「ショービジネス」と聞くと、多くの人は歌や踊りをはじめとする「特定の技能を持つ人の仕事」を思い浮かべると思います。
しかし、音響や衣装、ステージの照明や旅の手配など、様々な裏方の仕事によってショーは成り立っています。「多くの国を旅したい」「色々な国の人と知り合いたい」というような旅好きには特におすすめの仕事です。
しかし、働くにあたって欠かせないのがお給料。きちんと暮らしていける基盤がなければ、身を投じることができませんよね。そこで、世界のトップを争うアメリカのショービジネス会社で数年働いた私の給料事情をお教えします。
※1ドル=約110円
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アメリカのショービジネス界の仕事とは
ショービジネスとは
ショービジネスとは、歌や演劇などを観客に提供するエンターテインメント業です。日本でも劇団四季や吉本新喜劇など、多くの舞台がありますね。
アメリカのショービジネスは、国内外の劇場を転々とするものもあれば、同じ劇場で演目などを替えながら行うもの、またはクリスマスなど特定の時期に開催するものなど様々です。
フィギュアスケートをやっていた私は、アメリカを拠点とするFeld Entertainment社で2年間、アンサンブルスケーターとして働きました。
ショーを支える様々な仕事が存在
アイスショー以外にもサーカス、バイクパフォーマンスなど様々な分野があり、アイスショーは8つほどのグループに分かれて世界各地で公演しています。
全体の従業員数は3000万人と大規模ですが、1グループのアイスショーに携わる従業員は約120名で、そのうち40名ほどがパフォーマー、30名ほどが裏方、その他が飲食やお土産などの販売員です。
年齢層は18歳から60歳近くまで様々で、重要なことは「きちんと仕事ができるか」ということだけでした。
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[/col][col][/col][/2col]アメリカのショービジネス界での給料はいくら?
パフォーマーである私の場合
毎週違う土地へ移動しながら公演していたので週給制でした。
ツアーは約9ヶ月間行いますが、最初の約1ヶ月はリハーサル期間です。その間は時給が8ドル(約880円)と安いものの、ホテル代は免除されます。
実際に公演が始まると、1年目の時給は15.75ドル(約1,750円)、2年目は16.5ドル(1,820円)でした。長く続けるごとに時給が上がる仕組みだったので、10年以上働いているベテランの方も多かったです。
手取りは週あたり約4万円
1週間に約40時間働く計算で、週給(1年目)は630ドル(約69,300円)。
そこから
- 税金73ドル(約8,030円)
- 医療保険費16ドル(約1,760円)
- 各州の税金10〜20ドル(約1,100~2,200円)
- 社会保障費41ドル(約4,510円)
- ホテル代約100ドル(約11,000円)
を差し引いた約380ドル(約41,800円)が実際に受け取る額です。
ただ、アメリカ国内ツアーでは州によって税金やホテル代が異なるため、毎週の給与額にばらつきが出ます。
あいにく私はアメリカツアーしか経験していないので詳しいことはわかりませんが、ヨーロッパやアジアを周る場合もドルで支払われるものの、中には税金を取られない国もあるので、アメリカよりもお金が貯まると聞きました。
裏方と販売員には特別手当あり
裏方や販売員は、パフォーマーより早く会場に出向いて施設のセットを行う必要があります。ショーの合間にも、道具などが壊れていたら修復、衣装が破れていたら修繕し、次のショーで売るためのポップコーンなどを作る作業を行います。最終公演が終わると施設を片付け、トラックに資材を詰め込んでから次の土地へ出発します。
そのため、裏方や販売員は特別費用をもらえますが、働く時間が多く休日が少ないです。
給料の支給は銀行振り込み
私の場合は、入社後すぐにバンク・オブ・アメリカ銀行に口座を開設し、そこに毎週振り込まれていました。アメリカの銀行の口座を持っていれば大丈夫でしょう。
アメリカのショービジネス界でのボーナス・手当と罰金
ボーナス
人気のある公演や大きな都市では公演数が多く、1日3回のショーが4日以上続いた場合には特別なボーナスがもらえます。また、休日などを返上して働かなければいけない場合もボーナスが出ます。
パフォーマーの場合は役柄ごとにもらえる金額が異なるので、練習してディレクターに認めてもらえればよりよい役柄で出演することができ、時給も上がります。
副職
自分の仕事以外にも、ウィッグの修繕係やスケート靴のブレード研磨係、簡単なスナックを用意して販売するコーヒースタンド係、移動の際の荷物を積む係など、多くの副職があります。
スポットに空きがあれば、簡単な練習や研修を行った後に仕事をもらうことができ、毎週30ドル(約3,300円)ほど給料に上乗せしてもらえます。中には販売員の仕事を手伝ってお小遣い稼ぎしている人もいました。やる気次第で収入を増やすことが可能です。
交通費
ツアーコーディネーターによって、会場やホテル、移動のバスや飛行機の手配が行われ、すべては会社負担です。ホテルと公演会場の距離が遠ければシャトルバスが用意され、練習や準備等で必要になった交通費は払い戻してもらえます。
罰金
私が所属していたFeld社では、Fine(罰金)と呼ばれる制度を設けていました。
パフォーマーだけでなく裏方に至るまで、ショーが始まる前のチェックイン(タイムカード打刻のようなもの)や準備、タバコなどについて細かいルールが設けられており、それらを破ると5~15ドル(約550~1,650円)を支払わなければなりません。
また、寝坊などによって練習やショーなどを欠席した場合、給料の12分の1(約50〜70ドル、約5,500~7,700円)の支払いが課せられます。
Fineで集まったお金は最終的にチャリティーに寄付されます。
アメリカのショービジネス界で働いて得られる特典・メリット
従業員特割
住居となるホテル
毎週ホテル住まいでしたが、大幅な割引が適用されていました。ほとんどのホテルには朝ごはんが含まれており、ジムやプールも利用もできたので、生活に不自由はなかったです。
ショーのチケット
Feld社では、従業員は格安または無料で同社の手掛けているショーのチケットをもらうことができ、公演地が近ければ観に行くことができました。
他の国で行われているショーにも適用されるので、日本にいる家族や友人のためにチケットを確保することも可能です。
提携会社の商品購入
バイクや車のパフォーマンスショーで他会社と提携しているので、Advance Auto Parts(車会社)の商品を20%オフで購入できます。また、Dellのパソコンも割引価格になります。
レンタカー
アメリカツアーではバス移動がほとんどですが、ときには飛行機で移動することもあるため、自家用車の使用は難しいです。そのため、観光や買い物はタクシーやレンタカーの利用が避けられず、どうしても出費がかさみます。
その負担を軽減するため、Budget Rent A CarやAvis Rental Careで安く車を借りることができます。
お金に代えられないメリット
世界中の人と友達になれる
ホテルは2人で1部屋を共有するので、すぐに友達ができます。1日3回公演の日には、間の時間を会場で過ごすことが多く、話す機会がたくさんありました。
様々な国の人が働いているので、世界各地の人と友達になれますよ。
世界各地を旅できる
ショービジネスでの最大の特典はやはり、世界各地を旅できるという点です。もちろん仕事で出向いているので観光に十分な時間が得られない場合もありますが、働きながら様々な風習や文化が感じられる仕事は他にあまりないのではないでしょうか。
アメリカツアーではトラックで資材を運ぶので、次の公演までの休みは数日間ですが、アジアやヨーロッパのツアーでは船などで運ぶため休日が長くなる傾向にあります。その場合は母国に帰国することもできますが、残って観光を楽しむことも可能なようです。
前述した通り、私はアメリカツアー以外の経験がないのですが、中には外国へ行くためにこの仕事を選んだ人もいて、ショービジネスの醍醐味だなと感じました。
契約により働く場所を選択可能
すべてのショーは例外を除いてアメリカ西部、アメリカ東部、アメリカ中部、アジア、ヨーロッパ、南アメリカなどのルートをたどります。そのため、同じショーに留まっていれば世界各地を旅できますが、中には家庭の事情などで祖国に近い場所で働きたい場合があります。
ショーの内容が変わりやすく、世界中を移動する仕事柄、パフォーマーと裏方は1年契約です。毎年、翌年の契約について話し合う機会があるので、個人の要望に合わせた移動が可能です。
アメリカで払う税金は?どれくらい戻ってくる?
前述したように、73ドル(約8,030円)の税に加えて各州の税金約10〜20ドル(約1,100~2,200円)を毎週支払います。よって毎月300〜400ドル(約33,000~44,000円)の税金を支払うことになり、9ヶ月では約3,000ドル(330,000円)です。
ホテル代や公演に必要な物資も税金還付対象になるので、レシートや給与明細を保管しておく必要があります。
確定申告
恥ずかしながら、私は当初英語が全くわからなかったので、知人に税金の申告を手伝ってもらいました。確定申告は毎年12月が締め切りで、1月分からは次の年の確定申告時に計算されます。
私の勤務したアメリカツアーは、8月から翌年の5月までが実際に働く期間でした。私が採用された時期にはもうツアーが始まっており、ビザなどの取得で実際に現地に到着したのは11月だったので、初年度の税金はないに等しい状態でした。
次の年は前年の分を足しておよそ2,000ドル(約220,000円)ほど還付されました。その年で退職しましたが、1月から5月までの税金およそ1,000ドル(約110,000円)が翌年に返ってきました。
まとめ~給料だけでは計れない価値
世界には驚くような場所や出来事がたくさんあり、行ってみて初めて知ることや感じることがあるはずです。たとえ特技がなかったとしても、アメリカのショービジネス界ではやる気があれば世界各地で仕事ができます。
もちろん最初は給料も安いですが、それでも世界を周れるならば価値があります。働き続ければ要領を得て、可能なことや知識が増え、それがあなたの特技となります。
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