外国の情報をインターネットで自由に入手できるようになった今でも、旅行という文化は廃れません。それは、その国の空気を肌で感じ取り、体験することに喜びがあるからでしょう。
一方で、旅行には楽しむだけでなく気をつけなけておかなければならないことが、その国ごとに存在します。
今回は、香港へ旅行・滞在をする前に知っておくべきことを紹介しましょう。
香港の言語
香港の旅を楽しむには、まず言語について正しい知識を持っておかなければなりません。アジア有数の多民族地域である香港ですが、やはり中華圏の人が多く住んでいます。
香港政府の統計によると、華人がおよそ90%、その他の民族が10%という割合となっています。
そんな香港では、かつてイギリス統治下にあったこともあり、英語が公用語のひとつになっています。英語さえ使えれば、差し当たって困ることはないでしょう。
とはいえ、最も使われているのはなんといっても中国語です。ひとくちに中国語といっても多くの種類があることはご存知でしょうか。香港で一般的に使われているのは広東語です。
中国語として広く知られている「ありがとう」の「謝謝(シェイシェイ)」も、広東語では「唔該 (ムゴイ)」と言うのです。
こうした簡単な広東語のあいさつを覚えていけば、香港で役に立つこと間違いなしです。
香港のおすすめの季節
香港旅行に適しているのは、11月から2月にかけての季節であると言われています。
クリスマスや旧正月には多くのお店がセールを行っているので、買い物もお得にできるのです。この時期は日本では真冬ですが、香港では平均12度から20度ほどの気温があるのもうれしいところ。
しかし、時おり10度を下回るような寒い日もやってくるので、最低限の防寒対策はしておきましょう。それ以外の季節では、7月下旬から9月頃にかけては台風が来るので避けた方がいいかもしれません。
香港滞在に必要なビザ
香港へ旅行に行く場合、日本国籍を持っている人ならばビザは必要ありません。
ただし、滞在日数が90日以内であることや、入国目的が観光またはビジネスであること、パスポートの有効期間が一定以上残っていることなどの条件が必要となっています。
また、旅行中に中国本土へ15日以上滞在する場合にはビザが必要となるのでご注意ください。
香港で日本の電化製品は使える?
香港で使用されている電気は、電圧が220v、周波数が50Hzとなっています。日本から持参した電化製品を使いたい場合は、変圧器が必要です。
また、電源プラグは3つの穴があいた角3ピンのBFタイプという種類なので、日本の2つ穴のAタイプとは形状が異なります。電源プラグのアダプターを貸し出しているホテルもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
香港の治安
香港は危険な地域というわけではありませんが、渡航前に必ず危険情報を確認しておきましょう。
近年はスリや強盗などの犯罪も増えているようなので、繁華街を歩く際には注意が必要です。バッグの口はしっかりと閉じておき、肩掛けカバンを斜めがけにするなどの対策を取っておくと良いでしょう。
また、香港では公的に認められたもの以外の賭博は違法行為となっています。カジノが公認されているマカオが近い地域にありますが、香港ではギャンブルをしないようにしましょう。
香港では空から降ってくるものに注意
香港ではマンションが鉛筆のように高く、鉛筆立てのように密集して立っています。そんなマンションの上からクーラーの水滴やゴミが落ちてくることがあります。
建物の1階部分にはひさしがついているところもありますが、ない場合は頭上に注意しましょう。
香港のWi-Fi環境
海外は日本よりもWi-Fiのフリーサービスが大きく普及しています。
日本ではセキュリティーがかかっていて外でのWi-Fiが使えないことが多いですが、外国ではいたるところにWi-Fiスポットが存在するのです。
それは香港でも同じで、公共施設をはじめ、ホテルや銀行、ショッピングセンターなどでもWi-Fiを使えることが当たり前になっています。
また、MTRでは自由に使えるフリーコンピューターが設置されています。旅行者にとってありがたいですね。もちろん、スマホなどを使う際には各自でセキュリティー対策をしておくようにしましょう。
香港の喫煙に関するルール
日本では喫煙者に対する風当たりが強くなって、ルールやマナーが定められてきています。香港でも同様に、喫煙に関するルールが決められています。
香港のルールは日本と少し異なり、レストランや商業施設の中など、屋内での喫煙が消防法によって禁じられています。したがって、屋外に灰皿付きのゴミ箱が置かれているのです。
もちろん、屋外でも禁止区域で喫煙してはいけません。タバコのポイ捨ても処罰対象になっているので、灰皿付きのゴミ箱がある場所で喫煙することにしましょう。
香港ではゴミのポイ捨ては禁止
香港では先に述べたタバコの吸い殻を含め、ゴミを路上に捨てる行為は法律で禁止されています。
その背景には、かつての香港の街中がゴミであふれていたことにありました。みんながそこら中にゴミを散らかすため、街全体が汚かったのです。
そこで、ゴミのポイ捨てを禁ずる法律を定め、現在ではキレイな街として栄えているのです。ゴミのポイ捨てが発覚すると1,500香港ドルの罰金が科せられます。
また、ゴミ以外に痰を吐く行為も罰則の対象となるのでご注意ください。そのようなルールがなくても、一般常識としてゴミのポイ捨てはしないようにしたいですね。
香港の交通機関には時刻表がない
香港ではバスや鉄道が主な移動手段となっています。しかし、日本と違って時刻表というものがありません。
バス停には到着する時刻ではなく、運転間隔が表記されています。つまり、最大でもそこに書かれた時間だけ待っていればバスが来ますよ、という意味です。
ミニバスやトラムにはそういった表記もなく、いつ来るのかわかりません。日本のような正確な運行ではないことに注意が必要です。
香港ではオクトパスカードを活用すると便利
オクトパスカードとは日本のスイカのようなもので、電車・バス・フェリー等すべての交通機関で使え、コンビニの支払いにも使えます。
いちいち切符を買わなくてよいのでとても便利です。一定額をチャージして使い、残れば払い戻しもできます。空港隣接のカウンターで手に入れることができるので、香港空港に着いたら準備するとよいでしょう。
香港の乗り物の中では飲食禁止
日本では駅に売店があり、駅弁などが売られています。これらは電車の中での飲食を目的として販売されているもの。
しかし、香港では公共の交通機関の中で物を食べてはいけません。飲み物を飲む人は見かけますが、うっかり乗り物の中で食べ物を食べたら白い目で見られることになるでしょう。
これは香港でのマナーであると同時に、法律で禁じられていることでもあります。MTRでは、乗り物の中で食事をすると2,000香港ドルの罰金が科せられます。
香港ではシートベルトは必ず締める
香港では車両に乗る際、シートベルトを着用することが義務付けられています。
それは公共の交通機関でも同じで、タクシーはもちろんのこと、バスやミニバスでのシートベルト着用も法律で定められているのです。
もしも未着用が発見されれば、5,000香港ドルの罰金または3ヶ月の禁固という罰則が与えられてしまいます。
また、そうでなくても香港の運転手は日本のバスやタクシーほど丁寧な走りをしないので、シートベルトはしておいた方がいいでしょう。
香港ではエスカレーターは左側を空ける
日本でもエレベーターには片側を空けて乗り、急ぐ人が歩けるようにするのが常識となっています。
しかし、日本ではどういうわけか東日本と西日本でどちら側を空けるのかがくっきりと分かれていて、東日本では左側に立って右側をあけ、西日本では右側に立って左側を空けるのが一般的です。
香港でも同じようにエレベーターの片側を空ける風習があり、空けるのは左側となっています。つまり、乗る人は右側に立つわけですね。これは日本でいう西日本のマナーと同じです。
香港の人には短気な人も多いので、うっかり逆側に立って進路を塞いでしまうと文句を付けられてしまうかもしれません。東日本に住んでいる人は間違えないように注意しましょう。
香港はB級グルメがうまい
香港ではいたるところで、軽く食べられるお店や屋台を見かけます。揚げ物からスイーツまで色々なものが売られているので、チャレンジしてみる価値ありです。美味いものは美味いのですが、当然のように外れがあります。
ぜひ挑戦してみてください。
香港ではウェットティッシュを持ち歩こう
ティッシュの携帯に関しては、香港のローカルの飲食店はおしぼりも紙ナプキンもないことが多いです。
まれにトイレに紙がないこともあるので、ティッシュもしくはウェットティッシュを常に携帯するようにしておくと、いざという時に役立ちます。
香港では一年中クーラーが効いている
香港の商業施設などでは、夏だけでなく一年中冷房が効いています。
亜熱帯地方に属し日本よりも温暖な香港では、クーラーが常に作動しているのです。かなりガンガンに効かせている場所もあるので、旅行で訪れる際には防寒対策をしっかりとしておきましょう。
暑いからクーラーを付けるのに防寒対策をするというのは本末転倒のような気もしますが、香港のクーラーの効き具合を甘く見てはいけません。
真夏に行くと外は汗をかくほど暑く、建物の中は震えるほど寒いという状況がよく訪れます。体温調節がうまくいかずに体調を崩してしまっては、せっかくの旅行も台無しになってしまいます。
薄手の長袖シャツを用意するなど、防寒対策をしておくことをおすすめします。
香港にはエコバッグを持参する
日本ではスーパーのビニール袋を有料にする取り組みが進んできているので、エコバッグを持っている人も多いのではないでしょうか。
意外なことに中国本土では日本以上にビニール袋の有料化が進んでいるのですが、香港ではさほど浸透していませんでした。
サービスでビニール袋を付けるお店が多かったのですが、2015年の4月から袋の有料化を販売者に義務付ける法律が制定されたのです。香港に旅行に行く際にはエコバッグを持参すると良いでしょう。
まとめ
以上、香港へ行く前に知っておきたいことをご紹介しました。
多くの項目で罰金制度が定められているため、香港はガチガチに縛られた場所だという印象を持った方もいるかもしれません。
しかし、それは間違いです。元々マナーの悪かった香港人や中国人を世界基準に高めるために、このような罰金制度を含めた法律が制定されていったのです。
つまり、こうした制度が多く定められていることによって、香港は住みやすく、観光客が訪れやすい街になってきたのです。
日本もマナーの良さでは諸外国よりも高い評価を受けている国です。そんな日本からの訪問者として恥じない行動を香港でも取りたいですね。
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