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フィリピン地方都市の州政府で青年海外協力隊員として働く私のタイムスケジュール

フィリピン

海外でストレスをためずに生活するには、現地の人の習慣と折り合いをつけながらも自分のペースを保つことが重要です。

私はJICA(独立行政法人国際協力機構)派遣の青年海外協力隊員として、フィリピンの地方州政府に2014年から2年間勤務していました。

フィリピンの地方都市で働く私がどのような生活をしていたのか、

  • 事務所勤務の日
  • 田舎町に外出する日
  • 休日

の3つのパターンに分けて一日のスケジュールをご紹介します。

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目次

フィリピンでの勤務先と仕事内容

州政府

私が勤務していたのは、フィリピンの中部パナイ島にあるイロイロ州の州政府です。イロイロ州政府の中の社会福祉開発事務所にデスクがありました。

障害者支援のために州の行政施策の実施・運営、啓発活動、障害者データベースの仕組み作りなどを行うのが私の仕事です。

勤務は、平日週5日の8時から17時。休日出勤はイベントなどの際に時々発生しましたが、残業は稀でした。週2~4日は事務所に終日勤務、週1~3日はセミナーやミーティングで州管轄下の市町への外出がありました。

事務所職員は私の赴任した時点で25名。男性1名、トランスジェンダー(おなべちゃん)1名以外は全員、女性です。特に40代・50代女性が多く、親切心からの強引な誘いに巻き込まれやすい職場でした。

フィリピンで働く日のスケジュール:事務所編

事務所

7:00 起床、7:45 家を出発

居住アパートから勤務先の州政府までは徒歩圏内だったため、朝7時台に起床。

日本では仕事が忙しく睡眠不足から朝起きるのが非常に辛かったのですが、フィリピンでは夜寝るのも早くなって十分な睡眠時間を確保できたため、朝日とともに自然に目が覚めることもしばしばでした。

暑い日はフィリピン人のように朝シャワーを浴びます。シャワーで気合を入れて、着替えて、日焼け止めを塗って、さぁ出勤!

8:00 事務所到着・朝食

事務所では、協力隊員でも正職員と同様に勤務することを求められ、なぜか正職員以上に勤怠を厳しくチェックされていたため、朝は8時に間に合うよう事務所に駆け込んでいました。

しかし職員達は、8時から9時頃までは朝ご飯タイム。デスクで朝用のお弁当を広げるか、別フロアにある食堂に行って仕事はしていません。

赴任当初は周りが食事する中でパソコン作業などをしていましたが、「パマハウ カナ?」(現地のイロンゴ語で「朝食は済ませた?」の意味)などとしきりに話しかけられます。

赴任半年後からはシリアルを持参し、勤務先で朝食をとるよう切り替えました。

毎週月曜日は朝礼参加

月曜日は州政府全体での朝礼があります。国旗や州旗の掲揚、国歌と州歌の斉唱、誓いの言葉など、儀式的な内容が25分程度。知事や知事代理からの講話や、週行事・月行事の連絡などが15分程度です。

月曜日は朝礼が終わって事務所に戻ってから朝食タイムが始まります。

10:30 昼食のおかず調達

午前10時半頃に州政府内まで行商が入ってきて、ビニール袋に入ったランチ用のおかず販売を開始します。私もその人だかりによく参加しました。

12:00頃 昼食

昼休憩の定時は正午~午後1時です。正職員は指紋認証式のタイムレコーダーがあり、州政府のルールでは決められた時間内に昼休憩の記録を行う必要があります。

しかし、これは建前上のルールとみなされており、実際にはランチを食べるのをフライングしても、遅めに休憩から戻っても、気に留められません

毎週水曜日と毎月第一金曜日は州政府の建物内でキリスト教のミサ(任意参加)があるため、多くの職員は「早弁」しています。私の赴任地域ではキリスト教徒が9割を超えており、多くの職員は昼食とミサで1時間半~2時間は業務を離れます。

忙しくなければ帰宅

私は赴任当初は、食堂の混雑時間を避けるためにも遅めにランチをとっていました。

しかし、フィリピン人にとっては食事の優先度が高いため、ランチを食べるようしつこく勧められて全く仕事に集中できない状況に

そのため、周囲と同じタイミングで昼食をとるか、休憩時間に自宅アパートに帰って昼食や洗濯、昼寝をしてから事務所に戻るようになりました。

13:00頃 事務所に戻り仕事再開

午前中は食事や食料調達で時間がつぶれるので、実際にまとまった作業時間が取れるのは午後です。

事務所に終日勤務する日は、州政府内でミーティングがある場合もありますが、ほぼパソコン作業になります。メールのチェックや、書類の作成(企画書・議事録・申請用レター・プレゼンテーション用のパワーポイント資料など)を行います。

協力隊では意外にJICAへの提出物やメールでのやり取りが多いのですが、それもできるだけ勤務時間内に済ませるようにしていました。

突然パーティが始まることも

フィリピン人の職員で就業時間中ずっと仕事に集中している人は珍しい存在です。上司が不在の日は、午後3時頃におやつを食べておしゃべりしたり、ゲームをしたり、Facebookを見たり……が通常です。

同僚やその家族の誕生日で、食べ物の振る舞いパーティが唐突に始まるのも午後3時半過ぎです。

事務所共有のパソコンは3時頃に空きやすくなるため、私はそのタイミングを狙って印刷をしていましたが、急な振る舞いパーティで強制的に呼び戻される場合はやむなく中断です……。

17:00 退所

午後4時半頃にはみんなが帰る準備を始め、ますます仕事する雰囲気ではなくなります。4時50分前後になると正職員用のタイムレコーダーに30人以上の長蛇の列ができる状態です。

そのため、同僚への相談は午後3時より前に!と心がけていました。

フィリピンで働く日のスケジュール:外出編

フィリピン

外出日の朝

イロイロ州は北東から南西に細長く、北の端の町までは公共の移動手段だと片道3~4時間かかります。セミナーやミーティングは朝9~10時頃に開始するため、移動時間を加味して自宅アパートを出ます。

庶民の足であるジープは窓にガラスが入っていないので走っている時は爽快。しかし、炎天下で停留場に停まっている時、混雑時にふくよかなフィリピン人と密着して乗る時などは、かなりの体力を奪われます。

外出日の午後

セミナーやミーティングでは必ず食事もしくはスナックが準備されています。そのため、内容が数時間でも、外出先を出発できるのは必ず昼食後になります。

本来はセミナーが夕方までの内容でも、移動時間が長い場合は午後5時前にはイロイロ市内に戻れるよう逆算し、外出先を出発します。同僚が一緒の場合は、市内に午後3時頃に着くよう早々に出発してしまうことが多かったです。

なお、私の同僚に限らず、ゲストスピーカーが自分のパートだけを話して帰るというのは珍しくありません。

外出がある場合は直帰OKだったので、急ぎの仕事がない場合は事務所に寄らず、買い物をして自宅アパートに帰るようにしていました。

フィリピンで働く日の終業後(夕方・夜の過ごし方)

平日の仕事後の過ごし方は、以下のようにほぼ決まっていました。

  • 17:00 帰り道にスーパーなどに寄り生鮮品の買い物。たまに、現地フィリピン人とランニングやダンスエクササイズに参加
  • 19:00 帰宅直後にシャワーを浴びて着替え
  • 19:30 夕食作り、夕食、片付け
  • 21:00 好きなことをする(読書、掃除、YouTube鑑賞、携帯ゲームなど)、たまに残務処理
  • 23:00頃 就寝

午後5時過ぎのスーパーのレジは30分待ちの覚悟が必要です。フィリピン人の同僚の中には、事務所の上司の目を盗んで勤務時間中に買い物する人も数名いました。

フィリピンでは「ズンバ」と呼ばれるダンスエクササイズがセミナー中にも行われるほどポピュラーです。州政府のロビーにもインストラクターが来ていましたが、田舎町の運動スペースでもよく行われます。

帰宅後は自宅アパートでもインターネットはつながりましたが、Wifiが遅くなることも多く、停電や断水も月4回ペースで発生するため、夕食が終わって早々に寝てしまうことも多かったです。

フィリピンでの休日の過ごし方

1人でいる時の休日は、のんびり気ままに過ごしていました。

  • 9:30 起床
  • 10:00 洗濯
  • 11:00 ブランチ作り、ブランチ、片付け
  • 13:00 現地語訓練、平日は距離的に行けない店・露店市場に買出し、ご近所のフィリピン人とおしゃべり
  • 18:00 帰宅して夕食作り、夕食、片付け
  • 19:00 好きなことをする(読書、掃除、YouTube鑑賞、携帯ゲームなど)
  • 23:00頃 就寝

自宅アパートは便利な場所にあったので、休日の半分は近隣の市町から他の日本人協力隊員が泊まりに来ていました。その場合は遠出をすることもありましたが、たいていは近場に外出していました。

一緒に市内の美味しいレストランを開拓したり、カフェなどでフィリピン人観察をしたり、地図で見つけた気になるスポット(港やマングローブ林など)に行ったり、マッサージを堪能したり……。

夜はおしゃべりして夜ふかし、というのが定番でした。

まとめ~ゆっくりのんびりした時間の多い生活

思い返せば、赴任後数ヶ月は暑さや移動時の過酷さからとにかくよく寝ていました。

私の赴任地域は規模の大きい都市でしたが、それでも娯楽手段は限られていたため、ゆっくりのんびり過ごす時間の多い生活をしていました。日本の会社員時代にはあまりしなかった自炊が習慣化したのは、そのせいもあったと思います。

協力隊員の中には、赴任中に修士論文を仕上げる人もいます。途上国で生活するなら、日本でできなかったことに挑戦するのもアリですね!

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この記事を書いた人

岐阜県出身。早稲田大学卒業後、ベンチャー企業の創業期の中枢メンバーとして、アウトソーシング企業の運営部長、人材開発企業の企画営業マネージャー等を務める。
2014年から2年間は「青年海外協力隊」としてフィリピンの地方州政府にて障害者支援分野で活躍。世界30ヶ国以上への訪問経験を活かし、現在はフリーの「開発コンサルタント」として途上国支援に携わるかたわら、ライターとして記事執筆を行う。

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