「英語を学ぶために、カナダ留学を考えています。」キラキラした瞳でこう語ってくれる若者が、日本にはたくさんいますよね。その大半の人は恐らく、東部のトロントや西部のバンクーバーなど、大きな街をイメージしているかと思います。
カナダについて調べたことのある人でも、オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州以外のカナダの街について知識がある人は、それほど多くないでしょう。
今回は私の住む、カナダの真ん中にある州、サスカチュワンにあるサスカトゥーンと言う街について、治安・安全性と住み心地に注目してお伝えしてみたいと思います!
サスカトゥーンってどんな街?どこにあるの?
サスカチュワン州はアルバータ州とマニトバ州の間にあり、地理的にはカナダの中央部に位置します。
山や谷は少ない平地にあって、その地形を生かした農業が盛んです。
Land of the living skies と形容されるように、まるで生きているかのような雄大な空が頭上に広がる、自然が豊かな場所となっています。
カナダを横断するイエローヘッド・ハイウェイが通っているここサスカトゥーン市は、州の中で一番人口が多く、州都のレジャイナ市と一緒にツインヘッドとして機能しています。
街の中央には南サスカチュワン川が流れており、ここ数年でその川のあたりはずいぶん開発が進められています。
建築中の大規模なオフィス群に加え、昨年オープンしたばかりの美術館や子供向けの水遊び場、ランニングコースなども設けられていて、幅広い世代の人が楽しめるように工夫されています。
カナダ国内ランキング:サスカトゥーンは他の街に比べて危ない?
こちらは、Maclean’sというカナダ大手のニュース雑誌。
以下はその出版社が調査(https://www.macleans.ca/)して今年発表した、犯罪率を都市別にまとめて比較したデータです。
このランキングでは、サスカトゥーンは22位にランクインしています。
カナダ全土の、229の街の中で22番目に危ない……この数字から考えてもサスカトゥーンは安全だとはいいがたいようです。
詳細を見てみると、カナダの平均と比べて目だって多く検挙されているのが、
- 性犯罪率(104ポイントーカナダ平均は56ポイント)
- 盗難(138ポイントーカナダ平均は60ポイント)
- 詐欺(531ポイントーカナダ平均は299ポイント)
- 青少年犯罪(146ポイントーカナダ平均は16ポイント)
(データは人口10万人あたり、小数点以下切り捨て) となっています。
私自身このデータを見て正直驚きました。この数字を見ると、サスカトゥーンって危険!と思わざるを得ませんよね。ですが、ここには秘密があります。
サスカトゥーン、危ない場所は本当に危ないのですが、それ以外の場所はいたって平和なもの。盗難は町中起こり得ますが、大きな犯罪や事件が起こるのは、ある地域に固まっているんです。次はその、気を付けたほうがいい場所についてご紹介します。
サスカトゥーンの特に危ない地域は?
ある程度大きく発展している街ならどこでもあり得ることですが、サスカトゥーン市内にも治安が良くない場所、安全面で心配な地域があります。
写真は一番荒れている、ダウンタウンからすぐの20th street付近です。川を挟んで東部と西部に分かれていて、この3年くらいで東部は随分家も増築され、住む人が増えてきています。
一方で、西部は今ひとつ。
特にダウンタウンから数キロの辺りはホームレスやネイティブ(先住民族)の人たちが多く住んでいます。ネイティブは政府から補助金をもらって生活しているので、中には仕事につかず過度の飲酒や大麻などでトラブルを起こす人も多くいるとのこと。
この地域には質屋があって盗んだものが売り買いされていたり、大きなビンゴホールで博打が行われていたりします。
私が最初にワーキングホリデーでこの街に来た時には、色々な人に、この西の地域には絶対に立ち入らないように、と念を押されました。銃の発砲事件や空き巣被害など、ニュースで耳にする事件はたいていこの地域で起こっています。
ただ逆に考えると、この地域を避ければそれ以外はとても安全だということです。広い街で、避けたほうがいい地域はごく一部です。家を借りるときには、川の西側、アルファベット名の通り(Avenue P、Avenue Mなど)には気を付けたほうがいいでしょう。
家賃は安いですが、その裏にはこんな事情があるんです。
とっても不便なサスカトゥーンの公園
公衆トイレはありません
治安の関係で、サスカトゥーン市内の公園には大抵トイレがありません。プールや水遊び場がついた大きな公園は別ですが、普通の公園だと手洗い場も水飲み場もないんです。
写真の公園も、いつも鍵がかかっていて入れない倉庫のような建物はありますが、そこはお手洗いではないんです。公衆トイレのような建物は犯罪につながる可能性があるという意識から、こちらでは、警備員や監視員が常駐できる環境が必要と認識されています。
小さな子供を連れて遊びに行くときに、これは本当に不便! 我が家から一番近い公園は、夏期間のみトイレが使えます。
水遊びできるミニプールが解放され、市の職員が2人待機してプールの準備、水質管理(消毒)やイベント運営を毎日してくれるのです。その間はプール横にある建物が解放され、そこのトイレが使えるようになります。でも、それは7月と8月、わずか2か月のみ。春と秋は、アクセス可能なトイレはありません。
立ちションは罰金刑
さらに不便に輪をかけることがもう一つ。どうしても我慢できなくなった時に木の陰でこっそり……なんて子どももたまにはいるのですが、それは本来厳禁です。
もし運悪くおまわりさんに見つかってしまったら、親が罰金を払うはめに!変なところで取り締まりが厳しいなと思います。そんなわけで、オムツが外れたばかりの小さな幼児を公園に連れて行くときは、色々気を遣います。
外で用を足すのが違法なら、どこでもトイレを利用できるようにしておいてもらいたいものですが、そう簡単にはいかないようです。
サスカトゥーンでの盗難被害体験談
公園の利用以外にも、安全性について衝撃的なエピソードがあります。私たちが住んでいる地域は、古い家が多く昔ながらの街並みが大事にされており、人通りも多く割と安全だと言われています。
そんな我が家で、なんと夜中に車が盗まれるという事件がありました。
目が覚めたら、忽然と姿を消していた
家の裏にはフェンスがあって、そのフェンス越しに作ってある駐車スペースに毎日車を止めているのですが、朝起きたらなんと、そこに車はありませんでした。
慌てて警察に連絡をして、現場検証。見つかったら連絡します、と言われてその日は終わり、その後は警察から何も連絡がありませんでした。事件が起こったのは12月。
気温が‐20℃以下になるサスカトゥーンの冬。すぐに替えの車が必要だったので、ただ警察の捜査を待っているわけにもいかず、安い中古車を購入しました。それから一週間後、川の近くに乗り捨てられているのをたまたま発見……!
どうやってエンジンをかけたのかわかりませんが、鍵なしでスタートさせて、一晩暖をとるのに使われただけだったようです。トランクに積んであったベビーカーもそのまま無事に戻ってきて、ホッとしました。
ちなみに、戻ってきた盗難車は、その後Kijijiというフリーマーケットサイトで売りました。
盗みは少なくない
また、ガレージにしまってあった自転車が盗まれたこともあります。ガレージのドアノブが壊されて、自転車自体には鍵をかけていなかったので盗られてしまいました。安全だと言われている地域でもこんな盗難事件は珍しくないようです。
車上荒らしにあったという知人も結構います。気を抜けませんね。
どこなら安全?サスカトゥーンのここに住もう
色々と、怖くなるような話をしてしまいましたが、実際に住んでいてもそれほど治安が悪いと感じることはありませんので、ご心配なく!
最後に、この街に住むとしたらここが特におすすめ!という地域をご紹介しておきましょう。
Buena Vistaエリア
私が住んでいるBuena Vistaというエリアは、古い家が立ち並ぶ、街の中でも早くに開拓された地区で、大きな街路樹が美しく、住みやすい地域です。
Broadwayや8th streetというショッピング街にも近いですし、ダウンタウンからも徒歩20-25分ほど。
交通の便もよく、学校や公園もたくさんあり、街の中でも人気がある地域です。
Sask Crescentエリア
川沿いは大きな家がたくさん建っている、高級住宅街。ドラマや映画に出てきそうな街並みが広がる通りであるSask Crescentは、視線を逆に移すと美しいサウス・サスカチュワン川が広がっていて、眺めは最高です。
四季を通じてその表情を変える美しい景色を毎日楽しめるということで、お金持ちの一家がたくさん暮らしています。
Rosewood & Stonebridgeエリア
また、ここ数年の人口増加傾向に伴って、街のはずれの地域をどんどん開拓し家や学校を増やしているサスカトゥーン。
南側に新しく作られているコミュニティーRosewoodエリアや、Stonebridge地区は、建物や通りが新しくきれいで、若いファミリーがたくさん移り住んでいます。
ショッピングモールも多く、特に最近Rosewoodに大きなものがつくられていて、アメリカ系のMarshallsという大型のファッションストアが入ってきたとニュースになっていました。
車がないと、こういった町はずれの地域は多少不便があると思いますが、新規開拓で街もプランニングに力を入れているエリアなので、住みやすい印象があります。
まとめ
一日にパトカーを見ない日はないと断言できるほど、警察がしっかり見回りをしているサスカトゥーン。実際暮らしていて、危ない、怖いという思いをしたことはほとんどありません。
スタバでコーヒーを飲んでいるお巡りさんに会って少しおしゃべり、なんていうのも珍しくない光景です。たまに事件はありますが、とても住みやすく、環境もとてもいいこの街。
日本人は多く住んでいませんので、英語習得を目指して留学やワーホリを考えている人には、特におすすめです!
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