ベルリンには各地区ごとに市立図書館があります。その他に私立の図書館もいくつかと、4つある大学の総合図書館と学部別の各図書館、それに加えて国立図書館、アメリカ記念図書館など、沢山の図書館を利用することができます。
各地区にある市立図書館はStadtbibliothek(シュタットビブリオテーク)といい、ベルリン市内には約80館あります。館内にはインターネットに接続されているパソコンや、Wi-Fiの使用できるエリアもあり、とても便利です。
また図書の他に音楽CDや映画、ドラマなどのDVDなども無料で借りることができ、かなりお得です。今回はベルリンの図書館の利用方法をお伝えしたいと思います。
ベルリン市内の図書館
ベルリンは全部で12の区から成っており、それぞれの区で4~9館の図書館があります。この中には、音楽に特化した図書館や、児童書専門の図書館なども含まれています。
また、図書の貸し出しの他にも、ブルーレイディスク、DVD、CD、漫画、オーディオブック(Hörbücher)、ゲーム、楽譜、新聞、雑誌、デジタルデータでの音楽、E-Learning(メディア授業)、語学コース(同じくメディア授業)なども貸し出しています。デジタルデータのためのE-Book-Readerも併せて借りることができます。
ベルリン市立図書館の詳細は以下のホームページ(https://service.berlin.de/)で確認できます。
ベルリンの図書館での本貸し出しの流れ
では図書やメディアの貸し出しの流れ(オンライン貸し出しではなく、図書館に行って借りる場合)を見ていきましょう。
図書カードの作り方
日本で言う図書カードにあたるものは、Bibliotheksausweis(ビブリオテークスアウスヴァイス)と言います。
このカードは、図書館の窓口で作ります。その際、有効な身分証明書かパスポート、住民登録の証明書が必要になります。
申し込み手続きをAnmeldung(アンメルドゥング)と言いますが、手続きをするとその場でカードがもらえます。
また、ドイツでは図書館を利用する際に、利用料が発生します。ベルリンでは1年間で10ユーロ、学生や職業訓練生は5ユーロ、子どもや生活保護受給者などは無料です。
1年に一度、この利用料を払うわけですが、通常の貸し出しの際はこれ以上は何も追加料金はかかりません。また、1年間まるまる図書館を利用しなかった年は、請求されることはありません。
再度利用を始めたときに、その年の分だけ支払えばいいシステムになっています。追加料金がかかるのは、延滞したときと、他の地区の図書館から取り寄せたり、貸し出しの予約をしたりするときです。
延滞金は、1日延滞するごとに25セントかかります。また、他の図書館から借りるよう注文したり、予約をするときは1ユーロ前後の手数料がかかります。
借りられるものいろいろ
図書に関しては言うまでもなく、日本と同様、いろんなジャンルの本が整然と並んでいます。入り口付近に買い物かごのようなかごが積んであるので、借りたいものはそのかごに入れて持ち歩きます。
大人の一般利用者向けに分野別に蔵書が並んでいるエリアと、子ども向けの絵本や児童書、読み聞かせCD、子ども向けDVDなどの置いてある子どもエリア(読み聞かせができるように小さなベンチやおもちゃなど置いてあることもあります)、中学生から高校生ぐらいを対象にした若い人たち向けのエリアなどに分かれていて、至る所にソファや勉強机が置かれています。
この他に、自習室が別に設けられている図書館もあります。そして音楽を勉強している人のために楽譜の貸し出しも行っており、図書館によってはピアノの練習室がある場合もあります。
日本のTSUTAYAのようなレンタルショップはベルリンではあまり見かけないのですが、図書館でCDやDVDを借りることができます!
CDに関しては、ポップス、ジャズ、クラシック、子ども向けなど様々なジャンルのものを豊富に取り揃えていて、日本で言う洋楽(英語)も充実しています。
DVDは、人気の映画やドラマなどで、日本のものも並んでいるので少し嬉しくなります。宮崎アニメなどはとても人気が高いです。
また、日本の漫画もとても人気があり、漫画コーナーにズラリと並んでいます。ベルリンでは、日本の漫画ファンがとても多く、ジャパンフェスティバルなどのイベントときのコスプレなど、かなり力が入っていてすごいです。
漫画ももちろん貸し出しOKですが、全てドイツ語です。
そして、主に子ども向けですが、Hörbücherと言って、オーディオブックもたくさんそろっています。
一人の人が朗読しているものや、何人かで物語の登場人物として演じているものなどがあり、子どもに聞かせるのはもちろんのこと、語学を勉強中の人にも良い教材になるのではと思います。
デジタルデータで借りられるものとしては、音楽や、雑誌などに加え、いろんなジャンルのE-Learningの教材も貸し出し可能です。
隙間時間を利用して勉強したい人には、もってこいですね。図書館を利用すると、本当に世界が広がります。
貸し出し手続きの方法
図書館で借りたいものをかごに入れたら、貸し出し手続きを行います。基本的に貸し出しも返却も、自動読み取り機を使って自分で行います。
入り口付近に何台も貸し出し用の機械が並んでいるので、その前に行き、図書カードを指定の場所にぴったり当てて自分の個人情報を読み込ませます。
機械が情報を読み込んだら、暗証番号の入力画面に進むので、自分の生年月日を入力すると自分のアカウントにログインできます。(生年月日はドイツ式に日、月、西暦の順に入力します。例えば、2000年1月2日生まれの場合は、02012000となります。)
ログインできたら図書カードはもう必要ありません。後は、借りたいものを手前の台の上に1つずつ置いていけば機械が全て読み取ってくれます。
台に置いて画面で読み込めたか確認し、確認できたらそれは脇に置き、次のものを置く、という流れです。とても簡単です。
貸し出しの日数は、一般の図書は4週間、CD、DVDは2週間で、それぞれ2回まで延長することができます。延長の手続きも、この端末でもできますし、自宅でオンラインでもできるのでとても便利です。
そして貸し出し可能なメディアの数は、一人60個まで!かなりおおらかなシステムです。返却については、返却用の機械があるので、それに1冊ずつ通すだけで後は自動で向こう側に吸い込まれていきます。
また、日本同様、返却ポストも利用できます。
ベルリンの図書館の環境設備
多くの図書館では、Wi-Fiの使用が可能なので、パソコンを持参している人もたくさんいます。ドイツに引っ越してきたばかりで、まだネットがつながらない状況にいる人にはとても助かりますね!
また、図書館によってはネットにつながっているパソコンを数台置いているところや、車いすの人用のパソコン(バリアフリーになっている)、視覚障がい者や目が見えない人のための音声認識機能のついたパソコンを完備しているところもあります。
ベルリンの図書館ではイベントもたくさん!
図書館では子どものための読み聞かせや、古本市、中古の楽譜の販売、講演会、コンサート、展覧会、映画上映など、様々な催し物を開催しています。
詳しい情報は、上記のベルリン市立図書館のサイト内の、自分の居住地区の図書館のサイトで確認できます。文化的な催しがたくさんあり、市民としても嬉しい限りです。
まとめ
一般の利用者に大きく門を開いている図書館は、外国人として滞在する身にとっても、心強い味方です。ベルリンは外国人の割合も高く、ドイツ語学習のための教材も充実していて、非常に恵まれた環境です。
また、そういった参考書や教科書だけでなく、例えば子ども向けのオーディオブックや青少年向けの演劇のDVDなども良い教材になります。1年間の利用料10ユーロを払うだけで、学びのチャンスを得ることができます。
また、CDやDVDなど無料で借りられるのは、やはりかなりお得です。仕事や生活が軌道に乗るまでは出費は抑えたいところですが、音楽を聴いたり、映画を見たりといった気分転換も必要ですよね。
館内の雰囲気もとてもゆったりとしていて、自習できるようなテーブルやソファもたくさんあり、気兼ねなく長居できます。
家では何かと気が散って集中できないこともあるかもしれませんが、そういったときには一度お近くの図書館を訪れてみてはいかがでしょうか?
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