香港の街中には日本用品の店、日本食材の店、そして日本料理店があふれ、また日系企業が数多く進出しています。では、香港人は実際のところ日本や日本人のことをどう思っているのでしょう。
香港在住歴15年を超える私が、香港人と付き合ってきた感じた、彼らの「日本観」「日本人観」についてご紹介します。
香港人は日本への旅行が大好き
香港人の人気旅行先で毎年必ずトップ3に入っている日本。
そう、香港人は日本へ旅行することが大好きです。私の香港人の友人で、日本に行ったことがないという人はほとんどいません。たいていの香港人が、1度ではなくすでに2度、3度と旅行しており、中には10回以上日本へ行ったことがあるという人もいます。
最初は東京、大阪、京都などメジャーな行き先です。しかし、そのうち日本人の私でもなかなか行けないような北海道、東北、沖縄、そして金沢、和歌山、広島、福岡などと行き先はさらに日本全国に広がっていくのです。
今は日本の旅行サイトも中国語を併記しているものが多く、彼らはネットで事前に有名な温泉、民宿、おいしいレストランなどをしっかりと調べていき、満喫しています。日本人の私よりも詳しいときがあって驚かされます。
香港人は日本の何が好きなの?
日本旅行から帰ってきた香港人に感想を聞くと、みな口をそろえて楽しかったと言います。よかった点を聞くと、
- 交通機関が整備されていて使いやすい
- 公共の場所がどこも清潔で整頓されている
- 英語が通じないときもあるがみな親切に教えてくれる
- 食べ物がおいしい
などが答えとして返ってきます。欠点は物価が高い、ということぐらいでしょうか。物価自体は、香港も日本も実はあまり変わらないですが、交通費だけは断然日本の方が高いです。
地下鉄に1駅乗っただけで200円などという値段に非常に驚くみたいです。そのほか、掃除が行き届いていて清潔なこと、日本人がよくマナーを守っていてポイ捨てなどが少ないことに感心されます。
お刺身、お寿司が好きな香港人
とにかく香港人はお刺身・お寿司が大好きです。
何年も前から日本食ブームで香港にも日本料理店は星の数ほどあり、高級料理店から回転寿司までそろっています。しかし、魚はどうしても冷凍空輸となるため味が落ちてしまいます。
香港のお刺身をおいしいと言いながら食べていた香港人が、日本に行って初めて新鮮なとれたてのお刺身を食べると、「こんなに味が違うのか!」と驚くのです。香港では時々食中毒が起こりますが、日本だと安心して食べることができると嬉しそうでした。
香港でも日本の食品は大人気!
香港では日本食ブームや、食の安全の意識の高まりを受け、日本製の食品を販売するお店が増えています。「SOGO」や「AEON」は香港各地に支店を展開しており、日本各地の商品を購入することができます。
化学的食品添加物を使用しない商品を取り扱う宅配・通販サービスの「シュガーレディ」も香港で利用できるなど、食の安全に気を配る人が増加している傾向が見られます。
日本の食品として人気が高いのは、
- 牡蠣
- 帆立
- いか
- たこ
- 貝類
などの魚介類や
- 調味料
- キャンディー
- グミ
- チョコレート
意外なところでは
- 豆菓子
- 煎餅
なども現地の人に好まれています。日系のスーパーマーケットで販売されている惣菜は、見た目や味は日本のものとほとんど変わりません。
以前、現地の友人とAEONに行き、惣菜コーナーに売られていた海鮮丼を買って一緒に食べたことがありました。彼女曰く、マヨネーズをかけて食べると美味しいとのこと。
しかも彼女の家にあったマヨネーズは、キューピーのものなのですがなんと甘いマヨネーズ!この甘いマヨネーズと、ピリッとしたわさびの組み合わせがたまらないのだそうです(もちろんこれは一個人の意見です)。
同じ食べ物でも、ところ変われば食べ方はさまざまの様です。
日本の日用品も評判良し
香港には日本の日用品を扱うお店も多く、香港在住の日本人からはもちろん、地元の方からも人気があります。
やはり、日本製の製品への信頼や評判は高いようです。日本の企業も多く展開しており、連日多くのお客さんで賑わっています。
Living PLAZA by AEON
こちらのお店は、日本のダイソー商品を取り扱っています。
値段は12HKD均一なので、日本に比べるとちょっとお高めですが、気になるほどでもありません。香港各地にたくさんの支店があるので、ちょっとした買い物にもとても便利です。
日本のダイソーと同じように、調理器具や食器などの台所用品、洗濯バサミやネットなどの洗濯用品、衣類、文房具、化粧品、調味料やレトルト食品なども品ぞろえされています。
JHC(日本城)
こちらも同じく、日本製の日用品を扱うチェーン店です。地下鉄の駅の側にあることが多く、便利な立地も相まり人気を呼んでいます。
上述したLiving PLAZA by AEONよりも少しお高めの値段設定ですが、その分しっかりとした作りになっています。
店舗によって品ぞろえは異なりますが、大きな店舗では台所用品、生活雑貨、寝具洗剤なども販売されています。店舗によっては、家電を販売しているところもあるほどです。
無印良品
日本でおなじみの無印良品も、香港各地に展開しています。
品ぞろえは店舗の大きさによっても異なりますが、日本の商品展開とほとんど一緒です。
衣類、服飾小物、台所用品、寝具、文房具、化粧品、食品などが販売されており、一瞬、香港にいることを忘れてしまいそうになるほどです。
製品の質にこだわる企業イメージや商品のシンプルさが、地元のおしゃれな若者にも好まれている理由です。日本と比べるとやはり少し高い価格設定ですが、日本と同じ商品を楽しめる安心感が嬉しいですよね。
QIPS(キップス)
こちらは、文房具を中心に扱うおしゃれ雑貨ショップで、販売されているステーショナリーのほとんどが日本製です。日本で販売されているのとまったく同じパッケージで陳列されています。
近年香港では、日本製の文房具のクオリティーの高さが評判を呼んでいます。
「消せるボールペン」シリーズは画期的だと話題になり、人気の商品の一つになっています。少し値段は高いですが、質の良さと使い勝手の良さが好評の「トラベラーズノート」も不動の人気を誇ります。
日本人に対する感情やイメージは?
香港には日本企業がたくさんあり、日本人もたくさん住んでいます。日本旅行に行って日本人と接するだけではなく、日常でも日本人とかかわりを持つ香港人がわりと多いです。
日本人というだけで信用されやすい
私は以前、日系企業で働いていましたが、初めてのお客様でも、こちらが日系企業、日本人というだけで信用されるということがよくありました。
香港人の持つ日本人のイメージ
- 日本人はまじめ
- 時間を守る
- 誠実
- 正直で人をあざむくようなことはしない
- 人を疑うこともしない
などというイメージを持っているようです。
これは今までに海外で仕事をしてきた日本人たちが、実際にまじめに仕事をこなしてきたことの結果だと思います。日本人に仕事を頼めば大丈夫、と信頼してもらえているというのは、とても仕事がやりやすくありがたいことです。
上手く利用されることもある
ただ、人を疑わないというのは長所でもあり短所でもあります。
香港人はこれを逆手にとり、日本人だからなんでも信じるだろうと安物を高く買わせたりすることもあるので、この点はちょっと気をつけなければなりませんね。
まとめ
香港の人がこんなに日本を好きでいてくれるのは嬉しいことだなと思います。
香港人の日本人に対する印象は、ほとんどがよいものです。旅行で香港にやってきても、人種差別的なことでいやな思いをすることはほとんどないと言っていいでしょう。
日本政府に対しいい感情を持っていない人もいますが、日本人という個人に対しては好意的な人がほとんどです。今後も好意的な感情が続いていくように、お互いによい関係を作っていきたいものです。
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