世界中どこであれ、生活するならまずはその拠点を定めなければなりません。
台湾の場合、首都・台北の賃貸情報は多いのですが、高雄の情報は意外と少ないのが現状です。では、どのように部屋を探せばいいのでしょうか。また、どんなことに気を付けなければいけないのでしょうか。
高雄に移住した私から、部屋探しについてご紹介します。
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高雄の人気エリアはどこ?
日本人は高雄市の中心部に住んでいる方が多いようです。MTR(地下鉄)も通り、車がなくても便利に生活できます。
また、鳳山という地域も人気。市の外れになりますが、MTRが通っているので交通も問題なく、中心部に比べて物価も安いです。
中山大学や高雄大学の周りは少し郊外になるものの、公共交通機関を使って市内に行くこともできます。近くにはスーパーやレストランもあるので暮らしやすいエリアです。
高雄の家賃の相場は?
不動産サイトで検索してみると、高雄の部屋の多くは以下の家賃から見つけることができます。
- 1DK:月10,000元(約34,000円)〜
- 2DK:月13,000元(約44,000円)〜
- 3DK:月15,000元(約51,000円)〜
これは、台北市と比べるとかなり安い金額です。インターネット代や水道代などが含まれていることもあります。
ベッドやタンス、机などの家具や、冷蔵庫、洗濯機などの生活に必要な電化製品が完備されている部屋も多いので、不動産屋のサイトを見て比較してみましょう。
高雄の部屋探しにはネットが便利
一番手軽な部屋の探し方は、インターネットサイトを利用すること。
使い方は日本の部屋探しサイトと同じです。希望の場所、家賃、広さなどを入力すれば、写真入りで情報が出てきます。
一般的に、部屋の面積は坪数で表記されています。「◯畳」という表現はしないので、慣れるまで時間がかかるかもしれません。また、日本のように間取り図がないため、気になる物件を見つけたらとりあえず見学に行ってみましょう。
部屋探しに使えるサイト
591房屋交易
スマホアプリもあるので非常に便利です。アプリはGoogleプレイストアからダウンロードできます。
臺灣租屋網
各部屋の詳細な情報を何人が見たのかが記載されているので、人気の物件が一目で分かります。
信義好好租
地名などのほか、必要な設備(冷蔵庫、洗濯機、除湿器など)で検索することもできるので便利です。
基本の不動産用語をチェック
ご紹介したサイトでよく出てくる、中国語(台湾語)の不動産に関する基本の用語を確認しておきましょう。
物件の種類に関する用語
- 整層住房
一戸建て一棟、またはアパート一戸などをまるまる借りられるタイプです。友だち何人かとシェアしたい時に便利です。
- 套房
トイレとお風呂が付いている部屋。
このうち「分租套房」は、玄関は共用でトイレ・お風呂付きの部屋がいくつかあるタイプの物件で、いわゆるシェアルームを指します。
- 雅房
トイレやお風呂が共用のシェアルームです。
昭和の大学生の下宿先のようなイメージがあるかもしれませんが、とても綺麗でセキュリティーもしっかりした雅房もたくさんあります。家賃も比較的お手頃なので、節約したい方や共用が気にならない方に人気があります。
お金に関する用語
- 家賃
「租金」と表記します。例えば「10,000元/月租」と書いてあった場合、1カ月の家賃が10,000元という意味です。
- 保証金
「押金」です。「押金1個月」とあるなら、保証金として1カ月分の家賃に相当する金額が必要という意味です。
高雄の部屋探しで気を付けたいポイント
タイミングが早すぎてはダメ
日本では、引っ越しの数カ月前から物件をチェックして下見に行って……というのが普通ですよね。
でも、台湾ではそうではありません。引っ越しの2週間前から部屋探しをスタートさせる場合が多いのです。
大家さんは、部屋に誰も住んでいない空白期間をできるだけ短くしたいものです。そのため、部屋をキープしておくという感覚はなく、借りたい人がいたらその人に貸してしまうのです。
そのため、「1カ月後に引っ越しだから部屋を見たい」と頼んでも、「そんな先ならダメだ」と断られてしまうこともあります。
同じアパート内に空き部屋がある場合も
サイト上に出ていなくても、同じアパートの中にいくつかの部屋を所有している大家さんもいます。
そのため、希望の部屋が埋まってしまった場合などは大家さんに「このアパートの中や近くに、他にも部屋はないですか?」と尋ねてみるのも手です。
また、アパートの1階にはたいてい管理人室があります。管理人が空き部屋についての情報を持っていることもあるので、そこで聞いてみるのも方法の一つです。
エレベーターの有無
台湾では5階以上のアパートでもエレベーターがない場合もあります。体力に自信がない方などは、エレベーター付きかどうかを確認しましょう。
周囲の環境や方角
日本と同様、大通りに面する部屋はやはり賑やかです。車の交通量はどうか、夜まで営業している飲食店が立ち並んでいないかなど確かめるとよいでしょう。
また、方角も要チェックです。
日本では日の当たる南向きの部屋が好まれる傾向がありますが、台湾は夏が長いため非常に暑く、冬も暖かいです。南向きの部屋では1日中エアコンを稼働していても暑くて耐えられないということもあります。
そのため、北向きの部屋を好んで探す方も多いようです。
大家さんがどこに住んでいるか
台湾では、投資目的でマンションを所有している人も多いため、大家さんが遠くに住んでいたり外国に住んでいたりすることもあります。
大家さんが遠くに住んでいると、場合によっては家具等が壊れた時に連絡がなかなかつかなかったり、対応をしてくれなかったりというケースもあります(逆に近くに住んでいると、ちょくちょくやって来て面倒だという意見もありますが)。
なお、大家についての注意点はあらためて後述します。
高雄での賃貸契約に必要なもの
契約の際には、
- パスポート
- 印鑑
- 保証金 など
が必要です。これ以外の書類などを求められることもあります。
契約に必要な費用
入居に伴って、保証金(押金)が必要になります。大体、家賃の2カ月分が相場です。保証金は日本でいう敷金と同じで、部屋を出る時に返還されます。
さらに、不動産業者を通す場合は仲介料が別途必要です。
なお、内見の際に即決で契約する場合、内金が必要になることもあります。念のため家賃半月分程度の現金を用意していくといいでしょう。
高雄での家賃の支払い
金額や支払い方法は交渉可能
家賃は毎月払う、3カ月分または半年分をまとめて払うなど、大家さんによって異なります。最初にまとまったお金が必要になることもあるので、希望がある場合は大家さんと交渉してみましょう。
交渉すれば安くしてくれることが多いです。日本人の感覚では、家賃交渉するというのはあまり一般的ではないですが、台湾では当たり前に行われています。
数カ月分まとめて支払うから月々の家賃を少し安くしてください、とお願いすることも可能です。
もちろん、希望が通るかどうかは分かりませんが、入居前にしっかりと交渉してみましょう。
家賃以外の追加費用も
アパートの場合は管理費がかかります。
また、賃貸契約は半年または1年単位のことが多く、契約期間の途中で退居する場合は違約金を取られることもあります。
高雄で快適に生活できるかどうかは大家(房東)にかかっている
一人暮らしであろうが共同生活であろうが、住んでいればやはりトラブルがあります。例えば、
- お湯が出なくなる
- ガスがつかなくなる
- 上の階の部屋から水漏れがする
- 隣の部屋がうるさい
- エレベーターが故障する
なども多いです。
そんなトラブルをすぐに解決して快適に生活できるかどうかは「大家さん次第」とも言えます。ちなみに、大家さんは中国語で「房東」です。
人柄が対応を大きく左右
例えば、高雄の高級マンションに住んでいたとしても上の階からの水漏れはよく起こります。そんな時には大家さんに連絡することになるのですが、3週間たっても直しに来ないということもあります。
また、備え付けの家電やトイレ、シャワーなどが壊れた時、大家さんの性格で対応が決まります。
高雄は全体的にのんびりとした人が多いので、なかなか対処してくれないことが多いです。そんな時は時間がかかるのは仕方ないと思ってあきらめるか、何度も催促しましょう。
高雄での部屋探しの奥の手:知り合いから借りる
さて、ここまでは自力で探すことを前提に話を進めてきましたが、高雄では知り合いや友人から部屋を借りる人も多いです。
実際に私も高雄へ移住する時、知り合いが経営するシェアハウスの一室を借りました。特に外国人はシェアハウスに住んでいることが多いです。
住み心地よく家賃も安い
3階建てのシェアハウスで、1階には共同のダイニングキッチン、洗濯室、リビング、シャワー室(トイレ)があり、中2階に1つ、2階と3階に2つずつ部屋があり、7人ぐらいが住んでいます。
キッチンは共同ですが部屋は完全に独立。各部屋には専用のシャワー室が付いており、家具・家電完備といった具合です。
高雄市の閑静な住宅街にあり、地下鉄の駅まで徒歩3分。知り合いからだとかなり安く借りることができ、これで家賃は1カ月5,000元(約17,000円)程度です(光熱費、ネット代は別)。
まとめ~信頼できる貸し手を見つけよう
高雄は都会ですが、台北と比べると家賃や物価が安く暮らしやすい街です。
日本人は部屋をきれいに使い、トラブルを起こさない人が多いので、日本人には積極的に貸してくれる大家さんも多いです。
まずは、いろいろな物件を見たり、大家さんと会ってみたりして様子を探り、信頼できる人から借りるようにしましょう。
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