イタリア・ミラノは海外旅行で人気の街です。またイタリアの中では1番、日本人が暮らしやすい街でもあります。しかし決して治安がいい場所ではありません。
日本人を狙ったスリやひったくり、ぼったくりなどの犯罪は、イタリアに住んでいるなら誰もが経験しているほど頻繁に起きています。
また強姦や強盗など、命の危険を感じるような犯罪が起きていることも事実です。今回はミラノで犯罪に巻き込まれないための対策を、エピソードを交えつつご紹介します。
ミラノで交通機関を利用する前に注意すること
スリに合わないために貴重品を確認する
交通機関を利用する前に確認しなければいけないことは、「貴重品が盗られにくい場所にあるか」ということです。
交通機関で起きる犯罪は、スリです。日本人を狙うスリが多いのは、中央駅やロレート、カドルナなど、利用する人が多い駅です。わたしたちが利用する駅にはたいていスリがいると思ってください。彼らもプロですから、スリ対策をしていない人を一瞬で見分けることができます。
対策
対策としてはまず、きちんと閉められるカバンで行動しましょう。わたしはきちんと閉められないカバンをミラノで使っていません。カバンを買う時はいつも「きちんと閉められるかどうか」に注意して選んでいるほどです。交通機関を利用する前には、カバンがきちんと閉まっているかを確認しています。
またポケットに貴重品が入っていないか、ということも確認しています。ポケットに手を入れられて盗られることもあるからです。男性にありがちなことで、やってはいけないことは、後ろポケットに財布を入れることです。簡単に盗られます。
切符を買う時に近づいて来る怪しい人に警戒する
交通機関を利用する前に注意することは、「切符を買う時に近づいて来る怪しい人に警戒をすること」です。怪しい人に近づかないなんて当たり前のこと、と思われるかもしれません。
しかし怪しい人に付いて行く日本人を見かけたことがありますし、捕まってお金を騙し取られている人もたくさんいます。
危ない人の特徴
危ない人はたいてい見た目で判断できます。近づいてくる人がいたら上から下まで見てください。清潔感がありおしゃれな普通の人でしたら、純粋にあなたのことを助けたいと思ってくれた人でしょう。見た目でちょっとヤバそう、と感じたらその人は危ない人です。
手口
交通機関の切符を買う時に話しかけてくる怪しい人は、券売機でチケットの買い方を教えてあげる、と言って近づいて来ます。彼らの手口は、チケットを買っている間にカバンから貴重品を抜いたり、お釣りを横取りしたりすることです。
その場合の対策としてわたしは、怪しい人がいる券売機では買いません。たいてい券売機はいくつか並んでいるので、誰もいない券売機で切符を購入するようにしています。購入時も周りには注意を払って、怪しい人が近づいて来ないか確認しながら操作します。
もし怪しい人が来たなら、カバンを握りしめて「NO!(ノ!)」とはっきり言えば、たいてい引き下がってくれます。
切符の買い方がわからなかったら
中央駅では駅員が券売機に立っているようになったので、買い方がわからなかったら駅員に聞きましょう。駅員は制服を着ているのですぐわかります。駅員もおらず買い方もわからない場合は、おしゃれなイケメンイタリア人を捕まえて聞いてください。
交通機関を利用する前に周りの状況を確認する
交通機関を利用する前に注意することの他の点は、「周りの状況を確認すること」です。移動中に、ついスマホに集中してしまったり、おしゃべりに夢中になってしまうことがあると思います。
また大きなスーツケースを運んでいるとそれに集中してしまって、貴重品の入った小さいバックに意識がいかなくなったり、周りの状況が見えなくなることがあります。
スリが狙うポイント
スリはそれをよく見ています。スリが狙うポイントは、地下鉄に乗り込む時や、上りのエスカレーター、階段です。わたしは、特にこのポイントでは周りを見回すようにしています。
「周りにスリ集団がいないか?混んでいないのにやたら近くにいる人はいないか?いきなり前の人がしゃがみこんだりしないか?後をつけられていないか?」といった点に気をつけて確認しています。
わたしの友人は地下鉄に乗り込む時、スマホでメッセージを返していたんだそうです。仕事の急ぎのメッセージだったので、それに集中しながら地下鉄に乗り込もうとすると、あまり混んでいないのに前の女性がふと立ち止まります。
あれ?と思った時には後ろからスリの女の子達に取り囲まれました。すぐにヤバイ!と思い慌てて振り払って逃げたので、今回は盗られなくてすんだ、と言っていました。
挟み撃ちにして取り囲み、貴重品を奪うのはスリ集団のよくやる手です。あれ?と思うことがあったら、カバンと貴重品を抱きしめてすぐにその場を去ってください。
ミラノで交通機関を利用中に注意すること
カバンの持ち方
交通機関を利用中に注意することは、カバンの持ち方です。カバンがしっかり閉まっているかを再確認し、必ず前に抱き込むように持ちましょう。間違っても後ろにしてはいけません。
わたしは便利なリュックを普段使っていますが、実はリュックは狙われやすいんです。後ろに背負っていると、簡単に開けられてしまいます。それで移動中は、前で背負うようにしています。
少しかっこ悪いかもしれませんが、大切な貴重品を盗られるよりずっといいですよね。
交通機関内での立ち位置
そして立ち位置ですが、地下鉄ではドア付近に立っているとスリに合う確率が上がるようです。追いかけられないように、ドアが閉まる直前にパッと物を盗って逃げるからです。
携帯電話・スマートフォンは移動中に地図を見たり、予定を確認したりするために便利な道具です。しかしスリに狙われる持ち物でもあります。地下鉄のドア付近でスマホを触る時は注意してください。
わたしは地下鉄に乗る時は、なるべく奥に入るようにしています。また、ほぼ100%安全なのは座った時です。席が空いたらできるだけ座っています。ただ、妊婦が混ざったスリ集団もいます。
妊婦だから席を代わって欲しいと言い、立ち上がらせて集団で取り囲んで貴重品を奪う、という手口もあるようです。そのような場合には他の車両などに逃げてください。
ミラノの店やレストランで注意すること
やってはいけないこと
店やレストランで注意しなければいけない理由は、そのような場所にも泥棒が入ってくるからです。誰もが入れる、人の出入りが多いレストランやテラス席では特に注意してください。
隣の空いた席に貴重品の入ったカバンを置いておくこと、椅子の背もたれに掛けておくこと、床に置くことは、やってはいけません。視線をずらした一瞬の隙に無くなっているでしょう。カバンで席取りは論外です。
対策
わたしの対策としては、貴重品の入ったカバンは食事中も膝の上に置き、手を離さないようにしています。
バールでお茶をする時、テーブルの上にスマホを置くこともありますよね。お店の人ではない、知らない人に声をかけられたら注意しましょう。下に何か落ちているなどと言ってスマホから目を反らさせ、盗る方法があるようです。
また、お金をくださいと言って近づいてくるジプシーにも気をつけてください。さりげなくスマホの上に新聞などを置いて、スマホを盗っていきます。
レストランや店での会計では、値段があっているか、もらったお釣りが正確かを確かめるようにしています。お釣りのごまかしがよくあるからです。そして財布は店を出る前にカバンの奥にしまうようにしています。
ミラノの観光地周辺を歩く時に注意すること
気をつけるべき理由
観光地周辺を歩く時に注意することは、「ミサンガ売りや鳩の餌売り、浮浪者に気をつけること」です。ミサンガ売りは、ミサンガを「フリー、フリー」と言って肩に乗せてきたり腕に巻いてきたりします。
腕に巻きつけ外せなくなった状態で、取り囲まれお金を請求されます。50ユーロ払わされた日本人もいるそうです。
わたしは以前スフォルツェスコ城周辺を歩いていた時、ミサンガ売りから肩にミサンガを乗せられました。いらないと返そうとしても「フリーだからあげるよ!」言われ、相手にとっては大切な商品だと思うと振り落とすこともできず、フリーだという言葉を信じて貰うことにしました。
そのまま城の周りを散策し、周りに人気がない場所を歩いている時、ミサンガ売りがずっと後をついてきていることに気がつきました。ミサンガは彼らの収入源ですから、フリーな訳がありません。半泣きで訴えると無事タダでミサンガを返すことができました。幸いわたしは運が良かったようです。
対策
対策としては、まずミサンガ売りに近づかないでください。そしてミサンガを絶対に受け取ってはいけません。肩に乗せられたものは払い落としてください。腕に巻き付けられる前に振り払ってください。
もし巻き付けられてしまったなら、警察を呼ぶと言いましょう。大聖堂などの観光地は警察がパトロールしています。この時、絶対に財布を出してはいけません。
また、浮浪者などからお金を要求された時、財布の中身を見せて「お金持っていないアピール」をすることは絶対にやめてください。以前お会いした人で、そのような行動を取った人がいました。もちろん浮浪者は財布からお金を抜き取って逃げたそうです。
ミラノで夜遅くに家に帰る時に注意すること
ひとり歩きを避ける
夜遅くに家に帰る時に注意することは、「夜道のひとり歩きを避けること」です。ミラノではスリだけではなく、強盗や強姦も残念ながら多発しています。夜遅く帰ることになったら、友人と一緒に帰れるようオーガナイズしたり、車で送ってもらえるよう頼んでみるなどの対策を取って、絶対にひとり歩きは避けてください。
人に迷惑をかけたくないから頼めない、と考えるかもしれません。わたしもそう考えることがあります。しかし、イタリア人は女性1人で帰ることも、女性を1人で帰らせることも絶対にしないこと、そして自分の身に何か起こってしまうことほうが相手にとっての迷惑だと考えるようにしています。
身の安全が何よりも大切ですからね。
1人で帰る場合
しかしミラノで生活していると、どうしても1人で帰らなければいけないことがあります。その場合は、人気のある場所を選んで帰っています。できるだけバスや地下鉄などの公共の乗り物を活用し、バスを待つ場合は、人がいる明るい場所のバス停を選んでいます。歩く距離をできるだけ短くし、トンネルなどの危ないと言われている場所は絶対に通らないようにしています。交通機関を利用すると遠回りになり時間が掛かるとしても、安全な方を選択して帰ることを心がけています。
ミラノでの注意点
自分は大丈夫だと思わない
ミラノでの犯罪対策で大切な点は「自分は大丈夫だと思わないこと」です。旅慣れている人ほど狙われますし、生活に慣れてきた時期が1番危険です。実際、ミラノに住んでいる日本人の多くは被害にあっています。
以前わたしの友人がミラノに遊びに来てくれました。友人はとてものんびりした人だったので、スリに狙われるに違いないと思いました。それでわたしは移動中、ずっと友人に気を配っていたのです。
しかし結局狙われたのはわたしの方でした。友人に気を配るあまり自分の荷物がおろそかになっていたのを、スリは見て取ったのでしょう。彼らは「自分は大丈夫」と思って気が散っている人を見分け、ターゲットにします。
まとめ
長々と脅すようなことを書きましたが、ミラノで1番してはいけないことは「警戒しすぎて自分の殻に閉じこもること」です。海外旅行・海外生活の醍醐味は、自分とは違う文化、価値観、人種に触れることではないでしょうか。警戒しすぎてその全てを遮断してしまっては、その醍醐味を味わうことはできません。
イタリア人は好奇心旺盛で、困っている人を放っておけない親切な人達です。誰かが券売機の前で立ち尽くしているのを見た時、地図を広げて悩んでいる時、重いスーツケースを一生懸命運んでいる時、声をかけ手を差し伸べるに違いありません。警戒のしすぎでその優しさを断るのは、とてももったいないことです。
危ない人は見た目で判断できます。周りをよく観察して、見た目が怪しい人を避けるだけでも十分な対策になります。優しい人との出会いを切り捨てることがありませんように。
また、どんなに警戒に警戒を重ねても、残念ながら盗られる時は盗られます。腹が立ちますが、勉強料だと思って諦めてください。命に関わるものでなければ、多少のトラブルがあった方が旅の話は盛り上がりますからね。
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