フィリピン・マニラの語学学校で働く私のお給料事情とは

計算 フィリピンでの働き方

私はフィリピン・メトロマニラの都心にある英語学校で働いています。勤めて早3年が経ちました。

フィリピンは私にとってとても居心地がよい場所で、ここで働くことにすっかり慣れてしまい、なかなかこの国から抜け出せない状況になっているところです。

ここでは、将来フィリピンで働くことを考えている方のために、私のお給料事情をご紹介したいと思います。

※1フィリピン・ペソ(以下ペソ)=約2円

フィリピン・マニラで私が働く語学学校と私の仕事内容

黒板

生徒の8割が日本人

私が働く英語学校は本社が日本にあります。生徒さんは、日本から来る方が8割、ほかに中国、韓国の方がいます。生徒さんの年齢は20歳から40歳までが一般的で、男性も女性もどちらもいらっしゃいます。

月曜日から金曜日まで、午前中は9時から12時、午後は13時から17時までみっちりと授業が行われます。土日は学校は閉まっています。

特に会話を重視

皆さんもご存知の通り、日本で育った日本人にとって英語をしゃべれるようになるのは難しいですよね。日本の学校のカリキュラムは英会話には適していないと言われることも多いです。

私たちの学校では、会話を重視しています

マンツーマンレッスンだけでなく、グループで行うディスカッションの授業もあり、生徒さんが飽きないようフィリピン人の講師たちが日々授業の内容を楽しく面白くしようと頑張っています。

フィリピン人の講師はとても元気で授業も活気があります。私たちの学校では女性の講師の方が多く、フィリピンでは女性の方が元気があってよくしゃべると言われているぐらいなので、教室が静まりかえってしまうことはまずないです。

フィリピン人講師だけで約40名在籍しています。

カリキュラム

講師の管理や生徒さんのサポートが私の役割

私は日本から派遣されたたった一人の日本人として、フィリピン人のマネージャーたちと一緒に、講師たちの出勤管理や採用等の人事管理から生徒さんたちのカリキュラム作成まで行っています。

フィリピン人のマネージャーたちは賢く英語にも堪能なので、一緒に働いていると刺激をもらえ、とても良い職場環境だと私は思っています!

講師とともに授業のカリキュラム作成

生徒さん一人ひとりに合った英語学習のカリキュラムを組むにあたり、生徒さんの学習状況やスキルの伸び具合などを把握するため、講師たちからのヒアリングを大切にしています。

各講師は生徒さんのことをよく見ているので、もっとリスニングの授業が必要、もっと議論をするような授業を入れよう、などアイディアがどんどん出てきます。

講師が自発的に意見を述べてくれることで熱く話し合う環境が自然とでき、より良いカリキュラムを作成することができているので大変助かっています。

英語学習の悩みを解決

パソコン

生徒さんたちは英会話を初めて習う人がほとんどです。フィリピンに来たばかりの頃は悩みが多く、どのようにして英会話を勉強すればいいかわからないという方も多いです。そのような生徒さんに対し、アドバイスをする時間も設けています。

TOEICの点数が高くても、会話となるとなかなか思うようにいかず、流暢にしゃべれるようになるまで時間がかかる生徒さんが多いです。

「知っている単語はたくさんあるのに、それを使って発言できない!」「頭の中の日本語をなかなか英語に訳せなくて話せない!」という悩みを持つ生徒さんがたくさんいらっしゃいます。

そんな悩みを、一人ひとりに合った学習方法を紹介しながら解決していくというのも私の仕事です。

フィリピン・マニラの語学学校で働く私の給与

ペソ

さて、みなさんが一番気になるのがお給料ですね。先に述べた通り、私の勤めている会社は日本に本社があるので、日本でもらう額面と同じくらいの額をいただいています。

フィリピンで働く日本人の給与相場は、安いところで60,000ペソ(約120,000円)、高いところで150,000ペソ(約300,000円)です。

これは税金や社会保険料を引かれる前の値段です。さらに、手当がつく前の基本給になります。この基準で言うと、私の給与額はやや高めに位置しています。

なお、フィリピンの給与の平均は月約15,000ペソ(約30,000円)です。つまり、外国人は現地従業員の何倍もの金額を受け取っていることになります。

各種手当

フィリピンの会社は各種手当の制度があるところがほとんどです。その種類には日本では考えられないようなものもあります。さらに、手当は全て「非課税」対象です。

  • 住宅手当:
    外国人の従業員のみが対象の会社がほとんどだと思います。都心部のマンション一室の家賃相場は月30,000ペソ(約60,000円)~ですが、私の会社ではその半額の月15,000ペソ(約30,000円)の住宅手当が支給されます。光熱費、水道代などは、家賃とは別に支払いをしています。
  • 交通費:
    私の勤務先ではどのポジションの従業員であっても一律月2,000ペソ(約4,000円)です。家が職場に近い人も遠い人も、全員同じ金額を給与とは別に受け取っています。
  • 食事手当:
    私は月150ペソ(約300円)支給されています。
  • 制服手当:
    しっかりしたフォーマルな服装で出勤できるようにとこの手当を設けている会社が多く、私の会社では月150ペソ(約300円)です。
  • 米手当:
    食事手当とは違うのか……と驚きましたが、フィリピン人はお米をよく食べるからでしょうか。私の会社では月100ペソ(約300円)受け取ることができます。

税金・社会保険料

書類

たくさん手当がついているように見えますが、もちろん引かれるものもあります。

  • 税金:
    前述した通り、外国人の給与額は高いです。そのため、税金の割合も高く30%となっています。毎月、給与の3割が天引きされます。
  • SSS(ソーシャル・セキュリティ・システム):
    フィリピンの年金制度です。ごくわずかな金額が毎月天引きされます。私の場合は約500ペソ(約1,000円)です。
  • PAGIBIG(バグイビグ):
    将来自分で家を建てるとき用の貯金として政府が毎月天引きしているものです。私は100ペソ(約200円)引かれています。
  • PHILHEALTH:
    政府管轄の医療保険制度。私は月550ペソ(約1,100円)引かれています。医療保険といっても、実際にはあまりあてにならないと言われているので、会社独自で企業用の医療保険に加入しているところがほとんどです。

給与の受け取り方法

カード

フィリピンで外国人として働くには、最初に登録しなければいけないものがいくつかあります。

一番大事なのは労働ビザですよね。私は労働ビザが取れるまでは、お給料は現金で支払われていました。というのも、本当は働いてはいけないからです。しかし、銀行を通さずに現金であれば給与の支払いをしてもいいというルールがあるようなので、ビザ発行までは現金払いでした。

労働ビザを申請してから発給されるまでには、かなり時間がかかります。会社や市によると聞きましたが、私の場合は約6ヶ月待ちました

労働ビザを取得し、正式に給与を受け取ってよいとなったときに、会社指定の銀行口座のATMカードを申請し、現在は給与は銀行振り込みという形で受け取っています。

フィリピンのボーナスは法律で決められている

プレゼント

フィリピンは信仰心が強い国で、特にカトリック教徒が多いです。そのため、クリスマスはかなり大きなイベントとなります。

そのような事情から、クリスマス前には従業員に必ずボーナスを支給しなければならないという国の規則があります。このボーナスは「13th Months Pay」と呼ばれ、1か月分の給与額が支給されます。

クリスマス前になるとこれを期待して、家族のためにクリスマスプレゼントを買う国民でデパートなどがごった返します。とても興味深い文化です。

フィリピンでの昇給と昇格は?

ノート

フィリピンの会社には年功序列という概念がなく、スキルや能力によって年齢に関係なく昇給または昇格することがとても多いです。マネージャーよりも部下の方が年齢が高かったり、CEOが若かったり、といったことはフィリピンではよくあります。

昇格や昇給については会社の従業員規定に詳しく明記されており、そのための評価制度もきちんと存在している会社がほとんどです。私の会社の場合は半年に1回、自己評価、チームメンバーからの評価、そして上司の評価を行う時期があります。

これに伴いCEOとの面接も半年に1回あります。この評価をもとにし、条件をクリアした場合は次の期から5%の昇給となります。

フィリピンで働いて貯金はできる?

貯金箱

フィリピン人は貯金をしません!というのも、貯金できるくらいの給料を受け取ることができていないからです。日本人はもちろん、生活するには十分な金額をいただいているので、貯金することが可能です。

フィリピンの安い物価のおかげで生活費が減り、私は日本で働いていたときよりも貯金をすることができています。

フィリピンの会社の福利厚生は?

協力

フィリピン人は英語が話せ、海外へ出稼ぎに行くという選択肢もあることから、少しでも給与が高い会社を見つけるとすぐに転職してしまうことがほとんどです。

大学を卒業して2年目のフィリピン人がもう既に4つの会社で働いた経験がある、なんてことは稀ではありません。そのため、会社はいかに従業員に長く働いてもらえるか日々頭を悩ませています。

結果、従業員にとってうれしい福利厚生を設けるという選択肢になるのですね。

民間医療保険への加入

先にも述べましたが、フィリピンの公的医療保険制度はしっかりしておらず、実際にはなかなか利用できません。そのため、企業は独自で民間の医療保険に入っています。

私の会社は「Maxicare(マキシケア)」という民間の医療保険に加入しています。日本人でも加入できます。

従業員一人ひとりにカードが配られ、体調が悪いときやけがをしたとき、病院でカードを見せるとキャッシュレスで診察を受けることができ、とても便利です。

社員旅行「アウティング」

雨季が終わり乾季、特に5月になると、従業員全員で旅行に行くことがあります。これはアウティングと呼ばれるもので、会社のチームワークを深めるために行われいます。いわば「社員旅行」ですね。

私たちは、今年は南のバタンガス地方のリゾートで一泊過ごしました。シュノーケリングやダイビング、チームビルディングのためのゲームなどでとても盛り上がりました。

クリスマスパーティは一大イベント!

クリスマス

一番大事なのはやはりクリスマスです。クリスマスパーティをしないフィリピンの会社はありません!フィリピンにある日系の会社がクリスマスパーティをやらなければ、従業員は辞めるでしょう。それくらい重要なのです。

大きなイベント会場を借りて、会社が決めたテーマでドレスアップし、ビュッフェ式で食事を楽しみ、カラオケ大会やビンゴ大会、表彰などで盛り上がる一大イベントです。

まとめ~楽しく長く働ける仕事環境

マニラ

フィリピンの会社は、従業員が楽しく長く勤められるように日々試行錯誤しているところが多いようです。

海外で働くということ自体がすでに刺激的ですが、フィリピンの会社には日本の会社にはないような面白い福利厚生やイベントがあってより楽しめます。

また、物価が安い点も魅力です。生活費がかからない分、貯金額が増えるので、お金の面でも有意義な生活を送ることができますよ。

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