カナダの家というと、どのようなイメージを思い浮かべますか?カナダは広いので、都心部の住宅事情と田舎のそれとでは全然違ってきます。
カナダが舞台となった物語で有名な赤毛のアンは、同じカナダでも東部のプリンスエドワードアイランドが舞台です。西側のバンクーバーは都会で、気候も割と東京と似ています。この2か所を比べても、違いはたくさんあります。
今日はその真ん中、カナダ中部に位置するサスカチュワン州に住む筆者が、家の購入の流れや、どんな家なのか、また日本の家との違いについて紹介します。
カナダ・サスカトゥーンとは
サスカトゥーンとは、サスカチュワン州の中央部にある都市です。サスカチュワン州とはロッキー山脈で有名なアルバータ州の隣に位置しており、地図上では左から三つ目の州です。サスカトゥーンは、この州の中で一番人口が多い街で、約25万人が暮らしています。
街の真ん中を流れるサウス・サスカチュワン川が美しく、市内は公園や池などが点在する、緑の多い街です。 決して都会ではありませんが、十分なエンターテインメントも楽しめる場所で、街に5つあるショッピングモールの他、最近完成した大きな美術館や、大型の映画館、室内ゴーカート場など、色々な施設があるのが嬉しいです。
大きな川の周辺は近年どんどん開発が進んできており、川の景観を生かして自然と住人を強く結び付けようと市が工夫を凝らしています。川の脇はわたしがよく走るランニングコースやテニスコート、子供の水遊び場など、体を動かして楽しめる施設がたくさんあります。
カナダでマイホーム(一軒家)購入までの流れ
今住んでいる我が家を購入したのは、9年前です。当時は、夫婦に1歳の赤ちゃんという小さな家族だったのですが、その時に住んでいたアパートがあまりに小さく、二人目の子供が生まれたらもう無理だね、と旦那と話していました。
でも当時は家の値段が高騰中。シングルインカムだった我が家はとてもじゃないけど一戸建てなんて買えない、と思っていたのです。そこに知り合いの不動産屋から朗報が舞い込んできました。とてもいい立地条件の家が売りに出たよ、おたくの予算でも買えそうだけど、見に来てみる?と連絡が来たのです。
旦那がすぐ覗いてみたところ、リノベーションをされたばかりで状態もよく、惚れてしまって即決。淡い黄色がかわいらしい、こじんまりした一軒家で、「大草原の小さな家」を彷彿とさせるその佇まいが私も大好きです。早速住宅ローンを組んで、貧乏暮らしが始まりました。
カナダでマイホーム(一軒家)購入を決めたワケとは
大きな理由は、その立地条件でした。
通りのデザイン
家の前の歩道が車道に直接面しておらず、子どもにとって危なくない作りになっているのが、気に入った理由の1つ目です。我が家は大きな通りに面しているので、車通りもなかなか多い場所。
でも、歩道と車道の間には幅2メートル位の芝生が横たわり、大きな木々も植えられていて、しっかり見ていれば子供が飛び出して車にひかれてしまう危険はまずありません。
緑に囲まれた環境
次は、景観です。私たちの住むBuena Vistaエリアは、歴史のある地域です。木々も年月を重ね、どっしりした趣のあるものがたくさん植えられています。緑が多いって、やはり大事ですよね。
公園や通りに植えられている常緑樹は冬でも葉を落とさないので、厳しい寒さの中でも枯れ果てた印象にならないのも、素敵だなと思います。
広い裏庭
庭がしっかり大きくとられていて、小さな子が遊ぶための遊具を設置したりするスペースも確保できていたことも大きな理由です。下の子供が生まれたばかりであまり出歩けないような時期も、上の兄弟は楽しそうに裏庭で走り回って遊んでくれました。
天気が不安定で公園まで行ってもすぐ帰ってこなきゃいけないかも……なんていうときも、ドア一枚で家の中に入れる場所なら、いくらでも遊ばせられます。最初はなかったのですが、家庭菜園に憧れていた私たちは、芝生の一部を畑に変えてしまいました。 毎年色々植えて楽しんでいます。
利便性と環境の良さ
街の大通りである8th streetに近く、ショッピングや飲食店が軒を連ねるBroadwayからも徒歩15分くらいと、便利な場所だったことも理由です。住んでいる人も、昔からここが大好きでずっと暮らしている人が多く、おしゃべり好きなおじいちゃんおばあちゃんにもよく出会います。
小学校、高校も近くにあり、公園もたくさんと、育児世代の家庭にはパーフェクトな場所でした。
広さは、618スクエアフィート。日本の単位に換算すると、17.3坪ほどです。カナダと言うと広々した家のイメージがあったかもしれませんが、我が家に限って言えば、実はとっても狭いんです……!!
家は改装して広くできますが、土地は動かせませんよね。場所に惚れ込んでこの家に決めた、という感じでした。
カナダでマイホーム(一軒家)購入すると価格はいくら?
購入した年前は不動産関係が一気にヒートアップしている時でした。バイヤーにとってベストなタイミングではなかったのですが、この物件を逃すともう引っ越しはできないかも、ということで決行しました。
私たちが買ったのはその時の値段で、198,000CAD。日本円で2,000万くらいです。驚くことになんと我が家、当時で築79年……!!こんな小さな古い家でも、これだけの値段で売り買いされていました。この地域は地震がないのも手伝って、家が長持ちするようです。
35年払いのローンを組んで(笑)毎月の返済が始まりました。今では規定が変わり、ローンの最長が30年になったそうです。ローンの毎月の支払額は、家を借りるよりも安かったりするんですよ。同じような物件を借りる場合は、月々1200-1500CADの支払いになりますが、私たちのローンの支払いは月に$850CADほどです。
だったら持ち家を!と思う人もたくさんいます。
ただ、家を所有すると、住宅税を払うことになったり、何か設備に不調があると自分で直さなくてはならなかったりするので、ある程度の出費も、追加されることは確かです。
カナダのマイホーム(一軒家)の間取りは?
こちらでは家を探すとき、日本と同じようにウェブサイトなどで検索できるのですが、間取りは実際に行ってみないと分かりません。外観と部屋ごとの写真はサイトで確認できるので、それで気に入った家を見に行くという感じになります。
我が家はフロントドアを開けるとすぐリビング、キッチンエリアまで一つの大きな部屋です。南向きの大きな窓から、柔らかな光が射しこみます。キッチンは大きくはないですが、大きなオーブンが下についている調理台は使いやすく、ピザやケーキも簡単に焼けちゃいます。
家族が多い我が家でもたくさん収納できる大型冷蔵庫も便利です。
家の西側にベッドルームが2部屋、その間にバスルームがあります。
※子供部屋
※バスルーム
我が家は子供が4人いて、上の二人が二段ベッドを使っています。北側に、裏庭に出るドアがあって、そこから階段が地下へのびています。
※地下の部屋
洗濯部屋と、ボイラーなどのある部屋があって、あとは一つの大きな部屋になっています。地下は子供たちが騒いだり走り回ったり、電車のレールやレゴを一面にまき散らしたり、とワイルドに遊んでもOKな自由スペースにしています。
ワラジムシやクモが出たりするのがたまにきずです。家の中はこのような感じで、広くはありませんが逆に言えばみんなが近くに感じられる作りです。小さい子供がいる環境では、急な病気の時や夜泣きをしたときなど、すぐに対応できるのですごく便利です。
カナダと日本の家の違い
広々とした庭
裏庭は広くて、トマトやズッキーニなどを育てたりもしています。冬には一面雪が積もるので、シャベルで通路を作ってそりを引っ張って遊ぶサーキットにも変身します。
子どもが遊べる遊具を設置したりしても、まだスペースがあるのはとっても便利です。
庭の真ん中にはキャンプファイヤーができるファイヤーピットがあって、薪をくべて火を起こし、友達を呼んでバーベキューを楽しんだりもできます。
大型の乾燥機
またこちらの家でとっても気に行っているのが、洗濯機と一緒に必ずと言っていいほど置いてある、乾燥機です!
家族が多いと洗濯の回数も増えるので、みんなの分を手で干すのは本当に大変です。場所も取ります。このような大型の乾燥機が自宅にあれば、洗濯後全部放り込んで乾燥させられますので、あとはたたむだけ!乾燥機なしではもう暮らせません。
オーブン付き調理台
そしてこちらの、毎日お世話になっている、調理台。
グラストップの、電磁調理パネルがメインの調理に使われる部分で、取っ手を引くと大きなオーブンがあります。このオーブン、シフォンケーキの型も、大きなピザも、七面鳥の丸焼きだってまるまる入るので、本当に重宝します。
日本の電子レンジにもオーブン機能はありますが、このサイズに慣れてしまうと戻れません。
持ち家ならではのトラブル
持ち家ですので、何かあったときには自分たちで対処しなくてはいけません。家の設備に不具合があったときはもちろんですが、以下のような問題もありました。
ポタポタ水漏れ
パイプの水漏れなどは、自分たちではどうしようもないので業者を呼ぶのですが、費用が何万とかかるので痛い出費です。今年の夏には、古いセラミックだった地下の配管をプラスチックのものにすべて替えるという工事をしました。
この地域は古くて大きい樹がたくさん生えているので、その根が家の下に埋まっている下水の配管に侵入してくることも!パイプのつなぎ目から木の根が入り込んでくると、トイレを流したり、お風呂の水を流したりするときに、流れが悪くなり、いずれは汚水が逆流してくることになります。
その場合は急いで、Roto Rooterという配管清掃業者を呼んで、根っこを取り除いてもらいます。
野ねずみの冬ごもり
秋口には、朝晩急に冷えてくるので、あたたかな住処を求めてネズミが家に入ってきたりもします。ドアから隙を見て入ってくる場合もあるし、地下などの小さな隙間にうまいこと抜け道を作って、そこから侵入してくることも。
我が家は、越してきてから数年間はネズミに悩まされました。
地下のボイラー室の壁に少し隙間があって、そこから入ってきていたのですが、それを見つけるまでずいぶんかかってしまいました。数年前にその穴をふさいでからは、ネズミに不安を覚えることもなく、平和に過ごしています。
まとめ
日本の家とは色々違いがありますが、サスカチュワンの家と風土は日本人にも好まれることが多く、とても住みやすい環境です。条件はあるものの、ハウスオーナーになるのもそれほど難しいことではありません。
借家はあくまで他人の家。どこまで自分たちの色に染めて良いかというと、やはりそこには制限があります。
家を買ったことで負担が増えた部分はありますが、子供が汚したり壊したりするのではと気を揉むこともないですし、のびのびと好きなように暮らせることを考えると、やはり購入してよかったと思います。
カナダ移住を考えている方の参考になれば嬉しいです!
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