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カナダの祝日サンクスギビングとは?どんなことをするの?

カボチャ

2018年10月8日は、10月の第2月曜日でした。毎年この日は、Thanksgiving Day(サンクスギビング)という祝日です。日本人にはあまり馴染みのない名前のお祝い日かもしれませんが、カナダではこの祝日、クリスマスとイースターの次くらいにメジャーです。

カナダの人がどんな風にこの一日を過ごすのか、今日はお伝えしてみようと思います。1カナダドル=86.11円

目次

カナダのサンクスギビングとは

ホームパーティ

カナダとアメリカで日にちが違う

冒頭にも書きましたが、カナダのサンクスギビングは毎年10月の第2月曜日。8月末から徐々に寒くなってきて散り始めた木々の葉が、道路も芝生も黄色に覆ってしまう頃にやってくる祝日です。

ちなみに、同じ北米でもアメリカのサンクスギビングは11月の第4木曜日。イースターやクリスマスは同じ日に祝うのに、サンクスギビングは1ヵ月以上離れているんですね。

この日は学校も仕事も、みんなお休みです。土・日・月と、会社は3連休になります。学校は、その前の金曜日も1日休みになって、4連休になるところが多いです。

共働きの家は、この連休のために片方の親も1日仕事を休むか、子供を1日だけのデイキャンプと言われる託児プログラムに登録する必要があります。

何を祝うのか

こちら(https://www.timeanddate.com/)の、色々な祝日について紹介しているページにも、カナダのサンクスギビングについて詳しく載っています。ざっくり言うと、自然の恵みや周りの人たちに、感謝の気持ちを表しましょうという祝日です。

名前もThanks(感謝)をgiving(施す・与える)というわけですから、まさに文字通りですね。秋の収穫が終わった後、天の恵みに感謝する式典をする習慣は、16世紀のアメリカ大陸にもすでに根付いていたようです。

そこへやってきたヨーロッパからの開拓者たちは彼らの文化も北米に伝えます。その中の1つが「一大イベントが終わった後に感謝の気持ちを込めた祭りをする」というものでした。

助けてくれた人々や神様に対して、「ありがとうという気持ちを伝える」という趣旨は、ここで伝わってきたようです。

現在では、

  • 秋の収穫期に、自然の恵みを慈しむ
  • 普段からお世話になっている人に、感謝を伝える

という2つの意味を兼ねて、この祝日がお祝いされています。

何をするのか

サンクスギビングは、ずばり「みんなで集まって、飲んで食べてお喋りしよう」という、食を楽しむ祝日です。

ポットラック形式で、いろんな人が食べ物を持ち寄ることもありますし、ホストが1日かけて料理してくれたものをみんなでいただく、いうことが多いように思います。

来てくれてありがとう、招いてくれてありがとう、と食事ひとつとってもThank youが飛び交っているのが、この祝日です。

サンクスギビングといえばメインディッシュはこれ!

七面鳥

見てください。この迫力!

サンクスギビングの主役といっても過言ではないのが、こちらのTurkey(ターキー=七面鳥)です。半日かけてゆっくりと焼き上げます。

七面鳥

ホストが切り分けて、別のお皿にスライスされたお肉を盛りつけ、それをいただきます。写真でもわかるように、同じ1羽の肉でも、色味がずいぶん違います。胸・背中のあたりのお肉はホワイトミートといって、脂肪が少なく淡白な味です。

足の周りはダークミート。独特なフレーバーがあり、むね肉よりジューシーな分、カロリーも2割増し。どちらの方が体に良いのかと聞かれると、微妙なところです。カロリーでいえばホワイトミートを選びたいところですが、ダークミートは鉄分が豊富。どちらも少しずついただくのがベストですね!

なぜ七面鳥なのか

なぜ七面鳥を食べるのか、という理由は諸説あるのですが、有力なのはそのサイズと値段。1羽で家族全員おなかいっぱい食べられる、ということが大きいようです。そして七面鳥は、その大きさの割に値段はそれほど高くないんです。

この16パウンド(7キロ強)の鳥で、23カナダドルほど。意外に安いな、という感想ではないでしょうか。

今年のサンクスギビングは、私の家族6人、義姉家族4人、義父母の計12人でワイワイお祝いしたのですが、この七面鳥、みんなたっぷり堪能した後でも、半分くらいは残っていました。残ったお肉は翌日にはサンドイッチの具材になったり、スープになったりと、1週間くらいかけて色々な料理に使われます。

他に、七面鳥は北米原産の生き物で、そのためこのお祝いの時に感謝していただくという習わしになったという説もあります。

サンクスギビングその他定番のメニュー

料理

こんな感じで、みんな大皿にたっぷり好きなものをよそっていただきます。各家庭でもちろん違いはあるのですが、定番アイテムをいくつか紹介してみましょう。

スタッフィング

詰め物、という意味のこの料理は、パンと玉ねぎ・セロリなどの香味野菜をハーブとチキンブイヨンで和えて、七面鳥のお腹に詰めて焼いたもの。

焼いている間に七面鳥から出る脂が加わることで一層香りもよく、おいしくなります。

マッシュポテト

バターたっぷりでクリーミーなマッシュポテトは、七面鳥にもよく合います。

クランベリーソース

クランベリーソース

これはクランベリーを使って作った、チャツネのようなソースです。ジャムのように見えますが、具材がもっとゴロゴロした形で入っているのが特徴です。写真のものは手作りですが、お店で缶詰めになっているものを買う家庭も多いです。

カナダでは、これを七面鳥のお肉に添えていただきます。これが、相性抜群!風味は甘酸っぱく、ぱさっとしがちな七面鳥のホワイトミートもこれと一緒に食べるとしっとりおいしく食べられるんですよ。

グレービー

全体にかかっている茶色のソース、グレービーは、七面鳥を焼いたポットの中にたまっている脂に小麦粉とチキンのスープベースを混ぜて作ったもの。ベースは脂なので、カロリーは相当ありそうです。

でもこのグレービー、マッシュポテトやスタッフィング、お肉をうまくまとめてくれる、いい仕事をするんです。ちなみにこちらでは、ローストビーフやローストポークでも、同じように調理中に出てくる脂を使ってグレービーを作ります。

他にも、キャセロールという耐熱皿を使ってソースを絡めた野菜や肉などをオーブンで焼いた料理や、根菜をグリルしたものなども、よくサンクスギビングの食卓に登場します。

そして食後のデザートはこちら。

パンプキンパイ

パンプキンパイです。

日本のカボチャと違って、実はオレンジ色のカボチャを使って作ります

生クリームや卵のベースに、シナモンやナツメグなどのスパイスが効いていて、甘すぎず美味しいですよ。ホイップクリームかバニラアイスクリームを添えていただきます。

豪華ディナーを作る!サンクスギビング1日の流れは

野菜

さて、こんなごちそうを作る1日。どのように準備したらよいのでしょうか。主婦目線で、料理に注目して1日を追ってみましょう。

3日前

七面鳥は内臓をきれいにした後に冷凍された状態で売られています。まるまる3日かけて、冷蔵庫の中でゆっくり解凍しておきます。

前日

キャセロールやスタッフィングに入れる野菜は、前の日にカットしておくと手間が大分省けます。デザートのパイも前日までには作ってしまう人が多いです。

当日午前中

いよいよ本番です。スタッフィングを作り、七面鳥のお腹に詰めます。入れ終わってパンパンになったら、いよいよ七面鳥の丸焼きです。深めの耐熱皿にワイヤーラックを入れ、その上に鳥を載せてオーブンへ。

レシピによって多少差はありますが、1パウンドあたり13~20分に、スタッフィングを詰めた場合はさらに15分を加算した合計の時間分、190度のオーブンでじっくり焼かれます。

今年私たちが食べたのは16パウンドだったので、長めのレシピに合わせて計算すると、5時間35分。焼きあがってから少し休ませたりする時間も考え、10時くらいにオーブンへ。タイマーをセットしたらあとは待つだけです。その間に、他の料理を準備します。

当日午後

キャセロールの準備などはこのあたりで始めます。マッシュポテト用の芋の皮むきとボイルは、午後3時過ぎには始めたいところ。付け合わせやクランベリーソースなどを小さなボールに用意するのもお忘れなく。

キャセロール類は七面鳥の焼き上がり1時間くらい前にオーブンの端に入れておけば、ちょうどいい頃合いで火が通ります。

温度計で内部まで火が完全に通っているのを確認して、七面鳥をオーブンから出した後は、バタバタです。

水分が逃げないように、アルミホイルで全体を覆ったまま少し休ませてから、スタッフィングを取り出して切り分けます。同時に、グレービー作りも!

キャセロールも焦げないように気を付けつつ、テーブルセットをし、切り分けた七面鳥と他のディッシュを並べたら、これでやっと完成です。

「Happy Thanksgiving!」と、みんなで乾杯して、豪華なディナーを楽しみましょう。

まとめ

サンクスギビングは、日ごろの感謝の気持ちを伝えあうという、とても素敵な1日です。日本にはない祝日ですが、礼に始まり礼に終わる、という日本の武道の精神にもわかるように、日本人は感謝の気持ちをとても大切にする国民ですから、この祝日は割と身近に感じられるかもしれませんね。

準備は色々大変ですが、家族や友人と食卓を囲んで、一生懸命焼いた七面鳥をみんなで食べるというのは、とても喜ばしいもの。カナダに来ることがあれば、ぜひ楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

カナダ・サスカトゥーン市在住。カナダでカフェのバリスタ、和食レストランでウエイトレス、日本語教師をしています。
2年間のカナダ留学経験。

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