きをし、移住しました。この半年でダメならもうオペラ歌手としてキャリアを積むのは断念しようと腹をくくっていました。

ドイツでオペラ歌手として働きたい!オーディションの日々

語学学校に通いながら片っ端からオーディションを受けました。前半戦は惨敗……。ドイツ語がしゃべれないなら、どんなに歌が上手くても落とされるのがドイツです。

質疑応答にまともに答えられなかった私は、明らかに自分よりも歌のレベルが低いライバルたちの中で落とされ続けました。その悔しさは今思い出しても涙が出るほどで、何度も心が折れそうになりました。

イタリアやスイスで単発の出演も続けていたので飛行機移動も多く、

「今この飛行機が落ちても、それはそれで……」

と毎回思ってしまうほど追い詰められていたのです。

ドイツ就職決定!オペラ歌手として契約

ザールブリュッケン州立劇場

※ザールブリュッケン州立劇場(ドイツ)

自分の中でリミットに定めていた6カ月目、ついに就職が決まりました。契約は1年半、それ以降は年単位で更新というオファーです。合格の電話を受けた時は、アパートの部屋の中で文字通り飛び上がって喜びました

そこから役所で各種手続き、家探し、引っ越し、契約書へのサイン、同僚との顔合わせなど、あわたただしい日々が始まりました。

仕事を始めたのは合格の連絡を受けてから1カ月半後のことです。本当にリミットぎりぎりに届いた朗報で、半ばあきらめかけていた日本の両親も歓喜してくれました。

まとめ〜周囲の温かい支えに感謝

留学時代も仕事を始めてからも、私はずっとお金の問題に常に頭を悩まされてきました。

オペラ歌手というのは成熟するのがとても遅い種類の音楽家です。30歳前後でデビューというのは決してめずらしいことではありません。そのため、デビューまでの就学資金確保が大きな課題になります。

私は両親の理解と奨学金で乗り切ることができましたが、それがなかったらデビューは不可能だったと思います。日本では困難なオペラ歌手の道を今どうにか歩めているのは、周りの人たちの温かな支えがあったからこそです。

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Azuceninaライター

投稿者プロフィール

オペラ歌手・メッゾソプラノ 2013年よりドイツ・トリーア市在住 イタリア、フランス、ドイツを中心に活動中

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