皆さんはコミコンというイベント名を聞いたことがありますか?日本にも輸入されて、東京コミコンとして、去年はマーベルコミックのレジェンド、スタン・リーを迎え、アメリカンコミックカルチャーを日本に紹介するイベントでした。
今ではアメコミ映画の成功によって世界に広がり、さまざまな国でコミコンが開催されています。
コミコンはもともと、アメリカで誕生したイベントなんですよ。今回はコミコンの歴史、アメリカで開催されている大きなコミコンについて紹介したいと思います。
コミコンとは?
コミコンとはコミック・コンベンションの略で、もともとはアメリカン・コミックファンのためのイベントでした。今では多くのジャンルの作品が取り上げられ、ポップカルチャーの祭典として親しまれています。
会場の半分はコミケのようにファンによる物販のブースがあり、さまざまなグッズが売られています。また公式の映画や漫画も多くのブースを構えています。
アメリカと日本のコミケの違い
日本のコミケとは違い、ファンフィクションは本ではなくイラストが中心です。公式を真横にしての二次創作活動となるので、過度な表現が少ないのも特徴かと思います。
最近はステージ上で行われるパネル・ディスカッションが大きな注目を集めており、そこにはコミックライターや編集者はもちろん、コミック原作の映画の監督やキャストが(最近はコミック原作でなくてもSF、ファンタジー系の作品は多く取り上げられています。)登場し、最新作の宣伝やQ&Aが行われファンを沸かせます。
場所によっては有名作品で役を演じた俳優や声優、コミック・ライターのサイン会も開催されていて、憧れのあの人と2ショット写真を撮ることもできます。
またコミケと同じようにコスプレも大人気で、会場ロビーにはさまざまな作品から飛び出したようなキャラクターたちがひしめいています。日本のように更衣室はなく、どのキャラクターも自宅からキャラクターの姿のままやってくるのは、あまり人目が気にならないアメリカ人の国民性からでしょうか。
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コミコンの歴史
もともとコミコンのアイデアのもとになったのは、1939年にニューヨーク市で開催されたSF大会です。これはSF(サイエンス・フィクション)やファンタジーのファンが集い、作品を発表したり、意見交換をするものです。
また投票によって、前年で一番よかったサイエンス・フィクションを決めるアワード的な要素も組み込まれています。
太平洋戦争で一時中断したものの、1946年からは毎年開催されています。日本にも日本SF大会として1962年に輸入され、コミケの開催形態の元になったイベントです。日本でもその後毎年開催されています。
また1962年にジェリー・バイルズを中心に、アメリカンコミックファンのためのイベント“Academy of Comic Book Fans and Collectors”(アカデミー・オブ・コミックブックファンズ・アンド・コレクターズ)が始まりました。
このイベントは初期は会員制のもので、初回のイベントには20人ほどが集まりました。その後もイベントは毎年開催され、1965年には会員は2000人を超えました。
しかし、1960年後半には会員は減少し、イベントのチケットも売れなくなり、1970年のイベントが最後となってしまいました。
1964年にはコミコンという名前では最初のニューヨーク・コミコンが開催されました。1日限定の開催で、16歳のバーニース・ボブニスが主催しました。
ゲストにスタン・リーと共にマーベル・コミックスのスパイダーマンやドクター・ストレンジのクリエイターを勤めたステファン・ディトコ、ビッグアップルコミックスやマーベルコミックスで編集者を務めたフロー・ステインバーグ、ローンレンジャーの作者であるトム・ギルらがゲストとして登場しました。
100人ほどのコミックファンが訪れたとリポートされています。
1965年にはミシガン州のデトロイトで初の毎年開催型のコミコン、デトロイト・トリプルファンフェアが開催されました。2日間開催で初年度は200人ほどのファンが来場しました。その後毎年7月に開催され、1978年まで続きました。
1970年にカリフォルニア州のサンディエゴで”Golden State Comic Book Convention”(ゴールデンステイト・コミックブック・コンベンション)が3月に一日限定で開催されました。
来場客は100人ほどで、この初回はテスト開催のようなものだったようです。またその年の8月にはUSグラントホテルにて3日間のコミコンが開催され、そこでは300人ほどの来場者が訪れました。
1991年にサンディエゴ・コンベンションセンターに移るまでは毎年ここでコミコンが開催されました。このサンディエゴ・コミコンが世界最大のコミコンとして現在一番有名で、サンディエゴ・コミコン・インターナショナルとも呼ばれます。
その後次々に多くのアメリカの都市でコミコンが開催され、アメリカのコミック文化、ポップカルチャー文化も大きく花咲いていきました。
主なコミコン
ここではアメリカで開催されている大きなコミコンを紹介したいと思います。
サンディエゴ・コミコン・インターナショナル
世界最大のコミコンイベント。毎年7月のどこかの週末の3日間を使って開催され、世界中からコミックファンたちが訪れます。2018年は7月19日から7月22日に行われます。
2017年は多くの話題作のキャストが会場に駆けつけました。キングスマン:ゴールデンサークルからはコリン・ファース、ハル・ベリー、チャニング・テイタムらが最新作についてパネル・ディスカッションを行いました。
ソー・ラグナロクからはクリス・ヘムズワース、トム・ヒドルストン、マーク・ラファロが会場に現れ、映画のポスターを大公開しました。
今年も多くの話題作のキャストが集まることが予想されます。最新情報もいち早くここで解禁されることが多いので、忘れずチェックしましょう。
- サンディエゴコミコンオフィシャルサイト: https://www.comic-con.org/
LA コミコン
マーベルの伝説のクリエイター、スタン・リーが主催するコミコン。LAコンベンションセンターで10月最後の週末に行われます。
スタン・リーコミコンや、神風から文字ったコミカゼ・エキスポとも呼ばれています。いつもハロウィーンの時期なので、コスプレイヤーはハロウィーンの前哨戦にやってくるので、気合の入ったコスプレ・ブースは必見です。
スタン・リー主催だけあり、毎日会場のどこらかしらに現れます。彼はマーベルの人なので、マーベル関係のブースがたくさんあります。
昨年はジュマンジからロック様こと、ドウェイン・ジョンソンや、ブラックアイド・ピーズが駆けつけて会場を沸かせました。
日本から来る場合にはサンディエゴに比べて移動時間が少なく、チケットも争奪戦がなく、比較的気軽に参加できるコミコンです。
毎年当日券も売り切れは滅多になく、子供はチケットが無料なので子供連れにも優しいコミコンです。
しかし、LAマラソンが毎年同じ日付であるので、ダウンタウンLA周辺の道路が封鎖され、渋滞が起こるので、時間に余裕をもって行動するのが良いでしょう。パーキングも探すのが難しくなるので、公共交通機関の使用をおすすめします。
- LAコミコンオフィシャルサイト:http://comicconla.com/(2018年5月現在ウェブサイトは工事中です)
ワンダーコン
3月の最終週のイースターウィークエンドに行われる、サンディエゴ・コミコンの姉妹コミコンです。もともとは別の運営で行われていましたが、4年前からサンディエゴ・コミコンの運営と合併しました。
LAコミカゼと同じダウンタウンのコンベンションセンターで2016年は行われ、2017年はアナハイム・コンベンションセンターで行われました。
2018年もまた、アナハイム・コンベンションセンターで行われました。
今年はレディプレイヤーワンの原作小説の作家のアーネスト・クラインや、ネットフリックス・オリジナルシリーズのロスト・イン・スペースのキャストやクルーが参加していました。
その他にも毎年たくさんの声優や有名コスプレイヤーが参加しています。
- ワンダーコンオフィシャルサイト: https://www.comic-con.org/wca
エースコミコン
シアトル、ロングアイランド、アリゾナ、グレンデールなど、アメリカのさまざまな都市で不定期開催されているコミコン。エースコミコンの何よりの目玉は豪華ハリウッド俳優たちに会えることです。
過去には、キャプテン・アメリカのクリス・エヴァンス、ウィンター・ソルジャーのセバスチャン・スタン、スーパーマンのヘンリー・カヴィル、ワンダー・ウーマンのガル・ガドットなど主にマーベル、DCコミックスのスーパーヒーローたちが多く参加しています。
2018年6月のシアトルでのイベントでは、ソーのクリス・ヘムズワース、ロキのトム・ヒドルストン、スパイダーマン・ホームカミングのトム・ホランドと、豪華なゲストが参加する予定です。
- エースコミコン・オフィシャルサイト:http://www.aceuniverse.com/
サンディエゴ・コミコンチケット攻略法
10万人以上が参加する世界一大きなコミコン、サンディエゴ・コミコンは人生で一度は行ってみたいイベントです。今回はそんなサンディエゴ・コミコンに行くためのチケット購入方法を紹介します。
メンバーズIDを作る
サンディエゴ・コミコンのチケットは、今や発売開始から秒殺で完売してしまうチケットです。購入できる可能性は10%以下とも言われています。
当日券も以前はあったのですが、毎年参加する人が増えたため、今では全チケットが事前販売制となりました。
毎年約半年前の12月頃に販売されます。この発売日のお知らせを受け取り、購入するには、事前に公式サイトから加入できるコミコン・メンバーズIDが必要になります。これであなたの情報を登録することができます。
購入申し込みをする
更に発売日の何週間か前に購入申し込みの期間があり、その期間しか購入申し込みの登録ができません。発売日当日に申し込むのでは間に合わないのです。
かつコミコン・メンバーズIDが購入申し込み期間までにないと、購入申し込みの権利も与えられませんから、まず、最初にコミコン・メンバーズIDを作るのを忘れないようにしましょう。
購入申し込み期間が開始されると、事前にコミコンから送られてくるEメールにあるURLに飛び、同じEメールで送られてきたコードを入力すると1時間有効のWaiting roomにログインすることができます。
その後、あなたがどの日にち、時間にチケット購入ができるかが表示されます。これはスクリーンショットやメモをして保存しておきましょう。時間は西海岸の時間で表示されるので、日本との時差で時間を間違えないように注意しましょう。
チケットを購入する
そして、先ほどメモした販売時間にまたEメールにあるURLからログインし、先ほどのコードを入力しましょう。そうすると購入申し込みのときと同じようにWaiting roomに入ります。
このときは皆が同じタイミングでログインするのでサイトはとても重くなり、青い丸が表示されたまま、動かなくなってしまうケースが多々発生します。
ここが運命の分かれ目で、もしもこのページから違うページに飛んで、何枚チケットを購入するのか聞かれるページに行くことができたらラッキーです。
しかしこのページに飛ぶまでに20~30分も青い丸のまま、待たなければいけないことが多いようです。
Waiting roomの有効期限は1時間。1時間経って青い丸のままだったら購入失敗という意味です。
購入人数確認のページまでいけてもまだ安心はできません。すばやく人数を設定し、購入しましょう。
また複数人のチケットを購入するときに、一緒に行く人のプロフィールIDを登録する必要がありますから、その人も事前にコミコン・メンバーIDと購入申し込みの登録をするのを忘れないでください。
その後にどの日にちに行くか選択することができます。そして購入ボタンを押します。
その後Congratulationと表示されブルーのチケット番号が表示されます。これを印刷、スクリーンショットしておきましょう。
また複数枚の購入ができるので、グループで大量購入する人がいたり、転売屋が先にチケットを買って売切れてしまう恐れもあるので、この画面にたどり着いたら急いで購入ボタンを押しましょう。
またチケットの販売情報や、購入申し込みの登録期間はツイッターが一番情報が早いのでフォローし、ツイートのお知らせを受け取れるように設定しておくことをおすすめします。
コミコンで楽しみたいエンターテイメント
コミコンでは有名人ゲストのトークショーやコミックやグッズの販売のほかに、ファングループによるエンターテイメントも行われています。
コミックにちなんだインプロショーや、キャラクターのコスプレをして行われるミュージカルや、スタンドアップ・コメディーショーも行われています。
私もスタン・リー・コミコンやサンフランシスコ・コミコンでインプログループのコミック・ブクライブの一員として、マーベルコミック・ヒーローに扮してショーを行いました。
https://www.youtube.com/watch?v=2Svw4GEd-J4
また、今年「ソロ」というスターウォーズのハン・ソロを主人公にした映画が公開されますが、そのハン・ソロの親友のランドーを主人公にしたミュージカル「ラ・ラ・ランドー」にもR2D2の役で出演しました。
タイトルはあの大ヒットしたミュージカル映画「ララランド」のもじりです。
https://www.youtube.com/watch?v=kO-T-GAp9Oo
Youtubeの動画から是非コミコンの気分を味わってみてください。
まとめ
アメリカのポップカルチャーのお祭り、コミコンについて紹介しました。有名人もたくさん参加する、アメリカらしいとっても豪華なイベントで、最近は日本のアニメやゲームのキャラクターもよく見かけます。
ポップカルチャーは人種や国を超えてファンをひとつにするものだと思い知らされます。今では、コミックという枠にとらわれず、たくさんの文化が混ざり合う異文化交流の祭典コミコン。是非参加してみてはいかがでしょうか?
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